504 / 785
第三部 宰相閣下の婚約者
566 エウシェン(中)
しおりを挟む
馬車を下りたすぐ目の前には、田舎の村に唯一ある商店、とでも形容するのが相応しいようなお店があった。
店の軒先には、逆さにされた花束や果物が、すっかり乾燥した状態で吊り下げられている。
何の果物かは分からないけど、古民家の軒先で見る干し柿と同じやり方で、ドライフルーツを取り扱っているらしいことは分かった。
「公爵家の馬車が進めるのは、ここまでなんだ。だから来る時はここの軒先を借りて、その先は徒歩になる。何、テオドル大公でも歩けるほどの距離だから心配しなくて良い」
徒歩が負担になると思ったのか、そんな言い方をエドヴァルドはしたけれど、私は自分の足元に視線を落としながら、緩々と首を横に振った。
「大丈夫です。ヨンナが動きやすい恰好、と言うことで考えてくれたみたいなので」
馬車を下りるときには、更にヒールの低い靴がステップ部分に置かれていて、自動的に履き替えさせられていた。
きっと、ここから先の徒歩を見越していたからだろう。
「大丈夫ですよ、王都の街中でも下見で歩いていたじゃないですか」
夜会用のヒール靴でもない限り、10分20分歩いたところで、大したことは――ごほん、今ちょっと体力落ちてるから、普段よりは歩けないかも知れないと、話しながら気が付いてしまった。
いや、多分、きっと、大丈夫。うん。
後半、ちょっとどもった私を見てエドヴァルドもナニカを察したみたいだったけど、口に出しては「無理だと思ったら言ってくれ」と言っただけだった。
ここまで来て「無理」と言わないだろうことは、見ていて分かったんだと思う。
「おやまぁ!公爵さまじゃないか!」
私が何の気なしに軒先に吊るされている物を見上げていると、中からエプロンと首元にバンダナを巻いた、某ネズミの国のお城の裏手にあったレストランキャストの様な恰好をした女性が、中から現れた。
「去年と一昨年は、花を供えて欲しいと言う伝言と代金だけだっただろう?今年もそうなのかと思っていたら……それにしても、まだ時期からすれば随分と早いんじゃないかい?」
確かに、お金だけ送っているようでは、純粋な供養とは言い難い。
私がじっとエドヴァルドを見返すと、困ったように視線を逸らされてしまった。
その仕種に、店の中から出てきた女性も、そこで私に気付いたらしい。
おや、と言う表情に変わった。
「……もしや公爵様、結婚報告にでも来たのかい」
肝っ玉母さん、と言った女性の雰囲気に抗えなかったのか、少しの間を置いたエドヴァルドが「……そう取って貰って構わない」と、圧し負けた様にぽつりと零した。
「そ…っ、そうかい!最近見ていなかったから、ちょっと揶揄ってやろうかと思ったら、本気だったかい!」
エドヴァルドの声に冗談の要素がないと察した女性の、途轍もなく良い笑顔がその場に煌めいた。
「ちょっと、アンタ!公爵様が結婚の報告に来て下さったよ!村の皆に伝えて回っとくれ!」
店の中から「なにいっっ⁉」と叫ぶ男性の声が聞こえてきていたけど「いいから、皆に報告だよ!」との一喝を受けて、慌てたように店から飛び出していくのが見えた。
「いや……我々は……」
「はいはい、分かってるよ。鍵を取ってくるから、店の中でちょっと待ってておくれよ」
怒涛の勢いで話して、動いた後、私を見て「あ!」と思い出したように両手を掴んで、ぶんぶんと上下に振った。
「すまないね、お嬢さん!私はカティンカ。エウシェンの村の管理人だよ。今走って行ったのが夫のフロウル。いやぁ、この無愛想な公爵様にもとうとう嫁が!この村の男衆が嫁を見つけるよりも難しいんじゃないかって言われていたのにねぇ……私ゃ嬉しいよ」
「……っ」
この国の公爵であり宰相でもあるエドヴァルドへの態度にしては、気安すぎるくらいに気安いと言わなくちゃいけない。
あっと言う間に、鍵を取りに店の奥に走っていく女性に、何を言う隙もなくて、私はおずおずと、片手で額を覆っているエドヴァルドに視線を向けるしかなかった。
「えーっと……エドヴァルド様……?」
「……ここは、どの公爵領からの圧力も受けない土地だ。年老いて王宮を退いた使用人やその家族たちに、墓標を護ることと引き換えに住んで貰っている。平民だが最低限の機密保持は出来る」
「……なるほど」
