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第一部 宰相家の居候
229 カウンター越しの攻防
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※1日複数話更新です。お気を付け下さい。
ふと気が付けば、ものすごい涙目のシーグと視線が合った。
早くあの場を何とかしてくれと言う……無言の「懇願」だ。
とりあえずイザクに視線を向けると、意図を察してくれたのか、首を伸ばすようにして、受け渡し口の向こうに顔を向けていた。
「……まあ、今なら地面に転がってるから、ある意味良いのかも知れないな」
そう言いながら片手を上げているところを見ると、ルヴェックあたりが起こそうとしたのを止めたのかも知れない。
それに合わせるように、私も受け渡し口越しにひょいと顔を出した。
「はーい、そこのお兄さんにシーグの話をしたのは私だよー」
それから、わざと軽薄な風を装って、ヒラヒラと片手を振ってみた。
「⁉」
少年を片足で踏みつけた恰好のファルコが、片手で額を覆って、ルヴェックは苦笑未満の表情を見せている。
ただ、そんな二人の様子には気が付かないようで、リック少年は弾かれた様に顔を上げて、頭だけをこちらへと傾けた。
「初めまして。痛くもない腹を探られかけた〝聖女の姉〟です。まあ『シーグリック・アルビレオ』の真の姿を知っているのは、私の特殊能力とでも思ってくれれば」
ほら〝聖女の姉〟だし?と私がわざと笑えば、親の仇にでも会ったかの様な、殺気のこもった視線が返ってきた。
ああ、うん、今のシーグは軽く変装させているけど、やっぱり容貌は双子だと納得させられてしまう。
「ねえ、それだけ暴れてるってコトは、アンジェスの王宮でシーグが見せしめに殺された――的な情報が入ってるのかな?」
「……っ」
返事の代わりに、リックが悔しげに唇を噛みしめた。
「忌み嫌われがちな〝双子〟だけど、リックはそんな事ないんだ?ちゃんと、片割れに兄妹としての情はあるんだ?」
「当たり前だろう、兄妹だぞ⁉」
「いや、まあ、世の中当たり前じゃない事もたくさんあるしね……」
どうやらリックお兄ちゃんはちょっとしたシスコンらしい。
人差し指で頬をかきながら、私は「はは…」と乾いた笑いを洩らした。
「まあ、いいや。ところでリック、アナタ、エドベリ王子助ける気ってある?」
「は⁉何言ってる、今、シーグの話を――助ける?」
受け渡し口に肘をついて、私がジッとリックを見つめていると、彼も「何か」あると察したんだろう。
殺気や苛立ちを抑えるように、口を閉ざした。
「うん、ちゃんと冷静な部分があってよろしい。そう、助けるって言ったけど?」
「何からだよ。殿下は今、特に何も――」
「いやいや。シャルリーヌ・ベクレル伯爵令嬢は隣国に行ったっきりだし、アンジェス国の宰相に、ギーレンの王族に連なると言う栄誉?を与えようとしても手酷く拒絶されるし、今、計画がことごとく上手くいかなくて、挙句他国の宰相を誘拐するとか、正気を疑われるレベルの計画を立てるくらいに困り果ててるのは間違いないでしょ」
「な…っ」
「直接言われてなかったかも知れないけど、命令を幾つも受けていれば、察せられるコトってあるよね?」
敢えてニコニコ微笑いながら聞いてみると、リック少年は明らかに動揺して、口をはくはくとさせていた。
そっか。まだ、暗殺者になりきれていない部分があるんだね。
アンジェスでも〝蘇芳戦記〟のイベントは、まだ起きていないところが多かったし、リックの将来を考えれば、手遅れじゃなかったってコトで良いのかな。
「知ってる?今ね、王子と陛下、孤立しかかってるんだよ。国の外からも、内側からも」
「⁉」
私の隣りでシーグも肩を揺らしてるけど、うん、もうちょっと大人しくしててね?
