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第二部 宰相閣下の謹慎事情
306 無期限以上の永久赴任
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※1日複数話更新です。お気を付け下さい。
公爵邸の大広間で、エドヴァルドがフォルシアン公爵とコンティオラ公爵、スヴェンテ老公爵に「根回し」をしたのは、やはりサレステーデの第一王子が、第二王子と第一王女の誅殺名目で、明日、刺客を送り込んで来るのではないかと言う事と、そうなった場合は、サレステーデ国の主権そのものを取り上げてしまおうと言う目論見についてだったらしい。
さすがにサレステーデ国をバリエンダールの自治領とする事や、自治領の主権をレイフ殿下に持たせる事、ベルィフからサレステーデへの王女の輿入れは、相手を変えてそのままとする事で、ギーレンへの包囲網を作り上げるとの話には、どの公爵も一瞬絶句したとの事だった。
ギーレンのエドベリ王子とバリエンダールのミルテ王女との縁組を目論んでいる点だけは、今はまだ、王子と聖女マナの婚姻話でさえ浸透していない以上は、彼らにはもうしばらく言わない事にしたと、最後エドヴァルドは言った。
「あー…じゃあ、明日は謁見の間なり晩餐会会場なりで、騒ぎが起きること前提なんですね、もう」
「そうだ。だから貴女の周囲をより強固にしておきたかった。そのための護衛の配置を予め考えてあったんだ。それを貴女が……」
明らかに不服だ、と言ったエドヴァルドの視線を、私は笑って受け流した。
「でも、後で国内の貴族から文句を言われない事も大事じゃないですか?気にしないと、エドヴァルド様は仰るかも知れませんけど、少なくとも、私はイヤですよ。自分の所為でエドヴァルド様が悪く言われるのは」
――それに、あれこれ一人でやろうとしすぎです。
私がそう付け足したところで、エドヴァルドはぐっ…と言葉に詰まっていた。
それを貴女が仰いますか…と言う、扉の出口付近にそっと立っていたヨンナの視線は無視です、無視。
「自治領の件に関してだって、まだレイフ殿下もバリエンダールにも、根回しはされていないんでしょう?もうしばらくはお忙しいままでしょうから、公爵邸の事は後回しにして下さっても大丈夫ですよ」
ちょっと眉間に皺が寄った気がしたけど、悩んだ末、結局口にしたのはレイフ殿下の話だった。
「確かにバリエンダールは、他国である以上、明日実際に事が起きてからでなければ動きようもないが、レイフ殿下には、サタノフを通して秘密裡に接触をした。それもあって、少し帰りが遅くなったんだが」
「あ、え、ウラで会われたんですね?それは…ゴネられたとか、そう言う話ですか?」
「……ウラ……いや、まあ最初こそ、銀の取引停止を全て解除しろと言ってはいたが、銀の権利は全て手放して、サレステーデで『カラハティ』製品を一から運用しろと言ったら、黙り込んでいた。だいたいが、先代国王やフィルバートの話が絡むと、頭に血が上って単純思考になるだけなんだ、あの殿下は」
娘をギーレンの辺境伯家に送って、王宮から追放された元王子を使って、資金洗浄をしようとそもそも企んだくらいには、経済には明るいのだ。
「なるほど、経済戦争にはそれなりに強いけど、軍事的な争いごとにはめっぽう弱いと……そんな感じなんですね」
オルセン侯爵と娘のトゥーラを自陣に引き込もうとしたのも、定例報告書に載らない、ドレスの進呈から初手を打っていた筈だ、そう言えば。
ある意味、机上に強い秀才型の人なのかも知れない。
「……なかなかに言い得て妙だな。言われて見れば、私が銀相場を動かしたのは、殿下が自衛の為の資金回収に回ろうとしていたのと、時間差があまりなかったみたいだったな」
「あぁ、じゃあきっと向いてますね、自治領の総督。それで防衛面を王子の誰かに担って貰うのもアリだと思いますよ?従う兵士だって、ポッと出の他国の為政者より、自国の王族の方が軍を率いてくれる方が士気も上がるでしょうし」
「そのまま叛旗を翻されないか、それ?」
「それをエドヴァルド様がおっしゃいます?」
――本部が干上がっても良いなら、やってみろ。
イデオン公爵領防衛軍の長たる某将軍に、そう言い放ったのは他ならぬエドヴァルドの筈だ。
