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第二部 宰相閣下の謹慎事情
341 焔舞う夜(前)
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※1日複数話更新です。お気を付け下さい。
前回、定例報告の為に王都に来た際は、新人三人組+将軍+副長含めての護衛4人、と言うのが防衛軍本部からの派遣人数だった。
そして今回、エドベリ王子の歓迎式典に合わせてやって来た時には、人数的には新人三人組が抜けただけであっても、将軍と副長以外は前回と異なる面々が王都入りしていた。
ウルリック副長曰く、結果論ですがと前置きをしつつも「残りの三名も全員、本人が名誉貴族あるいは実家が爵位持ちですから、軍の中でも割に礼儀正しい連中が揃ってますよ。テオドル大公殿下に同行となれば、尚更この面子で良かったと言うところでしょうね」と、微笑っていた。
もちろん、大人しい=弱いと言う訳ではなく、全員準幹部くらいの能力はあるとの事らしい。
新人三人組とは逆に、彼らがいざと言う時に王宮に入り込める為の、社交界における礼儀作法が時代遅れになっていないかどうかを、再確認させておこうとの意図が、本部に残る弟さんやウルリック副長にはあったそうだ。
なるほど、時間やお金をかけて領地から王都に出て来る以上は、一度で色々と吸収しなければと、考え抜かれているんだろうな。
「レイナ嬢におかれては、バリエンダールではなるべく将軍と共に行動して下さいますか。何と言っても侯爵家当主ですから、大抵の嫌がらせは一蹴してしまえます。将軍の威など、使い潰して下さって構いませんから」
威を借るどころか使い潰せと、ステキな笑顔を残してウルリック副長は『南の館』へと引き上げて行った。
エドヴァルドも、テオドル大公自身、長く王宮内の権謀術数の中を泳いで来た人だから、物理的な襲撃でもない限りは、本人任せで良いのだと、すげなく言い切っている。
「今のところ、軍関係者5人、内3人を大公殿下付にして、ベルセリウスとウルリックは貴女付にする。あとは王宮護衛騎士の中からサタノフとノーイェルを加えて、外交部――つまりはコンティオラ公爵家関係者の中から派遣される殿下の補佐役に付ける。そんな予定だ。あの双子と、現地合流予定のバルトリは遊撃要員として置いておくから、状況に応じて使えば良いだろう」
どう考えても、私に対しての戦力が過剰配置だと思うけど、外から見ればテオドル大公には3人付いている!と言い切れてしまうのだから、絶妙と言うか……多分、自分は不本意なんだと言う、エドヴァルドの地味な反発な気がする。
「あ、じゃあその三人は、先行してバリエンダールにユングベリ商会の商売拠点を探しに来ていた従業員…と言う事にしておきましょうか。そうすれば、城下町や港湾地区をウロウロしていても、言い訳は立つでしょうし」
双子をテオドル大公殿下の侍従扱いで、正々堂々と王宮に入れるのは難しいだろう。
実はギーレンの人間だと悟られない保証がない。
それなら、エドベリ王子の正妃探しに関してはノータッチ、分かった事だけ後で報告させる方が、いざと言う時のリスクも低いんじゃないだろうか。
そう思ってエドヴァルドに提案してみると、一瞬だけ考える仕種は見せていたけれど、やがてそう間を置かずに「……そうだな」と首を縦に振った。
「と言う事は、本気で商会の拠点を作るつもりなんだな」
「もちろんです!陛下もエドヴァルド様も、いくらレイフ殿下が〝カラハティ〟の販売権を持たれるにしても、最後の手綱はこちら側にあった方が安心ですよね?別に暴利を貪るつもりはないですよ?ただ、遠く離れたサレステーデの地で、何をされているのかが分からないと言う不安定な状況に陥らないよう、情報拠点の一つに出来ればそれでいいかな、と」
当然サレステーデにもいずれ拠点は置くとして、足がかりは必要だと思う。
何となくエドヴァルドの表情が、苦虫を嚙み潰したみたいになっているけど、表立っては実務的な事を口にしていた。
「取り扱い商品は〝カラハティ〟一択でか?香辛料市場には入り込まないのか?」
バリエンダールは海に面した海洋国家ではあるけれど、有名なのは海岸地帯から1000m前後の高地で栽培される様々な香辛料だ。
当然と言えば当然の疑問だったけど、私は「まさか!」と慌てて両手を振って否定した。
「バリエンダールの香辛料は、クヴィスト公爵領内クリストフェル子爵家が持つ商会に筆頭販売権があるって聞いていますよ?コニー夫人のご実家ですよね?確かに独占販売権ではなく筆頭販売権であって、市場に入っても良いのかも知れませんけど、今からの新規参入は、むしろ新興の商会が喧嘩を売ろうとしているとしか受け取られませんよ、きっと」
