774 / 785
第三部 宰相閣下の婚約者
806 二人のヒロイン
しおりを挟む
乙女ゲーム〝蘇芳戦記〟において、ギーレン側からゲームを始める場合のプレイヤー、すなわちヒロインはシャルリーヌ・ベクレル伯爵令嬢であり、バリエンダール側から始める場合のヒロインはミルテ・バリエンダール王女だ。
シナリオ通りであるならば、この二人が邂逅することはない。バッドエンドになろうがハッピーエンドになろうが、だ。ギーレンからアンジェスへの亡命ルートがあるシャルリーヌはともかく、ミルテ王女のシナリオはどれも国内で完結するはずだった。
それが今、ギーレンでもバリエンダールでもなくアンジェスで、二人のヒロインが顔をあわせようとしていた。
よくもまあ、ここまでシナリオが逸脱したものだと思う。これはもう、強制力の心配はほとんどしなくていいんじゃないかという気がしていた。
(ゲームのシナリオを捻じ曲げたのは、私にもシャーリーにも言えることなのかもだけど)
テオドル大公の後ろから入って来たシャルリーヌは、一見すると楚々とした仕種と表情ではあるものの、その目は明らかにバリエンダール側の美少女ヒロインとのご対面に期待している目だ。何せ彼女も〝蘇芳戦記〟プレイヤー。スチルでは何度も目にしているはずだからだ。
だから目線で「落ち着いて」と合図を送っておいたものの、どこまで効果があるのかは不安だ。
二人でそんなやりとりをこそこそとしている間に、テオドル大公がゆっくりと近づいて来る。
ミルテ王女はともかく、私はテオドル大公に頭を下げるべき立場だ。
立ち上がって、私なりの渾身の〝カーテシー〟で頭を下げた。
「うむ」
とはいえ、私の向かいには隣国の王女様というVIPがいらっしゃる。声をかけるなら、私よりもミルテ王女が先だ。
そのため私に対しては「うむ」と、軽く片手を上げるに留めたようだった。
「わざわざアンジェスまですまぬな、王女。儂が妻を連れて行ければ良かったのだが」
王女と大公となると、どちらも王族だ。厳密に言えば直系王族であるミルテ王女の方が上に思えるものの、テオドル大公が持つ外交実績と年齢を考えれば、敬老精神が働くのも無理はない。
そのためテオドル大公が先に話しかけ、ミルテ王女が立ち上がって〝カーテシー〟を返すのがこの場の最適解となったようである。
ちなみにこの間、そんな会話はどこにもない。
テオドル大公とミルテ王女それぞれが咄嗟に判断して、そう振る舞ったのだ。
王族としての教育の賜物と言えるだろう。
一般家庭の一般的な日本人である私には出来ないことだと言えた。
「とんでもないですわ。こんな機会でもなければ、もうしばらくはおばあ様……ユリア様にはお会い出来なかったかも知れませんもの。お会いして、お手製のタルトを振る舞っていただくのを楽しみにしておりますの」
「はははっ! ここは王も宰相もおらぬ。非公式と思っていつものように話しかけてくれて構わぬぞ?」
どうやら普段から「テオお祖父様」「ユリアお祖母様」と呼んでいるらしいミルテ王女。
自身の祖父母が既にいないことと、テオドル大公がかなりの頻度でバリエンダールを訪れているが故の親しさであり、テオドル大公もそれを許容している。
いつも通りでいいと言うテオドル大公に一瞬顔を輝かせたものの、そこで大公殿下の後ろにいるシャルリーヌに気が付いたのだろう。
こちらは……? と、僅かに首を傾けていた。
(び、美少女の「コテン」は絵になる……あざといもなにもあったものじゃないわ……)
自覚してやっている舞菜とは違い、こちらは天然産。私は苦笑いを零しながらも、テオドル大公に紹介を任せた。どのみち私もシャルリーヌも、今の段階で口を挟むのは不敬の誹りを受けても仕方がないものだからだ。
「ああ。レイナ嬢は……もうよかろうな。儂の後ろにいるご令嬢は、王都学園長ボードリエ伯爵のお嬢さんでシャルリーヌ嬢と言ってな。妻と親しいご令嬢でもあるので、今回同行を依頼したのだ。少しでも賑やかな方が妻も喜ぶのでな」
なるほど、ギーレン関連の話はここではしないらしい。