私の言葉に、かつての自分を思い出したのか、エドヴァルドも僅かに苦笑した。
「なるほど殿下なら、自らの出自をもって周囲を動かしながら、もしもの時には軍の兵糧を止める事は出来る――か」
アンジェス国の王族と言う肩書きがあれば、よほど時代劇の悪代官みたいな取引を強要しない限りは、大抵の商人は取引をしてくれるだろうし、まして周辺諸国の商人ならば、いざと言う時には物流を軍にいき渡らせない事にも協力をしてくれるだろう。
今回の騒ぎを吹聴すれば、間違いなくサレステーデの王族は国際社会における信頼を落とすのだから。
「レイフ殿下が、銀の取引で得る筈だった資金で『何を企んでいたか』なんて、言わなきゃ当人と子飼いの貴族、あとは陛下とエドヴァルド様くらいしか把握していない事なんですから、その辺りはどうとでも蓋は出来ますよね?」
叛逆未遂を問われる危険に常に怯えるよりも、殿下と共にサレステーデの総督府(仮)に永久赴任する事を選ぶ者たちだって一定数いる筈だ。
もしもそこで私腹を肥やそうとすれば、逆にサレステーデ王家側やバリエンダール王家側から再度乗っ取られるくらいの緊張感を持たせておけば、ある程度は真面目に仕事もするだろう。
「条件付きの赴任か」
「左遷って言っちゃうと、拗ねて仕事放棄しそうですから、まあそんな感じです。こちらから送り込んだ貴族や事務方の人間が真面目に仕事をしないようなら、主権を奪い返して良いって言う約束でも付けておけば、バリエンダールもサレステーデも、様子見がてら受け入れるんじゃないでしょうか?」
多分、レイフ殿下も。
「サレステーデの王族が今回しでかした事を、自国にも各国にも盛大に話を広めておけば、少なくとも最初のうちは、国内の有力者達も、主権の返上を受け入れざるを得ないだろうな……」
エドヴァルドが存外真面目に考え込んでいるところを見ると、レイフ殿下は「赴任」の話に前向きな回答をしたと言う事なんだろうか。
そんな私の視線に気付いたエドヴァルドが、ふと顔を上げた。
「明日が済めば、陛下と五公爵とレイフ殿下との間で、今後についての話し合いの場が持たれるだろう。殿下の事もそうだが、クヴィスト家の代替わりの話もあるしな。恐らくは明日、予想通りの事件が起きれば、殿下はこの話に頷かれるんじゃないかと思っている」
「………なるほど」
「そうなると、オルセン侯爵家とアルノシュト伯爵家の処遇についても、今のうちから考えておかないといけなくてな」
「?」
「忘れたか?オルセン侯爵とトゥーラ・オルセン侯爵令嬢は、レイフ殿下からの口利きで、アルノシュト伯爵を通して衣装を送られている。アルノシュト伯爵に関しては、レイフ殿下直轄のブラード領のボードストレーム商会と通じていて、銀の取引を行っていた。いずれも明確に違法と言う訳ではないが、伯爵領下のシュタム領で鉱毒の被害が広がっている事に目を瞑っていた以上、限度を超えた取引を行っていた事は間違いない。いずれにせよ、このままにはしておけない」
「あ……?でもエドヴァルド様、オルセン侯爵と令嬢に関しては確か……」
オルセン侯爵夫妻は近々離婚予定で、領地はブレンダ夫人が一時的に跡を継いで、近い将来ヨアキム・オルセン侯爵令息に繋ぐのではなかったか。
侯爵自身は婿入り前のスヴェンテ領内の侯爵家に戻り、トゥーラ嬢はそこからいずこかの家に嫁ぐ…とか何とか。
「ああ、まあそうだな。オルセン侯爵自身は、サレステーデなんぞに遣っても、害にしかなるまいよ。ただトゥーラ・オルセンの嫁ぎ先に関してだけなら、スヴェンテ老公がまだ候補を絞っている段階であれば、サレステーデの方にも範囲は広げて良い気がしている」
まあこれは、明日か明後日か、スヴェンテ老公と要相談だが…と、エドヴァルドは呟いた。
「それにアルノシュト伯爵夫妻は、もともとレイフ殿下夫妻との繋がりが強い。こちらはまとめてサレステーデに赴任させても良いだろうと思ってな。それはそれで名跡はどうするか、どこかの伯爵家以上の嫡男以外の男子に新しく任せるのか、諸々考えなくてはならないんだが」
「……っ」
――アルノシュト伯爵家の追放。
自分以外の家族を全て失ったファルコが、何よりも望んでいた事。
処刑ではない。
もしかしたら、レイフ殿下と共にサレステーデで上手くやっていくのかも知れない。
