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第三部 宰相閣下の婚約者
708 雪と氷の舞う館(前)
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フォルシアン公爵邸の玄関前に馬車は止まり、そこからはお義兄様のエスコートを受けて、エリィ義母様が待っているはずの邸宅の中へと足を踏み入れた――はずだった。
「……ああ、ちょうど良かった。帰って来たのか」
「ぴゃっ⁉」
「⁉」
実際に見たことも聞いたこともないけど、地獄からのお迎えってこんな感じだろうか――とでも言うような、バリトンを更に低くした声が玄関ホールに響いた。
お義兄様のエスコートの手から自分の手を滑り落としながら、思わず直立不動になっておかしな声を上げたのは勘弁して欲しい。
果たしてお義兄様の驚きは、私のリアクションに対してだったのか、響いたその声に対してだったのかは分からずじまいだ。
「家令に貴女がまだ戻って来ていないと聞いたから、予告通り王都商業ギルドまで迎えに行こうかと思っていたところだった」
「そ、そうなんデスネ……」
多分、無意識の内に半歩下がっていたんだと思う。
隣からかなりの小声で「こら、待て!」と肘で小突かれてしまった。
「そこで私を楯にするな! それが悪手だってコトくらいはいくら私でも分かるぞ⁉」
「猛吹雪の楯お願いしますねって言ったじゃないですか!」
「了承した覚えはない!」
そしてひそひそとそんな会話を交わし合ったのが、余計にダメだったのかも知れない。
気のせいじゃなく、階段を降りてくるエドヴァルドの足元から、一歩踏み出すごとに霜が広がっている。
「どうやら私の知らない間に随分と距離が縮まったようだ」
「き、気のせいだと思います!」
「ぎ……義理の兄以上の距離はありません! ええ、それはもう!」
「ほう……」
「ああああのっ、エドヴァルド様! えっと……イル義父様とエリィ義母様は……?」
まだどちらかがいてくれれば、この低気圧も収まるんじゃ――と思った私の目論見は、続くエドヴァルドの言葉にあっさりと打ち砕かれた。
「貴女が帰って来て、夕食の用意が整うまで『ひざまくら』を満喫するそうだ」
「…………え」
「迎えに行きたければ勝手に行けと、今、部屋を追い出されたところだ」
ひざまくら……? と、意味が分からず首を傾げたのはお義兄様だけだ。
「ユセフ」
「は!」
冷気漂う中で声をかけられたお義兄様は、私以上の直立不動体勢になって、背筋をピンと伸ばしていた。
「おまえの両親からは、レイナの送迎代として夕食を食べて行けと伝言を預かった。食堂で待つといい。直に二人とも下りて来るだろう」
ひざまくらの何たるかがまるで分からないまでも、日頃からの両親の仲の良さを思えば、大体の想像はついたのかも知れない。
「むしろ私はキヴェカス事務所に戻った方が――」
「いや」
だからだろう。空気を読んでこの場を立ち去ろうとしていたのに、何故かエドヴァルドの方がそれを許さなかった。
「王都商業ギルドで、どんな話があったのか。レイナが端折る可能性もある。おまえも残って、報告に加わってもらう」
「「…………」」
私とお義兄様の顔は期せずして盛大に痙攣った。
「……思ったより信頼なくないか」
「えー……何ぶん心配をかけてしまった前科がデスネ……」
「そうか。なら他人様にとばっちりがいかないよう、そのあたりはちゃんと話し合ってくれ」
「えぇ……」
お義兄様、吹雪の楯は⁉
コソコソと会話しあう私とお義兄様に、エドヴァルドの形の良い眉が跳ね上がっている。
「宰相閣下! その、義妹にはキチンと閣下の深いお心を汲んで行動するように言い聞かせましたので……っ」
さすがに足元が霜から氷に変わりそうだとなれば、お義兄様も全力でエドヴァルドを宥めにかかる。
