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第二部 宰相閣下の謹慎事情
【アンジェス王宮Side】護衛騎士サタノフの懊悩
※1日複数話更新です。お気を付け下さい。
「――ね、どうしましょう?そこのニセモノの甥御サン?」
潜入がバレた時点で、自分の人生はそこで終わりの筈だった。
まさか意識を取り戻すとは思わなかった。
そして目を覚ましたなら、見破った少女に関心が向くのは当たり前だった。
「あぁ⁉︎お嬢さんに付きたいだと?馬鹿が、百年早いわ」
「全くだ。身の程を知れ」
イデオン公爵邸の護衛集団である〝鷹の眼〟であれば、殺されても洗脳されても不思議ではないところが、レイフ殿下と特殊部隊への無言の圧力として王宮に送り返され、かつ、レイフ殿下ではなくフィルバート陛下付の王宮護衛騎士となるよう、イデオン宰相の手が回った。
てっきり特殊部隊内で争わせての共倒れを狙っているのかと思いきや、共倒れは共倒れでも、殿下からの離反者を続出させるような策が施されていた。
「――レイナに付く方法は〝鷹の眼〟に加わる事だけではない。おまえには連中にない、サタノフ子爵家に連なる貴族としての身分がある。政変で死んだ事になっていたなら、戻せば良い。王宮でレイナの楯になれ、サタノフ」
既に政変の責を背負って、サタノフ家は当主含め直系は毒杯を仰がされている。
自分とて、直系ではない為処刑は免れたものの、特殊部隊に所属する事で、かろうじてその身を生かされた様なものだ。
サタノフ家自体は、今は傍系かつ女系と言う、限りなく血を薄めた当主を立てる事で影響力は削がれ、国から「生かされている」のが実情であり、元から傍系だった自分がひっそりと復籍したところで、誰も大騒ぎしなかった。
「王宮で実績を挙げれば〝鷹の眼〟の連中の心証も変わるかも知れんな。せいぜいやってみるが良い」
――寝返るなら、実績を。
悔しくとも当然の成り行きだった。
それから、何とか王宮における自分の存在をアピールしようと、エスコートやら毒味やら、王宮内での情報収集とその連絡やら、色々と動いてはみたところが、当の少女が自分以上に関心を示したのは、まさかの伝書鳥〝ヘリファルテ〟で、ここだけの話、ちょっと落ち込んでしまった。
とは言え、手のひらに乗る大きさで、平野部や低山帯の落葉広葉樹林に住むヘリファルテは、野鳥の一種扱いで、伝書鳩の飼育対象になった事すらない。
巣から蹴落とされて弱っていた雛鳥をたまたま拾い上げた後で、魔道具の実験中だった管理部の知人の思い付きから、恐らくは偶然の産物で、手紙を運ぶようになった。
国中見渡してもただ一羽、使役出来るのが自分だけと言うのは特殊部隊時代にも重宝されていたが、これが殊の外、少女――レイナ様の気を引いたのだ。
ただし物騒な事への使用予定はまるでなく、ただただ、目の中に入れても痛くない程にヘリファルテを可愛がっているのは、自分どころか〝鷹の眼〟連中でさえもドン引きになっている時がある。
もっとも、おかげで少しずつ〝鷹の眼〟の連中には「王宮側の協力者」として受け入れられつつある。
貴族としての身分や受けた教育も、嫌悪されるのではなく、ヘリファルテと同様に己の手札として認知されている。彼女や〝鷹の眼〟の、順応性の高さは喜ぶべきなんだろう。
…目指した姿とは、どうにも違う気はしつつ。
『レヴー、私の「癒やし」を貸してー』
ギーレンから戻ったあたりから、ちょくちょくそんな手紙が届くようになった。
伝書鳩ならぬ伝書鳥としてのヘリファルテの役割を思えば、手元に留め置いておくべきなんだろう。
ただ、どうしても――断れない。
あまり構い過ぎるのも、ヘリファルテの負担になってないといいけどなぁ…と、いつぞや呟いたのを、どこで聞きつけたのか、ある時〝鷹の眼〟の長に呼び出された。
出会いからして、どう考えても嫌われる要素しかないと思いながら、実力差がありすぎて従うしかなく、半ば引き摺られる様に連れ出された庭の先では、ガーデンテーブルの上に餌を乗せて、チェアに腰掛けながら、レイナ様がヘリファルテに餌をやっていた。
