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第三部 宰相閣下の婚約者
771 想定外の来訪者(後)
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「ほう……陛下も宰相も、儂に再び王族としての公務を持てと申すか」
バリエンダールの王族がアンジェスに来る以前のこの時期に、王宮に呼ばれる理由を訝しんだテオドル大公に、私はある程度の理由を説明しなくてはならなかった。
ここで長々と説明は出来ないため、本当にざっくりとナルディーニ侯爵領を中心とした〝ジェイ〟の投資詐欺話や、バリエンダール・ミルテ王女主催の茶会で問題になった〝痺れ茶〟が、アンジェス国内にも流れていたことなどを説明はしたものの、話の途中からもうテオドル大公の眉間には盛大な皺が寄っていた。
「そもそも、イデオン公爵邸の庭で海鮮バーベキューとやらの恩恵にあずかって以降まだ幾許もないだろうに、どうしてここまでのことになっておるのだ」
大公サマ。
それはきっと、関係者全員の心の叫びです。ハイ。
「まさか王族が陛下お一人になろうとはな……」
もちろん、あれこれと辿っていけば傍系の何人かには辿りつくだろう。テオドル大公もその中の一人だ。
ただ今は、レイフ殿下がアンジェスを離れてしまえば「誰にでもそうと分かる王族」が、国王であるフィルバート一人になってしまうのだ。
アンディション侯爵位に戻るのは、もう少し待って欲しいと懇願されれば、テオドル大公としても反論を探すことが難しい状況だった。
それは眉間に皺も寄ると言うものだ。
「レイフのやつがサレステーデに行ってしまえば、アンジェスは国として丸裸になるも同然。ギーレンに『どうぞ狙って下さい』と言っているようなものではないか。あの強欲な国王が手をこまねいて見ているとは思えん」
「あー……いえ、多分そのあたりは今はまだ必要以上に警戒しなくてもいいかと……」
「ほう?」
人差し指で思わず頬を掻く私に、テオドル大公がすっと目を細める。
「その、以前にエドベリ王子が外交でいらした時にもちょっとした欲をかかれていたようなので、裏でアレコレ手を回して、エヴェリーナ妃公認で王家の評判を落としておいたんですよ」
「……何?」
何を言っているのかと言わんばかりなのは、テオドル大公だけじゃなく、エリィ義母様もだった。
「まぁ、細かい話は今は置いておいて下さい。確かにギーレン国王は領土拡大に関しては貪欲な方なのかも知れませんけど、国内筆頭公爵家の意向を完全に無視出来る程、王家自身に力はない。なのでエヴェリーナ妃の実家であるラハデ公爵家と上手く手を繋げれれば、当面の危機は回避可能なんです」
「エヴェリーナ妃か……」
バリエンダールに強いと言われるテオドル大公だけれど、当然その他の国とも外交交流の経験はあるし、主要人物については頭に叩き込まれている。
まさかと言わないあたり、やはりエヴェリーナ妃の公務手腕は並大抵のものではないと言うことなんだろう。
「其方、バリエンダールやサレステーデだけではなくギーレンの中枢とも既に伝手を持っておったのか」
「結果的に……そうなりました、ね?」
「其方であれば、レイフがサレステーデに渡った後も、ギーレンが出張ってくるのを防げると申すか」
「まさか、そこまで傲慢なことを言うつもりはないですよ! 私は常に、降りかかる火の粉を払うだけなんですから」
嘘偽らざる心境をそこでは述べたつもりが、テオドル大公にはものすごく胡乱な目を向けられてしまった。
「……宰相の苦労が一瞬見えた気がしたな……」
「それはキヴェカス法律事務所も深夜労働の連続になりますわね……」
何故かエリィ義母様にも遠い目をされてしまったけど。
ただテオドル大公は、そこで話がずれたことに気付いたのか、んんっ、と軽く咳払いをした。
「ま、まあ、だからといってさすがに陛下お一人に公務を丸投げするわけにはいかぬわな。仕方あるまいよ。臨時復位の延長と言う形で受けるとしようか」
「有難うございます。きっと陛下も宰相閣下もホッとされると思います。あ、アンディション侯爵領の館はそのまま保有していただいて構わないとのことでした。何なら離宮扱いでも……と」
「うむ。それは重畳。妻ともどもあの土地は気に入っておるのだよ。三国での会談がひと段落したら、バリエンダールの国王も招きたいと思っておるしな」
私は思わずコクコクと首を大きく縦に振ってしまった。
私としても、そこは招いて貰わないと困るのだ。
今はまだ言えないが、ミルテ王女とラハデ公爵をこっそり引き合わせるつもりでいるし、シャルリーヌとも会わせておきたい。
アンジェス国内の貴族になるべく知られないようにするためには、アンディション侯爵邸ほど適した所はない。
「……大公殿下、私からも御礼を。殿下にお引き受け頂けなければ、その次の順位となる夫が全てをこなさなくてはならないところでした」
