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第二部 宰相閣下の謹慎事情
292 日本語は乙女のポリシーです(後)
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※1日複数話更新です。お気を付け下さい。
『ああ、ごめん。クヴィスト公爵の話とか、特にまだ公爵様方と一部の護衛騎士だけしか知らないから、帰ってからも、ボードリエ伯爵へはオフレコで頼める?』
シャルリーヌに話すのは、次期〝聖女〟枠で許可を貰っていると私が言うと、納得した様にゆっくりと頷いた。
『そりゃそうよね。仮にも一国の公爵閣下が、よからぬ野心を抱いた結果、国王陛下自らの手で粛清されましたとか、事実でも言えないわよね。なんかもうちょっと、もっともらしい理由がいるわよね。国内が混乱しちゃう』
『うん。多分だけどね、上層部の皆様は、その「もっともらしい理由」を、多分サレステーデ側になすりつける気でいるんじゃないかと思うのよ』
例えばこっそり第一王子派を焦らせるような文言を、第二王子と第一王女の引き取り依頼文面に混ぜて、二人に向けられていたと言う刺客を、アンジェス国内で放たせるようにする。
それをアンジェスの護衛騎士たちが鎮圧して、クヴィスト公爵はそのどさくさにまぎれて殺されてしまった事にすれば、表向きは「名誉の殉死」だ。
クヴィスト公爵家としても、家全体の処罰は免れる事になるから、提案すれば否とは言わないだろう。
仮に第一王子派が、第二王子と第一王女を狙っていたと言うのが虚言であったなら、引き取りの場で第一王子を狙ったとして、第二王子と第一王女をその場で斬り捨てるなり何なりして、そこにクヴィスト公爵も添えてしまえば良い。
『うわぁ、ありそう……』
――まあ、上層部と言うよりは宰相閣下の考えている事ではあるけれど。
そこは口を閉ざしてシャルリーヌに言ったけれど、充分に納得は出来たのか、ご令嬢らしからぬ仕種で眉を顰めていた。
『ああ、そう言う裏事情満載の話をしたい訳ね……宰相閣下に〝天ぷらパーティー〟便乗されちゃったかぁ……』
『そう言う事なのよ。でもね、それでいくとサレステーデが国としての求心力を失うじゃない?そもそも他所の国でやらかしている時点でアウトって言うのもあるんだけど』
『そうね。それが?』
首を傾げたシャルリーヌに、私は某通販会社のテレビショッピングよろしく、ぐいっと身を乗り出して、プレゼン風に説明をしてみた。
『まず、国としての威信を失うであろうサレステーデには、バリエンダールの自治領として監督下に入って貰うとするわね?自治領主でも総督でも良いけど、その地位にはやらかされた側であるアンジェスから一人入って貰って、アンジェスとバリエンダールとの共同統治に近い形にする。現サレステーデの王族には名誉王族とか、副総督とか、そのあたりの地位に就いて貰って、属国化の印象は最低限に抑えておく。ベルィフの王女とサレステーデの王子との縁談は、そのまま継続させる。――すると、なんと!』
『なんと?』
『バリエンダール、ベルィフ、アンジェスによるギーレン包囲網が完成します!』
『⁉』
何の話だ、とばかりにシャルリーヌは目を丸くしている。
そ、そうね……?と呟く声が、ちょっと気圧されている。
『そうなると、いくらギーレンでも周辺諸国に対して、強く出られなくなる。下手をすると物資のやり取りの面でも不利になるか、孤立の憂き目にあう。そこを何とか、友好国の輪に加わろうとするならば――使える手段はエドベリ王子の婚姻くらいしか残らないと、そう言うワケなのよ』