ちなみにさっきのカティンカ&フロウル夫妻は、妻側の母親が王宮侍女だったんだそうだ。
フィルバートが王位に就く直前の政争でケガをして働けなくなったところを、家族揃っての移住を提案されたんだとか。
娘夫婦は王都の隅の一般市民や職人の住む区画で食料品店の雇われ店長だった。
ならば、ここでだって店を開けばいい。王宮から、負傷者向けの補助は出す――と言う形で、母親共々移り住んで来たらしい。
他の村民も、理由に多少の違いはあれど、似たような境遇で、移住を受け入れたとの事だった。
その母親は数年前に他界をして、今は夫婦二人で店を切り盛りしているのだと、辺りを見回しながらエドヴァルドが言った。
「来た時には、花はここで買うんだ。いつ来るか分からない者のために、常に生花を並べておくわけにもいかないだろう?だから、入口で見たあの束のように、乾燥させて、長く姿を保たせるように工夫を入れている。殿下の棺に入っていた花を思えば、そう言う風に加工させた方が喜ばれると思ったからな」
トーレン殿下の葬儀で花を用意してくれた、当時の業者が、そこにあった乾燥した花束のことを、そうやって教えてくれたらしい。
花を褪せさせたくなかったんでしょうね……と。
「それは……乾燥した花束が好きだったというわけじゃなく……」
「分かっている。ジュゼッタ姫から送られた花だったからこそ、だったんだな。いや、分かっていると言ったのは言い過ぎだな。フェドート元公爵邸の庭に立つまで、その事には思い至りもしなかったのだ。偉そうに言えた義理ではない」
やや自嘲気味に微笑うエドヴァルドに私が何も言えなくなったところへ、ちょうどカティンカさんが奥から戻って来た。
手には小さな鍵がある。
「終わったら、戻って来とくれよ。皆、久々に色々売り込みたくてうずうずしているだろうからね」
――売り込み?
首を傾げた私に、鍵を受け取ったエドヴァルドは「まずは墓標に行くことを優先させよう」と、今すぐの詳細な説明は、やんわりと避けた。
花束は、好きな色を好きなだけ。
そう言われたエドヴァルドは、無言で店内と軒先を一瞥して、紫とピンクにそれぞれ近い花のドライフラワーを選んでいた。
「以前までならば、適当に端から端まで、と言った選び方をしていたが、今となっては、もうそんなことは出来ないな」
「……そうですね」
今回の北部地域行きで、エドヴァルドに、トーレン殿下の想いが受け継がれたに違いなかった。
「ははぁ……変われば変わるものだね」
感心した、と言った態も露わなカティンカさんに取りあわない形で、エドヴァルドは私にエスコートの手を差し出した。
「では行こうか」
「はい」
正式なエスコートではなく、歩きやすい「恋人つなぎ」の状態で、私とエドヴァルドはいったん店を後にすることになった。
店の軒先には、逆さにされた花束や果物が、すっかり乾燥した状態で吊り下げられている。
何の果物かは分からないけど、古民家の軒先で見る干し柿と同じやり方で、ドライフルーツを取り扱っているらしいことは分かった。
「公爵家の馬車が進めるのは、ここまでなんだ。だから来る時はここの軒先を借りて、その先は徒歩になる。何、テオドル大公でも歩けるほどの距離だから心配しなくて良い」
徒歩が負担になると思ったのか、そんな言い方をエドヴァルドはしたけれど、私は自分の足元に視線を落としながら、緩々と首を横に振った。
「大丈夫です。ヨンナが動きやすい恰好、と言うことで考えてくれたみたいなので」
馬車を下りるときには、更にヒールの低い靴がステップ部分に置かれていて、自動的に履き替えさせられていた。
きっと、ここから先の徒歩を見越していたからだろう。
「大丈夫ですよ、王都の街中でも下見で歩いていたじゃないですか」
夜会用のヒール靴でもない限り、10分20分歩いたところで、大したことは――ごほん、今ちょっと体力落ちてるから、普段よりは歩けないかも知れないと、話しながら気が付いてしまった。
いや、多分、きっと、大丈夫。うん。
後半、ちょっとどもった私を見てエドヴァルドもナニカを察したみたいだったけど、口に出しては「無理だと思ったら言ってくれ」と言っただけだった。
ここまで来て「無理」と言わないだろうことは、見ていて分かったんだと思う。
「おやまぁ!公爵さまじゃないか!」
