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第三部 宰相閣下の婚約者
624 絶対零度の晩餐会~応接間②~
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「存在しない漁場への投資詐欺、か……」
さすが国政全体を見る立場にある宰相閣下は、漁場と漁に関するルールはキチンとご存知だった。
「いや、まあ、宰相やコンティオラ公爵、外交部くらいまでならすぐに分かるかも知れないが、私ですら『新たに申請されたんだろうか?』くらいは思うよ。最新の情報を把握出来る部署じゃない。決定後に知る部署だからね」
イル義父様はちょっと複雑そうだけど、それでも疑問には思うだけ充分だと思う。
そこからすぐに確認を入れれば、結局は引っかからないと言うことなのだから。
いくら日頃政務に携わらないからと言って、話を保留にせず、次回の訪問を受け入れて資金を用意しようとしている時点でアウトだろう。
実際、身分を考えて自分から声を上げられないでいるヒース君は、なかなかに怖い目で両親を睨んでいる。
「ただ悪いけどウチとしては、コデルリーエ男爵領の採掘がそんなにも行き詰っていたのかと、そちらの方が大事だね。そこを突かれて詐欺に一役買わされるとか、さすがに笑えない」
フォルシアン公爵家当主としては当然とも言えるイル義父様の発言だけど、それを「あなた」と遮ったのは、エリィ義母様だった。
「その件に関しては私にお任せ下さいません?ダリアン侯爵家宛手紙を送って、兄をキリキリと締め……こほん、問い詰めたく思っておりますの」
エリィ義母様、今、締め上げるって言いかけた、絶対。
「場合によっては弟と当主交代させることも辞さないつもりでおりますわ。ですから――」
ダリアン侯爵家は、エリィ義母様の実家だ。
うーん……と、ちょっとイル義父様が迷っているようだったので、ここは私が背中を押すことにした。
「イル義父様、エリィ義母様は最初、ダリアン侯爵家に乗り込むつもりをしていらしたんです。そこを何とか、ユングベリ商会が持つ商業ギルド共通の手紙配送網を使って、キヴェカス法律事務所経由で詰問する方向で、矛を収めて貰っているので、その辺りが妥協点じゃないかと……」
「……え」
イル義父様が恐る恐ると言った態でエリィ義母様を見れば、エリィ義母様はにこやかな淑女の微笑みを返していた。
「もうしばらくは、王宮内で公務で手いっぱいでいらっしゃるでしょう?どうか私にお任せ下さいませ、旦那様」
「――――」
ぐっ……と、イル義父様がナニカに撃ち抜かれている。
ついでに言えば隣のエドヴァルドも、顔を痙攣らせている。
コンティオラ公爵にいたっては、もうダメージMAX、抜け殻寸前だ。
この国のVIPとも言える三人の公爵を圧倒するエリィ義母様、お見事です。
「そ、そうか……分かったよ、愛しい人。その代わり、拗れた時には頼ってくれるかい?兄だからと言って、冷静な話し合いが出来るとは限らないんだからね」
「もちろんですわ、あなた。当代フォルシアン公爵の妻として、恥じぬ振る舞いを致しますわ」
多分、コンティオラ公爵夫妻を多少針でチクチクと刺しているようなところがある……気はするけど、黙っておこう、うん。
「――失礼致します。旦那様……」
そこへ、コンコンと扉が叩かれた音がして、フォルシアン公爵家の家令ラリが姿を見せた。
どうやら、お義兄様のお戻りらしい。
ラリのすぐ後から応接間の中に入って来たユセフは、部屋の中に三人も公爵がいると言う事実を目の当たりにしてか、口を開くよりも先に綺麗な〝ボウアンドスクレープ〟の姿勢を見せた。
「失礼します。ユセフ・フォルシアン、ただいま戻りました」
「ああ、おかえりユセフ。おまえが帰って来たと言うことは、キヴェカス所長に今回の詐欺の話はもう通っていて、なおかつこの時間になったと言うことは、王都商業ギルドに立ち寄って事実確認をしてきたと言うことで良いか?」
