709 / 785
第三部 宰相閣下の婚約者
750 兵どもが夢の跡
しおりを挟む
夏草はない。
だけど「あるできごとのあった現場のようすが、すっかり変わってしまっていることのたとえ」と言う意味ではまさしく「兵どもが夢の跡」な軍神の間になっていると思う。
「そういうことだから、フォルシアン公爵とコンティオラ公爵は、自分の領地の侯爵の面倒はきちんと見ておくようにな。仮にも侯爵家領主だ。書類仕事が全く出来んほど愚かでもないだろう」
そう言えば、基本的に自国語以外に最低1ヶ国は学園で習得をしておかなくては、長男であろうとそもそも後継者としてのスタートラインにすら立てないと、いつぞや聞いた気がする。
勉強だけ出来て、社会人として役に立たない人間が散見されるのは、日本の社会でだって聞く話なのだから、アンジェスでもそこはそう大きく変わらないということなのかも知れない。
もちろん得手不得手はあって、そこは家令なり兄弟なりが補っているんだろうけど、それでも陛下の言う通り多少の書類仕事は手伝えるはず――と言うことなんだろう。
「陛下……ですが私は……」
痺れ茶の影響か微かに身じろぎをしながら、コンティオラ公爵が国王陛下の方を向いている。
「言いたいことは理解しているが、今不在にされては外交部が回らん。マトヴェイに暴れられるのも倒れられるのもごめんだしな」
陛下のセリフは、コンティオラ公爵を気遣ったと言うよりは、掛け値なしの本音であるかに見える。
「酷い言われようですな、陛下」
ニセ壁があるだろうから、どこまで見えているのかは不明だけど、私にはそう言って苦笑しているマトヴェイ外交部長の姿が見えていた。
「事実だろう?」
「否定はいたしませんが」
マトヴェイ部長、暴れるんだ……?
ダールグレン侯爵家にいた頃は、領主である兄の方が武闘派だったそうだけど、政変時に陛下の楯になったところから言っても、やはりコンティオラ公爵領防衛軍出身者なのだ。
さっきも後遺症のない方の足で魔道具を蹴り飛ばしていたくらいだから、いざと言う時には剣を片手に前に出る人なんだろう。
「宰相が王宮内で氷柱を落とした件は、まあどこぞの王家に費用を請求するからまだいいとしても、マトヴェイ、其方にまで暴れられては、今の時期にコンティオラ公爵を公務から外した私が悪いと言う話になるだろうが。だいたいが、修繕のための費用を割くくらいなら、魔道具や痺れ茶の更なる改良に予算を振る方が余程有意義だ」
「「陛下……」」
困ったように笑うマトヴェイ外交部長と、呆れたようにため息をついたエドヴァルドの声が、思わぬところで被っていた。
「……吝嗇家どころか、清々しいほどに理由が独善的ですね」
「いつの間にやらロイヴァスと示し合わせて修繕費用を他所に押し付けていた宰相に言われる筋合いもないと思うがな」
「原因は向こうなのですから、正当な請求をしているまでですよ」
国王と宰相。
どっちもどっちだと思ったのは、果たして私だけなんだろうか。
言葉遣いを難しくしているだけで、学生かとでも言うような軽口の応酬に、マトヴェイ部長の方が軽く咳払いをして、話を止めていたくらいだった。
「陛下、では今しばらくはコンティオラ閣下も外交部の仕事に専念していただけるのですね?」
国王陛下も、はたと不毛な言い争いになりそうだった自分に気が付いたようだった。
「まあ、配下の侯爵連中に好き放題させてしまったという点では、エモニエ侯爵と似たり寄ったりだからな。同じ様にしばらく無給で働くか、牢の連中の衣食住の費用をまとめて負担するか……いや、其方の場合は家庭内で父親としても色々と間違っていたようだしな、さて……」
独身の国王に「父親として間違っていた」と言われるとなると、コンティオラ公爵も余計に抉られていそうな気はする。
正確には、嫡男のヒース君はまっとうに育っているっぽいので、妻と娘に関しての対応を色々と間違ってきた――と言った方が正確じゃないかと思うけど。
ただ、こればっかりは私も言えた義理じゃない。
多分、エドヴァルドも。