あくまでボードリエ伯爵家の令嬢であることを表に出すことを、テオドル大公は選んだようだ。
(ラハデ公爵と会ってしまえば、話題に出さずにいるのは難しいかも知れないけど……今は割愛して、早くアンディション侯爵邸に行ってしまえということなのかな)
「まあ、ユリアお祖母様と?」
「うむ。それにレイナ嬢とも親しい」
「まあ! そうですの。テオお祖父様がそう仰るのであれば、私に否やはありませんわ」
王妃教育経験者と言えど、シャルリーヌは伯爵令嬢。ここはミルテ王女から声をかけるのを待つ立場だ。
貴族としての教育の大変さが、こんなところからも垣間見える。
つくづく、現代日本の会話術はありがたいものだったと思う。
「初めまして、ボードリエ伯爵令嬢。私はバリエンダール現国王メダルドが息女ミルテ。私も、ユリアお祖母様とレイナおねえさまとは交流がありますの。見知りおいていただけると幸いですわ」
そしてこの場合、王女と伯爵令嬢との立ち位置からすると、ミルテ王女は片手を胸にあてて微笑むだけ。
渾身の〝カーテシー〟はシャルリーヌが披露することになる。
――私なんかよりも遥かに優雅な〝カーテシー〟を。
「王女殿下からそのようなお言葉をいただけますこと、僥倖に存じます。ボードリエ伯爵が娘シャルリーヌにございます。同じ知り合いを持つ者同士、よろしければ『シャルリーヌ』とお呼び下さいませ」
「同じ知り合いを持つ者同士……確かにそうですわね。では私のことも『ミルテ』で構いませんわ。私たちだけが他人行儀にしていたら、ユリアお祖母様もレイナおねえさまも気を遣ってしまわれますものね」
「王女殿下の寛大なお心に感謝申し上げます。では『ミルテ』様と呼ばせていただくことをお許しいただければ幸いに存じます」
「分かりましたわ。シャルリーヌ嬢……で、よろしくて?」
バリエンダールで既に会っている私と違って、ミルテ王女にとってのシャルリーヌは本日初対面。
そのあたりが落としどころだろうなと私も思ったし、シャルリーヌ本人も「光栄にございます」と頭を下げていた。
その途中、目が明らかに「おねえさまって……」と言いたそうではあったけど。
うん、まあそのうちね、シャーリー。
「さて、もう早速我が屋敷に移動してしまって構わんのか? 王や宰相らの姿が見えぬが……」
辺りを見回したテオドル大公の視線が、私のところで止まる。
どうやら説明役は、共に部屋にいたミルテ王女ではなく私に求めるつもりらしい。
うん。間違ってはいないけど、微妙に複雑な気分。
若干こめかみが痙攣るのを自覚しながらも、口を開いた。
「えー……陛下はメダルド国王陛下をお連れになって牢の視察に行っておいでです」
「……うん?」
「会談前に、本当にサレステーデの王族の方々が囚われておいでなのか、アンジェス側の一方的な主張ではないのか、直に確認していただかねばと張り切って……んんっ、自らすすんでお連れになっていらっしゃいます。すぐ戻るとは聞いておりますが」
非常識を重ねて牢に入れられているとか、実物を見せると人扱いしていないこととか、その辺りの発言は可能な限りオブラートに包んだつもりだけど、相手は私よりもフィルバートとの付き合いが長いテオドル大公だ。
どうやら何となく状況の想像はついたらしく、少しの間、遠い目で天井を見上げていた。
「ま、まあ、そういうことであれば、少し待つか」
「…………はい、ぜひ」
なるほど、確かにさほどの時間は経っていなかったかもしれない。
けれど案の定というか、顔に「信じられない」と張り付けたまま、唖然茫然となった国王らしからぬ表情のメダルド国王を、そこで出迎えることになったのだ。
フィルバートとエドヴァルドの表情は、出ていく時と同じ――言わずもがな、だった。
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
いつも読んでいただいてありがとうございます(人''▽`)☆
Web連載のみ読んでいただいている方に朗報です!