私が何の気なしに軒先に吊るされている物を見上げていると、中からエプロンと首元にバンダナを巻いた、某ネズミの国のお城の裏手にあったレストランキャストの様な恰好をした女性が、中から現れた。
「去年と一昨年は、花を供えて欲しいと言う伝言と代金だけだっただろう?今年もそうなのかと思っていたら……それにしても、まだ時期からすれば随分と早いんじゃないかい?」
確かに、お金だけ送っているようでは、純粋な供養とは言い難い。
私がじっとエドヴァルドを見返すと、困ったように視線を逸らされてしまった。
その仕種に、店の中から出てきた女性も、そこで私に気付いたらしい。
おや、と言う表情に変わった。
「……もしや公爵様、結婚報告にでも来たのかい」
肝っ玉母さん、と言った女性の雰囲気に抗えなかったのか、少しの間を置いたエドヴァルドが「……そう取って貰って構わない」と、圧し負けた様にぽつりと零した。
「そ…っ、そうかい!最近見ていなかったから、ちょっと揶揄ってやろうかと思ったら、本気だったかい!」
エドヴァルドの声に冗談の要素がないと察した女性の、途轍もなく良い笑顔がその場に煌めいた。
「ちょっと、アンタ!公爵様が結婚の報告に来て下さったよ!村の皆に伝えて回っとくれ!」
店の中から「なにいっっ⁉」と叫ぶ男性の声が聞こえてきていたけど「いいから、皆に報告だよ!」との一喝を受けて、慌てたように店から飛び出していくのが見えた。
「いや……我々は……」
「はいはい、分かってるよ。鍵を取ってくるから、店の中でちょっと待ってておくれよ」
怒涛の勢いで話して、動いた後、私を見て「あ!」と思い出したように両手を掴んで、ぶんぶんと上下に振った。
「すまないね、お嬢さん!私はカティンカ。エウシェンの村の管理人だよ。今走って行ったのが夫のフロウル。いやぁ、この無愛想な公爵様にもとうとう嫁が!この村の男衆が嫁を見つけるよりも難しいんじゃないかって言われていたのにねぇ……私ゃ嬉しいよ」
「……っ」
この国の公爵であり宰相でもあるエドヴァルドへの態度にしては、気安すぎるくらいに気安いと言わなくちゃいけない。
あっと言う間に、鍵を取りに店の奥に走っていく女性に、何を言う隙もなくて、私はおずおずと、片手で額を覆っているエドヴァルドに視線を向けるしかなかった。
「えーっと……エドヴァルド様……?」
「……ここは、どの公爵領からの圧力も受けない土地だ。年老いて王宮を退いた使用人やその家族たちに、墓標を護ることと引き換えに住んで貰っている。平民だが最低限の機密保持は出来る」
「……なるほど」
ちなみにさっきのカティンカ&フロウル夫妻は、妻側の母親が王宮侍女だったんだそうだ。
フィルバートが王位に就く直前の政争でケガをして働けなくなったところを、家族揃っての移住を提案されたんだとか。
娘夫婦は王都の隅の一般市民や職人の住む区画で食料品店の雇われ店長だった。
ならば、ここでだって店を開けばいい。王宮から、負傷者向けの補助は出す――と言う形で、母親共々移り住んで来たらしい。
他の村民も、理由に多少の違いはあれど、似たような境遇で、移住を受け入れたとの事だった。
その母親は数年前に他界をして、今は夫婦二人で店を切り盛りしているのだと、辺りを見回しながらエドヴァルドが言った。
「来た時には、花はここで買うんだ。いつ来るか分からない者のために、常に生花を並べておくわけにもいかないだろう?だから、入口で見たあの束のように、乾燥させて、長く姿を保たせるように工夫を入れている。殿下の棺に入っていた花を思えば、そう言う風に加工させた方が喜ばれると思ったからな」
トーレン殿下の葬儀で花を用意してくれた、当時の業者が、そこにあった乾燥した花束のことを、そうやって教えてくれたらしい。
花を褪せさせたくなかったんでしょうね……と。
「それは……乾燥した花束が好きだったというわけじゃなく……」
「分かっている。ジュゼッタ姫から送られた花だったからこそ、だったんだな。いや、分かっていると言ったのは言い過ぎだな。フェドート元公爵邸の庭に立つまで、その事には思い至りもしなかったのだ。偉そうに言えた義理ではない」
やや自嘲気味に微笑うエドヴァルドに私が何も言えなくなったところへ、ちょうどカティンカさんが奥から戻って来た。
手には小さな鍵がある。
「終わったら、戻って来とくれよ。皆、久々に色々売り込みたくてうずうずしているだろうからね」
――売り込み?