現時点で他にちゃんと家族を持っている公爵家は、フォルシアン、スヴェンテ、クヴィストの三家だろう。
だけどよくよく考えれば、女性嫌いでほとんど家に寄りつかないお義兄様とか、そのお義兄様にフラれた腹いせに、勝手に輿入れ先の王族を呼んだ元クヴィスト公爵令嬢とか、第二王子を大っぴらに支援して処刑された先代スヴェンテ公爵とか……大なり小なり、どの家も教育をしくじっている気がしなくもない。
「とりあえずは外交部の公務に専念しろ、コンティオラ公。公爵としての公務は息子を巻きこめ。40歳を過ぎてもまだ公爵令息だったクヴィスト家とは違うのだ。いきなりの当主交代は無理がある。今から少しずつ仕込んでいけ」
そうなると、ヒース君は卒業までほぼほぼ学園に通えなくなる可能性が大だけど、学園在学中に当主あるいは領主が亡くなって、成人前にその地位を継ぐと言うケースは、エドヴァルドも含めて何年かに一度はあるらしい。
その場合、税の報告をボードリエ伯爵にも見せることで、学園の卒業資格はちゃんと与えて貰えるそうだ。
学園で学ぶこと以上の実地を経験したのだから、と。
今回、すぐに跡を継ぐわけではないものの、当主が監督不行き届きの罰として外交部の仕事に専念させられる。それであれば特例措置として、息子には公務に携わらせるように――と、国王陛下は言っていることになる。
「残り少ない学園生活を同級生と楽しみながら、将来の伝手を作ることに支障が出るのだ。成人前の令息が受ける罰としては充分だろう。親も本人も法を犯したナルディーニ家とは根本が違うのだからな」
それでもまだ罪悪感が消えぬなら、牢に入る連中の衣食住をまとめて補充しろ。
陛下はそうも付け加えていた。
「ああ、それと夫人と娘だが」
陛下の口調はついでのように軽いけれど、コンティオラ公爵にしてみればこちらも死活問題だろう。ビクリと顔を上げていた。
「夫人のことはもう、夫婦間の話し合いで何とかしろ。誰が口を挟む話でもないだろう。ただの教育の誤り、家庭問題だ。息子を支えるなり、エモニエ侯爵家に戻るなり、こちらは関知せん」
一連の流れからすれば、ヒルダ夫人は確かに、ただただ娘に甘かっただけとも言える。
後はその責任を、本人がどう取りたいと思うかだけであって、どちらに転ぼうと差し障りはないと陛下も判断したんだろう。
問題は、だ。
「ただし娘の方は事情が異なるな」
「……っ」
コンティオラ公爵は短く息を呑んでいるけれど、それはそうだろうなと事情を知る皆が思っていることだ。
皆、固唾を呑んで陛下が何を言い出すのかを見守っている。
「年齢を考えれば、とうに学び直してどうにかなる段階を越えているだろう。今後王宮での社交行事に表立って出て来られることは歓迎しかねる」
「陛下、それは……」
高位であろうと低位であろうと、領主夫人の立場に立つならば社交行事に一切出ないという選択肢はまずない。
領地謹慎だけでは済まないのか……? と、父であるコンティオラ公爵さえも、陛下の次の言葉を待っている状態だった。
「高等法院の事情聴取の裏取りのこともある。今すぐどうこうは言わん。ただ、次の外交の場において、交渉の手札の一つになることは予め申し伝えておこう」
「――――」
次の外交の場。それはいわゆる「三国会談」だ。
サレステーデ、あるいはバリエンダールにおける縁組を模索すると、暗に陛下はそう告げたのだ。
「まあ、ギーレンへの牽制という点ではベルィフに人質代わりに送るという話もありだが、いずれにせよ娘の処遇は次の外交まで持ち越しだ。そしてそれに関してだけは、外交部の関与は不可とする。そうだな、宰相にでも委ねておくか」
……そう言いながら、陛下の目がこちらを向いているのは気のせいだと思いたいのだけど。
「ああ、そうそう。いつまでも、姉君とボードリエ伯爵令嬢をこの場に留めておくのも気の毒だ。レストラン〝アンブローシュ〟の支配人に、料理の提供の場を移させたから、二人はゆっくりと味わって帰るがいい」
何か企んでいそう、だなんて気のせいったら、気のせい!
☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★
いつも読んでいただき、感想&エールありがとうございます……!
近況ボードにも昨日upさせていただきましたが、いよいよ第2巻が4月下旬に発売されることが決まりました!!
これも1巻を購入、応援して下さった皆さまのおかげですm(_ _)m
正式な発売日や書店予約が可能になる日時、扉絵など詳細はまた分かり次第それぞれ告知させて頂きます。
さすがにリファちゃんが挿絵になるまではあと何巻もかかりますwww
ぜひそこまで辿り着けるよう、書籍の購入宜しくお願い致します……!m(_ _)m
だけど「あるできごとのあった現場のようすが、すっかり変わってしまっていることのたとえ」と言う意味ではまさしく「兵どもが夢の跡」な軍神の間になっていると思う。
「そういうことだから、フォルシアン公爵とコンティオラ公爵は、自分の領地の侯爵の面倒はきちんと見ておくようにな。仮にも侯爵家領主だ。書類仕事が全く出来んほど愚かでもないだろう」
そう言えば、基本的に自国語以外に最低1ヶ国は学園で習得をしておかなくては、長男であろうとそもそも後継者としてのスタートラインにすら立てないと、いつぞや聞いた気がする。
勉強だけ出来て、社会人として役に立たない人間が散見されるのは、日本の社会でだって聞く話なのだから、アンジェスでもそこはそう大きく変わらないということなのかも知れない。
もちろん得手不得手はあって、そこは家令なり兄弟なりが補っているんだろうけど、それでも陛下の言う通り多少の書類仕事は手伝えるはず――と言うことなんだろう。
「陛下……ですが私は……」
痺れ茶の影響か微かに身じろぎをしながら、コンティオラ公爵が国王陛下の方を向いている。
「言いたいことは理解しているが、今不在にされては外交部が回らん。マトヴェイに暴れられるのも倒れられるのもごめんだしな」
陛下のセリフは、コンティオラ公爵を気遣ったと言うよりは、掛け値なしの本音であるかに見える。
「酷い言われようですな、陛下」
ニセ壁があるだろうから、どこまで見えているのかは不明だけど、私にはそう言って苦笑しているマトヴェイ外交部長の姿が見えていた。
「事実だろう?」
「否定はいたしませんが」
マトヴェイ部長、暴れるんだ……?
ダールグレン侯爵家にいた頃は、領主である兄の方が武闘派だったそうだけど、政変時に陛下の楯になったところから言っても、やはりコンティオラ公爵領防衛軍出身者なのだ。
さっきも後遺症のない方の足で魔道具を蹴り飛ばしていたくらいだから、いざと言う時には剣を片手に前に出る人なんだろう。
「宰相が王宮内で氷柱を落とした件は、まあどこぞの王家に費用を請求するからまだいいとしても、マトヴェイ、其方にまで暴れられては、今の時期にコンティオラ公爵を公務から外した私が悪いと言う話になるだろうが。だいたいが、修繕のための費用を割くくらいなら、魔道具や痺れ茶の更なる改良に予算を振る方が余程有意義だ」
「「陛下……」」
困ったように笑うマトヴェイ外交部長と、呆れたようにため息をついたエドヴァルドの声が、思わぬところで被っていた。
「……吝嗇家どころか、清々しいほどに理由が独善的ですね」
「いつの間にやらロイヴァスと示し合わせて修繕費用を他所に押し付けていた宰相に言われる筋合いもないと思うがな」
「原因は向こうなのですから、正当な請求をしているまでですよ」
国王と宰相。
どっちもどっちだと思ったのは、果たして私だけなんだろうか。
言葉遣いを難しくしているだけで、学生かとでも言うような軽口の応酬に、マトヴェイ部長の方が軽く咳払いをして、話を止めていたくらいだった。
「陛下、では今しばらくはコンティオラ閣下も外交部の仕事に専念していただけるのですね?」
国王陛下も、はたと不毛な言い争いになりそうだった自分に気が付いたようだった。
「まあ、配下の侯爵連中に好き放題させてしまったという点では、エモニエ侯爵と似たり寄ったりだからな。同じ様にしばらく無給で働くか、牢の連中の衣食住の費用をまとめて負担するか……いや、其方の場合は家庭内で父親としても色々と間違っていたようだしな、さて……」
独身の国王に「父親として間違っていた」と言われるとなると、コンティオラ公爵も余計に抉られていそうな気はする。
