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第一部 宰相家の居候
232 お届けもの(後)
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※1日複数話更新です。お気を付け下さい。
「薬草を届けた先で、調合師の一人からこれを預かってきた」
食堂から移動をしたところで、そう言ってキスト室長は、鍵のかかっていた机の引き出しから、手紙を一通取り出した。
「一応、読み終わったら燃やして欲しいそうだ」
「これ……」
今後の手紙のやり取りにあたって――と、私はラハデ公爵から公爵家の紋章を、偽物と決定的な違いがある点などを含めて教わっていた。
封蝋を見るに、これは本物のラハデ家の紋章だと言えた。
「今、中を見させていただいても?」
封蠟がそのままと言う事は、そのまま、キスト室長が中身を読んでいない事の証でもあった。
「構わない。まあ、大体の想像はつくが」
手紙そのものは、封蠟以外の部分は糊付けなどもないため、ペーパーナイフ一本で割と簡単に開封する事が出来る。
本来なら、その瞬間に蝋がボロボロになって再現なんてとんでもない筈なんだけど…〝鷹の眼〟内でどんな技術があるんだか。
とりあえず手紙を広げて、中身をざっと一読した。
「あ……」
ラハデ家の紋章ではあったものの、中身はエヴェリーナ妃からの手紙だった。
要約すると――
・昨夜『替え玉』をナリスヴァーラ城に向かわせた。
・アンジェスの宰相が向かったとの偽の連絡はまだのようだが、今日の内にイルヴァスティ子爵令嬢とその母親が、バシュラールの別荘に向かう予定。明日、ベルトルド国王が余暇をそこで過ごすとの事で、先行するとの事。恐らくは「誘拐」前提の行動と思われる。
・2泊3日の余暇中の政務代理はエドベリ王子が執り行う予定。計画の実行は、明日の夜あたりが最適と思われるので、エヴェリーナ妃の名前で後宮に商人を呼ぶ態を整えておく。表向き、売りたい品物を持って、正規の手続きで入城して、後宮まで来れば良い。その後は、様子を見てコニー夫人に〝転移扉〟のある部屋まで案内して貰う。
――と言う事だった。
「明日……」
呟きながらも部屋を見回して、暖炉の存在を認めたものの、私は魔道具が使えない。
「キスト室長、すみません。暖炉の火を一瞬だけ点けて下さいますか」
「あ、ああ。そう言えば生まれつきの体質で、魔力操作が出来ずに魔道具が使えないんだったか」
魔力ゼロと言ってしまうと、さすがに正体を誤魔化すのにも限度があるので、いったんは魔力のコントロールが出来ず、表に出す事が出来ない難しい体質なのだと周囲には触れ回っておいた。
エドヴァルドの許可を得て、公爵邸のお抱えであるブレーデフェルト医師の名前をお借りしている。
そこはかとなくバレている分には、もうどうしようもないにしても、わざわざ揉め事の種をこちらから提供する事はない。
「体内での魔力の流れがどうとか、難しい話を昔された事はありますけどね。いずれそれを改善出来るような薬とかも出来たら良いですよね」
暖炉の中で手紙が燃えていくのを眺めながら、キスト室長が「ふむ…」と口元に手をあてた。
「ユングベリ嬢自身が治験体になっても良いと言うなら、いずれ取り掛かってみても良いかも知れないな」
「私の中の魔力を上手く外に引き出す薬――とかですか?」
「ああ。ここには研究が食事よりも大事と言う人間が山のようにいるからな。今ある研究のめどが立った者から声をかければ、嬉々としてやり始めると思うぞ。――まあ、あの閣下が許可をすればの話だが」
…うん、許可は下りないだろうな。
「私も魔道具が使えるようになれたら良いなと思うんですけどね……邸宅の使用人たちがいれば、それで良いだろうと言う雰囲気はビシビシ感じます」
