聖女の姉ですが、宰相閣下は無能な妹より私がお好きなようですよ?

渡邊 香梨

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第三部 宰相閣下の婚約者

790 議長の役割

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「……では」

 アンジェス国への未練はない、と言い切ったエモニエ先代侯爵夫人の発言を、この話題の終焉とするかのように、臨時議長たるスヴェンテ老公爵が重々しく口を開いた。

「最終的には司法・公安長官を通して高等法院と話を詰めねばならんだろうが、エモニエ先代侯爵夫人の処遇に関しては、エモニエ侯爵家から籍を抜いた上での、バリエンダールへの強制送還というのがこの場の総意でよかろうか?」

 一見すると、五公爵会議を尊重して国王陛下フィルバートは結論を強制していないようではあるけれど、一連の発言を振り返れば、エモニエ先代侯爵夫人をバリエンダールに戻して、復讐の仕上げをさせたい……くらいに思っているのは明らかだ。

 三国会談前に、ベッカリーア公爵家断罪の手札としての貸しを作っておきたいのが半分。その過程を楽しみたいのがもう半分。
 いや、何なら楽しみたい思いの方が割合は大きそうだ。

 しっかりとその空気を読んでいるであろうスヴェンテ老公爵の発言に対して、他の公爵、公爵代理らも反論の声は上げなかった。

「夫人を処刑とするならば、それ以上に罪を犯している者が複数いる以上、そちらにも同等の刑罰が必要となる。あまりに人数が多ければ、国内にいらぬ動揺を招くことにもなる。送還自体は妥当な案ではあるだろう」

 ヘルマン司法・公安長官の上司はエドヴァルドだ。
 基本的には賛成だ、と頷いているその語尾に、イル義父様が少し引っ掛かりを覚えたらしかった。

「イデオン宰相、何か問題が?」

「いや……問題というほどのことでもない。送還のタイミング、対外的な理由、諸々をバリエンダール側と詰めたうえでの話になるだろうなと思っただけだ」

 こちらの勝手でただ国から放り出して、フレイヤ伯爵家やベッカリーア公爵家の手の者にあっさりと殺されてしまうようでは、本人も浮かばれなければ、国にとっても何の得にもならない。

「まずはミラン王太子に報告。そこからメダルド国王に報告を上げて貰い、会談後に共に連れ帰って貰うあたりが妥当か……」

 口元に手をあてて呟くエドヴァルドに、王や王太子の為人ひととなりをよく知るテオドル大公も「ふむ」と、内容を咀嚼しながら賛意を示した。

「穏健派の王では、夫人を保護するのみで劇薬にはならぬだろうからな……本人にその覚悟があるのであれば、ミラン王太子を窓口とする方が効果はあろうな」

 国のため、裏からひそかに手を伸ばして、血の繋がった祖父を王の座から追い落したミラン・バリエンダール。

 周辺諸国で現在唯一「王太子」を名乗る彼は、倫理が行方不明とまでは言わないまでも、必要とあれば倫理を一時的に地の底に埋めておくことが出来るタイプの人間だ。
 ギーレンのエドベリ王子よりも、遥かに器は上なのだ。

 夫人の「復讐」の完遂に、見て見ぬふりをするのであれば……身柄はミラン王太子へ。
 エドヴァルドもテオドル大公も、暗にそう言っているのが分かった。

「確かにあの王太子は、必要とあればたとえそれが死体であっても――」

 テオドル大公の言葉に補足するように、そう付け加えたエドヴァルドは、ふと私を見て「すまない」と、言いかけた言葉をそこで中断させた。

令嬢あなたの前でする話ではなかったな」

 場の空気を壊したくない私は、ふるふると首を横に振って、敢えて少し話題の矛先をずらした。

「あの、バリエンダールの王都商業ギルド長にも伝えておいた方がいいでしょうか? 王太子殿下の腹心である宰相令息とギルド長には横の繋がりがありますし、アンジェス王宮からの連絡の信憑性を補強する形にもなるのでは……と、思ったのですが」