正確には、嫡男のヒース君はまっとうに育っているっぽいので、妻と娘に関しての対応を色々と間違ってきた――と言った方が正確じゃないかと思うけど。
ただ、こればっかりは私も言えた義理じゃない。
多分、エドヴァルドも。
現時点で他にちゃんと家族を持っている公爵家は、フォルシアン、スヴェンテ、クヴィストの三家だろう。
だけどよくよく考えれば、女性嫌いでほとんど家に寄りつかないお義兄様とか、そのお義兄様にフラれた腹いせに、勝手に輿入れ先の王族を呼んだ元クヴィスト公爵令嬢とか、第二王子を大っぴらに支援して処刑された先代スヴェンテ公爵とか……大なり小なり、どの家も教育をしくじっている気がしなくもない。
「とりあえずは外交部の公務に専念しろ、コンティオラ公。公爵としての公務は息子を巻きこめ。40歳を過ぎてもまだ公爵令息だったクヴィスト家とは違うのだ。いきなりの当主交代は無理がある。今から少しずつ仕込んでいけ」
そうなると、ヒース君は卒業までほぼほぼ学園に通えなくなる可能性が大だけど、学園在学中に当主あるいは領主が亡くなって、成人前にその地位を継ぐと言うケースは、エドヴァルドも含めて何年かに一度はあるらしい。
その場合、税の報告をボードリエ伯爵にも見せることで、学園の卒業資格はちゃんと与えて貰えるそうだ。
学園で学ぶこと以上の実地を経験したのだから、と。
今回、すぐに跡を継ぐわけではないものの、当主が監督不行き届きの罰として外交部の仕事に専念させられる。それであれば特例措置として、息子には公務に携わらせるように――と、国王陛下は言っていることになる。
「残り少ない学園生活を同級生と楽しみながら、将来の伝手を作ることに支障が出るのだ。成人前の令息が受ける罰としては充分だろう。親も本人も法を犯したナルディーニ家とは根本が違うのだからな」
それでもまだ罪悪感が消えぬなら、牢に入る連中の衣食住をまとめて補充しろ。
陛下はそうも付け加えていた。
「ああ、それと夫人と娘だが」
陛下の口調はついでのように軽いけれど、コンティオラ公爵にしてみればこちらも死活問題だろう。ビクリと顔を上げていた。
「夫人のことはもう、夫婦間の話し合いで何とかしろ。誰が口を挟む話でもないだろう。ただの教育の誤り、家庭問題だ。息子を支えるなり、エモニエ侯爵家に戻るなり、こちらは関知せん」
一連の流れからすれば、ヒルダ夫人は確かに、ただただ娘に甘かっただけとも言える。
後はその責任を、本人がどう取りたいと思うかだけであって、どちらに転ぼうと差し障りはないと陛下も判断したんだろう。
問題は、だ。
「ただし娘の方は事情が異なるな」
「……っ」
コンティオラ公爵は短く息を呑んでいるけれど、それはそうだろうなと事情を知る皆が思っていることだ。
皆、固唾を呑んで陛下が何を言い出すのかを見守っている。
「年齢を考えれば、とうに学び直してどうにかなる段階を越えているだろう。今後王宮での社交行事に表立って出て来られることは歓迎しかねる」
「陛下、それは……」
高位であろうと低位であろうと、領主夫人の立場に立つならば社交行事に一切出ないという選択肢はまずない。
領地謹慎だけでは済まないのか……? と、父であるコンティオラ公爵さえも、陛下の次の言葉を待っている状態だった。
「高等法院の事情聴取の裏取りのこともある。今すぐどうこうは言わん。ただ、次の外交の場において、交渉の手札の一つになることは予め申し伝えておこう」
「――――」
次の外交の場。それはいわゆる「三国会談」だ。
サレステーデ、あるいはバリエンダールにおける縁組を模索すると、暗に陛下はそう告げたのだ。
「まあ、ギーレンへの牽制という点ではベルィフに人質代わりに送るという話もありだが、いずれにせよ娘の処遇は次の外交まで持ち越しだ。そしてそれに関してだけは、外交部の関与は不可とする。そうだな、宰相にでも委ねておくか」
……そう言いながら、陛下の目がこちらを向いているのは気のせいだと思いたいのだけど。
「ああ、そうそう。いつまでも、姉君とボードリエ伯爵令嬢をこの場に留めておくのも気の毒だ。レストラン〝アンブローシュ〟の支配人に、料理の提供の場を移させたから、二人はゆっくりと味わって帰るがいい」
何か企んでいそう、だなんて気のせいったら、気のせい!
☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★
いつも読んでいただき、感想&エールありがとうございます……!
近況ボードにも昨日upさせていただきましたが、いよいよ第2巻が4月下旬に発売されることが決まりました!!
これも1巻を購入、応援して下さった皆さまのおかげですm(_ _)m
正式な発売日や書店予約が可能になる日時、扉絵など詳細はまた分かり次第それぞれ告知させて頂きます。
さすがにリファちゃんが挿絵になるまではあと何巻もかかりますwww
ぜひそこまで辿り着けるよう、書籍の購入宜しくお願い致します……!m(_ _)m
1,019
あなたにおすすめの小説
『白い結婚だったので、勝手に離婚しました。何か問題あります?』
夢窓(ゆめまど)
恋愛
「――離婚届、受理されました。お疲れさまでした」
教会の事務官がそう言ったとき、私は心の底からこう思った。
ああ、これでようやく三年分の無視に終止符を打てるわ。
王命による“形式結婚”。
夫の顔も知らず、手紙もなし、戦地から帰ってきたという噂すらない。
だから、はい、離婚。勝手に。
白い結婚だったので、勝手に離婚しました。
何か問題あります?
処刑前夜に逃亡した悪役令嬢、五年後に氷の公爵様に捕まる〜冷徹旦那様が溺愛パパに豹変しましたが私の抱いている赤ちゃん実は人生2周目です〜
放浪人
恋愛
「処刑されるなんて真っ平ごめんです!」 無実の罪で投獄された悪役令嬢レティシア(中身は元社畜のアラサー日本人)は、処刑前夜、お腹の子供と共に脱獄し、辺境の田舎村へ逃亡した。 それから五年。薬師として穏やかに暮らしていた彼女のもとに、かつて自分を冷遇し、処刑を命じた夫――「氷の公爵」アレクセイが現れる。 殺される!と震えるレティシアだったが、再会した彼は地面に頭を擦り付け、まさかの溺愛キャラに豹変していて!?
「愛しているレティシア! 二度と離さない!」 「(顔が怖いです公爵様……!)」
不器用すぎて顔が怖い旦那様の暴走する溺愛。 そして、二人の息子であるシオン(1歳)は、実は前世で魔王を倒した「英雄」の生まれ変わりだった! 「パパとママは僕が守る(物理)」 最強の赤ちゃんが裏で暗躍し、聖女(自称)の陰謀も、帝国の侵略も、古代兵器も、ガラガラ一振りで粉砕していく。
愛人を選んだ夫を捨てたら、元婚約者の公爵に捕まりました
由香
恋愛
伯爵夫人リュシエンヌは、夫が公然と愛人を囲う結婚生活を送っていた。
尽くしても感謝されず、妻としての役割だけを求められる日々。
けれど彼女は、泣きわめくことも縋ることもなく、静かに離婚を選ぶ。
そうして“捨てられた妻”になったはずの彼女の前に現れたのは、かつて婚約していた元婚約者――冷静沈着で有能な公爵セドリックだった。
再会とともに始まるのは、彼女の価値を正しく理解し、決して手放さない男による溺愛の日々。
一方、彼女を失った元夫は、妻が担っていたすべてを失い、社会的にも転落していく。
“尽くすだけの妻”から、“選ばれ、守られる女性”へ。
静かに離婚しただけなのに、
なぜか元婚約者の公爵に捕まりました。
事情があってメイドとして働いていますが、実は公爵家の令嬢です。
木山楽斗
恋愛
ラナリアが仕えるバルドリュー伯爵家では、子爵家の令嬢であるメイドが幅を利かせていた。
彼女は貴族の地位を誇示して、平民のメイドを虐げていた。その毒牙は、平民のメイドを庇ったラナリアにも及んだ。
しかし彼女は知らなかった。ラナリアは事情があって伯爵家に仕えている公爵令嬢だったのである。
平民の娘だから婚約者を譲れって? 別にいいですけど本当によろしいのですか?
