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第二部 宰相閣下の謹慎事情
272 人を指差してはいけません
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※1日複数話更新です。お気を付け下さい。
「――失礼致します」
その時、宰相室と奥の扉とを繋ぐ扉が再びノックされた。
フォルシアン公爵が、さも何ごともなかったかの様に、膝の辺りを軽く手で払いながら立ち上がっていると、それに前後するように扉が開かれて、宰相室の方から王宮護衛騎士トーカレヴァ・サタノフ青年が顔を出した。
「宰相閣下、公爵邸からの急使が今、届けられましたのでこちらに――」
その言葉に、エドヴァルドとフォルシアン公爵とが、思わずと言った態で顔を見合わせた。
「ご苦労。――ああ、サタノフ。良いところへ来た。国王陛下には、こちらから話を通すから、ここへ残って警護を引き受けて貰うぞ。詳しくは後で説明する。封書を読む間宰相室で待機してくれ」
封書を受け取りながら、そうエドヴァルドが声をかけると、一瞬だけトーカレヴァは目を見開いて私を見たけれど、今この場では何も聞けまいと、フォルシアン公爵を見て察したんだろう。黙礼して隣の部屋へと引き下がって行った。
「……やはり、返り討ちにあったか?」
エドヴァルドが文字を読む速度は、母国語限定ではあるけれど、恐ろしいくらいに早い。
封書を開けて、上から下まで目でひと撫でしただけだ。
だけどフォルシアン公爵も、慣れているんだろう。
もう「読んだ」との判断で、そんな風に声をかけていた。
「本来なら、他家の当主に教えるべき事でもないが、これは別だろうな。……ああ、そうだ。どうやら公爵邸の方には、王子自らが馬車で乗り付けていたようだがな」
「え……」
あ、ビックリして、うっかり声を出してしまった……。
エドヴァルドは、馬鹿馬鹿しいとばかりに封書を指で弾いていた。
「今日の警備主任は誰だ。この前〝チェカル〟に現れた時もそうだが、こうも好き勝手に王宮の内と外とを出入りされていては、鼎の軽重を問われかねん」
「……後で確認させよう。国内の軍務防衛部門を預かる者としては良い恥さらしだ。すまない」
10歳以上も年の離れた青年相手に、躊躇なく頭を下げられるのは、フォルシアン公爵の器の大きさの表れだろうと思う。
エドヴァルドも、ケジメとしてそれをさせない訳にはいかないので、代わりにすぐさま片手を上げる事で、暗黙の了解的に話を元に戻していた。
「どうせクヴィスト領下の下位貴族だろうがな。たまたまレイナが王宮に来ていたから良かったが、そうでなければ、王子の身分を笠に着られた時点で、引き渡さざるを得なかっただろう」
転移装置を、王子と王女が同時に使う事は出来ない。
使ったところが、双方『真判部屋』に飛ばされてしまい、同時にそこから逃げおおせる事は、さすがに困難だからだ。王宮護衛騎士はそこまで無能じゃない。
なら、どちらかに転移装置を使わせて、どちらかは直接仕掛ける――そうなると、継承権が下となる王女の方に、転移装置を使わせるのも道理だと言えた。
いくら王族の名を楯に、玄関で同行を強要したところで、ユセフ・フォルシアンには公爵家嫡子としての楯がある。
使用人には無理でも、ユセフ本人が同行を拒否する事が可能であり、十中八九そうするだろうからだ。
一方の私は〝聖女の姉〟とは言え、現時点で平民以上の肩書を持っていない。
使用人と同様に、王子に同行を求められた場合には、拒否権を持たないのだ。
だからユセフの方に強硬手段が執られ、私の方には王子が直々に邸宅に来た。
あらかじめ、よく考えられていたと言うべきだった。
「最初は、レイナが不在だと言うのを信じずに、周りの護衛が恫喝をしていたらしいが、公爵邸の護衛たちが、王子と馭者以外を全員地に沈めて、家令が『私と出かけた』と告げたところで、ようやく諦めて引き返したようだ。もしかすると、そのうち宰相室にやって来るかも知れんな」
王子と馭者以外を全員地に沈めた――。