普通、餌になる虫なんかは、悲鳴をあげて触る事も出来ない女性が多い中、虫を突いたり水を飲んだりしているヘリファルテを、ニコニコ笑いながら眺めている。
「…あれでお嬢さんも、家族には恵まれていないみたいだからな」
ちゃんと世話をしている姿を見せたいのかと思いきや、思いがけない事をファルコが言った。
「当代〝扉の守護者〟たっての希望で、迂闊に行き来も出来ない、存在すらほとんど誰も知らない異国から、お館様が頭を下げて来て貰ったらしいからな」
実の両親も、聖女である妹ばかりを可愛がっていたとかで、実家では引き立て役の様な扱いを、どうやら受けていたらしい。聖女が姉を必要とした理由が、自分に生じる公務を押し付けたかったからだったと言うのは、イデオン宰相もあとから知ったらしい。
麗しき姉妹愛など、そもそも存在していなかったのだ。
それでもイデオン宰相の招きに応じたのは、恐らくは適度に義理を果たしたところで独り立ちするつもりだったからだと、更にファルコは言った。
元いた国でも、そのつもりで色々と学んでいたらしい。
「今ならもう、ユングベリ商会の看板背負ってどこにでも出ていけるからな」
「………確かに」
道理でイデオン宰相の関心を惹くだけの知識も度胸もある筈だと、妙に納得をしてしまう。
「引き留めているのは、むしろお館様だ。最初の頃は、招いた側の義務感からだったかも知れないが、今はもう……あのお嬢さん以外、視界にすら入っていないだろうな」
「だからアンタ達も、彼女を守るのか?」
――主であるエドヴァルド・イデオンが、彼女を認めたから。
問われたファルコは、何とも言えない表情で、頭を掻いた。
「いやぁ…あのお嬢さん、意外に危ういぞ?俺らやお館様の前で平然と無茶をしてみせるのは、自分の一挙手一投足が、招いたお館様の罪悪感を刺激する事を恐れているからだ。近ごろようやく、お館様がそれも含めてお嬢さんを望んでいると分かってきたっぽいが、ギーレンに聖女を残して来ちまった事があるからな。またいつ『壊れる』か分からねぇんだよ」
聞けば一度、倒れて心を壊しかけた事があるらしい。
今も夜、時々ふらりと無意識でベランダや廊下、外を歩こうとするのを、イデオン宰相が止めて、抱きかかえる様にして眠る日が増えているらしい。
それ以降、公爵邸の皆が、彼女に対しては過保護ぎみなのだと言う。
「だからまぁ、不本意ではあるが、あのヘリファルテは時々ああやって、お嬢さんと遊ばせてやってくれって言うのが言いたかったんだよ。ヘリファルテと遊んだ夜は、心が落ち着くのか、大抵大人しく寝ているみたいだからな」
出来れば四六時中飼える野生を、とっとと捕まえたいんだがな…とのファルコの呟きに、思わず目を瞠ってしまう。
ただ自分を近づけたくなくて、他のヘリファルテを探しているのかと思いきや、そこには理由があったと言うのだ。
「…王都周辺の林は、開発の影響でヘリファルテ自体が郊外に移動していると聞く。麾下の伯爵領や侯爵領に行く機会があれば、そちらで探した方が確率は高いかも知れない」
思わず、と言った風にそう告げると、ファルコは僅かに片眉を動かした。
「なるほど。もしかしたら、謹慎期間を利用して、お館様が郊外に行く機会があるかも知れないな。分かった。頭の片隅に入れておく」
そう言って、ファルコは「話はそれだけだ」と、身を翻した。
「あ…なあ、少しは私の存在も、公爵邸の連中に認められていると言う事で良いのか?レイナ様に敵対はしないと!」
「――おまえの存在価値は、王宮にあってこそだ。公爵邸で働きたいと言うのは、とっとと諦めろ」
一度も振り返らないまま、冷やかな声だけがこちらに返ってきた。
「……サタノフの名と、ヘリファルテか……」
ファルコのその言葉を、まるでその通りだと言わんばかりに、何日かたって、サレステーデの王族が押しかけてきて、誰もが振り回されている王宮で、私の顔を見たレイナ様が「ああっ‼」と、声をあげた。
「レヴがいるなら、リファちゃんがいるじゃん‼」
がしっと両の腕を掴まれて、がくがくと揺さぶられる。