 いくらテオドル大公の口添えがあるにしても、国同士のやりとりとなれば様々な思惑が絡むのが実情だ。

 別方向から同じような情報が届けば、ある程度はその手紙への信頼度が底上げされる。

「もちろん、商業上の観点から、茶葉の話に絡めた変則的な報告の仕方にはなると思いますが。読む人が読めば分かる、といいますか……」

 どのみち、フレイヤ伯爵家を起点としてアンジェスに流れ込んでいた茶葉の非正規ルートを完全に葬り去るためには、バリエンダール側の商業ギルドとの連携は不可欠なのだ。

 いきなりギルド長なのか、との声もあがりそうだけど、ナザリオギルド長は、もともと自分の後にギルド長となる人間のことまで考えた上で、部下としてシレアンさんを抱えている。
 綱渡りが必要な事態が起きたとしたら、まずシレアンさんではなく、自分が矢面に立つだろうことが容易に想像できた。

 だから伝えるのであれば、相手はナザリオギルド長。
 それは、間違ってはいないと私は思っていた。

 ただ――

「商業ギルドにしろ職人ギルドにしろ、独立独歩をその心情としているのにか? こちらの思うように動くことは、強要も出来なければ、期待も出来まい」

 ある意味予想通りに、エドヴァルドは眉を顰めていた。あまりその意見をよしとしていないのは明白で、私も口ごもらざるを得なかった。

 どうしたものかな、と思っているのを見透かしたかのように、そこで苦笑交じりに「まあまあ」とエドヴァルドを宥めたのは、テオドル大公だった。

「婚約者への贔屓目と取られぬよう、敢えて厳しく見せているその姿勢は分からぬでもないが、その実、相手が宰相令息ジーノであろうとギルド長であろうと、必要以上に接触をさせたくないだけであろう? 確かにギルドと為政者側との馴れ合いは好ましからぬことではあるが、今回は双方関わりのある話であろうに」

「…………」

 無言――じゃないよね。舌打ちした? したよね、今?
 目を丸くしている私に、テオドル大公は口元を綻ばせ、その反応にイル義父様がふと顔を上げた。

「あー……何となく事情はなしが見えたような……?」
「見えなくていい。ここは閣議ミズガルズの間だ」

 ピシャリとエドヴァルドがイル義父様を遮っていたけれど、あまり効果はないような気がした。

 他の人たちは反応に困っている感じだけれど、イル義父様はそれなりにエドヴァルドとの交流があるだけに、色々と察することが出来るんだろう。

 そのあたり、イル義父様はちょっと国王陛下フィルバートに似ている――というか、アンジェス王家の血を意外に濃く継いでいるんじゃないかと思わせていた。

「まあまあ。真面目な話、国外追放と言っても、どこへ? という問題はあるだろう。最終的にはバリエンダール側に委ねるにせよ、国としての意向は仄めかせておくべきだろうし」

「うむ。勝手にしろと言うは容易いが、それでベッカリーア公爵家側に取り込まれるようでは意味がないからな。そうなったら、今度はあちらの王家からウチが責められよう」

 イル義父様の発言に、テオドル大公も軽く頷いている。

「……ちょっといいか?」

 そこへ、今日の議長役となっているスヴェンテ老公爵がゆっくりと片手を上げた。

「大公殿下とイデオン宰相、フォルシアン公爵との間には私やコンティオラ公爵、クヴィスト公爵代理が知らぬ事情が何やらありそうだな? このまま話が進むのは、あまり公平とは言えぬ気がするのだが」

「「「…………」」」

 実にもっともな老公爵の言葉に、名指しされた三人が思わず黙りこんでいる。

「事細かに説明せよ、とは今は言わぬが……問題の茶葉の流通に関して、我が国ではナルディーニ侯爵家が深く関わっているのと同様に、隣国バリエンダールでは、そのベッカリーア公爵家とやらが深く関与しているという認識であっていようか?」

「……その通りだ」

 三人を代表するように、宰相としての顔でエドヴァルドが首を縦に振る。

「そしてベッカリーア公爵家派閥の伯爵家からこの国に嫁いで来たエモニエ先代侯爵夫人が、ナルディーニ侯爵家の関与に関係――というよりはむしろ積極的に後押しをした」

「ああ」

「ベッカリーア公爵家は、バリエンダールの王家に対して以前より敬意を払っておらず、王家としても瑕疵があるならば大歓迎という空気があった」

 淡々と状況をまとめていくスヴェンテ老公爵、お見事な情報分析力です。

「直接聞いたわけではないが、長年対立をしているのは間違いないようだ」

「なるほど。ではバリエンダール側はそうだとして、ナルディーニ侯爵家は? 侯爵にも叛意があったと?」

 問われたエドヴァルドは、一瞬だけ考える仕種を見せた

「……それに関しては『否』と言えるだろう。あの男が欲しかったのは、恐らくはコンティオラ公爵の地位だ。レイフ殿下の麾下で寄付や根回しを続けていたのも、長年執着するコンティオラ公爵夫人をどうにかして手に入れたかったから。王になればそれが可能と言われればそうかも知れんが、まあ、中途半端ながら本人なりに分は弁えていたんだろう」

