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第三部 宰相閣下の婚約者
728 断罪の茶会(4)
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「……ヴェン、水はこれか?」
「「⁉︎」」
国王陛下とレイフ殿下のテーブルを凝視していたせいか、私もシャルリーヌも、自分たちのテーブルに人が近付いて来ていたことに気が付いていなかった。
うっかり声を出さなかったのは、淑女教育の成果だろうか。
「ああ。ご要望に応じて避けさせておいた。量は足りるのか?」
エフゲニー、とヴェンツェン管理部長が続けたその言葉に、思わずそこに現れた相手をガン見してしまう。
「まあ、足りないと言えばキリがなくなる。初回としてはこのくらいで我慢した方が良いのだろうな」
エフゲニー・ガールシン医局長、だったか。
どさくさに紛れていつの間にかヴェンツェン管理部長の隣にも人がいたのだ。
緩く縛られた長髪は総白髪。
肌は淡くピンクがかった白。眼鏡の向こうに見える瞳の中心は黄色で、その周りはブルーとグリーンの中間色。
髪色と肌の様子が少しアンバランスで、だからこそ思わず見てしまったのだ。
髪の色が白いからと言って、年配であるとは確かに限らないのだけれど。
――それに。
「眼鏡……」
うっかり呟いてしまった私の声が聞こえたのか、医局長と管理部長、二人の視線が同時にこちらへと向けられていた。
「ヴェン、こちらは?」
なぜここに女性が、とでも言いたげなガールシン医局長の声に、ヴェンツェン管理部長が「ああ……」と、回答を引き受ける形になっていた。
「イデオン宰相閣下の婚約者殿と、聖女代理殿だ。陛下からのお招きがあったようだ」
「陛下の……」
「とは言え管理部としては、宰相閣下の婚約者殿は今回の魔道具の案を出して下さった立役者。そもそもが足を向けて眠れる方ではないのだよ」
「ほう……」
ヴェンツェン管理部長、何だか恍惚とした表情になっていませんか。
今にも崇め奉りそうな様子で紹介しないで下さい⁉
「医局長のエフゲニー・ガールシンだ。ヴェン……ド・ブロイ管理部長も言ったかも知れないが、我々は今回観察者としてこの場にいる。ここにある者は全て自由に飲食して貰って構わない」
ガールシン医局長の方は、そう言って淡々と自己紹介をしながら、椅子を引いて自らも腰を下ろした。
ヴェンツェン管理部長と同じように、やっぱり机の上に紙や書くモノを並べ出している。
レイナ・フォルシアンです、シャルリーヌ・ボードリエです……と二人で頭を下げているのも、片目でチラリと視界に収めただけだ。
フォルシアンの名前にもボードリエの名前にも反応が薄いと言うことは、あまり貴族間の権謀術数に関心がないと言うことだろう。
そしてガールシン家に養子に入ったと言うことなら、王都学園理事長であるボードリエ伯爵の名前も知らないのかも知れない。
「フォルシアン嬢は……私の眼鏡が気になっているようだ」
だから私を見て、そんな言い方をしているように見えた。
「あっ、はい。その……色付きを初めて見たので……」
私の言葉にシャルリーヌも「そう言えば……」と同調をしてくれた。
少なくともこちらの世界に来てから、眼鏡の割合が少なかったことはもちろん、色付きとなると間違いなく初めてなのだ。
これも〝眼鏡の母〟ことマノン女史の作品だろうかと思っていると、ガールシン医局長は意外にも頭をヴェンツェン管理部長の方へと軽く振った。
「私は小さい頃から眩しい光が苦手でね。それを聞いたヴェン……ド・ブロイ管理部長が、今ある眼鏡を改良して、色を付けて遮光の役割を持たせてくれたのだ」
「だからまあ、エフゲニーがかけているのは眼鏡であり遮光の魔道具でもある……か?」
「そうだな。それと色に関してはまだ試行錯誤中だ。だから今後も見かけるたびに違う色を着用している可能性はある。まあ、そこはあまり気にしてくれるな」
管理部、エドヴァルドの魔力放出を押さえる魔道具の開発もそうだけど、世の為人の為、前向きな研究もキチンとやっているらしい。
「すまん、エフゲニー。しばらくは今回の魔道具の調査に時間を取られる」
「分かっている、ヴェン。こちらもこの水の話やこの後のお茶の話もある。今の色がどうしてもダメと言うわけでもないから、大丈夫だ」
真面目に話をしている。
しているのは分かるのだけれど、中身は害獣駆除の罠や鉱毒入りの水に痺れ茶だ。
どうにも居心地の悪さが拭えなかった。
『……気のせいか、BとLの香りがする……』
『もしもし、シャルリーヌさん⁉』
気にするのは会話の内容じゃなくて、そっちなのか!