それでも、先祖由来の土地で一から築いてきた信用も財も、全てを失くすであろう事は間違いない。
少しはファルコの思いも報われるのだろうか……。
公爵邸の大広間で、エドヴァルドがフォルシアン公爵とコンティオラ公爵、スヴェンテ老公爵に「根回し」をしたのは、やはりサレステーデの第一王子が、第二王子と第一王女の誅殺名目で、明日、刺客を送り込んで来るのではないかと言う事と、そうなった場合は、サレステーデ国の主権そのものを取り上げてしまおうと言う目論見についてだったらしい。
さすがにサレステーデ国をバリエンダールの自治領とする事や、自治領の主権をレイフ殿下に持たせる事、ベルィフからサレステーデへの王女の輿入れは、相手を変えてそのままとする事で、ギーレンへの包囲網を作り上げるとの話には、どの公爵も一瞬絶句したとの事だった。
ギーレンのエドベリ王子とバリエンダールのミルテ王女との縁組を目論んでいる点だけは、今はまだ、王子と聖女マナの婚姻話でさえ浸透していない以上は、彼らにはもうしばらく言わない事にしたと、最後エドヴァルドは言った。
「あー…じゃあ、明日は謁見の間なり晩餐会会場なりで、騒ぎが起きること前提なんですね、もう」
「そうだ。だから貴女の周囲をより強固にしておきたかった。そのための護衛の配置を予め考えてあったんだ。それを貴女が……」
明らかに不服だ、と言ったエドヴァルドの視線を、私は笑って受け流した。
「でも、後で国内の貴族から文句を言われない事も大事じゃないですか?気にしないと、エドヴァルド様は仰るかも知れませんけど、少なくとも、私はイヤですよ。自分の所為でエドヴァルド様が悪く言われるのは」
――それに、あれこれ一人でやろうとしすぎです。
私がそう付け足したところで、エドヴァルドはぐっ…と言葉に詰まっていた。
それを貴女が仰いますか…と言う、扉の出口付近にそっと立っていたヨンナの視線は無視です、無視。
「自治領の件に関してだって、まだレイフ殿下もバリエンダールにも、根回しはされていないんでしょう?もうしばらくはお忙しいままでしょうから、公爵邸の事は後回しにして下さっても大丈夫ですよ」
ちょっと眉間に皺が寄った気がしたけど、悩んだ末、結局口にしたのはレイフ殿下の話だった。
「確かにバリエンダールは、他国である以上、明日実際に事が起きてからでなければ動きようもないが、レイフ殿下には、サタノフを通して秘密裡に接触をした。それもあって、少し帰りが遅くなったんだが」
「あ、え、ウラで会われたんですね?それは…ゴネられたとか、そう言う話ですか?」
「……ウラ……いや、まあ最初こそ、銀の取引停止を全て解除しろと言ってはいたが、銀の権利は全て手放して、サレステーデで『カラハティ』製品を一から運用しろと言ったら、黙り込んでいた。だいたいが、先代国王やフィルバートの話が絡むと、頭に血が上って単純思考になるだけなんだ、あの殿下は」
娘をギーレンの辺境伯家に送って、王宮から追放された元王子を使って、資金洗浄をしようとそもそも企んだくらいには、経済には明るいのだ。
「なるほど、経済戦争にはそれなりに強いけど、軍事的な争いごとにはめっぽう弱いと……そんな感じなんですね」
オルセン侯爵と娘のトゥーラを自陣に引き込もうとしたのも、定例報告書に載らない、ドレスの進呈から初手を打っていた筈だ、そう言えば。
ある意味、机上に強い秀才型の人なのかも知れない。
「……なかなかに言い得て妙だな。言われて見れば、私が銀相場を動かしたのは、殿下が自衛の為の資金回収に回ろうとしていたのと、時間差があまりなかったみたいだったな」
「あぁ、じゃあきっと向いてますね、自治領の総督。それで防衛面を王子の誰かに担って貰うのもアリだと思いますよ?従う兵士だって、ポッと出の他国の為政者より、自国の王族の方が軍を率いてくれる方が士気も上がるでしょうし」
「そのまま叛旗を翻されないか、それ?」
「それをエドヴァルド様がおっしゃいます?」
――本部が干上がっても良いなら、やってみろ。
イデオン公爵領防衛軍の長たる某将軍に、そう言い放ったのは他ならぬエドヴァルドの筈だ。
私の言葉に、かつての自分を思い出したのか、エドヴァルドも僅かに苦笑した。
「なるほど殿下なら、自らの出自をもって周囲を動かしながら、もしもの時には軍の兵糧を止める事は出来る――か」