「なんだ。私に挑みたかったのなら、喜んで受けてやったのにな」

 顔色を悪くするコンティオラ公爵とは対照的に、エドヴァルドの発言を聞いたフィルバートは、いっそ軽やかに笑った。

「それはそれで、どこかの公爵クヴィストの二の舞にはなるだろうから、確かに分は弁えていたのかも知れんな。私相手では無理と踏んで、叔父上にすり寄ったか……なるほど、本人なりに頭は使ったということか」

 敢えてエドヴァルドが言葉を濁したところを、遠慮どころか斟酌なく暴いてしまうのがフィルバートだ。
 クヴィスト公爵代理が冷や汗だか脂汗だかを流していても、まるで気にしていない。
 この程度で動揺していては、公爵の地位は務まらないとでも言わんばかりだった。

「んんっ……なるほど、そういうことだから『極刑』が難しいというわけですな。横のつながりが多々ありすぎる、と」

 珍しくスヴェンテ老公爵がフィルバートを軽く窘めているけれど、態度は腑に落ちたと言わんばかりだった。

「これはかなり隣国への書面には気を遣いそうですな。そういうことであれば、この場に『ユングベリ商会長』が必要とされた理由も頷ける。バリエンダールでも茶葉は非合法なのだろう? その流通ルートを完全に潰してしまいたいのであれば、両国の商業ギルドの協力も不可欠。間に立って貰うべきであろうな」

 この中で「ユングベリ商会」の存在を知らずにきたのは、クヴィスト公爵代理だけだ。その彼も、旧グゼリ伯爵領の乳製品を手放すにあたっては、おそらくこの先、関わらないわけにはいかなくなる。

 元より彼は、今は反論も主張もしづらい立場だ。何も言えず、俯くのが精いっぱいという状態だった。

「必要ならば、ラヴォリ商会にも私から口添えをしよう。あの商会は今、バリエンダールとの取引にも力を入れ始めているし、国内の販売ルートは他の追随を許さない。ユングベリ商会の手が届かぬ時には、頼って損のない商会であろうよ」

 スヴェンテ老公爵は更にそうも付け加えて、結果的にエドヴァルドが反論をすることを困難にしていた。
 車いすの件で、スヴェンテ公爵家はこの中で誰よりもラヴォリ商会と懇意なのだ。
 老公爵の発言は決して誇張ではなかった。

「一本取られたな、宰相。議長の言葉には素直に従ったほうがいいのではないか? 言っていることに無理難題があるか?」

 フィルバートは、面白そうに笑っている。
 エドヴァルドも「臨時の議長が何を」などとは口にしなかった。

 ひとつ息を吐きだして、きちんと公私を切り離したことを周囲に示していた。

「王都の外に出るのでなければ、妥当だと認めましょう」
「くくっ……まあ、そこらが限界か」

 クヴィスト公爵代理は唖然。
 スヴェンテ老公爵やコンティオラ公爵は困惑。
 テオドル大公やイル義父様からは、生温かい視線。

 多分、この場における私の出番はここまでだということは理解できたものの、とても、ものすごく……いたたまれなかった。

 もう、退出してもいいですか?
















◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇

【告知とおまけ】

聖女の姉ですが、宰相閣下は無能な妹より私がお好きなようですよ?
コミカライズ版

本日第5話更新――ですが、実はお話の中に今回、手紙を運ぶお仕事中のリファちゃんがこっそり紛れています!!

時系列上、怜菜との接触はありませんが、空を鳥が飛ぶシーンがあるので、タロコ先生にお願いして、ひそかに書き入れて貰いました!

https://www.alphapolis.co.jp/manga/official/54000568
見つけた方はたくさん「いいね!」を押して下さい !(^^)!


そしてそして、6月下旬コミックス第1巻の発売が決定しました!!


出荷日等、細かい情報が分かり次第またupしていきますので、ぜひぜひそちらも宜しくお願いしますm(_ _)m
第5話までのお話に、書き下ろしが加わる予定です!


なお小説第3巻は、電子版が19日(金)解禁となりますので、
こちらも併せて宜しくお願いします……!
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