首を傾げた私に、鍵を受け取ったエドヴァルドは「まずは墓標に行くことを優先させよう」と、今すぐの詳細な説明は、やんわりと避けた。
花束は、好きな色を好きなだけ。
そう言われたエドヴァルドは、無言で店内と軒先を一瞥して、紫とピンクにそれぞれ近い花のドライフラワーを選んでいた。
「以前までならば、適当に端から端まで、と言った選び方をしていたが、今となっては、もうそんなことは出来ないな」
「……そうですね」
今回の北部地域行きで、エドヴァルドに、トーレン殿下の想いが受け継がれたに違いなかった。
「ははぁ……変われば変わるものだね」
感心した、と言った態も露わなカティンカさんに取りあわない形で、エドヴァルドは私にエスコートの手を差し出した。
「では行こうか」
「はい」
正式なエスコートではなく、歩きやすい「恋人つなぎ」の状態で、私とエドヴァルドはいったん店を後にすることになった。
970
あなたにおすすめの小説
『白い結婚だったので、勝手に離婚しました。何か問題あります?』
夢窓(ゆめまど)
恋愛
「――離婚届、受理されました。お疲れさまでした」
教会の事務官がそう言ったとき、私は心の底からこう思った。
ああ、これでようやく三年分の無視に終止符を打てるわ。
王命による“形式結婚”。
夫の顔も知らず、手紙もなし、戦地から帰ってきたという噂すらない。
だから、はい、離婚。勝手に。
白い結婚だったので、勝手に離婚しました。
何か問題あります?
処刑前夜に逃亡した悪役令嬢、五年後に氷の公爵様に捕まる〜冷徹旦那様が溺愛パパに豹変しましたが私の抱いている赤ちゃん実は人生2周目です〜
放浪人
恋愛
「処刑されるなんて真っ平ごめんです!」 無実の罪で投獄された悪役令嬢レティシア(中身は元社畜のアラサー日本人)は、処刑前夜、お腹の子供と共に脱獄し、辺境の田舎村へ逃亡した。 それから五年。薬師として穏やかに暮らしていた彼女のもとに、かつて自分を冷遇し、処刑を命じた夫――「氷の公爵」アレクセイが現れる。 殺される!と震えるレティシアだったが、再会した彼は地面に頭を擦り付け、まさかの溺愛キャラに豹変していて!?
「愛しているレティシア! 二度と離さない!」 「(顔が怖いです公爵様……!)」
不器用すぎて顔が怖い旦那様の暴走する溺愛。 そして、二人の息子であるシオン(1歳)は、実は前世で魔王を倒した「英雄」の生まれ変わりだった! 「パパとママは僕が守る(物理)」 最強の赤ちゃんが裏で暗躍し、聖女(自称)の陰謀も、帝国の侵略も、古代兵器も、ガラガラ一振りで粉砕していく。
愛人を選んだ夫を捨てたら、元婚約者の公爵に捕まりました
由香
恋愛
伯爵夫人リュシエンヌは、夫が公然と愛人を囲う結婚生活を送っていた。
尽くしても感謝されず、妻としての役割だけを求められる日々。
けれど彼女は、泣きわめくことも縋ることもなく、静かに離婚を選ぶ。
そうして“捨てられた妻”になったはずの彼女の前に現れたのは、かつて婚約していた元婚約者――冷静沈着で有能な公爵セドリックだった。
再会とともに始まるのは、彼女の価値を正しく理解し、決して手放さない男による溺愛の日々。
一方、彼女を失った元夫は、妻が担っていたすべてを失い、社会的にも転落していく。
“尽くすだけの妻”から、“選ばれ、守られる女性”へ。
静かに離婚しただけなのに、
なぜか元婚約者の公爵に捕まりました。
事情があってメイドとして働いていますが、実は公爵家の令嬢です。
木山楽斗
恋愛
ラナリアが仕えるバルドリュー伯爵家では、子爵家の令嬢であるメイドが幅を利かせていた。
彼女は貴族の地位を誇示して、平民のメイドを虐げていた。その毒牙は、平民のメイドを庇ったラナリアにも及んだ。
しかし彼女は知らなかった。ラナリアは事情があって伯爵家に仕えている公爵令嬢だったのである。
平民の娘だから婚約者を譲れって? 別にいいですけど本当によろしいのですか?
