390 / 785
第二部 宰相閣下の謹慎事情
467 湖畔の館と白銀の元公爵(2)
しおりを挟む
王都職人ギルドには、ドワーフ風なガラスギャラリーの管理人さんがいたけど、こちらは、これで耳が長ければ、ダークエルフとでも言われそうな、白銀色の長髪眩しいイケメンならぬ、イケオジだった。
かつてアンジェス社交界のご令嬢方を虜にしたと言うダンス講師ヘダー・マリーツを上回る瀟洒っぷりだ。
威厳ある王族っぷりが極まっているテオドル大公と並ぶと、その空気感の違いが両極端にも思える。
「おお、すまんすまん、ヴァシリー。すっかり身内の話をしてしまったな。――マトヴェイ卿、レイナ嬢。彼はヴァシリー・フェドートと言ってな。父親が臣籍降下して公爵位を得た元王族で、今はこの本人も、公爵家に関わる全ての権限をシェーヴォラに住む息子に譲って、フェドートではあるが扱いは一代貴族……まあそこまで詳しくなくて良いな。要は隠居老人だ」
そんなテオドル大公の紹介に、だから北方遊牧民族文化の色濃い地域の中で、ここだけ領主館の様な仕様になっているのかと、ちょっと納得をした。
紹介された側の当人は、意に介した風でもなく、笑っている。
「テオドルに言われる覚えはない…と言いたいが、今は臨時復帰中だったな。ようこそ、ヴァシリー・フェドートだ。ルーミッド・マトヴェイ卿とレイナ・ユングベリ嬢だったか。其方達の事や、今のこの地域の現状は大体聞き及んでいる。ただ、このような玄関先でする話でもあるまい。応接間の方へ案内しよう」
そう言って身を翻すフェドート前公爵であり元公爵とも言える男性に案内されながら、建物の奥へと進んで行く。
本来であれば、ベルセリウス「侯爵」を紹介しない道理はないのだけれど、今回は「護衛」扱いでアンジェスから入っている以上は、致し方ないところはあるのかも知れなかった。
そんな私の葛藤には気付かないフリをしつつ、テオドル大公が周囲には届かない声で「彼は件の姫の兄だ」と、こちらに静かに囁いた。
(ああ……)
なるほど公爵位を息子に譲ってから後、市井から離れて、ここで静かに妹姫を弔っているのだろうか。
兄でさえああなら、さぞやジュゼッタ姫は美人だったに違いない。
さすがにそこは心の中に留めておきつつ、表向きは無言のまま案内された応接間では、私とマトヴェイ外交部長、テオドル大公がフェドート元公爵とテーブルを囲み、ベルセリウス将軍は、ここでは侯爵ではなく護衛としての立場を貫いている為、ウルリック副長たちと部屋の隅で待機する事にしたようだった。
「しかしまあ、今回限りとは言え、ユレルミ族の族長の館まで〝転移扉〟を繋いだのか。ジーノがいるからこそ、出来た事だとも言えるだろうがな」
かなり驚いてはいるものの、その原因は自分が期日に戻れなかった事にあると分かっているテオドル大公は、何とも言えない表情を浮かべている。
「確かにこれで、街道封鎖の解除を待たずとも帰る事は出来ようが、三部族がイラクシ族を説得に行くと言うのであれば、移動途中で争いに巻き込まれぬと言う保証がない。さて、どうしたものか……」
いやだなぁ、説得とか説教とか、もうちょっと普通の意味で聞きたい単語だなぁ……。
思わず遠い目になる私をよそに、年配の男性陣は難しい表情のままだ。
「単純に考えれば、拠点の村を中心に、バリエンダールとサレステーデ、両方の街道側に姉二人を推すそれぞれが陣取っている様には思いますが」
今回の随行で、期せずして北方の少数民族事情に詳しくなってしまった感のあるマトヴェイ部長が、口元に手をやりながら呟いている。
「ふむ。姉の側同士では、手を組んでおらんと言う事か?」