マッドなオタク同士の友情でいいだろうに!
私は医局長と管理部長の二人が、こちらの日本語での会話に気が付く前に、気になっていた話で空気を塗り替えてしまうことにした。
「ガールシン医局長は、もしかして長い時間日の光の下に出ていられないとか……その肌や髪色とかも全て生まれつきのものでいらっしゃったりします?」
「「!」」
そして答えは二人の表情が雄弁にそれを物語っていた。
「……この症状を知っているのか?」
「いえ、詳しくは……ただ、特徴として弱視や陽を避けなければいけない方が多いと聞いたことはあります。色素が薄いと言うこと以外には、他の人と何ら変わらない方も多くいらっしゃるとも聞いていますが……」
私の説明に、どうやらシャルリーヌも気が付いたみたいだった。
「……アルビノ?」
「……多分ね」
肌も髪も真っ白、メラニン色素が体内で合成されないために紫外線に著しく弱い。病気、あるいは遺伝性の疾患とも言われている。
一般的な日本人は髪の毛も目(虹彩)も黒い。肌もベージュ色が圧倒的だから、その中では症状として目立ってしまうのは無理からぬ側面もあった。
ただ、黒が標準ではないこのアンジェスの中では、言われなければ遺伝性の疾患であることになど誰も気が付かないのではないだろうか。
「……他の人と何ら変わらない」
「個人差はあるようですけれど、あまり長い時間陽の光を浴びなければ、問題なく生活出来ると……」
「……そうか」
ガールシン医局長は一瞬、机に広げようとしていた紙やペンを止めて、じっと自分の手を見ていたのだけれど、そこにヴェンツェン管理部長が、勢いよく彼の背中を叩いた。
「良かったな、ここに来た甲斐があって。あとは私がもっと生活が便利になるような眼鏡を開発してやる」
「……ああ」
やっぱりBとL――って、呟かないのシャーリー!
