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第二部 宰相閣下の謹慎事情
253 帰国報告会(前)
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※1日複数話更新です。お気を付け下さい。
「レイナ!」
チョコレートカフェ〝ヘンリエッタ〟の個室に入るや否や、中にいたシャルリーヌが、弾かれた様に立ち上がった。
「無事に帰って来たとは聞いてたけど!ゴメン、ホントならもうちょっと休んでた方が良いのかも知れないけど、私も色々と気になるし、宰相閣下とフォルシアン公が、今日が都合が良いって仰るし――」
「ああ、大丈夫大丈夫!実際、ギーレンで回収しきれていない仕込みが山ほどあって、休みたくても…って感じなのよね。やっぱりほら、宰相閣下が大手を振って帰国する事が最優先だったから。だからむしろ、ここでチョコ食べてる方が息抜きになるくらいなんだって」
「それなら良いけど……?」
私の方に近寄ろうとするシャルリーヌを手で制しつつ「座ろう!」と言うと、ちょっと首を傾げながらも、大人しくそれに従ってくれた。
「面白いストールね、レイナ。それって〝ヘルマン・アテリエ〟の新作?」
アテリエ、とはアンジェスの言語では確か工房。
ヘルマンさんのデザイン作品は〝ヘルマン・アテリエ〟が正式な言わばブランド名として、一般に名が知られているらしかった。
「その家の紋章をアクセントにするとか、ちょっと斬新よね。オリジナリティって言う意味では、絶対にあちこちの貴族家からひっぱりだこになりそう」
「新作…なのかは私もよく知らないけど、先に仕立ててあったドレスにストールを追加したいって話になった時に、なぜかこうなったみたいで。天才デザイナーの考える事って、凡人にはもはや想像も尽きませんって感じ」
「私もボードリエのお義母様から聞いただけだけど、アンジェス国内では〝マダム・カルロッテ〟と〝ヘルマン・アテリエ〟がドレスサロンの二大巨頭みたいなものなんでしょう?」
「でも、基本的には棲み分けは出来ているみたいよ?リボン使いが特徴的な〝マダム・カルロッテ〟は未婚令嬢の顧客が大半で、前衛的なデザインが特徴のヘルマンさんの所は、社交界で顔の広い、ファッショニスタな奥様が多いとか、侍女長言ってたし。とは言っても、どっちもその顧客向けにしか仕事をしていない訳じゃないから、私はヘルマンさんのドレスを着させて貰ってる訳だけど」
エドヴァルドとヘルマンさんが、王都学園で同級生だったらしいと私が話すと、シャルリーヌは「へえ!」とビックリしていた。
「跡を継ぐ必要のない侯爵家の末子にしても、よく市井でドレス店なんて開く許可下りたね⁉しかもヘルマン家の名前を持ったまま!」
「うーん…私も詳しくは知らない。ただ、結構宰相閣下が独立開業に協力したって言うのはちょっと聞いた。あ、お金じゃなくて手続きとか根回しとか?主にそっち方面で」
元々、ドレスサロン業界?は王族の妃御用達である〝マダム・カルロッテ〟一強、あとは細々と…くらいの状況だったらしい。
ただ、リボンがゴテゴテのロリータファッションをこれでもかと強調している〝マダム・カルロッテ〟に辟易しているご婦人方が一定数いたようで、先代ヘルマン侯爵夫人の人脈を使いつつ、フェリクスのデザインが実際非凡だった事もあって、またたくまに〝マダム・カルロッテ〟を脅かすブランドに成長を遂げたらしいのだ。
そうなると、いかに当代ヘルマン侯爵夫妻と末っ子フェリクスとの仲があまりよろしくなくても、ブランド名がもたらす利益と、先代夫人からの無言の圧力の前には折れざるを得ず、今に至る――と。
以上は、ドレスに詳しくなくても王都内の経済状況はきちんと把握をしている、優秀な家令サマからの情報である。