和泉 凪紗
恋愛
「お父様。私、アルフレッド様と結婚したいです。お姉様より私の方がお似合いだと思いませんか?」
腹違いの妹のマリアは私の婚約者と結婚したいそうだ。私は平民の娘だから譲るのが当然らしい。
マリアと義母は私のことを『平民の娘』だといつも見下し、嫌がらせばかり。
婚約者には何の思い入れもないので別にいいですけど、本当によろしいのですか?
お前は家から追放する?構いませんが、この家の全権力を持っているのは私ですよ?
水垣するめ
恋愛
「アリス、お前をこのアトキンソン伯爵家から追放する」
「はぁ?」
静かな食堂の間。
主人公アリス・アトキンソンの父アランはアリスに向かって突然追放すると告げた。
同じく席に座っている母や兄、そして妹も父に同意したように頷いている。
いきなり食堂に集められたかと思えば、思いも寄らない追放宣言にアリスは戸惑いよりも心底呆れた。
「はぁ、何を言っているんですか、この領地を経営しているのは私ですよ?」
「ああ、その経営も最近軌道に乗ってきたのでな、お前はもう用済みになったから追放する」
父のあまりに無茶苦茶な言い分にアリスは辟易する。
「いいでしょう。そんなに出ていって欲しいなら出ていってあげます」
アリスは家から一度出る決心をする。
それを聞いて両親や兄弟は大喜びした。
アリスはそれを哀れみの目で見ながら家を出る。
彼らがこれから地獄を見ることを知っていたからだ。
「大方、私が今まで稼いだお金や開発した資源を全て自分のものにしたかったんでしょうね。……でもそんなことがまかり通るわけないじゃないですか」
アリスはため息をつく。
「──だって、この家の全権力を持っているのは私なのに」
後悔したところでもう遅い。
離婚する両親のどちらと暮らすか……娘が選んだのは夫の方だった。
しゃーりん
恋愛
夫の愛人に子供ができた。夫は私と離婚して愛人と再婚したいという。
私たち夫婦には娘が1人。
愛人との再婚に娘は邪魔になるかもしれないと思い、自分と一緒に連れ出すつもりだった。
だけど娘が選んだのは夫の方だった。
失意のまま実家に戻り、再婚した私が数年後に耳にしたのは、娘が冷遇されているのではないかという話。
事実ならば娘を引き取りたいと思い、元夫の家を訪れた。
再び娘が選ぶのは父か母か?というお話です。
【完結】冷酷伯爵ディートリヒは、去った妻を取り戻せない
くろねこ
恋愛
名門伯爵家に政略結婚で嫁いだ、正妻エレノア・リーヴェルト。夫である伯爵ディートリヒ・フォン・アイゼンヴァルトは、
軍務と義務を最優先し、彼女に関心を向けることはなかった。
言葉も、視線も、愛情も与えられない日々。それでも伯爵夫人として尽くし続けたエレノアは、ある一言をきっかけに、静かに伯爵家を去る決意をする。
――そして初めて、夫は気づく。
自分がどれほど多くのものを、彼女から与えられていたのかを。
一方、エレノアは新たな地でその才覚と人柄を評価され、
「必要とされる存在」として歩き始めていた。
去った妻を想い、今さら後悔する冷酷伯爵。前を向いて生きる正妻令嬢。
これは、失ってから愛に気づいた男と、
二度と戻らないかもしれない夫婦の物語。
――今さら、遅いのです。
過去1ヶ月以内にレジーナの小説・漫画を1話以上レンタルしている
と、レジーナのすべての番外編を読むことができます。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。
番外編を閲覧することが出来ません。
過去1ヶ月以内にレジーナの小説・漫画を1話以上レンタルしている
と、レジーナのすべての番外編を読むことができます。
このユーザをミュートしますか?
※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。