コミックシーモア、BOOK☆WALKER、booklive、ebookjapanと言った電子書籍サイト各社で5/4(日)23:59まで小説&コミックス両方、1巻無料試し読みキャンペーンを開催中です!
ゴールデンウイーク、ぜひ読んでみて下さい。
そしてそこから2巻以降ポチッていただけたらとても嬉しいです。
引き続き宜しくお願いします……!!
シナリオ通りであるならば、この二人が邂逅することはない。バッドエンドになろうがハッピーエンドになろうが、だ。ギーレンからアンジェスへの亡命ルートがあるシャルリーヌはともかく、ミルテ王女のシナリオはどれも国内で完結するはずだった。
それが今、ギーレンでもバリエンダールでもなくアンジェスで、二人のヒロインが顔をあわせようとしていた。
よくもまあ、ここまでシナリオが逸脱したものだと思う。これはもう、強制力の心配はほとんどしなくていいんじゃないかという気がしていた。
(ゲームのシナリオを捻じ曲げたのは、私にもシャーリーにも言えることなのかもだけど)
テオドル大公の後ろから入って来たシャルリーヌは、一見すると楚々とした仕種と表情ではあるものの、その目は明らかにバリエンダール側の美少女ヒロインとのご対面に期待している目だ。何せ彼女も〝蘇芳戦記〟プレイヤー。スチルでは何度も目にしているはずだからだ。
だから目線で「落ち着いて」と合図を送っておいたものの、どこまで効果があるのかは不安だ。
二人でそんなやりとりをこそこそとしている間に、テオドル大公がゆっくりと近づいて来る。
ミルテ王女はともかく、私はテオドル大公に頭を下げるべき立場だ。
立ち上がって、私なりの渾身の〝カーテシー〟で頭を下げた。
「うむ」
とはいえ、私の向かいには隣国の王女様というVIPがいらっしゃる。声をかけるなら、私よりもミルテ王女が先だ。
そのため私に対しては「うむ」と、軽く片手を上げるに留めたようだった。
「わざわざアンジェスまですまぬな、王女。儂が妻を連れて行ければ良かったのだが」
王女と大公となると、どちらも王族だ。厳密に言えば直系王族であるミルテ王女の方が上に思えるものの、テオドル大公が持つ外交実績と年齢を考えれば、敬老精神が働くのも無理はない。
そのためテオドル大公が先に話しかけ、ミルテ王女が立ち上がって〝カーテシー〟を返すのがこの場の最適解となったようである。
ちなみにこの間、そんな会話はどこにもない。
テオドル大公とミルテ王女それぞれが咄嗟に判断して、そう振る舞ったのだ。
王族としての教育の賜物と言えるだろう。
一般家庭の一般的な日本人である私には出来ないことだと言えた。
「とんでもないですわ。こんな機会でもなければ、もうしばらくはおばあ様……ユリア様にはお会い出来なかったかも知れませんもの。お会いして、お手製のタルトを振る舞っていただくのを楽しみにしておりますの」
「はははっ! ここは王も宰相もおらぬ。非公式と思っていつものように話しかけてくれて構わぬぞ?」
どうやら普段から「テオお祖父様」「ユリアお祖母様」と呼んでいるらしいミルテ王女。
自身の祖父母が既にいないことと、テオドル大公がかなりの頻度でバリエンダールを訪れているが故の親しさであり、テオドル大公もそれを許容している。
いつも通りでいいと言うテオドル大公に一瞬顔を輝かせたものの、そこで大公殿下の後ろにいるシャルリーヌに気が付いたのだろう。
こちらは……? と、僅かに首を傾けていた。
(び、美少女の「コテン」は絵になる……あざといもなにもあったものじゃないわ……)
自覚してやっている舞菜とは違い、こちらは天然産。私は苦笑いを零しながらも、テオドル大公に紹介を任せた。どのみち私もシャルリーヌも、今の段階で口を挟むのは不敬の誹りを受けても仕方がないものだからだ。
「ああ。レイナ嬢は……もうよかろうな。儂の後ろにいるご令嬢は、王都学園長ボードリエ伯爵のお嬢さんでシャルリーヌ嬢と言ってな。妻と親しいご令嬢でもあるので、今回同行を依頼したのだ。少しでも賑やかな方が妻も喜ぶのでな」