『あ?え?ちょっと待って、まさか……!』
『バリエンダールのミルテ王女が社交界デビューする頃には、エドベリ王子と聖女との偽装結婚にもボロが出ている頃でしょうよ。正当な王族の血筋、王族としての教育を受けている王女。ほら、正妃にふさわしい!……的な?』
社交界デビュー前なら、まだ充分にエヴェリーナ妃が鍛える余地もある筈。
『えっ、もしかして私、逃げ切れる⁉』
『逆に言うとそれしかない、みたいな』
その瞬間、ガッとシャルリーヌが私の両手を掴んだ。
『買うわ!違う、それ、乗った!私に出来る事ある⁉』
『いや、今はまだサレステーデの第一王子がアンジェスに入国して来るまでは、やれる事はないって。全部、第一王子がアンジェスの王宮で第二王子と第一王女の殺害を図ってくれて初めて成り立たせられる事だもの』
『そうか、そうよね。って言うか、もうそこに誘導する事がほぼ既定路線なんじゃないの?』
『その根回しをこの後の昼食会でするみたいなのよ。天ぷらなんて食べてる場合なの?って話なんだけど』
『……そぐわない事甚だしいわね』
でしょ⁉と、私も声を出さざるを得ない。
『多分、私やシャーリーなんかは、ギーレン包囲網が出来上がった、あるいは出来上がりかけたところで、エヴェリーナ妃とバリエンダールのメダルド国王かミラン王太子との橋渡しをして、ミルテ王女の輿入れを後押しするのに協力するよう言われるんじゃないのかな』
バリエンダールにしてみれば、ギーレンが困ったところで特に気にならないのかも知れないが、自治領とは言えサレステーデを支配下に置けるのは魅力的だろう。
ベルィフは、アンジェスよりもほんの少し国土面積が大きいだけなので、ギーレンに吸収されない為にも、サレステーデと縁を結ぼうとしたのだろうが、そこにバリエンダールが加わってくるなら、言う事はないに違いない。
両国共に、アンジェスの話に一瞥もくれないと言う事は出来ない筈なのだ。
『分かったわ、その時はゲーム知識を駆使してバリエンダールの国王なり王太子なりを説き伏せるのに協力する!』
自分のエドベリ王子との結婚話に関しても、今度こそ完全に可能性を潰せるかも知れないとあって、シャルリーヌは気合が入りまくりだった。
『うん。それまでに色々とルートを思い出しておいて。もちろん、私もそうするけど。あと、それに付随してなんだけど、ベルィフの文字を私に教えてくれない?あ、サレステーデ語を一緒に家庭教師に習う話って、ボードリエ伯爵からいったのかな?』
『ええ、聞いたわ。ベルィフの文字って、ギーレン語から派生したところもあるから、多分すぐに覚えられると思うけど。言葉だけの転移チートって、ちょっと微妙よね。ところでレイナ、もうすぐミカ君来ると思うんだけど、その前に一個だけ、聞いておいて良い?』
そう言うと、今度はシャルリーヌの方が、グイグイ私の方に身体を押し返してきた。
傍からみれば「百合」か何かと勘違いされそうな光景だ。
『その、外出着にストール羽織っても隠し切れない〝痕〟の事なんだけど』
『……っ』
警官が取調室で「さあ吐け!」と圧力をかけているのとそっくりな調子で、シャルリーヌがこちらを覗き込んできた。
『初対面の「お見合い」の時よりも痕は多いし、その上くっきりハッキリ馬鹿でも分かると言うか……この前の〝ヘンリエッタ〟の時よりも更に濃くなってる気がするんですけど⁉』
やめて、そこをツッコまないで――!