「レヴ、お願いリファちゃん貸して!緊急人探しミッション発令します‼」
まあ、セットで味方としての頭数に入れられていると言う事で良いんだろう。
……きっと、多分。
「――ね、どうしましょう?そこのニセモノの甥御サン?」
潜入がバレた時点で、自分の人生はそこで終わりの筈だった。
まさか意識を取り戻すとは思わなかった。
そして目を覚ましたなら、見破った少女に関心が向くのは当たり前だった。
「あぁ⁉︎お嬢さんに付きたいだと?馬鹿が、百年早いわ」
「全くだ。身の程を知れ」
イデオン公爵邸の護衛集団である〝鷹の眼〟であれば、殺されても洗脳されても不思議ではないところが、レイフ殿下と特殊部隊への無言の圧力として王宮に送り返され、かつ、レイフ殿下ではなくフィルバート陛下付の王宮護衛騎士となるよう、イデオン宰相の手が回った。
てっきり特殊部隊内で争わせての共倒れを狙っているのかと思いきや、共倒れは共倒れでも、殿下からの離反者を続出させるような策が施されていた。
「――レイナに付く方法は〝鷹の眼〟に加わる事だけではない。おまえには連中にない、サタノフ子爵家に連なる貴族としての身分がある。政変で死んだ事になっていたなら、戻せば良い。王宮でレイナの楯になれ、サタノフ」
既に政変の責を背負って、サタノフ家は当主含め直系は毒杯を仰がされている。
自分とて、直系ではない為処刑は免れたものの、特殊部隊に所属する事で、かろうじてその身を生かされた様なものだ。
サタノフ家自体は、今は傍系かつ女系と言う、限りなく血を薄めた当主を立てる事で影響力は削がれ、国から「生かされている」のが実情であり、元から傍系だった自分がひっそりと復籍したところで、誰も大騒ぎしなかった。
「王宮で実績を挙げれば〝鷹の眼〟の連中の心証も変わるかも知れんな。せいぜいやってみるが良い」
――寝返るなら、実績を。
悔しくとも当然の成り行きだった。
それから、何とか王宮における自分の存在をアピールしようと、エスコートやら毒味やら、王宮内での情報収集とその連絡やら、色々と動いてはみたところが、当の少女が自分以上に関心を示したのは、まさかの伝書鳥〝ヘリファルテ〟で、ここだけの話、ちょっと落ち込んでしまった。
とは言え、手のひらに乗る大きさで、平野部や低山帯の落葉広葉樹林に住むヘリファルテは、野鳥の一種扱いで、伝書鳩の飼育対象になった事すらない。
巣から蹴落とされて弱っていた雛鳥をたまたま拾い上げた後で、魔道具の実験中だった管理部の知人の思い付きから、恐らくは偶然の産物で、手紙を運ぶようになった。
国中見渡してもただ一羽、使役出来るのが自分だけと言うのは特殊部隊時代にも重宝されていたが、これが殊の外、少女――レイナ様の気を引いたのだ。
ただし物騒な事への使用予定はまるでなく、ただただ、目の中に入れても痛くない程にヘリファルテを可愛がっているのは、自分どころか〝鷹の眼〟連中でさえもドン引きになっている時がある。
もっとも、おかげで少しずつ〝鷹の眼〟の連中には「王宮側の協力者」として受け入れられつつある。
貴族としての身分や受けた教育も、嫌悪されるのではなく、ヘリファルテと同様に己の手札として認知されている。彼女や〝鷹の眼〟の、順応性の高さは喜ぶべきなんだろう。
…目指した姿とは、どうにも違う気はしつつ。
『レヴー、私の「癒やし」を貸してー』
ギーレンから戻ったあたりから、ちょくちょくそんな手紙が届くようになった。
伝書鳩ならぬ伝書鳥としてのヘリファルテの役割を思えば、手元に留め置いておくべきなんだろう。
ただ、どうしても――断れない。
あまり構い過ぎるのも、ヘリファルテの負担になってないといいけどなぁ…と、いつぞや呟いたのを、どこで聞きつけたのか、ある時〝鷹の眼〟の長に呼び出された。
出会いからして、どう考えても嫌われる要素しかないと思いながら、実力差がありすぎて従うしかなく、半ば引き摺られる様に連れ出された庭の先では、ガーデンテーブルの上に餌を乗せて、チェアに腰掛けながら、レイナ様がヘリファルテに餌をやっていた。