「宰相寄越せって言われてアンジェスが機嫌損ねてるのは言わずもがなだけど、内側にしたって、新しい王族の椅子を用意する事って、その人に恩を売っているようで、実はエドベリ王子の敵対勢力にとっても良い御輿になっちゃうんだよね。で、それに気が付いたご正妃様と第二夫人は二人仲良く宰相引き込み反対の立場に回った」
「え……」
「もし王子と陛下が『女に何が出来る』とか『社交だけしていれば良い』とか、そんな風に考えていそうだったら、全力で止めた方が良いよ。何しろご正妃様は事実上の筆頭公爵家であるラハデ公爵家を今でも思うがままに動かせるし、第二夫人も実家を敵に回したら、国内の香辛料の流通が崩壊しかねない。私なら絶対に、敵に回さないよ」
既に裏で接触をしていると知られると面倒なので、ここはエヴェリーナ妃の名前も、コニー夫人の名前も出さずにおく。
公式の通りに「ご正妃様」「第二夫人」だ。
「と…止めるったって……」
技術以外の部分は、恐らくはまだ未成熟だろうリックも、シーグと同じように動揺しはじめていた。
さっきから「寝返れ」とも「殺せ」とも言わない私に、明らかに戸惑っている。
「うん。そんなに難しいコトじゃないよ?ただ、宰相閣下をアンジェスに帰国させれば良いだけだから。そうすれば、国際問題も未然に防げるし、国内貴族の分裂も防げるからね」
「こ…このまま諦めて殿下の所へ戻れと……?」
「うーんと……そうとも、違うとも言えるかな。だってどうせ今のままじゃ、王子サマ、折れないでしょ。明確なきっかけがないと無理だと思うよ?」
「ぐっ……不敬な……何が王子サマだ……」
そう呟きながらも、エドベリ王子が折れないだろう事は想像出来るのか、思ったよりも反発が少ない。
「ねえ、リックは今、巷で話題の恋愛小説の話って、知ってる?」
は?…とは答えたものの、すぐにそれが何の話かは思い至ったらしい。
「あの……近々書籍が出るとかって言う、ふざけた名付けがされた話かよ……」
「そうそう。やっぱ一字違いじゃ、側近の人たちだって、見て見ぬふりって出来ないよね」
だから何だとでも言いたげに、リックの表情が険しく歪む。
「あのね。あの話の通りに、宰相閣下には王宮の〝転移扉〟からアンジェスに戻って貰おうと思うの。そうすれば、あの話の流れに逆らった時点で、自分の評判が落ちるから、王子サマも計画を諦めざるを得ないでしょう?」
「何言ってんだ。駆け落ちの相手とか、王宮にどうやって潜り込むとか、不都合満載じゃないか。適当なコトを言って、こっちを殿下暗殺の裏切り者にでも仕立て上げる気か⁉」
「いやいや、それこそまさか!だったら何のためにわざわざこうやって、洗脳も拷問も殺しもしないで、声をかけてるんだって話じゃない」
…ひでぇ言い様だなオイ、と言うファルコの呟きは無視です無視。
あ、ごめん。それより隣りでシーグの表情がちょっと痙攣っちゃった。
「要はリックには『宰相閣下を攫うのに成功した』ってコトにして貰って、イルヴァスティ子爵令嬢とその母親と、ついでに陛下を王宮からバシュラールまで連れ出して欲しいのよ。それさえこなしてくれれば、後はどうしようとリックの自由」
私が人差し指を立てながら「それだけ。簡単でしょ?」と笑うと、リックは「何言ってんだ」とばかりに、こちらを向いて噛みついてきた。
「……今の話、殿下が抜けてる」
「あ、それはこっちに任せて」
「ふざけんな。殿下を殺さない保証ってどこにあんだよ」
「大丈夫だって。こっちには、誰より何より王子サマ思いの心強い味方がいるよ?」
そろそろかなと思った私は、片手を軽く下から上に振って、シーグに「立って」と、合図を送った。
「リ…リック……」
変装させたままだけどイケるかな?と様子を見ていると、もしかしたら、声で分かる部分もあるのかも知れない。
――リックの目が、やがて大きく見開かれた。
ふと気が付けば、ものすごい涙目のシーグと視線が合った。
早くあの場を何とかしてくれと言う……無言の「懇願」だ。
とりあえずイザクに視線を向けると、意図を察してくれたのか、首を伸ばすようにして、受け渡し口の向こうに顔を向けていた。
「……まあ、今なら地面に転がってるから、ある意味良いのかも知れないな」
そう言いながら片手を上げているところを見ると、ルヴェックあたりが起こそうとしたのを止めたのかも知れない。
それに合わせるように、私も受け渡し口越しにひょいと顔を出した。
「はーい、そこのお兄さんにシーグの話をしたのは私だよー」
それから、わざと軽薄な風を装って、ヒラヒラと片手を振ってみた。
「⁉」
少年を片足で踏みつけた恰好のファルコが、片手で額を覆って、ルヴェックは苦笑未満の表情を見せている。
ただ、そんな二人の様子には気が付かないようで、リック少年は弾かれた様に顔を上げて、頭だけをこちらへと傾けた。
「初めまして。痛くもない腹を探られかけた〝聖女の姉〟です。まあ『シーグリック・アルビレオ』の真の姿を知っているのは、私の特殊能力とでも思ってくれれば」
ほら〝聖女の姉〟だし?と私がわざと笑えば、親の仇にでも会ったかの様な、殺気のこもった視線が返ってきた。
ああ、うん、今のシーグは軽く変装させているけど、やっぱり容貌は双子だと納得させられてしまう。
「ねえ、それだけ暴れてるってコトは、アンジェスの王宮でシーグが見せしめに殺された――的な情報が入ってるのかな?」
「……っ」
返事の代わりに、リックが悔しげに唇を噛みしめた。
「忌み嫌われがちな〝双子〟だけど、リックはそんな事ないんだ?ちゃんと、片割れに兄妹としての情はあるんだ?」