そもそも、小さい頃邸宅で見かけていたと言っても、物心がついた頃にはエドヴァルドは既に「イデオン公爵」であり、自分よりも「フォルシアン公爵」であるイル義父様とあれこれ話し合うことの方が多かったらしいのだ。
五歳と言う年齢差以上の地位と責任の差がそこにはあって、イル義父様ほどに親しく付き合ってはこなかったと、私は後から聞かされた。
媚び諂っているつもりはないが、当主と公爵家令息との立場の違いは、皆が思う以上に大きいのだ――と。
「そうか。ただでさえ彼女は騒動の方からすり寄ってくる体質の持ち主だ。フォルシアン公爵家の人間として『兄』を名乗るのであれば、その辺りは充分に留意しておいて貰いたい」
「…………」
お義兄様、何故に無言。
しかもガッツリと表情に「ああ……」と書いてある。
「……手遅れとでも言いたげだな」
「ええっと……やはり私はキヴェカス事務所の方に――」
「――ラリ、ユセフを食堂に。珈琲でも紅茶でも出して待たせておけ」
どうやら「これは残っていたらロクな目に遭わない」と察知したらしいお義兄様の「戻る」と言いかけた言葉は、途中でエドヴァルドによって冷ややかに一刀両断されていた。
「ラリ――」
「――ユセフ様、こちらへ」
しかもフォルシアン公爵邸の家令ではあるけれど、遅れて玄関ホールに姿を見せていたラリはしっかりと強者と弱者をその場で判断していて、お義兄様のヘルプを聞かなかったコトにしていた。
「くっ……」
そうして諦めざるを得なかったお義兄様は、ラリと連れ立って食堂へと向かい、後にはエドヴァルドと私が残される恰好になった。
「レイナ」
「はいぃ……」
亀の如く首を縮こまらせている私を見下ろしながら、エドヴァルドがそこで深いため息を吐き出した。
「あまり怯えないでくれるか。私は貴女をそんな風に従えたいわけじゃない」
「エドヴァルド様……」
「私の目も、手も届かないところで何かが起きてしまうことが不安で仕方がないだけなんだ。この国の貴族の相関図が変わろうとしていて、各国の力関係さえも変わろうとしている、この時期だからこそ尚更に」
いつの間にか目の前まで来ていたエドヴァルドの手が、そっと私の頬を撫でていき、気付けばそのままぐいと抱き寄せられていた。
「何もかもを一人で進めようとするな。そして、他の誰でもない、私を一番に頼って欲しい。まだ、甘えてくれとまでは要求しないが……最終的にはそれも望んでいることは、覚えておいてくれ」
「甘え……」
「ああ。まだ分からなそうだから、まずは頼るところからで構わない。手始めに、今日のギルドでの会話を端折らないところから始めるとしようか」
「…………怒りません?」
「怒られそうな覚えでも?」
「…………」
うっかり黙り込んでしまった私の顎に、エドヴァルドの手がかかる。
そのまま間髪を入れずに、目を逸らすなと言わんばかりに持ち上げられてしまった。
ち、近い近い! 灯りの下のドアップは目の毒です‼
「聞いてみないことには判断しかねるな」
「……っ」
「とりあえず、今ここで話せとは言わない。夕食の準備が整うまで、貴女の部屋でゆっくり寛ぐとしようか。そうだな……イルを見倣っての『ひざまくら』がいいか? ああ、今日はこの前と逆でもいいな」
「⁉」
食堂のお義兄様は放置ですか――なんてことは、今聞いちゃいけないことだけは、抱えあげられて茫然としている頭でも分かった。
そうして二階の部屋に運ばれた後は、ソファで呼吸もままならないほどの口付けをされ、気付かないうちに首元に「痕」を付けられ――意識が飛びかけている間に、本当にエドヴァルドの膝の上に寝かせられていた。
「ふむ……これはこれで何と言うか……拷問だな。逆の方がまだ、抱きたくなるのを抑えられるかも知れない」
「そっ……そんなコトは言わなくてイイんです――っ‼」