ファルコ達にさんざん好き勝手暴れさせた後で、しれっと私の不在を言ってのけるセルヴァンが、くっきりハッキリ脳裡に浮かんでしまった。
どう考えても、王子にさえ手を出さなければ、不敬罪には問われまいと言う確信犯だ。
――フォルシアン公爵から一瞬顔をそむけたエドヴァルドの口元が、苦笑いを堪えながら「よくやった」と動いているのを、私は確かに目にした。
「しかしサレステーデからの返書の事もあるし、陛下の執務室に行かない訳にもいかない。恐らくボードリエ伯爵は、既に陛下の御前から退出しただろうから、私は彼女と外の護衛を連れてそちらへと向かう。フォルシアン公、貴方は王女とユセフが居るだろう部屋を手分けして探してくれ。進展があれば、まずは陛下の執務室へ」
「……承知した。他の三公爵家への連絡はどうする?」
「これは予想だが、サレステーデ王家の内紛が一触即発状態になっているのなら、恐らくはクヴィスト公が、呼ばずとも出向いて来る筈だ。まあ、ユセフとレイナを手中に収めた事を前提として、だろうがな」
「……っ」
穏やかな笑顔が標準装備と言って良い、美形公爵様の眉が、不愉快そうに顰められた。
40代前半と言っても、この人を「イケオジ」とはどうしても呼ぶ事が出来ない。
某アイドルデュオの「王子」サマくらいに年齢不詳な人だからだ。
だいぶお怒り…と言うか、ちょっと黒いオーラが背後に漂ってはいるけれど。
「陛下の前で向こうに都合の良い主張を並べ立てられる前に、ユセフを見つけた方が良い。私も、レイナに余計な手出しはさせん」
「そうだな。互いの身内は、互いで守るべきだな。クヴィスト公を弾劾する時には、ぜひ私も同席させてくれ。頼んだ」
そう言って片手を上げたフォルシアン公爵は、他者に動揺を悟られない程度に、早足で宰相室を出て行った。
「――レイナ」
フォルシアン公爵の姿が扉の向こうに消えたところで、手にしていた簡易型の転移装置を上着の内ポケットにしまいながら、エドヴァルドが、私を振り返った。
「すまないが、今は貴女と別行動をする訳にいかなくなった。しばらく私に付き合って貰えるか」
「陛下の所に行くと仰っていた件ですか?」
「それもあるが、王子王女の暴走が収まったと確認出来るまでしばらく――と言った方が、より正確だろうな。王子の護衛ならサタノフで止められるだろうが、王子自身を止められるのは、私だけだ」
地位だけなら国王陛下でも充分楯になり得るけれど、アノヒトには1ミリも期待してはいけない。
多分、私とエドヴァルドの中では、その思いは確実に共有されている。
「ドナート王子は今、公爵邸から王宮に向かっている最中なんですか?」
「セルヴァンからは、公爵邸から追い返したとしか記されてはいないが、まあ、そうだろう」
「ですけど、私を捕まえてどうこう…って言う策は、もう破綻してますよね?後は泣き落としか何かですかね?」
サレステーデ本国からは、第二王子と第一王女は、既に「処分対象」であるかの様な手紙が届けられていると聞く。
だとすれば、王女をフォルシアン公爵家に保護させる事と、王子が私と聖女の存在を楯に、アンジェスとギーレンの後見を得たかの様に誤認させる事とで、何とか自分達の身を守ろうと、焦って動いている事は考えられた。
「そこは何とも言えないが……国としては、第一王子側と第二王子側、どちらか一方だけの言い分を鵜呑みにする訳にはいかない。恐らくフィルバートは貴女に『とりあえずは第二王子と会って話をしろ』と言うだろうな」
「……ですよねー……」
「もちろん、その場には私も同席する。そこは譲るつもりはない。だがその時に、ユセフと王女との間がどうなっているかで、話の持っていきようが大きく変わってしまう。一刻も早く見つかると良いんだが……」
取り急ぎ奥の部屋を出たところで、壁際にいたトーカレヴァが、気付いてすぐに近付いて来た。
そんな彼の顔を見たところで私は、それまでキレイさっぱり忘れていた可能性に気が付いてしまい、うっかり淑女らしからぬ声で「ああっ⁉」と、声を上げてしまった。
「レイナ?」
「レイナ様?」
人を指差す行為は失礼――そんな作法の基本も、すっかり忘れて。
「何で今まで忘れてたかな、私!レヴがいるなら、リファちゃんがいるじゃん‼」