「当たり前だろう、兄妹だぞ⁉」
「いや、まあ、世の中当たり前じゃない事もたくさんあるしね……」
どうやらリックお兄ちゃんはちょっとしたシスコンらしい。
人差し指で頬をかきながら、私は「はは…」と乾いた笑いを洩らした。
「まあ、いいや。ところでリック、アナタ、エドベリ王子助ける気ってある?」
「は⁉何言ってる、今、シーグの話を――助ける?」
受け渡し口に肘をついて、私がジッとリックを見つめていると、彼も「何か」あると察したんだろう。
殺気や苛立ちを抑えるように、口を閉ざした。
「うん、ちゃんと冷静な部分があってよろしい。そう、助けるって言ったけど?」
「何からだよ。殿下は今、特に何も――」
「いやいや。シャルリーヌ・ベクレル伯爵令嬢は隣国に行ったっきりだし、アンジェス国の宰相に、ギーレンの王族に連なると言う栄誉?を与えようとしても手酷く拒絶されるし、今、計画がことごとく上手くいかなくて、挙句他国の宰相を誘拐するとか、正気を疑われるレベルの計画を立てるくらいに困り果ててるのは間違いないでしょ」
「な…っ」
「直接言われてなかったかも知れないけど、命令を幾つも受けていれば、察せられるコトってあるよね?」
敢えてニコニコ微笑いながら聞いてみると、リック少年は明らかに動揺して、口をはくはくとさせていた。
そっか。まだ、暗殺者になりきれていない部分があるんだね。
アンジェスでも〝蘇芳戦記〟のイベントは、まだ起きていないところが多かったし、リックの将来を考えれば、手遅れじゃなかったってコトで良いのかな。
「知ってる?今ね、王子と陛下、孤立しかかってるんだよ。国の外からも、内側からも」
「⁉」
私の隣りでシーグも肩を揺らしてるけど、うん、もうちょっと大人しくしててね?
「宰相寄越せって言われてアンジェスが機嫌損ねてるのは言わずもがなだけど、内側にしたって、新しい王族の椅子を用意する事って、その人に恩を売っているようで、実はエドベリ王子の敵対勢力にとっても良い御輿になっちゃうんだよね。で、それに気が付いたご正妃様と第二夫人は二人仲良く宰相引き込み反対の立場に回った」
「え……」
「もし王子と陛下が『女に何が出来る』とか『社交だけしていれば良い』とか、そんな風に考えていそうだったら、全力で止めた方が良いよ。何しろご正妃様は事実上の筆頭公爵家であるラハデ公爵家を今でも思うがままに動かせるし、第二夫人も実家を敵に回したら、国内の香辛料の流通が崩壊しかねない。私なら絶対に、敵に回さないよ」
既に裏で接触をしていると知られると面倒なので、ここはエヴェリーナ妃の名前も、コニー夫人の名前も出さずにおく。
公式の通りに「ご正妃様」「第二夫人」だ。
「と…止めるったって……」
技術以外の部分は、恐らくはまだ未成熟だろうリックも、シーグと同じように動揺しはじめていた。
さっきから「寝返れ」とも「殺せ」とも言わない私に、明らかに戸惑っている。
「うん。そんなに難しいコトじゃないよ?ただ、宰相閣下をアンジェスに帰国させれば良いだけだから。そうすれば、国際問題も未然に防げるし、国内貴族の分裂も防げるからね」
「こ…このまま諦めて殿下の所へ戻れと……?」
「うーんと……そうとも、違うとも言えるかな。だってどうせ今のままじゃ、王子サマ、折れないでしょ。明確なきっかけがないと無理だと思うよ?」
「ぐっ……不敬な……何が王子サマだ……」
そう呟きながらも、エドベリ王子が折れないだろう事は想像出来るのか、思ったよりも反発が少ない。
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は?…とは答えたものの、すぐにそれが何の話かは思い至ったらしい。
「あの……近々書籍が出るとかって言う、ふざけた名付けがされた話かよ……」
「そうそう。やっぱ一字違いじゃ、側近の人たちだって、見て見ぬふりって出来ないよね」
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「あのね。あの話の通りに、宰相閣下には王宮の〝転移扉〟からアンジェスに戻って貰おうと思うの。そうすれば、あの話の流れに逆らった時点で、自分の評判が落ちるから、王子サマも計画を諦めざるを得ないでしょう?」
「何言ってんだ。駆け落ちの相手とか、王宮にどうやって潜り込むとか、不都合満載じゃないか。適当なコトを言って、こっちを殿下暗殺の裏切り者にでも仕立て上げる気か⁉」
「いやいや、それこそまさか!だったら何のためにわざわざこうやって、洗脳も拷問も殺しもしないで、声をかけてるんだって話じゃない」
…ひでぇ言い様だなオイ、と言うファルコの呟きは無視です無視。
あ、ごめん。それより隣りでシーグの表情がちょっと痙攣っちゃった。
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私が人差し指を立てながら「それだけ。簡単でしょ?」と笑うと、リックは「何言ってんだ」とばかりに、こちらを向いて噛みついてきた。
「……今の話、殿下が抜けてる」
「あ、それはこっちに任せて」
「ふざけんな。殿下を殺さない保証ってどこにあんだよ」
「大丈夫だって。こっちには、誰より何より王子サマ思いの心強い味方がいるよ?」
そろそろかなと思った私は、片手を軽く下から上に振って、シーグに「立って」と、合図を送った。
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