結局、低く笑ったままのエドヴァルドに何故か頭を撫でられたまま、家令が呼びに来るまでそのままの体勢を強いられることになってしまった。
膝枕をして貰った感想も、よく分からないままに。
「……ああ、ちょうど良かった。帰って来たのか」
「ぴゃっ⁉」
「⁉」
実際に見たことも聞いたこともないけど、地獄からのお迎えってこんな感じだろうか――とでも言うような、バリトンを更に低くした声が玄関ホールに響いた。
お義兄様のエスコートの手から自分の手を滑り落としながら、思わず直立不動になっておかしな声を上げたのは勘弁して欲しい。
果たしてお義兄様の驚きは、私のリアクションに対してだったのか、響いたその声に対してだったのかは分からずじまいだ。
「家令に貴女がまだ戻って来ていないと聞いたから、予告通り王都商業ギルドまで迎えに行こうかと思っていたところだった」
「そ、そうなんデスネ……」
多分、無意識の内に半歩下がっていたんだと思う。
隣からかなりの小声で「こら、待て!」と肘で小突かれてしまった。
「そこで私を楯にするな! それが悪手だってコトくらいはいくら私でも分かるぞ⁉」
「猛吹雪の楯お願いしますねって言ったじゃないですか!」
「了承した覚えはない!」
そしてひそひそとそんな会話を交わし合ったのが、余計にダメだったのかも知れない。
気のせいじゃなく、階段を降りてくるエドヴァルドの足元から、一歩踏み出すごとに霜が広がっている。
「どうやら私の知らない間に随分と距離が縮まったようだ」
「き、気のせいだと思います!」
「ぎ……義理の兄以上の距離はありません! ええ、それはもう!」
「ほう……」
「ああああのっ、エドヴァルド様! えっと……イル義父様とエリィ義母様は……?」
まだどちらかがいてくれれば、この低気圧も収まるんじゃ――と思った私の目論見は、続くエドヴァルドの言葉にあっさりと打ち砕かれた。
「貴女が帰って来て、夕食の用意が整うまで『ひざまくら』を満喫するそうだ」
「…………え」
「迎えに行きたければ勝手に行けと、今、部屋を追い出されたところだ」
ひざまくら……? と、意味が分からず首を傾げたのはお義兄様だけだ。
「ユセフ」
「は!」
冷気漂う中で声をかけられたお義兄様は、私以上の直立不動体勢になって、背筋をピンと伸ばしていた。
「おまえの両親からは、レイナの送迎代として夕食を食べて行けと伝言を預かった。食堂で待つといい。直に二人とも下りて来るだろう」
ひざまくらの何たるかがまるで分からないまでも、日頃からの両親の仲の良さを思えば、大体の想像はついたのかも知れない。
「むしろ私はキヴェカス事務所に戻った方が――」
「いや」
だからだろう。空気を読んでこの場を立ち去ろうとしていたのに、何故かエドヴァルドの方がそれを許さなかった。
「王都商業ギルドで、どんな話があったのか。レイナが端折る可能性もある。おまえも残って、報告に加わってもらう」
「「…………」」
私とお義兄様の顔は期せずして盛大に痙攣った。
「……思ったより信頼なくないか」
「えー……何ぶん心配をかけてしまった前科がデスネ……」
「そうか。なら他人様にとばっちりがいかないよう、そのあたりはちゃんと話し合ってくれ」
「えぇ……」
お義兄様、吹雪の楯は⁉
コソコソと会話しあう私とお義兄様に、エドヴァルドの形の良い眉が跳ね上がっている。
「宰相閣下! その、義妹にはキチンと閣下の深いお心を汲んで行動するように言い聞かせましたので……っ」
さすがに足元が霜から氷に変わりそうだとなれば、お義兄様も全力でエドヴァルドを宥めにかかる。
そもそも、小さい頃邸宅で見かけていたと言っても、物心がついた頃にはエドヴァルドは既に「イデオン公爵」であり、自分よりも「フォルシアン公爵」であるイル義父様とあれこれ話し合うことの方が多かったらしいのだ。