なるほど、ギーレン関連の話はここではしないらしい。
あくまでボードリエ伯爵家の令嬢であることを表に出すことを、テオドル大公は選んだようだ。
(ラハデ公爵と会ってしまえば、話題に出さずにいるのは難しいかも知れないけど……今は割愛して、早くアンディション侯爵邸に行ってしまえということなのかな)
「まあ、ユリアお祖母様と?」
「うむ。それにレイナ嬢とも親しい」
「まあ! そうですの。テオお祖父様がそう仰るのであれば、私に否やはありませんわ」
王妃教育経験者と言えど、シャルリーヌは伯爵令嬢。ここはミルテ王女から声をかけるのを待つ立場だ。
貴族としての教育の大変さが、こんなところからも垣間見える。
つくづく、現代日本の会話術はありがたいものだったと思う。
「初めまして、ボードリエ伯爵令嬢。私はバリエンダール現国王メダルドが息女ミルテ。私も、ユリアお祖母様とレイナおねえさまとは交流がありますの。見知りおいていただけると幸いですわ」
そしてこの場合、王女と伯爵令嬢との立ち位置からすると、ミルテ王女は片手を胸にあてて微笑むだけ。
渾身の〝カーテシー〟はシャルリーヌが披露することになる。
――私なんかよりも遥かに優雅な〝カーテシー〟を。
「王女殿下からそのようなお言葉をいただけますこと、僥倖に存じます。ボードリエ伯爵が娘シャルリーヌにございます。同じ知り合いを持つ者同士、よろしければ『シャルリーヌ』とお呼び下さいませ」
「同じ知り合いを持つ者同士……確かにそうですわね。では私のことも『ミルテ』で構いませんわ。私たちだけが他人行儀にしていたら、ユリアお祖母様もレイナおねえさまも気を遣ってしまわれますものね」
「王女殿下の寛大なお心に感謝申し上げます。では『ミルテ』様と呼ばせていただくことをお許しいただければ幸いに存じます」
「分かりましたわ。シャルリーヌ嬢……で、よろしくて?」
バリエンダールで既に会っている私と違って、ミルテ王女にとってのシャルリーヌは本日初対面。
そのあたりが落としどころだろうなと私も思ったし、シャルリーヌ本人も「光栄にございます」と頭を下げていた。
その途中、目が明らかに「おねえさまって……」と言いたそうではあったけど。
うん、まあそのうちね、シャーリー。
「さて、もう早速我が屋敷に移動してしまって構わんのか? 王や宰相らの姿が見えぬが……」
辺りを見回したテオドル大公の視線が、私のところで止まる。
どうやら説明役は、共に部屋にいたミルテ王女ではなく私に求めるつもりらしい。
うん。間違ってはいないけど、微妙に複雑な気分。
若干こめかみが痙攣るのを自覚しながらも、口を開いた。
「えー……陛下はメダルド国王陛下をお連れになって牢の視察に行っておいでです」
「……うん?」
「会談前に、本当にサレステーデの王族の方々が囚われておいでなのか、アンジェス側の一方的な主張ではないのか、直に確認していただかねばと張り切って……んんっ、自らすすんでお連れになっていらっしゃいます。すぐ戻るとは聞いておりますが」
非常識を重ねて牢に入れられているとか、実物を見せると人扱いしていないこととか、その辺りの発言は可能な限りオブラートに包んだつもりだけど、相手は私よりもフィルバートとの付き合いが長いテオドル大公だ。
どうやら何となく状況の想像はついたらしく、少しの間、遠い目で天井を見上げていた。
「ま、まあ、そういうことであれば、少し待つか」
「…………はい、ぜひ」
なるほど、確かにさほどの時間は経っていなかったかもしれない。
けれど案の定というか、顔に「信じられない」と張り付けたまま、唖然茫然となった国王らしからぬ表情のメダルド国王を、そこで出迎えることになったのだ。
フィルバートとエドヴァルドの表情は、出ていく時と同じ――言わずもがな、だった。
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
いつも読んでいただいてありがとうございます(人''▽`)☆
Web連載のみ読んでいただいている方に朗報です!