ちなみにヘルマン侯爵家自体は、スヴェンテ公爵領下にあるとの事で、それなりに友好関係を築いているスヴェンテ老、現公爵代理から、時々さりげなく耳に入ってくるらしい。
…ナントカ宮殿って言うお仕事ドキュメンタリー番組が作れそうな話だと思う。いや、多分伝記も一本書ける。
「そうなんだ?さすが宰相閣下。――でね、レイナ。さっきからどうしても話を深めたくないと逃げてるところ悪いんだけど」
さんざん「世間話」をさせておいて…と言うタイミングで、シャルリーヌの方がこれ以上はないと言った笑みを閃かせた。
「私はそのストールがどうして今、必要になったのかを聞きたいのよねぇ……」
別にドレスだけでも充分に成立するいで立ちだろうに、とその目が語っている。
「お店の中に入っても取らないし?って言うか、隠しきれてないのもあるし?私が突撃していた頃ならともかく、今って虫除けの必要性ってある?無事に戻って来れて盛り上がっちゃったのかなぁ…とか、聞きたくなるでしょ、普通?」
耳の下から顎にかけて、じーっと視線を移動させるシャルリーヌに、思わず手をやってしまった私は、そこでとぼけそこねた自分の失態を悟った。
と言うか、さっきフォルシアン公爵がじっと見ていたのも、私の所作などではなく、ここだ。
今、気が付いた。
「さあさあ、聞かせて貰いましょうか。ギーレンに行ってから帰ってくるまでのアレやコレや」
物凄く楽しそうに机をたしたしと叩くシャルリーヌを見ながら、私は片手で額を覆った。
「何が『アレやコレや』よ!もうすぐミカ君も来るのに、あとは必要事項しか語りません!」
「えー……」
「えー、じゃないわよ。ベクレル伯爵夫妻からの預かり物だってあるんだからね」
不満そうに頬を膨らませているシャルリーヌは放置で、私は机の上に「羽根ペン」が入った木箱と、透かし彫りが見事な白蝶貝で作られた宝石箱とを、持っていた鞄から取り出した。
「何にせよ、これは先に渡させてくれない?ご夫妻から貴女に――って預かってきたのよ」
私の声から、雑談の響きが消えた事を察したんだろう。
シャルリーヌも、私を揶揄いたくて仕方がないと言った表情を、そこで消してくれた。
「お父様とお継母様が……」
宝石箱の中にも、更にアクセサリーが入っていた事にちょっと驚いていたけれど、次に木箱に手を伸ばして蓋を開けた時には、短く息を呑んでいた。
「これ……」
「夫人は、それが今のギーレン社交界での流行だって。本当なら一緒に買いに行ったりしたかったって、そう仰ってた。伯爵のそれは――昔、約束をしたんだって?王妃になった暁には、その羽根を使った扇を贈るって。扇は無理になったけれど、約束は果たしたいって、文具店に以前から取り寄せを頼んでいたんだって。もしかしたら渡せないかも知れない事は承知の上で」
「……っ」
「娘と仲良くしてくれてありがとう――って、私まで同じモノを貰ってしまったのは許して?まさかその状況下では断れないし。イヤなら私が受け取った方も今度シャーリーに渡すから、邸宅で予備にでもして?」
「まさか、そんな事言わないわよ!これ、イージドーアって、日本で言うところの特別天然記念物みたいな扱いになってる鳥の羽根なのよ。お父様が、わざわざお揃いにしてくれたなら、いつかアンジェスに来てくれた時に見せてあげないと!」
乱獲の末、狩猟制限がかかっているとは聞いていたけど、まさかの特別天然記念物。
トキだのコウノトリだのと言った日本の絶滅危惧種と同じ扱いと言う事か。
「シャーリー……良いの?」
「もちろんよ。何だかんだ言ってレイナが、私が『ギーレンに帰るのはイヤ!』って言っているのを最後まで尊重してくれたのは分かってるもの。そのペンはお父様からの御礼であると同時に、私からの感謝の気持ちでもあるわ。どうかそのまま受け取って、レイナ」