なるほど、確かにあの時点で事務所から帰ろうと思えば帰れただろうから、ヤンネの指示があって、王都商業ギルドに立ち寄って来たと言うイル義父様の予想は正しいのかも知れない。
「……はい、その通りです」
そしていつもの軽さのないイル義父様に一瞬怯んでいたものの、ユセフはそれを肯定した。
「既に詐欺の被害にあった商会があると言うのも事実でしたし、その商会の商会長の証言で、犯行集団は更に仕掛ける相手を増やそうとしていたらしいとの裏付けも取れました」
そうか、と答えたイル義父様とは対照的に、コンティオラ公爵はマトヴェイ部長の話の裏付けになったとばかりに、小さく息を吐き出して天を仰いでいた。
ヒース君とコンティオラ公爵夫人は、そんな公爵を不安げに眺めている。
「それから、自警団からは副団長のラジスと言う男性が、後でこちらに来るそうです。団長は、カルメル商会長が口封じで消されでもしては、元も子もないと、そちらの警備に回るとの言付けを受けました」
「……うん?」
何故自警団がウチへ?と言う表情になったイル義父様に、私は「しまった」と、慌ててお義兄様を遮った。
「お、お義兄様!その話はまだちょっと時間がなくて――」
そこまでを口にしたところで、足元の温度が確かに急降下をした。
「…………レイナ」
「…………はい」
「お義兄様は仕方がないとして……まさかとは思うが、コンティオラ公爵令嬢を囮にして、詐欺集団の現行犯逮捕を狙っている、とでも言うつもりか?」
「…………えっと」
え、イル義父様、エリィ義母様に続いて、お義兄様呼びも気に入りませんか?
って、今はそう言う話じゃなかったデスネ。
「えーっと……今ですね、もう怪しげな集団がコンティオラ公爵の邸宅周りをウロウロしているって確認取れてるんです。それで、コンティオラ公爵夫人が結果的に邸宅を空けちゃっている状況なので、多分今頃お嬢様宛に訪問伺いが行っているんじゃないかなー……なんて」
「…………それで?」
ああっ、ヒース君が身体を震わせて不思議そうに辺りを見回してる!
そうか、学園生の彼は王宮内の氷柱事件すら知らないから、原因がまさか宰相閣下にあるなんて思っていないんだ!
って言うか管理部の皆さん、冷気制御のお試し魔道具の再支給していないんですか――⁉
「そ……れで、ですね。向こうが、保護者不在のお嬢様からなら簡単にお金を巻き上げられると思ってやって来れば、しめたものだなぁ……と。あ、自警団だけじゃなくて、トーカレヴァの伝手で王都警備隊からも誰か回して貰うよう頼んだので、ほらもう、これでキヴェカス卿のところで事件を担当すれば、高等法院対策もバッチリ!……的な?」
「全部お膳立てをしてから、私や他の公爵を呼んだ……と?」
「えっとですね、まだコンティオラ公爵令息に、お嬢様の付き添いをして貰って、詐欺集団が持って来る書類の中身を確認して貰おうと思っていたところまでは話せてなかったです!さすがに私がそこに同席したい、なんて言うつもりもなかったですし、そのあたりはちゃんと考えましたよ⁉」
冷気に圧されながら、そこまで無茶はしていないことを主張してみた――ものの、目がすわっているエドヴァルド相手に、どうにもそれは無駄な気がしてきた。
せめてここはヒース卿呼びだけは避けておこう。自衛大事。
「えっ、僕――いや、私ですか⁉」
そして突然名前をあげられたヒース君も、当たり前ながら戸惑っていた。
「あっ、はい、それはマトヴェイ卿からの推薦で!多分その集団が持って来る契約書類とやらが、有効性を持たない書類であろうことくらいは見抜くと思っていらっしゃるみたいで!」
「「マトヴェイ卿が……」」
父と息子、声のボリュームは違えど同じタイミングで声を発していた。
「はははっ!エドヴァルド、レイナちゃんを手元で囲い込みたいのは分かるが、これはもう今からひっくり返すのは無理だ。自警団と王都警備隊、三つの公爵家の護衛を配して詐欺集団を押さえる手筈まで整っていて、何の文句が言える?ここまでの経緯を考えれば、ご令嬢の方にこそ囮として拒否権はないよ。刑務の長として承認させて貰おう」