コミックシーモア、BOOK☆WALKER、booklive、ebookjapanと言った電子書籍サイト各社で5/4(日)23:59まで小説&コミックス両方、1巻無料試し読みキャンペーンを開催中です!
ゴールデンウイーク、ぜひ読んでみて下さい。
そしてそこから2巻以降ポチッていただけたらとても嬉しいです。
引き続き宜しくお願いします……!!
2,164
あなたにおすすめの小説
『白い結婚だったので、勝手に離婚しました。何か問題あります?』
夢窓(ゆめまど)
恋愛
「――離婚届、受理されました。お疲れさまでした」
教会の事務官がそう言ったとき、私は心の底からこう思った。
ああ、これでようやく三年分の無視に終止符を打てるわ。
王命による“形式結婚”。
夫の顔も知らず、手紙もなし、戦地から帰ってきたという噂すらない。
だから、はい、離婚。勝手に。
白い結婚だったので、勝手に離婚しました。
何か問題あります?
処刑前夜に逃亡した悪役令嬢、五年後に氷の公爵様に捕まる〜冷徹旦那様が溺愛パパに豹変しましたが私の抱いている赤ちゃん実は人生2周目です〜
放浪人
恋愛
「処刑されるなんて真っ平ごめんです!」 無実の罪で投獄された悪役令嬢レティシア(中身は元社畜のアラサー日本人)は、処刑前夜、お腹の子供と共に脱獄し、辺境の田舎村へ逃亡した。 それから五年。薬師として穏やかに暮らしていた彼女のもとに、かつて自分を冷遇し、処刑を命じた夫――「氷の公爵」アレクセイが現れる。 殺される!と震えるレティシアだったが、再会した彼は地面に頭を擦り付け、まさかの溺愛キャラに豹変していて!?
「愛しているレティシア! 二度と離さない!」 「(顔が怖いです公爵様……!)」
不器用すぎて顔が怖い旦那様の暴走する溺愛。 そして、二人の息子であるシオン(1歳)は、実は前世で魔王を倒した「英雄」の生まれ変わりだった! 「パパとママは僕が守る(物理)」 最強の赤ちゃんが裏で暗躍し、聖女(自称)の陰謀も、帝国の侵略も、古代兵器も、ガラガラ一振りで粉砕していく。
愛人を選んだ夫を捨てたら、元婚約者の公爵に捕まりました
由香
恋愛
伯爵夫人リュシエンヌは、夫が公然と愛人を囲う結婚生活を送っていた。
尽くしても感謝されず、妻としての役割だけを求められる日々。
けれど彼女は、泣きわめくことも縋ることもなく、静かに離婚を選ぶ。
そうして“捨てられた妻”になったはずの彼女の前に現れたのは、かつて婚約していた元婚約者――冷静沈着で有能な公爵セドリックだった。
再会とともに始まるのは、彼女の価値を正しく理解し、決して手放さない男による溺愛の日々。
一方、彼女を失った元夫は、妻が担っていたすべてを失い、社会的にも転落していく。
“尽くすだけの妻”から、“選ばれ、守られる女性”へ。
静かに離婚しただけなのに、
なぜか元婚約者の公爵に捕まりました。
事情があってメイドとして働いていますが、実は公爵家の令嬢です。
木山楽斗
恋愛
ラナリアが仕えるバルドリュー伯爵家では、子爵家の令嬢であるメイドが幅を利かせていた。
彼女は貴族の地位を誇示して、平民のメイドを虐げていた。その毒牙は、平民のメイドを庇ったラナリアにも及んだ。
しかし彼女は知らなかった。ラナリアは事情があって伯爵家に仕えている公爵令嬢だったのである。
お前は家から追放する?構いませんが、この家の全権力を持っているのは私ですよ?