「だろうな。魔道具に依存の必要がない程の商才や行動力があるのだから、閣下が重要視していないのも分かる気はする。今のはあくまで『貴女自身がやってみたいと思うなら』の話だ。先は長い。頭の片隅にくらいはあっても良いかも知れない。聞いた事のない体質だが、探せば他にだっているかも知れないしな」
「そうですね。私一人の事ならともかく、いずれ誰かの役に立つ可能性があれば、頭の片隅に置いておいても良いかも知れませんね」
中二病だと馬鹿にされそうだけれど〝魔法少女〟への憧れは、正直ゼロじゃない。
自分で魔道具を使ってみるだけでも、そんな夢くらいはあっても良いかも知れない。
「気が変わったら言ってくれ。植物園は歓迎しよう。まあ、今は手紙の話だな。明日――と言ったか?」
「ええ。恐らく、明日一度、ギーレンを離れる事になると思います」
キスト室長が暖炉の火を消したところで、私も室長もソファの方へと戻る。
腰を下ろした室長が僅かに眉を顰めた。
「この前も聞いたが、イザクとイオタは残るんだな?」
「ええ。あ、それでちょっとお願いなんですが」
この際だと私は、イザクとシーグ(イオタ)の宿に関して、相談を持ち掛けた。
「ああ、従業員寮なら確か数部屋空いていた筈だ。閉園前までなら管理人もいる筈だから、あとで本人に行かせたら良い。あと、そうか、イオタには兄がいるのか……」
「お兄さんは元々王都王宮で下働きをしているらしいですから、そのまま王宮の寮にいたって良いんでしょうけど、だいぶ妹さんへの心配性が拗れていて、イオタが植物園の従業員寮に入るか、自分がシーカサーリに越して来て、妹さんと同居するか、まだ決めかねてるみたいなんです」
「ははっ、仲の良い兄妹で結構な事だな」
「まったくです」
そこのところは、私とキスト室長は同意見で頷いてしまう。
「まあそれでも、貴女が明日にはギーレンを発つのなら、イザクと一緒に植物園の従業員寮をとりあえず申し込んでおいても良いんじゃないか。それでもしその兄とやらが、シーカサーリから通ってでもイオタと暮らすと言うのなら、ウチの邸宅に居候したって良いぞ」
「え、シーカサーリのあの、キスト室長の邸宅ですか?」
思わぬ話に私はちょっと声をあげていたけれど、キスト室長はしごく冷静に「ああ」と答えた。
「誤解のないように言っておくと、その兄がシーカサーリに来るのなら、だ。イオタと私だけが住むなどと、幼児好みの犯罪者か何かだと誤解されかねないだろう」
「あ…はは、それはまあ、確かに」
「植物園の従業員寮の部屋数にだって限りがある。部屋が空いているうちに、イザク、イオタ二人共に『短期滞在の予定』だと管理人に申告するように伝えて、部屋を押さえておけば問題ない。寮に寝泊まりしつつ、シーカサーリの街の方に部屋を探しに行く奴らも珍しくはないから、向こうも対応に慣れている」
「あ、そうなんですね」
「イオタの兄の話は別にしても、そもそもリュライネンとの研究が完成したら、二人だってアンジェスに行くんだろう?なら二人とも『短期滞在』で申請しておけば良い」
「ありがとうございます。二人にはそう伝えます」
ちょっとホッとして、思わず口元を綻ばせていたら、キスト室長もつられたように微笑った。
「まあ研究施設の連中には、親の具合が悪くなって、いよいよ本格的に商会の長になるかも知れないとでも言っておく。落ち着いたら戻って来るだろう、ともな」
「お手数をおかけします。商業ギルド経由での手紙は、やりとりにひと月もふた月もかかりませんので、当面は手紙で時差なくやりとりが出来ると思います」
「そうしてくれると有難いな。何しろ、貴女が手掛け始めた話が多すぎて、このまま発たれるのは、正直結構困る」
「ええ…その、私も気になって眠れなくなりますし、放っておくとエヴェリーナ妃が怖いので、このままにはしておきません」