私はそれよりヴェンツェン管理部長の「眼鏡の開発」と言う言葉が気になって、思わずそのまま話しかけてしまった。
「管理部長も眼鏡の開発をなさるんですか?」
「そう言う言い方をするからには、マノン女史のことは知っているのか」
「そうですね、一度お会いしています。眼鏡を世に広めた方だと」
眼鏡の母だと言った私に「そうだ」と管理部長も頷いた。
「眼鏡そのものを開発普及させたのはマノン女史だ。それは何があっても揺らがない。私はそこに手を加えているだけだ。エフゲニーは部屋にいる時でさえ眩しいと思うことがあるようだからな。少しでも仕事がしやすくなればと創意工夫をするのは管理部の本業だ」
「ああ……じゃあ、一般市民にも安く普及させたいと言う女史の目標とは少し離れてしまうんですね……」
眼鏡そのものがまだ高めの値段設定である上に色付き、遮光の機能を乗せた魔道具となれば、更に一般市民には手が出にくいだろう。
「女史の願いは周囲の皆が知るところではある。が、管理部にいる限りは私はそれに添うのは難しいだろう。管理部では恐らく難しいと、女史に話をしたこともある」
「なるほど……」
「広い世の中、それが出来るのが自分だけだなどと自惚れるつもりはない。いつか誰かが成し遂げるだろうよ。恐らく私ではない、というだけのことだ」
ヴェンツェン管理部長の割り切りは、いっそ見事というべきなのかも知れない。
あくまで魔道具の手入れと研究と発展を掲げる管理部においては難しいと言うことなんだろう。
「エフゲニーには医学・薬学の研究者としての才がある。埋もれさせるには勿体ないのだ。陛下もそれには理解を示して下さっている。だからこそ、今日、この場にも呼ばれたのだ」
何だか医局長がこの場にいることに対して、管理部長の方が誇らしげなのはどうしたことか。
シャルリーヌ的な想像に傾きかけた私は、慌てて首を横に振る。
「それにしても遅かったな、エフゲニー。急患か何かか?」
ヴェンツェン管理部長はきっと何気なく聞いたつもりだったんだろう。
ただちょうどそれが、レイフ殿下が席について、周囲の音も会話も途切れてしまったタイミングだったこともあり、ガールシン医局長の返しが、この場の多くの参加者の耳にまで届いたのだ。
「急患と言えば急患だな。腰や肩、腕などがあちこち骨折していて、更にその痛みで動けないでいたせいか、衰弱をしきっている患者がいきなり運び込まれて来た。寝たきりだったろうが、それでも寝間着の高級さを考えれば高位貴族の子弟だろう。それ以上は今は分からんが、何をどうしたらあんな症状になるのかが分からず、今、医局は上を下への大騒ぎだ」
「――――!」
ガンッ! っと、何かがテーブルにぶつかる音がした。
皆が音の主を探して視線をさまよわせている。
「……どうした、顔色が悪いな?」
そして一番に気が付いたのは、あろうことか国王陛下だった。
「こちらのテーブルからでもよく見えるぞ? ……アルノシュト伯爵」
「「⁉︎」」
国王陛下とレイフ殿下のテーブルを凝視していたせいか、私もシャルリーヌも、自分たちのテーブルに人が近付いて来ていたことに気が付いていなかった。
うっかり声を出さなかったのは、淑女教育の成果だろうか。
「ああ。ご要望に応じて避けさせておいた。量は足りるのか?」
エフゲニー、とヴェンツェン管理部長が続けたその言葉に、思わずそこに現れた相手をガン見してしまう。
「まあ、足りないと言えばキリがなくなる。初回としてはこのくらいで我慢した方が良いのだろうな」
エフゲニー・ガールシン医局長、だったか。
どさくさに紛れていつの間にかヴェンツェン管理部長の隣にも人がいたのだ。
緩く縛られた長髪は総白髪。
肌は淡くピンクがかった白。眼鏡の向こうに見える瞳の中心は黄色で、その周りはブルーとグリーンの中間色。
髪色と肌の様子が少しアンバランスで、だからこそ思わず見てしまったのだ。
髪の色が白いからと言って、年配であるとは確かに限らないのだけれど。
――それに。
「眼鏡……」
うっかり呟いてしまった私の声が聞こえたのか、医局長と管理部長、二人の視線が同時にこちらへと向けられていた。
「ヴェン、こちらは?」
なぜここに女性が、とでも言いたげなガールシン医局長の声に、ヴェンツェン管理部長が「ああ……」と、回答を引き受ける形になっていた。
「イデオン宰相閣下の婚約者殿と、聖女代理殿だ。陛下からのお招きがあったようだ」
「陛下の……」
「とは言え管理部としては、宰相閣下の婚約者殿は今回の魔道具の案を出して下さった立役者。そもそもが足を向けて眠れる方ではないのだよ」