「「――は?」」
エドヴァルドとトーカレヴァが、まるで示し合わせたかの様に、声を上げて目を見開いた。
「――失礼致します」
その時、宰相室と奥の扉とを繋ぐ扉が再びノックされた。
フォルシアン公爵が、さも何ごともなかったかの様に、膝の辺りを軽く手で払いながら立ち上がっていると、それに前後するように扉が開かれて、宰相室の方から王宮護衛騎士トーカレヴァ・サタノフ青年が顔を出した。
「宰相閣下、公爵邸からの急使が今、届けられましたのでこちらに――」
その言葉に、エドヴァルドとフォルシアン公爵とが、思わずと言った態で顔を見合わせた。
「ご苦労。――ああ、サタノフ。良いところへ来た。国王陛下には、こちらから話を通すから、ここへ残って警護を引き受けて貰うぞ。詳しくは後で説明する。封書を読む間宰相室で待機してくれ」
封書を受け取りながら、そうエドヴァルドが声をかけると、一瞬だけトーカレヴァは目を見開いて私を見たけれど、今この場では何も聞けまいと、フォルシアン公爵を見て察したんだろう。黙礼して隣の部屋へと引き下がって行った。
「……やはり、返り討ちにあったか?」
エドヴァルドが文字を読む速度は、母国語限定ではあるけれど、恐ろしいくらいに早い。
封書を開けて、上から下まで目でひと撫でしただけだ。
だけどフォルシアン公爵も、慣れているんだろう。
もう「読んだ」との判断で、そんな風に声をかけていた。
「本来なら、他家の当主に教えるべき事でもないが、これは別だろうな。……ああ、そうだ。どうやら公爵邸の方には、王子自らが馬車で乗り付けていたようだがな」
「え……」
あ、ビックリして、うっかり声を出してしまった……。
エドヴァルドは、馬鹿馬鹿しいとばかりに封書を指で弾いていた。
「今日の警備主任は誰だ。この前〝チェカル〟に現れた時もそうだが、こうも好き勝手に王宮の内と外とを出入りされていては、鼎の軽重を問われかねん」
「……後で確認させよう。国内の軍務防衛部門を預かる者としては良い恥さらしだ。すまない」
10歳以上も年の離れた青年相手に、躊躇なく頭を下げられるのは、フォルシアン公爵の器の大きさの表れだろうと思う。
エドヴァルドも、ケジメとしてそれをさせない訳にはいかないので、代わりにすぐさま片手を上げる事で、暗黙の了解的に話を元に戻していた。
「どうせクヴィスト領下の下位貴族だろうがな。たまたまレイナが王宮に来ていたから良かったが、そうでなければ、王子の身分を笠に着られた時点で、引き渡さざるを得なかっただろう」
転移装置を、王子と王女が同時に使う事は出来ない。
使ったところが、双方『真判部屋』に飛ばされてしまい、同時にそこから逃げおおせる事は、さすがに困難だからだ。王宮護衛騎士はそこまで無能じゃない。
なら、どちらかに転移装置を使わせて、どちらかは直接仕掛ける――そうなると、継承権が下となる王女の方に、転移装置を使わせるのも道理だと言えた。
いくら王族の名を楯に、玄関で同行を強要したところで、ユセフ・フォルシアンには公爵家嫡子としての楯がある。
使用人には無理でも、ユセフ本人が同行を拒否する事が可能であり、十中八九そうするだろうからだ。
一方の私は〝聖女の姉〟とは言え、現時点で平民以上の肩書を持っていない。
使用人と同様に、王子に同行を求められた場合には、拒否権を持たないのだ。
だからユセフの方に強硬手段が執られ、私の方には王子が直々に邸宅に来た。
あらかじめ、よく考えられていたと言うべきだった。
「最初は、レイナが不在だと言うのを信じずに、周りの護衛が恫喝をしていたらしいが、公爵邸の護衛たちが、王子と馭者以外を全員地に沈めて、家令が『私と出かけた』と告げたところで、ようやく諦めて引き返したようだ。もしかすると、そのうち宰相室にやって来るかも知れんな」
王子と馭者以外を全員地に沈めた――。
ファルコ達にさんざん好き勝手暴れさせた後で、しれっと私の不在を言ってのけるセルヴァンが、くっきりハッキリ脳裡に浮かんでしまった。
どう考えても、王子にさえ手を出さなければ、不敬罪には問われまいと言う確信犯だ。