『私に言わないでくれる⁉ご令嬢除けに王子除けに、公爵サマ方への主張まで加わって、こっちはもう、公開処刑されてる気にしかならないのよ‼』
『何それ!宰相閣下の独占欲怖くない⁉そんなヤンデレキャラじゃなかったよね⁉』
『いや、アノヒトはデレとかないから!』
『……病んでるだけなの?偏愛確定?いやいや、それだとサイコパス陛下サマとは違う方向にヤバくない?』
『やーめーてー‼』
思わず頭を抱えた私に、シャルリーヌがモロに「ダメな子」を見る目でこちらに視線を送ってきた。
『って言うか、レイナ……もしかして』
『聞こえない、なんにも聞こえないっ!!』
オトナの階段――と明らかに言いかけたシャルリーヌを、とりあえず大声で遮っておく。
「あっ、レイナ様にシャルリーヌ様見つけたーっ!」
そこにまさしく〝天の声〟が降り注いできた。
『……仕方がないから話は延期して、ベルィフかサレステーデの文字の勉強会で、じっくりたっぷり聞かせて貰うわ』
私は全力で、シャルリーヌの声は聞かなかった事にした。
『ああ、ごめん。クヴィスト公爵の話とか、特にまだ公爵様方と一部の護衛騎士だけしか知らないから、帰ってからも、ボードリエ伯爵へはオフレコで頼める?』
シャルリーヌに話すのは、次期〝聖女〟枠で許可を貰っていると私が言うと、納得した様にゆっくりと頷いた。
『そりゃそうよね。仮にも一国の公爵閣下が、よからぬ野心を抱いた結果、国王陛下自らの手で粛清されましたとか、事実でも言えないわよね。なんかもうちょっと、もっともらしい理由がいるわよね。国内が混乱しちゃう』
『うん。多分だけどね、上層部の皆様は、その「もっともらしい理由」を、多分サレステーデ側になすりつける気でいるんじゃないかと思うのよ』
例えばこっそり第一王子派を焦らせるような文言を、第二王子と第一王女の引き取り依頼文面に混ぜて、二人に向けられていたと言う刺客を、アンジェス国内で放たせるようにする。
それをアンジェスの護衛騎士たちが鎮圧して、クヴィスト公爵はそのどさくさにまぎれて殺されてしまった事にすれば、表向きは「名誉の殉死」だ。
クヴィスト公爵家としても、家全体の処罰は免れる事になるから、提案すれば否とは言わないだろう。
仮に第一王子派が、第二王子と第一王女を狙っていたと言うのが虚言であったなら、引き取りの場で第一王子を狙ったとして、第二王子と第一王女をその場で斬り捨てるなり何なりして、そこにクヴィスト公爵も添えてしまえば良い。
『うわぁ、ありそう……』
――まあ、上層部と言うよりは宰相閣下の考えている事ではあるけれど。
そこは口を閉ざしてシャルリーヌに言ったけれど、充分に納得は出来たのか、ご令嬢らしからぬ仕種で眉を顰めていた。
『ああ、そう言う裏事情満載の話をしたい訳ね……宰相閣下に〝天ぷらパーティー〟便乗されちゃったかぁ……』
『そう言う事なのよ。でもね、それでいくとサレステーデが国としての求心力を失うじゃない?そもそも他所の国でやらかしている時点でアウトって言うのもあるんだけど』
『そうね。それが?』
首を傾げたシャルリーヌに、私は某通販会社のテレビショッピングよろしく、ぐいっと身を乗り出して、プレゼン風に説明をしてみた。
『まず、国としての威信を失うであろうサレステーデには、バリエンダールの自治領として監督下に入って貰うとするわね?自治領主でも総督でも良いけど、その地位にはやらかされた側であるアンジェスから一人入って貰って、アンジェスとバリエンダールとの共同統治に近い形にする。現サレステーデの王族には名誉王族とか、副総督とか、そのあたりの地位に就いて貰って、属国化の印象は最低限に抑えておく。ベルィフの王女とサレステーデの王子との縁談は、そのまま継続させる。――すると、なんと!』
『なんと?』
『バリエンダール、ベルィフ、アンジェスによるギーレン包囲網が完成します!』
『⁉』
何の話だ、とばかりにシャルリーヌは目を丸くしている。
そ、そうね……?と呟く声が、ちょっと気圧されている。
『そうなると、いくらギーレンでも周辺諸国に対して、強く出られなくなる。下手をすると物資のやり取りの面でも不利になるか、孤立の憂き目にあう。そこを何とか、友好国の輪に加わろうとするならば――使える手段はエドベリ王子の婚姻くらいしか残らないと、そう言うワケなのよ』
『あ?え?ちょっと待って、まさか……!』