「ほう……」
ヴェンツェン管理部長、何だか恍惚とした表情になっていませんか。
今にも崇め奉りそうな様子で紹介しないで下さい⁉
「医局長のエフゲニー・ガールシンだ。ヴェン……ド・ブロイ管理部長も言ったかも知れないが、我々は今回観察者としてこの場にいる。ここにある者は全て自由に飲食して貰って構わない」
ガールシン医局長の方は、そう言って淡々と自己紹介をしながら、椅子を引いて自らも腰を下ろした。
ヴェンツェン管理部長と同じように、やっぱり机の上に紙や書くモノを並べ出している。
レイナ・フォルシアンです、シャルリーヌ・ボードリエです……と二人で頭を下げているのも、片目でチラリと視界に収めただけだ。
フォルシアンの名前にもボードリエの名前にも反応が薄いと言うことは、あまり貴族間の権謀術数に関心がないと言うことだろう。
そしてガールシン家に養子に入ったと言うことなら、王都学園理事長であるボードリエ伯爵の名前も知らないのかも知れない。
「フォルシアン嬢は……私の眼鏡が気になっているようだ」
だから私を見て、そんな言い方をしているように見えた。
「あっ、はい。その……色付きを初めて見たので……」
私の言葉にシャルリーヌも「そう言えば……」と同調をしてくれた。
少なくともこちらの世界に来てから、眼鏡の割合が少なかったことはもちろん、色付きとなると間違いなく初めてなのだ。
これも〝眼鏡の母〟ことマノン女史の作品だろうかと思っていると、ガールシン医局長は意外にも頭をヴェンツェン管理部長の方へと軽く振った。
「私は小さい頃から眩しい光が苦手でね。それを聞いたヴェン……ド・ブロイ管理部長が、今ある眼鏡を改良して、色を付けて遮光の役割を持たせてくれたのだ」
「だからまあ、エフゲニーがかけているのは眼鏡であり遮光の魔道具でもある……か?」
「そうだな。それと色に関してはまだ試行錯誤中だ。だから今後も見かけるたびに違う色を着用している可能性はある。まあ、そこはあまり気にしてくれるな」
管理部、エドヴァルドの魔力放出を押さえる魔道具の開発もそうだけど、世の為人の為、前向きな研究もキチンとやっているらしい。
「すまん、エフゲニー。しばらくは今回の魔道具の調査に時間を取られる」
「分かっている、ヴェン。こちらもこの水の話やこの後のお茶の話もある。今の色がどうしてもダメと言うわけでもないから、大丈夫だ」
真面目に話をしている。
しているのは分かるのだけれど、中身は害獣駆除の罠や鉱毒入りの水に痺れ茶だ。
どうにも居心地の悪さが拭えなかった。
『……気のせいか、BとLの香りがする……』
『もしもし、シャルリーヌさん⁉』
気にするのは会話の内容じゃなくて、そっちなのか!
マッドなオタク同士の友情でいいだろうに!
私は医局長と管理部長の二人が、こちらの日本語での会話に気が付く前に、気になっていた話で空気を塗り替えてしまうことにした。
「ガールシン医局長は、もしかして長い時間日の光の下に出ていられないとか……その肌や髪色とかも全て生まれつきのものでいらっしゃったりします?」
「「!」」
そして答えは二人の表情が雄弁にそれを物語っていた。
「……この症状を知っているのか?」
「いえ、詳しくは……ただ、特徴として弱視や陽を避けなければいけない方が多いと聞いたことはあります。色素が薄いと言うこと以外には、他の人と何ら変わらない方も多くいらっしゃるとも聞いていますが……」
私の説明に、どうやらシャルリーヌも気が付いたみたいだった。
「……アルビノ?」
「……多分ね」
肌も髪も真っ白、メラニン色素が体内で合成されないために紫外線に著しく弱い。病気、あるいは遺伝性の疾患とも言われている。
一般的な日本人は髪の毛も目(虹彩)も黒い。肌もベージュ色が圧倒的だから、その中では症状として目立ってしまうのは無理からぬ側面もあった。
ただ、黒が標準ではないこのアンジェスの中では、言われなければ遺伝性の疾患であることになど誰も気が付かないのではないだろうか。
「……他の人と何ら変わらない」
「個人差はあるようですけれど、あまり長い時間陽の光を浴びなければ、問題なく生活出来ると……」
「……そうか」
ガールシン医局長は一瞬、机に広げようとしていた紙やペンを止めて、じっと自分の手を見ていたのだけれど、そこにヴェンツェン管理部長が、勢いよく彼の背中を叩いた。
「良かったな、ここに来た甲斐があって。あとは私がもっと生活が便利になるような眼鏡を開発してやる」
「……ああ」
やっぱりBとL――って、呟かないのシャーリー!