ましてユングベリ商会の後ろにイデオン公爵家があると分かれば、それこそキヴェカスvsグゼリの乳製品戦争の再来か!と周囲が面白おかしく騒ぎ立てる事、確実だ。
「…私への忖度ならば、不要だぞレイナ」
「いえいえ!例え相手がクリストフェル家じゃなかったとしても、同じ様にしますよ?先の事は分かりませんけど、今のところはバリエンダールの市場に殴り込みをかける理由がありません」
そもそもが、バリエンダールの市場を制したい訳じゃないのだ。
末席だけあれば、それで良い。
「海沿いの市場に行ってみて、地元以外の市場にはまだ出回っていない様な物を見繕いたいなと思ってます。私の故郷とは違った売られ方、調理のされ方をしている物があれば、そのあたりが狙い目かと思って」
異世界ファンタジー鉄板ネタは、タコ、イカ、魚醬…等々。
あわよくば、魚醤じゃない醤油や、お米。
あわよくば…のところは、シャルリーヌとの「乙女のヒミツ」だけど。
その辺りはちょっと微笑って誤魔化してみたら、エドヴァルドには心の底からの溜息を吐き出された。
「……レイナ」
「はい」
「本当に『ソガワ』の家名は、もう不要なのか?ユングベリの名で、商会長を名乗るのか?」
その目には、こちらを気遣う思いが揺れている。
だから私も、エドヴァルドを安心させるつもりで笑って見せた。
「いいです。ロクな思い出もないんで。両親は多分今も、舞菜の身は案じているかも知れないですけど、私の事なんて、頭の片隅にもないと思いますから」
「………そうか」
一度だけ、何かを考えるように目を閉じたエドヴァルドは、その後スッと立ち上がると、私にエスコートの手を差し出した。
「私の部屋に来てはくれないか、レイナ。あの時『北の館』で処分をしそこねてしまった手紙――そのままだっただろう。あれを今から燃やしてしまおうと思う。……今度こそ」
あの時『北の館』で処分しそこねた「手紙」。
実際は、エドヴァルドの実父アロルド・オーグレーンが書き残した、遺書とも呼べない怨嗟だけがひたすらに書き連ねられた、最後の1ページ。
「あれを燃やす事が、私のけじめだと貴女は言ってくれたな。ならば今、共にけじめをつけてしまおう。本当なら、騒動のカタが全てついてからにしようと、あれからは敢えて放置してきたが――貴女はあの紙に、貴女の家名への思いを乗せると良い」
「エドヴァルド様……」
エドヴァルドが、公の継承権放棄だけではなく、心の内側からも「オーグレーン」の名を葬り去ろうとするように。
――私も「十河」の名と、永遠の別れを告げる。
「お願いします……ぜひ」
私は微笑んで、エドヴァルドの手をとった。
前回、定例報告の為に王都に来た際は、新人三人組+将軍+副長含めての護衛4人、と言うのが防衛軍本部からの派遣人数だった。
そして今回、エドベリ王子の歓迎式典に合わせてやって来た時には、人数的には新人三人組が抜けただけであっても、将軍と副長以外は前回と異なる面々が王都入りしていた。
ウルリック副長曰く、結果論ですがと前置きをしつつも「残りの三名も全員、本人が名誉貴族あるいは実家が爵位持ちですから、軍の中でも割に礼儀正しい連中が揃ってますよ。テオドル大公殿下に同行となれば、尚更この面子で良かったと言うところでしょうね」と、微笑っていた。
もちろん、大人しい=弱いと言う訳ではなく、全員準幹部くらいの能力はあるとの事らしい。
新人三人組とは逆に、彼らがいざと言う時に王宮に入り込める為の、社交界における礼儀作法が時代遅れになっていないかどうかを、再確認させておこうとの意図が、本部に残る弟さんやウルリック副長にはあったそうだ。
なるほど、時間やお金をかけて領地から王都に出て来る以上は、一度で色々と吸収しなければと、考え抜かれているんだろうな。
「レイナ嬢におかれては、バリエンダールではなるべく将軍と共に行動して下さいますか。何と言っても侯爵家当主ですから、大抵の嫌がらせは一蹴してしまえます。将軍の威など、使い潰して下さって構いませんから」
威を借るどころか使い潰せと、ステキな笑顔を残してウルリック副長は『南の館』へと引き上げて行った。
エドヴァルドも、テオドル大公自身、長く王宮内の権謀術数の中を泳いで来た人だから、物理的な襲撃でもない限りは、本人任せで良いのだと、すげなく言い切っている。
「今のところ、軍関係者5人、内3人を大公殿下付にして、ベルセリウスとウルリックは貴女付にする。あとは王宮護衛騎士の中からサタノフとノーイェルを加えて、外交部――つまりはコンティオラ公爵家関係者の中から派遣される殿下の補佐役に付ける。そんな予定だ。あの双子と、現地合流予定のバルトリは遊撃要員として置いておくから、状況に応じて使えば良いだろう」