水垣するめ
恋愛
「アリス、お前をこのアトキンソン伯爵家から追放する」
「はぁ?」
静かな食堂の間。
主人公アリス・アトキンソンの父アランはアリスに向かって突然追放すると告げた。
同じく席に座っている母や兄、そして妹も父に同意したように頷いている。
いきなり食堂に集められたかと思えば、思いも寄らない追放宣言にアリスは戸惑いよりも心底呆れた。
「はぁ、何を言っているんですか、この領地を経営しているのは私ですよ?」
「ああ、その経営も最近軌道に乗ってきたのでな、お前はもう用済みになったから追放する」
父のあまりに無茶苦茶な言い分にアリスは辟易する。
「いいでしょう。そんなに出ていって欲しいなら出ていってあげます」
アリスは家から一度出る決心をする。
それを聞いて両親や兄弟は大喜びした。
アリスはそれを哀れみの目で見ながら家を出る。
彼らがこれから地獄を見ることを知っていたからだ。
「大方、私が今まで稼いだお金や開発した資源を全て自分のものにしたかったんでしょうね。……でもそんなことがまかり通るわけないじゃないですか」
アリスはため息をつく。
「──だって、この家の全権力を持っているのは私なのに」
後悔したところでもう遅い。
離婚する両親のどちらと暮らすか……娘が選んだのは夫の方だった。
しゃーりん
恋愛
夫の愛人に子供ができた。夫は私と離婚して愛人と再婚したいという。
私たち夫婦には娘が1人。
愛人との再婚に娘は邪魔になるかもしれないと思い、自分と一緒に連れ出すつもりだった。
だけど娘が選んだのは夫の方だった。
失意のまま実家に戻り、再婚した私が数年後に耳にしたのは、娘が冷遇されているのではないかという話。
事実ならば娘を引き取りたいと思い、元夫の家を訪れた。
再び娘が選ぶのは父か母か?というお話です。
【完結】冷酷伯爵ディートリヒは、去った妻を取り戻せない
くろねこ
恋愛
名門伯爵家に政略結婚で嫁いだ、正妻エレノア・リーヴェルト。夫である伯爵ディートリヒ・フォン・アイゼンヴァルトは、
軍務と義務を最優先し、彼女に関心を向けることはなかった。
言葉も、視線も、愛情も与えられない日々。それでも伯爵夫人として尽くし続けたエレノアは、ある一言をきっかけに、静かに伯爵家を去る決意をする。
――そして初めて、夫は気づく。
自分がどれほど多くのものを、彼女から与えられていたのかを。
一方、エレノアは新たな地でその才覚と人柄を評価され、
「必要とされる存在」として歩き始めていた。
去った妻を想い、今さら後悔する冷酷伯爵。前を向いて生きる正妻令嬢。
これは、失ってから愛に気づいた男と、
二度と戻らないかもしれない夫婦の物語。
――今さら、遅いのです。
継子いじめで糾弾されたけれど、義娘本人は離婚したら私についてくると言っています〜出戻り夫人の商売繁盛記〜
野生のイエネコ
恋愛
後妻として男爵家に嫁いだヴィオラは、継子いじめで糾弾され離婚を申し立てられた。
しかし当の義娘であるシャーロットは、親としてどうしようもない父よりも必要な教育を与えたヴィオラの味方。
義娘を連れて実家の商会に出戻ったヴィオラは、貴族での生活を通じて身につけた知恵で新しい服の開発をし、美形の義娘と息子は服飾モデルとして王都に流行の大旋風を引き起こす。
度々襲来してくる元夫の、借金の申込みやヨリを戻そうなどの言葉を躱しながら、事業に成功していくヴィオラ。
そんな中、伯爵家嫡男が、継子いじめの疑惑でヴィオラに近づいてきて?
※小説家になろうで「離婚したので幸せになります!〜出戻り夫人の商売繁盛記〜」として掲載しています。
過去1ヶ月以内にレジーナの小説・漫画を1話以上レンタルしている
と、レジーナのすべての番外編を読むことができます。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。
番外編を閲覧することが出来ません。
過去1ヶ月以内にレジーナの小説・漫画を1話以上レンタルしている
と、レジーナのすべての番外編を読むことができます。
このユーザをミュートしますか?
※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。