「私ならば、日頃の仲が悪かろうがまず姉同士手を組んで、後継者に最も近い位置にいる弟から先に潰しますがね。ここに至るまでそれをしていないと言う事は、それぞれが相手の手を借りるつもりがないと言う事なんでしょう。戦略としては、あまり褒められたものではない」
確かに、そこは私もマトヴェイ外交部長の考え方に賛成だ。
私も思わず、首を縦に振る。
「各個撃破したところで、挟み撃ちにあう心配しなくて済みますものね」
「そう言う事だな。思うにこちら側の三部族の連中も、二手に分かれたのではないか?」
片方を潰している間に、もう片方がチャンスとばかりに拠点の村を落とすようでは意味がない。
一番良いのは、村に残る戦力も二つに割いて、それぞれに協力をさせる事だ。
「そうすると、それぞれの街道沿いで争いが起きるかも知れない点はまあ良いとして、問題はそこで負けた人間や、不利を悟ってこっそり逃走しようとする人間が、どう動くかですよね」
単に街道に近付かなければ良いと言う話ではない。
その争いの場から逃走を図った人間と、うっかり遭遇してしまった場合の危険性を考えないといけない。
ユレルミ族の拠点であるユッカス村を出て、このヘルガ湖畔へと荷馬車を走らせた過程においては、騒動とは逆方向であった事や、こちらの部族から攻めの姿勢に転じていなかった事とで、さほど巻き込まれる危険を感じずに済んでいたけれど、今度は逆だ。
いくら街道にまでは近付かないと言っても、敗走してパニックになっているかも知れない逃走者と出くわす可能性が出て来る。
「どうにかして、三部族とイラクシ族が衝突するだろう場所と、考えられる逃走経路の予測が必要だろうな……」
「ですよね……あ、それなら私なんかよりも、ベルセリウス侯や軍の皆さんに考えて貰った方が良くないですか?マトヴェイ部長もそうでしょうけど、それこそ防衛軍に席を置く皆さんの専門分野な気がします」
どのみちフェドート元公爵は、テオドル大公の正体、つまりユングベリ商会のご意見番でない事は元からご存知の筈。
だとしたら、私がバルトリとシーグ以外の残りの面々の正体を偽っても無意味だと思われた。
「テオドル……」
そして案の定、ここにいる中で王宮派遣の護衛騎士は二人しかおらず、商会の従業員も二人、あとはアンジェス国内にある二つの公爵領の領土防衛軍所縁の人間と聞いたフェドート元公爵は、驚きを通り越して呆れの表情になっていた。
「其方、今回は国王陛下からの親書を運ぶ使者として来たのではなかったか?それが何故、王宮の乗っ取りでも企むかの様な面子になっている」
「ははは……偏に儂が、彼女の言語能力、外交能力諸々を高く買って随行者に指名したが故の事でな。儂が婚約者の執着ぶりを甘くみておったのよ。いつだったか、絶対に海の向こうへは出さんと言われておったのを失念していた」
「⁉」
え、何ですかそれ、初耳なんですけど⁉
ギョッとなってテオドル大公を見ると、冗談ではないぞ、と大公サマは苦笑気味に口元を歪めた。
「最初の頃、シャルリーヌ嬢の話になった時にな。この儂を牽制するか――そう言ったのにも一切怯まず、其方を自分から引き離す事のないよう、これは『お願い』だと、冷気をまといながら堂々と言い放ちおった」
「……っ」
どんな態度で、どんな口調だったかが目に見えるようだ。
多分私と同じ心境であろうアンジェス組の生温かい視線を浴びた私は、その場でカメの如く首を縮こまらせた。
エドヴァルドを知らないフェドート元公爵は、強気一辺倒なその発言を聞き咎めているようだったけど。
「テオドル、直系ではないにしろ、仮にも王族の血を持つ其方に対して、随分と強気な事だな。言われたままとは、其方らしくもない――いや、その意趣返しもあって、今回この少女を連れてきたのか?」
「まあ、多少そんな気もあったやも知れんがな。だがな、ヴァシリー。その男は、彼のトーレン殿下が発掘して、時間をかけて己の後継者にまで育て上げた男だ。強気でなくてはいかん地位ではあるだろうよ」