エヴェリーナ妃が怖い。
それが何より説得力がありそうで、キスト室長も表情を痙攣らせながら頷いていた。
「薬草を届けた先で、調合師の一人からこれを預かってきた」
食堂から移動をしたところで、そう言ってキスト室長は、鍵のかかっていた机の引き出しから、手紙を一通取り出した。
「一応、読み終わったら燃やして欲しいそうだ」
「これ……」
今後の手紙のやり取りにあたって――と、私はラハデ公爵から公爵家の紋章を、偽物と決定的な違いがある点などを含めて教わっていた。
封蝋を見るに、これは本物のラハデ家の紋章だと言えた。
「今、中を見させていただいても?」
封蠟がそのままと言う事は、そのまま、キスト室長が中身を読んでいない事の証でもあった。
「構わない。まあ、大体の想像はつくが」
手紙そのものは、封蠟以外の部分は糊付けなどもないため、ペーパーナイフ一本で割と簡単に開封する事が出来る。
本来なら、その瞬間に蝋がボロボロになって再現なんてとんでもない筈なんだけど…〝鷹の眼〟内でどんな技術があるんだか。
とりあえず手紙を広げて、中身をざっと一読した。
「あ……」
ラハデ家の紋章ではあったものの、中身はエヴェリーナ妃からの手紙だった。
要約すると――
・昨夜『替え玉』をナリスヴァーラ城に向かわせた。
・アンジェスの宰相が向かったとの偽の連絡はまだのようだが、今日の内にイルヴァスティ子爵令嬢とその母親が、バシュラールの別荘に向かう予定。明日、ベルトルド国王が余暇をそこで過ごすとの事で、先行するとの事。恐らくは「誘拐」前提の行動と思われる。
・2泊3日の余暇中の政務代理はエドベリ王子が執り行う予定。計画の実行は、明日の夜あたりが最適と思われるので、エヴェリーナ妃の名前で後宮に商人を呼ぶ態を整えておく。表向き、売りたい品物を持って、正規の手続きで入城して、後宮まで来れば良い。その後は、様子を見てコニー夫人に〝転移扉〟のある部屋まで案内して貰う。
――と言う事だった。
「明日……」
呟きながらも部屋を見回して、暖炉の存在を認めたものの、私は魔道具が使えない。
「キスト室長、すみません。暖炉の火を一瞬だけ点けて下さいますか」
「あ、ああ。そう言えば生まれつきの体質で、魔力操作が出来ずに魔道具が使えないんだったか」
魔力ゼロと言ってしまうと、さすがに正体を誤魔化すのにも限度があるので、いったんは魔力のコントロールが出来ず、表に出す事が出来ない難しい体質なのだと周囲には触れ回っておいた。
エドヴァルドの許可を得て、公爵邸のお抱えであるブレーデフェルト医師の名前をお借りしている。
そこはかとなくバレている分には、もうどうしようもないにしても、わざわざ揉め事の種をこちらから提供する事はない。
「体内での魔力の流れがどうとか、難しい話を昔された事はありますけどね。いずれそれを改善出来るような薬とかも出来たら良いですよね」
暖炉の中で手紙が燃えていくのを眺めながら、キスト室長が「ふむ…」と口元に手をあてた。
「ユングベリ嬢自身が治験体になっても良いと言うなら、いずれ取り掛かってみても良いかも知れないな」
「私の中の魔力を上手く外に引き出す薬――とかですか?」
「ああ。ここには研究が食事よりも大事と言う人間が山のようにいるからな。今ある研究のめどが立った者から声をかければ、嬉々としてやり始めると思うぞ。――まあ、あの閣下が許可をすればの話だが」
…うん、許可は下りないだろうな。
「私も魔道具が使えるようになれたら良いなと思うんですけどね……邸宅の使用人たちがいれば、それで良いだろうと言う雰囲気はビシビシ感じます」