和泉 凪紗
恋愛
「お父様。私、アルフレッド様と結婚したいです。お姉様より私の方がお似合いだと思いませんか?」
腹違いの妹のマリアは私の婚約者と結婚したいそうだ。私は平民の娘だから譲るのが当然らしい。
マリアと義母は私のことを『平民の娘』だといつも見下し、嫌がらせばかり。
婚約者には何の思い入れもないので別にいいですけど、本当によろしいのですか?
お前は家から追放する?構いませんが、この家の全権力を持っているのは私ですよ?
水垣するめ
恋愛
「アリス、お前をこのアトキンソン伯爵家から追放する」
「はぁ?」
静かな食堂の間。
主人公アリス・アトキンソンの父アランはアリスに向かって突然追放すると告げた。
同じく席に座っている母や兄、そして妹も父に同意したように頷いている。
いきなり食堂に集められたかと思えば、思いも寄らない追放宣言にアリスは戸惑いよりも心底呆れた。
「はぁ、何を言っているんですか、この領地を経営しているのは私ですよ?」
「ああ、その経営も最近軌道に乗ってきたのでな、お前はもう用済みになったから追放する」
父のあまりに無茶苦茶な言い分にアリスは辟易する。
「いいでしょう。そんなに出ていって欲しいなら出ていってあげます」
アリスは家から一度出る決心をする。
それを聞いて両親や兄弟は大喜びした。
アリスはそれを哀れみの目で見ながら家を出る。
彼らがこれから地獄を見ることを知っていたからだ。
「大方、私が今まで稼いだお金や開発した資源を全て自分のものにしたかったんでしょうね。……でもそんなことがまかり通るわけないじゃないですか」
アリスはため息をつく。
「──だって、この家の全権力を持っているのは私なのに」
後悔したところでもう遅い。
離婚する両親のどちらと暮らすか……娘が選んだのは夫の方だった。
しゃーりん
恋愛
夫の愛人に子供ができた。夫は私と離婚して愛人と再婚したいという。
私たち夫婦には娘が1人。
愛人との再婚に娘は邪魔になるかもしれないと思い、自分と一緒に連れ出すつもりだった。
だけど娘が選んだのは夫の方だった。
失意のまま実家に戻り、再婚した私が数年後に耳にしたのは、娘が冷遇されているのではないかという話。
事実ならば娘を引き取りたいと思い、元夫の家を訪れた。
再び娘が選ぶのは父か母か?というお話です。
【完結】冷酷伯爵ディートリヒは、去った妻を取り戻せない
くろねこ
恋愛
名門伯爵家に政略結婚で嫁いだ、正妻エレノア・リーヴェルト。夫である伯爵ディートリヒ・フォン・アイゼンヴァルトは、
軍務と義務を最優先し、彼女に関心を向けることはなかった。
言葉も、視線も、愛情も与えられない日々。それでも伯爵夫人として尽くし続けたエレノアは、ある一言をきっかけに、静かに伯爵家を去る決意をする。
――そして初めて、夫は気づく。
自分がどれほど多くのものを、彼女から与えられていたのかを。
一方、エレノアは新たな地でその才覚と人柄を評価され、
「必要とされる存在」として歩き始めていた。
去った妻を想い、今さら後悔する冷酷伯爵。前を向いて生きる正妻令嬢。
これは、失ってから愛に気づいた男と、
二度と戻らないかもしれない夫婦の物語。
――今さら、遅いのです。
過去1ヶ月以内にレジーナの小説・漫画を1話以上レンタルしている
と、レジーナのすべての番外編を読むことができます。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。
番外編を閲覧することが出来ません。
過去1ヶ月以内にレジーナの小説・漫画を1話以上レンタルしている
と、レジーナのすべての番外編を読むことができます。
このユーザをミュートしますか?
※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。