アンジェス国の王族と言う肩書きがあれば、よほど時代劇の悪代官みたいな取引を強要しない限りは、大抵の商人は取引をしてくれるだろうし、まして周辺諸国の商人ならば、いざと言う時には物流を軍にいき渡らせない事にも協力をしてくれるだろう。
今回の騒ぎを吹聴すれば、間違いなくサレステーデの王族は国際社会における信頼を落とすのだから。
「レイフ殿下が、銀の取引で得る筈だった資金で『何を企んでいたか』なんて、言わなきゃ当人と子飼いの貴族、あとは陛下とエドヴァルド様くらいしか把握していない事なんですから、その辺りはどうとでも蓋は出来ますよね?」
叛逆未遂を問われる危険に常に怯えるよりも、殿下と共にサレステーデの総督府(仮)に永久赴任する事を選ぶ者たちだって一定数いる筈だ。
もしもそこで私腹を肥やそうとすれば、逆にサレステーデ王家側やバリエンダール王家側から再度乗っ取られるくらいの緊張感を持たせておけば、ある程度は真面目に仕事もするだろう。
「条件付きの赴任か」
「左遷って言っちゃうと、拗ねて仕事放棄しそうですから、まあそんな感じです。こちらから送り込んだ貴族や事務方の人間が真面目に仕事をしないようなら、主権を奪い返して良いって言う約束でも付けておけば、バリエンダールもサレステーデも、様子見がてら受け入れるんじゃないでしょうか?」
多分、レイフ殿下も。
「サレステーデの王族が今回しでかした事を、自国にも各国にも盛大に話を広めておけば、少なくとも最初のうちは、国内の有力者達も、主権の返上を受け入れざるを得ないだろうな……」
エドヴァルドが存外真面目に考え込んでいるところを見ると、レイフ殿下は「赴任」の話に前向きな回答をしたと言う事なんだろうか。
そんな私の視線に気付いたエドヴァルドが、ふと顔を上げた。
「明日が済めば、陛下と五公爵とレイフ殿下との間で、今後についての話し合いの場が持たれるだろう。殿下の事もそうだが、クヴィスト家の代替わりの話もあるしな。恐らくは明日、予想通りの事件が起きれば、殿下はこの話に頷かれるんじゃないかと思っている」
「………なるほど」
「そうなると、オルセン侯爵家とアルノシュト伯爵家の処遇についても、今のうちから考えておかないといけなくてな」
「?」
「忘れたか?オルセン侯爵とトゥーラ・オルセン侯爵令嬢は、レイフ殿下からの口利きで、アルノシュト伯爵を通して衣装を送られている。アルノシュト伯爵に関しては、レイフ殿下直轄のブラード領のボードストレーム商会と通じていて、銀の取引を行っていた。いずれも明確に違法と言う訳ではないが、伯爵領下のシュタム領で鉱毒の被害が広がっている事に目を瞑っていた以上、限度を超えた取引を行っていた事は間違いない。いずれにせよ、このままにはしておけない」
「あ……?でもエドヴァルド様、オルセン侯爵と令嬢に関しては確か……」
オルセン侯爵夫妻は近々離婚予定で、領地はブレンダ夫人が一時的に跡を継いで、近い将来ヨアキム・オルセン侯爵令息に繋ぐのではなかったか。
侯爵自身は婿入り前のスヴェンテ領内の侯爵家に戻り、トゥーラ嬢はそこからいずこかの家に嫁ぐ…とか何とか。
「ああ、まあそうだな。オルセン侯爵自身は、サレステーデなんぞに遣っても、害にしかなるまいよ。ただトゥーラ・オルセンの嫁ぎ先に関してだけなら、スヴェンテ老公がまだ候補を絞っている段階であれば、サレステーデの方にも範囲は広げて良い気がしている」
まあこれは、明日か明後日か、スヴェンテ老公と要相談だが…と、エドヴァルドは呟いた。
「それにアルノシュト伯爵夫妻は、もともとレイフ殿下夫妻との繋がりが強い。こちらはまとめてサレステーデに赴任させても良いだろうと思ってな。それはそれで名跡はどうするか、どこかの伯爵家以上の嫡男以外の男子に新しく任せるのか、諸々考えなくてはならないんだが」
「……っ」
――アルノシュト伯爵家の追放。
自分以外の家族を全て失ったファルコが、何よりも望んでいた事。
処刑ではない。
もしかしたら、レイフ殿下と共にサレステーデで上手くやっていくのかも知れない。
それでも、先祖由来の土地で一から築いてきた信用も財も、全てを失くすであろう事は間違いない。
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