「!」
トーレン殿下。
その言葉に、フェドート元公爵が分かりやすく顔色を変えた。
アンジェス国先代宰相。
フェドート元公爵の妹である姫と、幸せな結婚をする筈だった人。
そうか…と、柔らかな声が口からは零れ、その視線はじっとこちらを向いていた。
「これもジュゼッタの導きかも知れぬな。我が名の下に、其方とトーレン殿の後継者殿の幸せを祈ろう」
「―――」
有難うございます、以外にはとても口に出来ない空気がそこにあった。
かつてアンジェス社交界のご令嬢方を虜にしたと言うダンス講師ヘダー・マリーツを上回る瀟洒っぷりだ。
威厳ある王族っぷりが極まっているテオドル大公と並ぶと、その空気感の違いが両極端にも思える。
「おお、すまんすまん、ヴァシリー。すっかり身内の話をしてしまったな。――マトヴェイ卿、レイナ嬢。彼はヴァシリー・フェドートと言ってな。父親が臣籍降下して公爵位を得た元王族で、今はこの本人も、公爵家に関わる全ての権限をシェーヴォラに住む息子に譲って、フェドートではあるが扱いは一代貴族……まあそこまで詳しくなくて良いな。要は隠居老人だ」
そんなテオドル大公の紹介に、だから北方遊牧民族文化の色濃い地域の中で、ここだけ領主館の様な仕様になっているのかと、ちょっと納得をした。
紹介された側の当人は、意に介した風でもなく、笑っている。
「テオドルに言われる覚えはない…と言いたいが、今は臨時復帰中だったな。ようこそ、ヴァシリー・フェドートだ。ルーミッド・マトヴェイ卿とレイナ・ユングベリ嬢だったか。其方達の事や、今のこの地域の現状は大体聞き及んでいる。ただ、このような玄関先でする話でもあるまい。応接間の方へ案内しよう」
そう言って身を翻すフェドート前公爵であり元公爵とも言える男性に案内されながら、建物の奥へと進んで行く。
本来であれば、ベルセリウス「侯爵」を紹介しない道理はないのだけれど、今回は「護衛」扱いでアンジェスから入っている以上は、致し方ないところはあるのかも知れなかった。
そんな私の葛藤には気付かないフリをしつつ、テオドル大公が周囲には届かない声で「彼は件の姫の兄だ」と、こちらに静かに囁いた。
(ああ……)
なるほど公爵位を息子に譲ってから後、市井から離れて、ここで静かに妹姫を弔っているのだろうか。
兄でさえああなら、さぞやジュゼッタ姫は美人だったに違いない。
さすがにそこは心の中に留めておきつつ、表向きは無言のまま案内された応接間では、私とマトヴェイ外交部長、テオドル大公がフェドート元公爵とテーブルを囲み、ベルセリウス将軍は、ここでは侯爵ではなく護衛としての立場を貫いている為、ウルリック副長たちと部屋の隅で待機する事にしたようだった。
「しかしまあ、今回限りとは言え、ユレルミ族の族長の館まで〝転移扉〟を繋いだのか。ジーノがいるからこそ、出来た事だとも言えるだろうがな」
かなり驚いてはいるものの、その原因は自分が期日に戻れなかった事にあると分かっているテオドル大公は、何とも言えない表情を浮かべている。
「確かにこれで、街道封鎖の解除を待たずとも帰る事は出来ようが、三部族がイラクシ族を説得に行くと言うのであれば、移動途中で争いに巻き込まれぬと言う保証がない。さて、どうしたものか……」
いやだなぁ、説得とか説教とか、もうちょっと普通の意味で聞きたい単語だなぁ……。
思わず遠い目になる私をよそに、年配の男性陣は難しい表情のままだ。
「単純に考えれば、拠点の村を中心に、バリエンダールとサレステーデ、両方の街道側に姉二人を推すそれぞれが陣取っている様には思いますが」
今回の随行で、期せずして北方の少数民族事情に詳しくなってしまった感のあるマトヴェイ部長が、口元に手をやりながら呟いている。