私はこの一本で充分…と、シャルリーヌは微笑った。
「レイナ!」
チョコレートカフェ〝ヘンリエッタ〟の個室に入るや否や、中にいたシャルリーヌが、弾かれた様に立ち上がった。
「無事に帰って来たとは聞いてたけど!ゴメン、ホントならもうちょっと休んでた方が良いのかも知れないけど、私も色々と気になるし、宰相閣下とフォルシアン公が、今日が都合が良いって仰るし――」
「ああ、大丈夫大丈夫!実際、ギーレンで回収しきれていない仕込みが山ほどあって、休みたくても…って感じなのよね。やっぱりほら、宰相閣下が大手を振って帰国する事が最優先だったから。だからむしろ、ここでチョコ食べてる方が息抜きになるくらいなんだって」
「それなら良いけど……?」
私の方に近寄ろうとするシャルリーヌを手で制しつつ「座ろう!」と言うと、ちょっと首を傾げながらも、大人しくそれに従ってくれた。
「面白いストールね、レイナ。それって〝ヘルマン・アテリエ〟の新作?」
アテリエ、とはアンジェスの言語では確か工房。
ヘルマンさんのデザイン作品は〝ヘルマン・アテリエ〟が正式な言わばブランド名として、一般に名が知られているらしかった。
「その家の紋章をアクセントにするとか、ちょっと斬新よね。オリジナリティって言う意味では、絶対にあちこちの貴族家からひっぱりだこになりそう」
「新作…なのかは私もよく知らないけど、先に仕立ててあったドレスにストールを追加したいって話になった時に、なぜかこうなったみたいで。天才デザイナーの考える事って、凡人にはもはや想像も尽きませんって感じ」
「私もボードリエのお義母様から聞いただけだけど、アンジェス国内では〝マダム・カルロッテ〟と〝ヘルマン・アテリエ〟がドレスサロンの二大巨頭みたいなものなんでしょう?」
「でも、基本的には棲み分けは出来ているみたいよ?リボン使いが特徴的な〝マダム・カルロッテ〟は未婚令嬢の顧客が大半で、前衛的なデザインが特徴のヘルマンさんの所は、社交界で顔の広い、ファッショニスタな奥様が多いとか、侍女長言ってたし。とは言っても、どっちもその顧客向けにしか仕事をしていない訳じゃないから、私はヘルマンさんのドレスを着させて貰ってる訳だけど」
エドヴァルドとヘルマンさんが、王都学園で同級生だったらしいと私が話すと、シャルリーヌは「へえ!」とビックリしていた。
「跡を継ぐ必要のない侯爵家の末子にしても、よく市井でドレス店なんて開く許可下りたね⁉しかもヘルマン家の名前を持ったまま!」
「うーん…私も詳しくは知らない。ただ、結構宰相閣下が独立開業に協力したって言うのはちょっと聞いた。あ、お金じゃなくて手続きとか根回しとか?主にそっち方面で」
元々、ドレスサロン業界?は王族の妃御用達である〝マダム・カルロッテ〟一強、あとは細々と…くらいの状況だったらしい。
ただ、リボンがゴテゴテのロリータファッションをこれでもかと強調している〝マダム・カルロッテ〟に辟易しているご婦人方が一定数いたようで、先代ヘルマン侯爵夫人の人脈を使いつつ、フェリクスのデザインが実際非凡だった事もあって、またたくまに〝マダム・カルロッテ〟を脅かすブランドに成長を遂げたらしいのだ。
そうなると、いかに当代ヘルマン侯爵夫妻と末っ子フェリクスとの仲があまりよろしくなくても、ブランド名がもたらす利益と、先代夫人からの無言の圧力の前には折れざるを得ず、今に至る――と。
以上は、ドレスに詳しくなくても王都内の経済状況はきちんと把握をしている、優秀な家令サマからの情報である。
ちなみにヘルマン侯爵家自体は、スヴェンテ公爵領下にあるとの事で、それなりに友好関係を築いているスヴェンテ老、現公爵代理から、時々さりげなく耳に入ってくるらしい。