問題はヒース殿だが――と、イル義父様の視線を受けたヒース君が、ピシリと背筋を伸ばした。
「まだ全容をきちんと把握出来ていないとは思いますが、今回の話が、姉の軽挙妄動にも原因があることは分かります。コンティオラ公爵家嫡子として、けじめはつけたいと思います」
「いやはや、将来有望だねぇ……」
噴出していたエドヴァルドの冷気を押さえるように、イル義父様がふわりと微笑った。
さすが国政全体を見る立場にある宰相閣下は、漁場と漁に関するルールはキチンとご存知だった。
「いや、まあ、宰相やコンティオラ公爵、外交部くらいまでならすぐに分かるかも知れないが、私ですら『新たに申請されたんだろうか?』くらいは思うよ。最新の情報を把握出来る部署じゃない。決定後に知る部署だからね」
イル義父様はちょっと複雑そうだけど、それでも疑問には思うだけ充分だと思う。
そこからすぐに確認を入れれば、結局は引っかからないと言うことなのだから。
いくら日頃政務に携わらないからと言って、話を保留にせず、次回の訪問を受け入れて資金を用意しようとしている時点でアウトだろう。
実際、身分を考えて自分から声を上げられないでいるヒース君は、なかなかに怖い目で両親を睨んでいる。
「ただ悪いけどウチとしては、コデルリーエ男爵領の採掘がそんなにも行き詰っていたのかと、そちらの方が大事だね。そこを突かれて詐欺に一役買わされるとか、さすがに笑えない」
フォルシアン公爵家当主としては当然とも言えるイル義父様の発言だけど、それを「あなた」と遮ったのは、エリィ義母様だった。
「その件に関しては私にお任せ下さいません?ダリアン侯爵家宛手紙を送って、兄をキリキリと締め……こほん、問い詰めたく思っておりますの」
エリィ義母様、今、締め上げるって言いかけた、絶対。
「場合によっては弟と当主交代させることも辞さないつもりでおりますわ。ですから――」
ダリアン侯爵家は、エリィ義母様の実家だ。
うーん……と、ちょっとイル義父様が迷っているようだったので、ここは私が背中を押すことにした。
「イル義父様、エリィ義母様は最初、ダリアン侯爵家に乗り込むつもりをしていらしたんです。そこを何とか、ユングベリ商会が持つ商業ギルド共通の手紙配送網を使って、キヴェカス法律事務所経由で詰問する方向で、矛を収めて貰っているので、その辺りが妥協点じゃないかと……」
「……え」
イル義父様が恐る恐ると言った態でエリィ義母様を見れば、エリィ義母様はにこやかな淑女の微笑みを返していた。
「もうしばらくは、王宮内で公務で手いっぱいでいらっしゃるでしょう?どうか私にお任せ下さいませ、旦那様」
「――――」
ぐっ……と、イル義父様がナニカに撃ち抜かれている。
ついでに言えば隣のエドヴァルドも、顔を痙攣らせている。
コンティオラ公爵にいたっては、もうダメージMAX、抜け殻寸前だ。
この国のVIPとも言える三人の公爵を圧倒するエリィ義母様、お見事です。
「そ、そうか……分かったよ、愛しい人。その代わり、拗れた時には頼ってくれるかい?兄だからと言って、冷静な話し合いが出来るとは限らないんだからね」
「もちろんですわ、あなた。当代フォルシアン公爵の妻として、恥じぬ振る舞いを致しますわ」
多分、コンティオラ公爵夫妻を多少針でチクチクと刺しているようなところがある……気はするけど、黙っておこう、うん。
「――失礼致します。旦那様……」
そこへ、コンコンと扉が叩かれた音がして、フォルシアン公爵家の家令ラリが姿を見せた。
どうやら、お義兄様のお戻りらしい。
ラリのすぐ後から応接間の中に入って来たユセフは、部屋の中に三人も公爵がいると言う事実を目の当たりにしてか、口を開くよりも先に綺麗な〝ボウアンドスクレープ〟の姿勢を見せた。
「失礼します。ユセフ・フォルシアン、ただいま戻りました」
「ああ、おかえりユセフ。おまえが帰って来たと言うことは、キヴェカス所長に今回の詐欺の話はもう通っていて、なおかつこの時間になったと言うことは、王都商業ギルドに立ち寄って事実確認をしてきたと言うことで良いか?」