「ふむ。姉の側同士では、手を組んでおらんと言う事か?」
「私ならば、日頃の仲が悪かろうがまず姉同士手を組んで、後継者に最も近い位置にいる弟から先に潰しますがね。ここに至るまでそれをしていないと言う事は、それぞれが相手の手を借りるつもりがないと言う事なんでしょう。戦略としては、あまり褒められたものではない」
確かに、そこは私もマトヴェイ外交部長の考え方に賛成だ。
私も思わず、首を縦に振る。
「各個撃破したところで、挟み撃ちにあう心配しなくて済みますものね」
「そう言う事だな。思うにこちら側の三部族の連中も、二手に分かれたのではないか?」
片方を潰している間に、もう片方がチャンスとばかりに拠点の村を落とすようでは意味がない。
一番良いのは、村に残る戦力も二つに割いて、それぞれに協力をさせる事だ。
「そうすると、それぞれの街道沿いで争いが起きるかも知れない点はまあ良いとして、問題はそこで負けた人間や、不利を悟ってこっそり逃走しようとする人間が、どう動くかですよね」
単に街道に近付かなければ良いと言う話ではない。
その争いの場から逃走を図った人間と、うっかり遭遇してしまった場合の危険性を考えないといけない。
ユレルミ族の拠点であるユッカス村を出て、このヘルガ湖畔へと荷馬車を走らせた過程においては、騒動とは逆方向であった事や、こちらの部族から攻めの姿勢に転じていなかった事とで、さほど巻き込まれる危険を感じずに済んでいたけれど、今度は逆だ。
いくら街道にまでは近付かないと言っても、敗走してパニックになっているかも知れない逃走者と出くわす可能性が出て来る。
「どうにかして、三部族とイラクシ族が衝突するだろう場所と、考えられる逃走経路の予測が必要だろうな……」
「ですよね……あ、それなら私なんかよりも、ベルセリウス侯や軍の皆さんに考えて貰った方が良くないですか?マトヴェイ部長もそうでしょうけど、それこそ防衛軍に席を置く皆さんの専門分野な気がします」
どのみちフェドート元公爵は、テオドル大公の正体、つまりユングベリ商会のご意見番でない事は元からご存知の筈。
だとしたら、私がバルトリとシーグ以外の残りの面々の正体を偽っても無意味だと思われた。
「テオドル……」
そして案の定、ここにいる中で王宮派遣の護衛騎士は二人しかおらず、商会の従業員も二人、あとはアンジェス国内にある二つの公爵領の領土防衛軍所縁の人間と聞いたフェドート元公爵は、驚きを通り越して呆れの表情になっていた。
「其方、今回は国王陛下からの親書を運ぶ使者として来たのではなかったか?それが何故、王宮の乗っ取りでも企むかの様な面子になっている」
「ははは……偏に儂が、彼女の言語能力、外交能力諸々を高く買って随行者に指名したが故の事でな。儂が婚約者の執着ぶりを甘くみておったのよ。いつだったか、絶対に海の向こうへは出さんと言われておったのを失念していた」
「⁉」
え、何ですかそれ、初耳なんですけど⁉
ギョッとなってテオドル大公を見ると、冗談ではないぞ、と大公サマは苦笑気味に口元を歪めた。
「最初の頃、シャルリーヌ嬢の話になった時にな。この儂を牽制するか――そう言ったのにも一切怯まず、其方を自分から引き離す事のないよう、これは『お願い』だと、冷気をまといながら堂々と言い放ちおった」
「……っ」
どんな態度で、どんな口調だったかが目に見えるようだ。
多分私と同じ心境であろうアンジェス組の生温かい視線を浴びた私は、その場でカメの如く首を縮こまらせた。
エドヴァルドを知らないフェドート元公爵は、強気一辺倒なその発言を聞き咎めているようだったけど。
「テオドル、直系ではないにしろ、仮にも王族の血を持つ其方に対して、随分と強気な事だな。言われたままとは、其方らしくもない――いや、その意趣返しもあって、今回この少女を連れてきたのか?」