――フォルシアン公爵から一瞬顔をそむけたエドヴァルドの口元が、苦笑いを堪えながら「よくやった」と動いているのを、私は確かに目にした。
「しかしサレステーデからの返書の事もあるし、陛下の執務室に行かない訳にもいかない。恐らくボードリエ伯爵は、既に陛下の御前から退出しただろうから、私は彼女と外の護衛を連れてそちらへと向かう。フォルシアン公、貴方は王女とユセフが居るだろう部屋を手分けして探してくれ。進展があれば、まずは陛下の執務室へ」
「……承知した。他の三公爵家への連絡はどうする?」
「これは予想だが、サレステーデ王家の内紛が一触即発状態になっているのなら、恐らくはクヴィスト公が、呼ばずとも出向いて来る筈だ。まあ、ユセフとレイナを手中に収めた事を前提として、だろうがな」
「……っ」
穏やかな笑顔が標準装備と言って良い、美形公爵様の眉が、不愉快そうに顰められた。
40代前半と言っても、この人を「イケオジ」とはどうしても呼ぶ事が出来ない。
某アイドルデュオの「王子」サマくらいに年齢不詳な人だからだ。
だいぶお怒り…と言うか、ちょっと黒いオーラが背後に漂ってはいるけれど。
「陛下の前で向こうに都合の良い主張を並べ立てられる前に、ユセフを見つけた方が良い。私も、レイナに余計な手出しはさせん」
「そうだな。互いの身内は、互いで守るべきだな。クヴィスト公を弾劾する時には、ぜひ私も同席させてくれ。頼んだ」
そう言って片手を上げたフォルシアン公爵は、他者に動揺を悟られない程度に、早足で宰相室を出て行った。
「――レイナ」
フォルシアン公爵の姿が扉の向こうに消えたところで、手にしていた簡易型の転移装置を上着の内ポケットにしまいながら、エドヴァルドが、私を振り返った。
「すまないが、今は貴女と別行動をする訳にいかなくなった。しばらく私に付き合って貰えるか」
「陛下の所に行くと仰っていた件ですか?」
「それもあるが、王子王女の暴走が収まったと確認出来るまでしばらく――と言った方が、より正確だろうな。王子の護衛ならサタノフで止められるだろうが、王子自身を止められるのは、私だけだ」
地位だけなら国王陛下でも充分楯になり得るけれど、アノヒトには1ミリも期待してはいけない。
多分、私とエドヴァルドの中では、その思いは確実に共有されている。
「ドナート王子は今、公爵邸から王宮に向かっている最中なんですか?」
「セルヴァンからは、公爵邸から追い返したとしか記されてはいないが、まあ、そうだろう」
「ですけど、私を捕まえてどうこう…って言う策は、もう破綻してますよね?後は泣き落としか何かですかね?」
サレステーデ本国からは、第二王子と第一王女は、既に「処分対象」であるかの様な手紙が届けられていると聞く。
だとすれば、王女をフォルシアン公爵家に保護させる事と、王子が私と聖女の存在を楯に、アンジェスとギーレンの後見を得たかの様に誤認させる事とで、何とか自分達の身を守ろうと、焦って動いている事は考えられた。
「そこは何とも言えないが……国としては、第一王子側と第二王子側、どちらか一方だけの言い分を鵜呑みにする訳にはいかない。恐らくフィルバートは貴女に『とりあえずは第二王子と会って話をしろ』と言うだろうな」
「……ですよねー……」
「もちろん、その場には私も同席する。そこは譲るつもりはない。だがその時に、ユセフと王女との間がどうなっているかで、話の持っていきようが大きく変わってしまう。一刻も早く見つかると良いんだが……」
取り急ぎ奥の部屋を出たところで、壁際にいたトーカレヴァが、気付いてすぐに近付いて来た。
そんな彼の顔を見たところで私は、それまでキレイさっぱり忘れていた可能性に気が付いてしまい、うっかり淑女らしからぬ声で「ああっ⁉」と、声を上げてしまった。
「レイナ?」
「レイナ様?」
人を指差す行為は失礼――そんな作法の基本も、すっかり忘れて。
「何で今まで忘れてたかな、私!レヴがいるなら、リファちゃんがいるじゃん‼」
「「――は?」」
エドヴァルドとトーカレヴァが、まるで示し合わせたかの様に、声を上げて目を見開いた。
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