「だろうな。魔道具に依存の必要がない程の商才や行動力があるのだから、閣下が重要視していないのも分かる気はする。今のはあくまで『貴女自身がやってみたいと思うなら』の話だ。先は長い。頭の片隅にくらいはあっても良いかも知れない。聞いた事のない体質だが、探せば他にだっているかも知れないしな」
「そうですね。私一人の事ならともかく、いずれ誰かの役に立つ可能性があれば、頭の片隅に置いておいても良いかも知れませんね」
中二病だと馬鹿にされそうだけれど〝魔法少女〟への憧れは、正直ゼロじゃない。
自分で魔道具を使ってみるだけでも、そんな夢くらいはあっても良いかも知れない。
「気が変わったら言ってくれ。植物園は歓迎しよう。まあ、今は手紙の話だな。明日――と言ったか?」
「ええ。恐らく、明日一度、ギーレンを離れる事になると思います」
キスト室長が暖炉の火を消したところで、私も室長もソファの方へと戻る。
腰を下ろした室長が僅かに眉を顰めた。
「この前も聞いたが、イザクとイオタは残るんだな?」
「ええ。あ、それでちょっとお願いなんですが」
この際だと私は、イザクとシーグ(イオタ)の宿に関して、相談を持ち掛けた。
「ああ、従業員寮なら確か数部屋空いていた筈だ。閉園前までなら管理人もいる筈だから、あとで本人に行かせたら良い。あと、そうか、イオタには兄がいるのか……」
「お兄さんは元々王都王宮で下働きをしているらしいですから、そのまま王宮の寮にいたって良いんでしょうけど、だいぶ妹さんへの心配性が拗れていて、イオタが植物園の従業員寮に入るか、自分がシーカサーリに越して来て、妹さんと同居するか、まだ決めかねてるみたいなんです」
「ははっ、仲の良い兄妹で結構な事だな」
「まったくです」
そこのところは、私とキスト室長は同意見で頷いてしまう。
「まあそれでも、貴女が明日にはギーレンを発つのなら、イザクと一緒に植物園の従業員寮をとりあえず申し込んでおいても良いんじゃないか。それでもしその兄とやらが、シーカサーリから通ってでもイオタと暮らすと言うのなら、ウチの邸宅に居候したって良いぞ」
「え、シーカサーリのあの、キスト室長の邸宅ですか?」
思わぬ話に私はちょっと声をあげていたけれど、キスト室長はしごく冷静に「ああ」と答えた。
「誤解のないように言っておくと、その兄がシーカサーリに来るのなら、だ。イオタと私だけが住むなどと、幼児好みの犯罪者か何かだと誤解されかねないだろう」
「あ…はは、それはまあ、確かに」
「植物園の従業員寮の部屋数にだって限りがある。部屋が空いているうちに、イザク、イオタ二人共に『短期滞在の予定』だと管理人に申告するように伝えて、部屋を押さえておけば問題ない。寮に寝泊まりしつつ、シーカサーリの街の方に部屋を探しに行く奴らも珍しくはないから、向こうも対応に慣れている」
「あ、そうなんですね」
「イオタの兄の話は別にしても、そもそもリュライネンとの研究が完成したら、二人だってアンジェスに行くんだろう?なら二人とも『短期滞在』で申請しておけば良い」
「ありがとうございます。二人にはそう伝えます」
ちょっとホッとして、思わず口元を綻ばせていたら、キスト室長もつられたように微笑った。
「まあ研究施設の連中には、親の具合が悪くなって、いよいよ本格的に商会の長になるかも知れないとでも言っておく。落ち着いたら戻って来るだろう、ともな」
「お手数をおかけします。商業ギルド経由での手紙は、やりとりにひと月もふた月もかかりませんので、当面は手紙で時差なくやりとりが出来ると思います」
「そうしてくれると有難いな。何しろ、貴女が手掛け始めた話が多すぎて、このまま発たれるのは、正直結構困る」
「ええ…その、私も気になって眠れなくなりますし、放っておくとエヴェリーナ妃が怖いので、このままにはしておきません」
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