普通、餌になる虫なんかは、悲鳴をあげて触る事も出来ない女性が多い中、虫を突いたり水を飲んだりしているヘリファルテを、ニコニコ笑いながら眺めている。
「…あれでお嬢さんも、家族には恵まれていないみたいだからな」
ちゃんと世話をしている姿を見せたいのかと思いきや、思いがけない事をファルコが言った。
「当代〝扉の守護者〟たっての希望で、迂闊に行き来も出来ない、存在すらほとんど誰も知らない異国から、お館様が頭を下げて来て貰ったらしいからな」
実の両親も、聖女である妹ばかりを可愛がっていたとかで、実家では引き立て役の様な扱いを、どうやら受けていたらしい。聖女が姉を必要とした理由が、自分に生じる公務を押し付けたかったからだったと言うのは、イデオン宰相もあとから知ったらしい。
麗しき姉妹愛など、そもそも存在していなかったのだ。
それでもイデオン宰相の招きに応じたのは、恐らくは適度に義理を果たしたところで独り立ちするつもりだったからだと、更にファルコは言った。
元いた国でも、そのつもりで色々と学んでいたらしい。
「今ならもう、ユングベリ商会の看板背負ってどこにでも出ていけるからな」
「………確かに」
道理でイデオン宰相の関心を惹くだけの知識も度胸もある筈だと、妙に納得をしてしまう。
「引き留めているのは、むしろお館様だ。最初の頃は、招いた側の義務感からだったかも知れないが、今はもう……あのお嬢さん以外、視界にすら入っていないだろうな」
「だからアンタ達も、彼女を守るのか?」
――主であるエドヴァルド・イデオンが、彼女を認めたから。
問われたファルコは、何とも言えない表情で、頭を掻いた。
「いやぁ…あのお嬢さん、意外に危ういぞ?俺らやお館様の前で平然と無茶をしてみせるのは、自分の一挙手一投足が、招いたお館様の罪悪感を刺激する事を恐れているからだ。近ごろようやく、お館様がそれも含めてお嬢さんを望んでいると分かってきたっぽいが、ギーレンに聖女を残して来ちまった事があるからな。またいつ『壊れる』か分からねぇんだよ」
聞けば一度、倒れて心を壊しかけた事があるらしい。
今も夜、時々ふらりと無意識でベランダや廊下、外を歩こうとするのを、イデオン宰相が止めて、抱きかかえる様にして眠る日が増えているらしい。
それ以降、公爵邸の皆が、彼女に対しては過保護ぎみなのだと言う。
「だからまぁ、不本意ではあるが、あのヘリファルテは時々ああやって、お嬢さんと遊ばせてやってくれって言うのが言いたかったんだよ。ヘリファルテと遊んだ夜は、心が落ち着くのか、大抵大人しく寝ているみたいだからな」
出来れば四六時中飼える野生を、とっとと捕まえたいんだがな…とのファルコの呟きに、思わず目を瞠ってしまう。
ただ自分を近づけたくなくて、他のヘリファルテを探しているのかと思いきや、そこには理由があったと言うのだ。
「…王都周辺の林は、開発の影響でヘリファルテ自体が郊外に移動していると聞く。麾下の伯爵領や侯爵領に行く機会があれば、そちらで探した方が確率は高いかも知れない」
思わず、と言った風にそう告げると、ファルコは僅かに片眉を動かした。
「なるほど。もしかしたら、謹慎期間を利用して、お館様が郊外に行く機会があるかも知れないな。分かった。頭の片隅に入れておく」
そう言って、ファルコは「話はそれだけだ」と、身を翻した。
「あ…なあ、少しは私の存在も、公爵邸の連中に認められていると言う事で良いのか?レイナ様に敵対はしないと!」
「――おまえの存在価値は、王宮にあってこそだ。公爵邸で働きたいと言うのは、とっとと諦めろ」
一度も振り返らないまま、冷やかな声だけがこちらに返ってきた。
「……サタノフの名と、ヘリファルテか……」
ファルコのその言葉を、まるでその通りだと言わんばかりに、何日かたって、サレステーデの王族が押しかけてきて、誰もが振り回されている王宮で、私の顔を見たレイナ様が「ああっ‼」と、声をあげた。
「レヴがいるなら、リファちゃんがいるじゃん‼」
がしっと両の腕を掴まれて、がくがくと揺さぶられる。
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