五歳と言う年齢差以上の地位と責任の差がそこにはあって、イル義父様ほどに親しく付き合ってはこなかったと、私は後から聞かされた。
媚び諂っているつもりはないが、当主と公爵家令息との立場の違いは、皆が思う以上に大きいのだ――と。
「そうか。ただでさえ彼女は騒動の方からすり寄ってくる体質の持ち主だ。フォルシアン公爵家の人間として『兄』を名乗るのであれば、その辺りは充分に留意しておいて貰いたい」
「…………」
お義兄様、何故に無言。
しかもガッツリと表情に「ああ……」と書いてある。
「……手遅れとでも言いたげだな」
「ええっと……やはり私はキヴェカス事務所の方に――」
「――ラリ、ユセフを食堂に。珈琲でも紅茶でも出して待たせておけ」
どうやら「これは残っていたらロクな目に遭わない」と察知したらしいお義兄様の「戻る」と言いかけた言葉は、途中でエドヴァルドによって冷ややかに一刀両断されていた。
「ラリ――」
「――ユセフ様、こちらへ」
しかもフォルシアン公爵邸の家令ではあるけれど、遅れて玄関ホールに姿を見せていたラリはしっかりと強者と弱者をその場で判断していて、お義兄様のヘルプを聞かなかったコトにしていた。
「くっ……」
そうして諦めざるを得なかったお義兄様は、ラリと連れ立って食堂へと向かい、後にはエドヴァルドと私が残される恰好になった。
「レイナ」
「はいぃ……」
亀の如く首を縮こまらせている私を見下ろしながら、エドヴァルドがそこで深いため息を吐き出した。
「あまり怯えないでくれるか。私は貴女をそんな風に従えたいわけじゃない」
「エドヴァルド様……」
「私の目も、手も届かないところで何かが起きてしまうことが不安で仕方がないだけなんだ。この国の貴族の相関図が変わろうとしていて、各国の力関係さえも変わろうとしている、この時期だからこそ尚更に」
いつの間にか目の前まで来ていたエドヴァルドの手が、そっと私の頬を撫でていき、気付けばそのままぐいと抱き寄せられていた。
「何もかもを一人で進めようとするな。そして、他の誰でもない、私を一番に頼って欲しい。まだ、甘えてくれとまでは要求しないが……最終的にはそれも望んでいることは、覚えておいてくれ」
「甘え……」
「ああ。まだ分からなそうだから、まずは頼るところからで構わない。手始めに、今日のギルドでの会話を端折らないところから始めるとしようか」
「…………怒りません?」
「怒られそうな覚えでも?」
「…………」
うっかり黙り込んでしまった私の顎に、エドヴァルドの手がかかる。
そのまま間髪を入れずに、目を逸らすなと言わんばかりに持ち上げられてしまった。
ち、近い近い! 灯りの下のドアップは目の毒です‼
「聞いてみないことには判断しかねるな」
「……っ」
「とりあえず、今ここで話せとは言わない。夕食の準備が整うまで、貴女の部屋でゆっくり寛ぐとしようか。そうだな……イルを見倣っての『ひざまくら』がいいか? ああ、今日はこの前と逆でもいいな」
「⁉」
食堂のお義兄様は放置ですか――なんてことは、今聞いちゃいけないことだけは、抱えあげられて茫然としている頭でも分かった。
そうして二階の部屋に運ばれた後は、ソファで呼吸もままならないほどの口付けをされ、気付かないうちに首元に「痕」を付けられ――意識が飛びかけている間に、本当にエドヴァルドの膝の上に寝かせられていた。
「ふむ……これはこれで何と言うか……拷問だな。逆の方がまだ、抱きたくなるのを抑えられるかも知れない」
「そっ……そんなコトは言わなくてイイんです――っ‼」
結局、低く笑ったままのエドヴァルドに何故か頭を撫でられたまま、家令が呼びに来るまでそのままの体勢を強いられることになってしまった。
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