そして私とテオドル大公の話を聞いていたエリィ義母様が、その話が上手く途切れたタイミングで、そう言ってテオドル大公に綺麗なカーテシーと共に頭を下げた。
「うん……? 次とな?」
どうやら王位継承権の行方に無頓着だったのは、国王本人だけではなかったらしい。
三十歳と言うフィルバートの若さが、深刻さを誰の胸にも抱かせていなかったということなのだろうか。
まさか殺しても死なないと皆が思って――いやいや。
頭の中にあの、何を考えているのかを悟らせない笑みが浮かんで、思わずふるふると頭を振ってしまう。
幸いにも、エリィ義母様やテオドル大公の目には止まっていなかったようで、二人はそれぞれに王位継承権の話を反芻しているように見えた。
「ええ。殿下のお血筋の方は皆、既にそれぞれが独立して臣籍降下を為されていますし、継承権は最も後ろに回りますから。後は五公爵家を順に辿っていくと……今、もっとも近い血筋は我が夫、イェルム・フォルシアンになってしまうのです」
「…………おお、そうなるのか」
テオドル大公の驚きは、イル義父様本人の驚きとほぼ変わらないように見えた。
「確かに今更、儂の娘や孫を持ち出されてもと言うところはあるな。とは言え、儂は流石にすっとぼけるわけにもいかぬわな。実際に何年か前までは王族としての義務と権利を持っていたことだしな」
「一度全ての公務を退かれて、ユリア様とごゆっくりお過ごしだったところ、非常に心苦しく思ってはいるのですが……ぜひ、私の夫を助けていただきたく思いますわ」
私自身はエドヴァルドに頼まれた側面も大きいのだけれど、多分、テオドル大公に復帰して貰いたいとの思いは、エリィ義母様の方が切実なはずだ。
テオドル大公が王宮にいるかいないかで、恐らくイル義父様が引き受けなければならない公務の数が天と地ほど違ってくる。
イル義父様の精神面、体力面から言っても、エリィ義母様は何としてもテオドル大公に戻って来て貰いたいに違いない。
テオドル大公も、一度は戻ってもいいとは口にしたものの、あくまで「臨時復帰の延長」と線引きをしている。
エリィ義母様としては、どうしても言質を取っておきたかったに違いなかった。
「ははっ、これほどの美女に泣いて縋られては、願いを聞き届けぬわけにもいかぬわな。ジジイとは言え男が廃るわ」
わざと軽口で答えてはいるけれど、エリィ義母様の内心は十二分にテオドル大公にも伝わっていると思われた。
「レイナ嬢もフォルシアン公爵夫人も、折をみて我が妻と茶でも飲んでやってくれるか。臨時とは言え、王宮に顔を出したら出したで、陛下なり宰相なりが限界までこちらをこき使うであろうからな。妻が寂しい思いをせぬよう、気にかけてやってくれ。それが条件と言えば条件ではあるな」
「私でよければ、いつでも喜んで伺いますわ。もちろん――義娘も。ね?」
「も、もちろんです! またルーネベリタルトをいただけるのを楽しみにしています!」
……エリィ義母様の「ね?」に、圧がなかったとはとても言えなかった。
バリエンダールの王族がアンジェスに来る以前のこの時期に、王宮に呼ばれる理由を訝しんだテオドル大公に、私はある程度の理由を説明しなくてはならなかった。
ここで長々と説明は出来ないため、本当にざっくりとナルディーニ侯爵領を中心とした〝ジェイ〟の投資詐欺話や、バリエンダール・ミルテ王女主催の茶会で問題になった〝痺れ茶〟が、アンジェス国内にも流れていたことなどを説明はしたものの、話の途中からもうテオドル大公の眉間には盛大な皺が寄っていた。
「そもそも、イデオン公爵邸の庭で海鮮バーベキューとやらの恩恵にあずかって以降まだ幾許もないだろうに、どうしてここまでのことになっておるのだ」
大公サマ。
それはきっと、関係者全員の心の叫びです。ハイ。
「まさか王族が陛下お一人になろうとはな……」
もちろん、あれこれと辿っていけば傍系の何人かには辿りつくだろう。テオドル大公もその中の一人だ。
ただ今は、レイフ殿下がアンジェスを離れてしまえば「誰にでもそうと分かる王族」が、国王であるフィルバート一人になってしまうのだ。
アンディション侯爵位に戻るのは、もう少し待って欲しいと懇願されれば、テオドル大公としても反論を探すことが難しい状況だった。
それは眉間に皺も寄ると言うものだ。
「レイフのやつがサレステーデに行ってしまえば、アンジェスは国として丸裸になるも同然。ギーレンに『どうぞ狙って下さい』と言っているようなものではないか。あの強欲な国王が手をこまねいて見ているとは思えん」
「あー……いえ、多分そのあたりは今はまだ必要以上に警戒しなくてもいいかと……」
「ほう?」
人差し指で思わず頬を掻く私に、テオドル大公がすっと目を細める。
「その、以前にエドベリ王子が外交でいらした時にもちょっとした欲をかかれていたようなので、裏でアレコレ手を回して、エヴェリーナ妃公認で王家の評判を落としておいたんですよ」
「……何?」
何を言っているのかと言わんばかりなのは、テオドル大公だけじゃなく、エリィ義母様もだった。