どう考えても、私に対しての戦力が過剰配置だと思うけど、外から見ればテオドル大公には3人付いている!と言い切れてしまうのだから、絶妙と言うか……多分、自分は不本意なんだと言う、エドヴァルドの地味な反発な気がする。
「あ、じゃあその三人は、先行してバリエンダールにユングベリ商会の商売拠点を探しに来ていた従業員…と言う事にしておきましょうか。そうすれば、城下町や港湾地区をウロウロしていても、言い訳は立つでしょうし」
双子をテオドル大公殿下の侍従扱いで、正々堂々と王宮に入れるのは難しいだろう。
実はギーレンの人間だと悟られない保証がない。
それなら、エドベリ王子の正妃探しに関してはノータッチ、分かった事だけ後で報告させる方が、いざと言う時のリスクも低いんじゃないだろうか。
そう思ってエドヴァルドに提案してみると、一瞬だけ考える仕種は見せていたけれど、やがてそう間を置かずに「……そうだな」と首を縦に振った。
「と言う事は、本気で商会の拠点を作るつもりなんだな」
「もちろんです!陛下もエドヴァルド様も、いくらレイフ殿下が〝カラハティ〟の販売権を持たれるにしても、最後の手綱はこちら側にあった方が安心ですよね?別に暴利を貪るつもりはないですよ?ただ、遠く離れたサレステーデの地で、何をされているのかが分からないと言う不安定な状況に陥らないよう、情報拠点の一つに出来ればそれでいいかな、と」
当然サレステーデにもいずれ拠点は置くとして、足がかりは必要だと思う。
何となくエドヴァルドの表情が、苦虫を嚙み潰したみたいになっているけど、表立っては実務的な事を口にしていた。
「取り扱い商品は〝カラハティ〟一択でか?香辛料市場には入り込まないのか?」
バリエンダールは海に面した海洋国家ではあるけれど、有名なのは海岸地帯から1000m前後の高地で栽培される様々な香辛料だ。
当然と言えば当然の疑問だったけど、私は「まさか!」と慌てて両手を振って否定した。
「バリエンダールの香辛料は、クヴィスト公爵領内クリストフェル子爵家が持つ商会に筆頭販売権があるって聞いていますよ?コニー夫人のご実家ですよね?確かに独占販売権ではなく筆頭販売権であって、市場に入っても良いのかも知れませんけど、今からの新規参入は、むしろ新興の商会が喧嘩を売ろうとしているとしか受け取られませんよ、きっと」
ましてユングベリ商会の後ろにイデオン公爵家があると分かれば、それこそキヴェカスvsグゼリの乳製品戦争の再来か!と周囲が面白おかしく騒ぎ立てる事、確実だ。
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「いえいえ!例え相手がクリストフェル家じゃなかったとしても、同じ様にしますよ?先の事は分かりませんけど、今のところはバリエンダールの市場に殴り込みをかける理由がありません」
そもそもが、バリエンダールの市場を制したい訳じゃないのだ。
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異世界ファンタジー鉄板ネタは、タコ、イカ、魚醬…等々。
あわよくば、魚醤じゃない醤油や、お米。
あわよくば…のところは、シャルリーヌとの「乙女のヒミツ」だけど。
その辺りはちょっと微笑って誤魔化してみたら、エドヴァルドには心の底からの溜息を吐き出された。
「……レイナ」
「はい」
「本当に『ソガワ』の家名は、もう不要なのか?ユングベリの名で、商会長を名乗るのか?」
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だから私も、エドヴァルドを安心させるつもりで笑って見せた。
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一度だけ、何かを考えるように目を閉じたエドヴァルドは、その後スッと立ち上がると、私にエスコートの手を差し出した。
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実際は、エドヴァルドの実父アロルド・オーグレーンが書き残した、遺書とも呼べない怨嗟だけがひたすらに書き連ねられた、最後の1ページ。
「あれを燃やす事が、私のけじめだと貴女は言ってくれたな。ならば今、共にけじめをつけてしまおう。本当なら、騒動のカタが全てついてからにしようと、あれからは敢えて放置してきたが――貴女はあの紙に、貴女の家名への思いを乗せると良い」
「エドヴァルド様……」
エドヴァルドが、公の継承権放棄だけではなく、心の内側からも「オーグレーン」の名を葬り去ろうとするように。
――私も「十河」の名と、永遠の別れを告げる。
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