私はそれよりヴェンツェン管理部長の「眼鏡の開発」と言う言葉が気になって、思わずそのまま話しかけてしまった。
「管理部長も眼鏡の開発をなさるんですか?」
「そう言う言い方をするからには、マノン女史のことは知っているのか」
「そうですね、一度お会いしています。眼鏡を世に広めた方だと」
眼鏡の母だと言った私に「そうだ」と管理部長も頷いた。
「眼鏡そのものを開発普及させたのはマノン女史だ。それは何があっても揺らがない。私はそこに手を加えているだけだ。エフゲニーは部屋にいる時でさえ眩しいと思うことがあるようだからな。少しでも仕事がしやすくなればと創意工夫をするのは管理部の本業だ」
「ああ……じゃあ、一般市民にも安く普及させたいと言う女史の目標とは少し離れてしまうんですね……」
眼鏡そのものがまだ高めの値段設定である上に色付き、遮光の機能を乗せた魔道具となれば、更に一般市民には手が出にくいだろう。
「女史の願いは周囲の皆が知るところではある。が、管理部にいる限りは私はそれに添うのは難しいだろう。管理部では恐らく難しいと、女史に話をしたこともある」
「なるほど……」
「広い世の中、それが出来るのが自分だけだなどと自惚れるつもりはない。いつか誰かが成し遂げるだろうよ。恐らく私ではない、というだけのことだ」
ヴェンツェン管理部長の割り切りは、いっそ見事というべきなのかも知れない。
あくまで魔道具の手入れと研究と発展を掲げる管理部においては難しいと言うことなんだろう。
「エフゲニーには医学・薬学の研究者としての才がある。埋もれさせるには勿体ないのだ。陛下もそれには理解を示して下さっている。だからこそ、今日、この場にも呼ばれたのだ」
何だか医局長がこの場にいることに対して、管理部長の方が誇らしげなのはどうしたことか。
シャルリーヌ的な想像に傾きかけた私は、慌てて首を横に振る。
「それにしても遅かったな、エフゲニー。急患か何かか?」
ヴェンツェン管理部長はきっと何気なく聞いたつもりだったんだろう。
ただちょうどそれが、レイフ殿下が席について、周囲の音も会話も途切れてしまったタイミングだったこともあり、ガールシン医局長の返しが、この場の多くの参加者の耳にまで届いたのだ。
「急患と言えば急患だな。腰や肩、腕などがあちこち骨折していて、更にその痛みで動けないでいたせいか、衰弱をしきっている患者がいきなり運び込まれて来た。寝たきりだったろうが、それでも寝間着の高級さを考えれば高位貴族の子弟だろう。それ以上は今は分からんが、何をどうしたらあんな症状になるのかが分からず、今、医局は上を下への大騒ぎだ」
「――――!」
ガンッ! っと、何かがテーブルにぶつかる音がした。
皆が音の主を探して視線をさまよわせている。
「……どうした、顔色が悪いな?」
そして一番に気が付いたのは、あろうことか国王陛下だった。
「こちらのテーブルからでもよく見えるぞ? ……アルノシュト伯爵」
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