「まぁ、細かい話は今は置いておいて下さい。確かにギーレン国王は領土拡大に関しては貪欲な方なのかも知れませんけど、国内筆頭公爵家の意向を完全に無視出来る程、王家自身に力はない。なのでエヴェリーナ妃の実家であるラハデ公爵家と上手く手を繋げれれば、当面の危機は回避可能なんです」
「エヴェリーナ妃か……」
バリエンダールに強いと言われるテオドル大公だけれど、当然その他の国とも外交交流の経験はあるし、主要人物については頭に叩き込まれている。
まさかと言わないあたり、やはりエヴェリーナ妃の公務手腕は並大抵のものではないと言うことなんだろう。
「其方、バリエンダールやサレステーデだけではなくギーレンの中枢とも既に伝手を持っておったのか」
「結果的に……そうなりました、ね?」
「其方であれば、レイフがサレステーデに渡った後も、ギーレンが出張ってくるのを防げると申すか」
「まさか、そこまで傲慢なことを言うつもりはないですよ! 私は常に、降りかかる火の粉を払うだけなんですから」
嘘偽らざる心境をそこでは述べたつもりが、テオドル大公にはものすごく胡乱な目を向けられてしまった。
「……宰相の苦労が一瞬見えた気がしたな……」
「それはキヴェカス法律事務所も深夜労働の連続になりますわね……」
何故かエリィ義母様にも遠い目をされてしまったけど。
ただテオドル大公は、そこで話がずれたことに気付いたのか、んんっ、と軽く咳払いをした。
「ま、まあ、だからといってさすがに陛下お一人に公務を丸投げするわけにはいかぬわな。仕方あるまいよ。臨時復位の延長と言う形で受けるとしようか」
「有難うございます。きっと陛下も宰相閣下もホッとされると思います。あ、アンディション侯爵領の館はそのまま保有していただいて構わないとのことでした。何なら離宮扱いでも……と」
「うむ。それは重畳。妻ともどもあの土地は気に入っておるのだよ。三国での会談がひと段落したら、バリエンダールの国王も招きたいと思っておるしな」
私は思わずコクコクと首を大きく縦に振ってしまった。
私としても、そこは招いて貰わないと困るのだ。
今はまだ言えないが、ミルテ王女とラハデ公爵をこっそり引き合わせるつもりでいるし、シャルリーヌとも会わせておきたい。
アンジェス国内の貴族になるべく知られないようにするためには、アンディション侯爵邸ほど適した所はない。
「……大公殿下、私からも御礼を。殿下にお引き受け頂けなければ、その次の順位となる夫が全てをこなさなくてはならないところでした」
そして私とテオドル大公の話を聞いていたエリィ義母様が、その話が上手く途切れたタイミングで、そう言ってテオドル大公に綺麗なカーテシーと共に頭を下げた。
「うん……? 次とな?」
どうやら王位継承権の行方に無頓着だったのは、国王本人だけではなかったらしい。
三十歳と言うフィルバートの若さが、深刻さを誰の胸にも抱かせていなかったということなのだろうか。
まさか殺しても死なないと皆が思って――いやいや。
頭の中にあの、何を考えているのかを悟らせない笑みが浮かんで、思わずふるふると頭を振ってしまう。
幸いにも、エリィ義母様やテオドル大公の目には止まっていなかったようで、二人はそれぞれに王位継承権の話を反芻しているように見えた。
「ええ。殿下のお血筋の方は皆、既にそれぞれが独立して臣籍降下を為されていますし、継承権は最も後ろに回りますから。後は五公爵家を順に辿っていくと……今、もっとも近い血筋は我が夫、イェルム・フォルシアンになってしまうのです」
「…………おお、そうなるのか」
テオドル大公の驚きは、イル義父様本人の驚きとほぼ変わらないように見えた。
「確かに今更、儂の娘や孫を持ち出されてもと言うところはあるな。とは言え、儂は流石にすっとぼけるわけにもいかぬわな。実際に何年か前までは王族としての義務と権利を持っていたことだしな」
「一度全ての公務を退かれて、ユリア様とごゆっくりお過ごしだったところ、非常に心苦しく思ってはいるのですが……ぜひ、私の夫を助けていただきたく思いますわ」
私自身はエドヴァルドに頼まれた側面も大きいのだけれど、多分、テオドル大公に復帰して貰いたいとの思いは、エリィ義母様の方が切実なはずだ。
テオドル大公が王宮にいるかいないかで、恐らくイル義父様が引き受けなければならない公務の数が天と地ほど違ってくる。
イル義父様の精神面、体力面から言っても、エリィ義母様は何としてもテオドル大公に戻って来て貰いたいに違いない。
テオドル大公も、一度は戻ってもいいとは口にしたものの、あくまで「臨時復帰の延長」と線引きをしている。
エリィ義母様としては、どうしても言質を取っておきたかったに違いなかった。
「ははっ、これほどの美女に泣いて縋られては、願いを聞き届けぬわけにもいかぬわな。ジジイとは言え男が廃るわ」
わざと軽口で答えてはいるけれど、エリィ義母様の内心は十二分にテオドル大公にも伝わっていると思われた。
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