「まあ、多少そんな気もあったやも知れんがな。だがな、ヴァシリー。その男は、彼のトーレン殿下が発掘して、時間をかけて己の後継者にまで育て上げた男だ。強気でなくてはいかん地位ではあるだろうよ」
「!」
トーレン殿下。
その言葉に、フェドート元公爵が分かりやすく顔色を変えた。
アンジェス国先代宰相。
フェドート元公爵の妹である姫と、幸せな結婚をする筈だった人。
そうか…と、柔らかな声が口からは零れ、その視線はじっとこちらを向いていた。
「これもジュゼッタの導きかも知れぬな。我が名の下に、其方とトーレン殿の後継者殿の幸せを祈ろう」
「―――」
有難うございます、以外にはとても口に出来ない空気がそこにあった。
1,019
あなたにおすすめの小説
『白い結婚だったので、勝手に離婚しました。何か問題あります?』
夢窓(ゆめまど)
恋愛
「――離婚届、受理されました。お疲れさまでした」
教会の事務官がそう言ったとき、私は心の底からこう思った。
ああ、これでようやく三年分の無視に終止符を打てるわ。
王命による“形式結婚”。
夫の顔も知らず、手紙もなし、戦地から帰ってきたという噂すらない。
だから、はい、離婚。勝手に。
白い結婚だったので、勝手に離婚しました。
何か問題あります?
処刑前夜に逃亡した悪役令嬢、五年後に氷の公爵様に捕まる〜冷徹旦那様が溺愛パパに豹変しましたが私の抱いている赤ちゃん実は人生2周目です〜
放浪人
恋愛
「処刑されるなんて真っ平ごめんです!」 無実の罪で投獄された悪役令嬢レティシア(中身は元社畜のアラサー日本人)は、処刑前夜、お腹の子供と共に脱獄し、辺境の田舎村へ逃亡した。 それから五年。薬師として穏やかに暮らしていた彼女のもとに、かつて自分を冷遇し、処刑を命じた夫――「氷の公爵」アレクセイが現れる。 殺される!と震えるレティシアだったが、再会した彼は地面に頭を擦り付け、まさかの溺愛キャラに豹変していて!?
「愛しているレティシア! 二度と離さない!」 「(顔が怖いです公爵様……!)」
不器用すぎて顔が怖い旦那様の暴走する溺愛。 そして、二人の息子であるシオン(1歳)は、実は前世で魔王を倒した「英雄」の生まれ変わりだった! 「パパとママは僕が守る(物理)」 最強の赤ちゃんが裏で暗躍し、聖女(自称)の陰謀も、帝国の侵略も、古代兵器も、ガラガラ一振りで粉砕していく。
愛人を選んだ夫を捨てたら、元婚約者の公爵に捕まりました
由香
恋愛
伯爵夫人リュシエンヌは、夫が公然と愛人を囲う結婚生活を送っていた。
尽くしても感謝されず、妻としての役割だけを求められる日々。
けれど彼女は、泣きわめくことも縋ることもなく、静かに離婚を選ぶ。
そうして“捨てられた妻”になったはずの彼女の前に現れたのは、かつて婚約していた元婚約者――冷静沈着で有能な公爵セドリックだった。
再会とともに始まるのは、彼女の価値を正しく理解し、決して手放さない男による溺愛の日々。
一方、彼女を失った元夫は、妻が担っていたすべてを失い、社会的にも転落していく。
“尽くすだけの妻”から、“選ばれ、守られる女性”へ。
静かに離婚しただけなのに、
なぜか元婚約者の公爵に捕まりました。
事情があってメイドとして働いていますが、実は公爵家の令嬢です。
木山楽斗
恋愛
ラナリアが仕えるバルドリュー伯爵家では、子爵家の令嬢であるメイドが幅を利かせていた。
彼女は貴族の地位を誇示して、平民のメイドを虐げていた。その毒牙は、平民のメイドを庇ったラナリアにも及んだ。
しかし彼女は知らなかった。ラナリアは事情があって伯爵家に仕えている公爵令嬢だったのである。
平民の娘だから婚約者を譲れって? 別にいいですけど本当によろしいのですか?