なるほど、確かにあの時点で事務所から帰ろうと思えば帰れただろうから、ヤンネの指示があって、王都商業ギルドに立ち寄って来たと言うイル義父様の予想は正しいのかも知れない。
「……はい、その通りです」
そしていつもの軽さのないイル義父様に一瞬怯んでいたものの、ユセフはそれを肯定した。
「既に詐欺の被害にあった商会があると言うのも事実でしたし、その商会の商会長の証言で、犯行集団は更に仕掛ける相手を増やそうとしていたらしいとの裏付けも取れました」
そうか、と答えたイル義父様とは対照的に、コンティオラ公爵はマトヴェイ部長の話の裏付けになったとばかりに、小さく息を吐き出して天を仰いでいた。
ヒース君とコンティオラ公爵夫人は、そんな公爵を不安げに眺めている。
「それから、自警団からは副団長のラジスと言う男性が、後でこちらに来るそうです。団長は、カルメル商会長が口封じで消されでもしては、元も子もないと、そちらの警備に回るとの言付けを受けました」
「……うん?」
何故自警団がウチへ?と言う表情になったイル義父様に、私は「しまった」と、慌ててお義兄様を遮った。
「お、お義兄様!その話はまだちょっと時間がなくて――」
そこまでを口にしたところで、足元の温度が確かに急降下をした。
「…………レイナ」
「…………はい」
「お義兄様は仕方がないとして……まさかとは思うが、コンティオラ公爵令嬢を囮にして、詐欺集団の現行犯逮捕を狙っている、とでも言うつもりか?」
「…………えっと」
え、イル義父様、エリィ義母様に続いて、お義兄様呼びも気に入りませんか?
って、今はそう言う話じゃなかったデスネ。
「えーっと……今ですね、もう怪しげな集団がコンティオラ公爵の邸宅周りをウロウロしているって確認取れてるんです。それで、コンティオラ公爵夫人が結果的に邸宅を空けちゃっている状況なので、多分今頃お嬢様宛に訪問伺いが行っているんじゃないかなー……なんて」
「…………それで?」
ああっ、ヒース君が身体を震わせて不思議そうに辺りを見回してる!
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「全部お膳立てをしてから、私や他の公爵を呼んだ……と?」
「えっとですね、まだコンティオラ公爵令息に、お嬢様の付き添いをして貰って、詐欺集団が持って来る書類の中身を確認して貰おうと思っていたところまでは話せてなかったです!さすがに私がそこに同席したい、なんて言うつもりもなかったですし、そのあたりはちゃんと考えましたよ⁉」
冷気に圧されながら、そこまで無茶はしていないことを主張してみた――ものの、目がすわっているエドヴァルド相手に、どうにもそれは無駄な気がしてきた。
せめてここはヒース卿呼びだけは避けておこう。自衛大事。
「えっ、僕――いや、私ですか⁉」
そして突然名前をあげられたヒース君も、当たり前ながら戸惑っていた。
「あっ、はい、それはマトヴェイ卿からの推薦で!多分その集団が持って来る契約書類とやらが、有効性を持たない書類であろうことくらいは見抜くと思っていらっしゃるみたいで!」
「「マトヴェイ卿が……」」
父と息子、声のボリュームは違えど同じタイミングで声を発していた。
「はははっ!エドヴァルド、レイナちゃんを手元で囲い込みたいのは分かるが、これはもう今からひっくり返すのは無理だ。自警団と王都警備隊、三つの公爵家の護衛を配して詐欺集団を押さえる手筈まで整っていて、何の文句が言える?ここまでの経緯を考えれば、ご令嬢の方にこそ囮として拒否権はないよ。刑務の長として承認させて貰おう」
問題はヒース殿だが――と、イル義父様の視線を受けたヒース君が、ピシリと背筋を伸ばした。
「まだ全容をきちんと把握出来ていないとは思いますが、今回の話が、姉の軽挙妄動にも原因があることは分かります。コンティオラ公爵家嫡子として、けじめはつけたいと思います」
「いやはや、将来有望だねぇ……」
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