『バリエンダールのミルテ王女が社交界デビューする頃には、エドベリ王子と聖女との偽装結婚にもボロが出ている頃でしょうよ。正当な王族の血筋、王族としての教育を受けている王女。ほら、正妃にふさわしい!……的な?』
社交界デビュー前なら、まだ充分にエヴェリーナ妃が鍛える余地もある筈。
『えっ、もしかして私、逃げ切れる⁉』
『逆に言うとそれしかない、みたいな』
その瞬間、ガッとシャルリーヌが私の両手を掴んだ。
『買うわ!違う、それ、乗った!私に出来る事ある⁉』
『いや、今はまだサレステーデの第一王子がアンジェスに入国して来るまでは、やれる事はないって。全部、第一王子がアンジェスの王宮で第二王子と第一王女の殺害を図ってくれて初めて成り立たせられる事だもの』
『そうか、そうよね。って言うか、もうそこに誘導する事がほぼ既定路線なんじゃないの?』
『その根回しをこの後の昼食会でするみたいなのよ。天ぷらなんて食べてる場合なの?って話なんだけど』
『……そぐわない事甚だしいわね』
でしょ⁉と、私も声を出さざるを得ない。
『多分、私やシャーリーなんかは、ギーレン包囲網が出来上がった、あるいは出来上がりかけたところで、エヴェリーナ妃とバリエンダールのメダルド国王かミラン王太子との橋渡しをして、ミルテ王女の輿入れを後押しするのに協力するよう言われるんじゃないのかな』
バリエンダールにしてみれば、ギーレンが困ったところで特に気にならないのかも知れないが、自治領とは言えサレステーデを支配下に置けるのは魅力的だろう。
ベルィフは、アンジェスよりもほんの少し国土面積が大きいだけなので、ギーレンに吸収されない為にも、サレステーデと縁を結ぼうとしたのだろうが、そこにバリエンダールが加わってくるなら、言う事はないに違いない。
両国共に、アンジェスの話に一瞥もくれないと言う事は出来ない筈なのだ。
『分かったわ、その時はゲーム知識を駆使してバリエンダールの国王なり王太子なりを説き伏せるのに協力する!』
自分のエドベリ王子との結婚話に関しても、今度こそ完全に可能性を潰せるかも知れないとあって、シャルリーヌは気合が入りまくりだった。
『うん。それまでに色々とルートを思い出しておいて。もちろん、私もそうするけど。あと、それに付随してなんだけど、ベルィフの文字を私に教えてくれない?あ、サレステーデ語を一緒に家庭教師に習う話って、ボードリエ伯爵からいったのかな?』
『ええ、聞いたわ。ベルィフの文字って、ギーレン語から派生したところもあるから、多分すぐに覚えられると思うけど。言葉だけの転移チートって、ちょっと微妙よね。ところでレイナ、もうすぐミカ君来ると思うんだけど、その前に一個だけ、聞いておいて良い?』
そう言うと、今度はシャルリーヌの方が、グイグイ私の方に身体を押し返してきた。
傍からみれば「百合」か何かと勘違いされそうな光景だ。
『その、外出着にストール羽織っても隠し切れない〝痕〟の事なんだけど』
『……っ』
警官が取調室で「さあ吐け!」と圧力をかけているのとそっくりな調子で、シャルリーヌがこちらを覗き込んできた。
『初対面の「お見合い」の時よりも痕は多いし、その上くっきりハッキリ馬鹿でも分かると言うか……この前の〝ヘンリエッタ〟の時よりも更に濃くなってる気がするんですけど⁉』
やめて、そこをツッコまないで――!
『私に言わないでくれる⁉ご令嬢除けに王子除けに、公爵サマ方への主張まで加わって、こっちはもう、公開処刑されてる気にしかならないのよ‼』
『何それ!宰相閣下の独占欲怖くない⁉そんなヤンデレキャラじゃなかったよね⁉』
『いや、アノヒトはデレとかないから!』
『……病んでるだけなの?偏愛確定?いやいや、それだとサイコパス陛下サマとは違う方向にヤバくない?』
『やーめーてー‼』
思わず頭を抱えた私に、シャルリーヌがモロに「ダメな子」を見る目でこちらに視線を送ってきた。
『って言うか、レイナ……もしかして』
『聞こえない、なんにも聞こえないっ!!』
オトナの階段――と明らかに言いかけたシャルリーヌを、とりあえず大声で遮っておく。
「あっ、レイナ様にシャルリーヌ様見つけたーっ!」
そこにまさしく〝天の声〟が降り注いできた。
『……仕方がないから話は延期して、ベルィフかサレステーデの文字の勉強会で、じっくりたっぷり聞かせて貰うわ』
私は全力で、シャルリーヌの声は聞かなかった事にした。
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