和泉 凪紗
恋愛
「お父様。私、アルフレッド様と結婚したいです。お姉様より私の方がお似合いだと思いませんか?」
腹違いの妹のマリアは私の婚約者と結婚したいそうだ。私は平民の娘だから譲るのが当然らしい。
マリアと義母は私のことを『平民の娘』だといつも見下し、嫌がらせばかり。
婚約者には何の思い入れもないので別にいいですけど、本当によろしいのですか?
お前は家から追放する?構いませんが、この家の全権力を持っているのは私ですよ?
水垣するめ
恋愛
「アリス、お前をこのアトキンソン伯爵家から追放する」
「はぁ?」
静かな食堂の間。
主人公アリス・アトキンソンの父アランはアリスに向かって突然追放すると告げた。
同じく席に座っている母や兄、そして妹も父に同意したように頷いている。
いきなり食堂に集められたかと思えば、思いも寄らない追放宣言にアリスは戸惑いよりも心底呆れた。
「はぁ、何を言っているんですか、この領地を経営しているのは私ですよ?」
「ああ、その経営も最近軌道に乗ってきたのでな、お前はもう用済みになったから追放する」
父のあまりに無茶苦茶な言い分にアリスは辟易する。
「いいでしょう。そんなに出ていって欲しいなら出ていってあげます」
アリスは家から一度出る決心をする。
それを聞いて両親や兄弟は大喜びした。
アリスはそれを哀れみの目で見ながら家を出る。
彼らがこれから地獄を見ることを知っていたからだ。
「大方、私が今まで稼いだお金や開発した資源を全て自分のものにしたかったんでしょうね。……でもそんなことがまかり通るわけないじゃないですか」
アリスはため息をつく。
「──だって、この家の全権力を持っているのは私なのに」
後悔したところでもう遅い。
離婚する両親のどちらと暮らすか……娘が選んだのは夫の方だった。
しゃーりん
恋愛
夫の愛人に子供ができた。夫は私と離婚して愛人と再婚したいという。
私たち夫婦には娘が1人。
愛人との再婚に娘は邪魔になるかもしれないと思い、自分と一緒に連れ出すつもりだった。
だけど娘が選んだのは夫の方だった。
失意のまま実家に戻り、再婚した私が数年後に耳にしたのは、娘が冷遇されているのではないかという話。
事実ならば娘を引き取りたいと思い、元夫の家を訪れた。
再び娘が選ぶのは父か母か?というお話です。
【完結】冷酷伯爵ディートリヒは、去った妻を取り戻せない
くろねこ
恋愛
名門伯爵家に政略結婚で嫁いだ、正妻エレノア・リーヴェルト。夫である伯爵ディートリヒ・フォン・アイゼンヴァルトは、
軍務と義務を最優先し、彼女に関心を向けることはなかった。
言葉も、視線も、愛情も与えられない日々。それでも伯爵夫人として尽くし続けたエレノアは、ある一言をきっかけに、静かに伯爵家を去る決意をする。
――そして初めて、夫は気づく。
自分がどれほど多くのものを、彼女から与えられていたのかを。
一方、エレノアは新たな地でその才覚と人柄を評価され、
「必要とされる存在」として歩き始めていた。
去った妻を想い、今さら後悔する冷酷伯爵。前を向いて生きる正妻令嬢。
これは、失ってから愛に気づいた男と、
二度と戻らないかもしれない夫婦の物語。
――今さら、遅いのです。
過去1ヶ月以内にレジーナの小説・漫画を1話以上レンタルしている
と、レジーナのすべての番外編を読むことができます。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。
番外編を閲覧することが出来ません。
過去1ヶ月以内にレジーナの小説・漫画を1話以上レンタルしている
と、レジーナのすべての番外編を読むことができます。
このユーザをミュートしますか?
※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。