…ナントカ宮殿って言うお仕事ドキュメンタリー番組が作れそうな話だと思う。いや、多分伝記も一本書ける。
「そうなんだ?さすが宰相閣下。――でね、レイナ。さっきからどうしても話を深めたくないと逃げてるところ悪いんだけど」
さんざん「世間話」をさせておいて…と言うタイミングで、シャルリーヌの方がこれ以上はないと言った笑みを閃かせた。
「私はそのストールがどうして今、必要になったのかを聞きたいのよねぇ……」
別にドレスだけでも充分に成立するいで立ちだろうに、とその目が語っている。
「お店の中に入っても取らないし?って言うか、隠しきれてないのもあるし?私が突撃していた頃ならともかく、今って虫除けの必要性ってある?無事に戻って来れて盛り上がっちゃったのかなぁ…とか、聞きたくなるでしょ、普通?」
耳の下から顎にかけて、じーっと視線を移動させるシャルリーヌに、思わず手をやってしまった私は、そこでとぼけそこねた自分の失態を悟った。
と言うか、さっきフォルシアン公爵がじっと見ていたのも、私の所作などではなく、ここだ。
今、気が付いた。
「さあさあ、聞かせて貰いましょうか。ギーレンに行ってから帰ってくるまでのアレやコレや」
物凄く楽しそうに机をたしたしと叩くシャルリーヌを見ながら、私は片手で額を覆った。
「何が『アレやコレや』よ!もうすぐミカ君も来るのに、あとは必要事項しか語りません!」
「えー……」
「えー、じゃないわよ。ベクレル伯爵夫妻からの預かり物だってあるんだからね」
不満そうに頬を膨らませているシャルリーヌは放置で、私は机の上に「羽根ペン」が入った木箱と、透かし彫りが見事な白蝶貝で作られた宝石箱とを、持っていた鞄から取り出した。
「何にせよ、これは先に渡させてくれない?ご夫妻から貴女に――って預かってきたのよ」
私の声から、雑談の響きが消えた事を察したんだろう。
シャルリーヌも、私を揶揄いたくて仕方がないと言った表情を、そこで消してくれた。
「お父様とお継母様が……」
宝石箱の中にも、更にアクセサリーが入っていた事にちょっと驚いていたけれど、次に木箱に手を伸ばして蓋を開けた時には、短く息を呑んでいた。
「これ……」
「夫人は、それが今のギーレン社交界での流行だって。本当なら一緒に買いに行ったりしたかったって、そう仰ってた。伯爵のそれは――昔、約束をしたんだって?王妃になった暁には、その羽根を使った扇を贈るって。扇は無理になったけれど、約束は果たしたいって、文具店に以前から取り寄せを頼んでいたんだって。もしかしたら渡せないかも知れない事は承知の上で」
「……っ」
「娘と仲良くしてくれてありがとう――って、私まで同じモノを貰ってしまったのは許して?まさかその状況下では断れないし。イヤなら私が受け取った方も今度シャーリーに渡すから、邸宅で予備にでもして?」
「まさか、そんな事言わないわよ!これ、イージドーアって、日本で言うところの特別天然記念物みたいな扱いになってる鳥の羽根なのよ。お父様が、わざわざお揃いにしてくれたなら、いつかアンジェスに来てくれた時に見せてあげないと!」
乱獲の末、狩猟制限がかかっているとは聞いていたけど、まさかの特別天然記念物。
トキだのコウノトリだのと言った日本の絶滅危惧種と同じ扱いと言う事か。
「シャーリー……良いの?」
「もちろんよ。何だかんだ言ってレイナが、私が『ギーレンに帰るのはイヤ!』って言っているのを最後まで尊重してくれたのは分かってるもの。そのペンはお父様からの御礼であると同時に、私からの感謝の気持ちでもあるわ。どうかそのまま受け取って、レイナ」
私はこの一本で充分…と、シャルリーヌは微笑った。
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