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拘束
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翌朝、ギルドでニーナとヨツバの2人と合流する。
ヨツバに田中君のことを聞こうとするけど、その前にエアリアさんに話しかけられた。
「お待たせ。クオンくんとヨツバちゃんも一緒なんだね。これから依頼を受けるのかい?」
「いえ、まだ少し緊張するので付いてきてもらっただけです。実は昨日も緊張してて……」
ニーナが答える
「そうだったわね。それで答えは決まったかしら?」
「その前にエアリアさんから、ニーナを誘った経緯を説明してもらえませんか?」
僕はエアリアさんに説明をお願いする。エアリアさんからも説明してもらって、昨日僕が言ったことが嘘じゃないと分かってもらった方がいいだろう。
「クオン君大丈夫だよ。昨日話してて、嘘を言ってるわけじゃないってわかったから。エアリアさん、これからよろしくお願いします」
心配は必要なかったようだ。
「良い返事が聞けて良かったわ。こっちのパーティで活動するタイミングはクオンくん達が街を出てからの方がいいかな?」
「はい、その方が助かります」
「わかったわ。この後は予定ある?他のメンバーにも紹介したいし、食事でもどうかな?良かったらクオンくんとヨツバちゃんもね」
エアリアさんの誘いを受けて、アリアドネの方と食事をすることになった。
「まだ昼前なのにお酒ですか?」
店の前に来た所でエアリアさんに聞く。
女性だけのパーティと聞いていたから、オシャレなカフェにでも行くのかと勝手に思っていたけど、着いたのは酒場だった。
「この酒場は昼間は定食を出してるのよ。お酒もあるけどね」
昼前から飲んだくれるつもりではなかったようだ。
店の中に入る。
当然だけど、中はまんま酒場だった。昼だけ限定メニューで定食もあるよってことだね。
あれ、そういえば定食だとしても食べるには早いよね。
昼にはまだまだ時間があるよ
「いらっしゃいませ。エアリアさん、今日も早いですね」
エアリアさんはここの常連のようだ。
「後から他の3人も来るからね」
「それではこちらへどうぞ」
僕達は席に案内される
「好きなのを注文していいからね。遠慮せずに食べてね」
エアリアさんは奢ってくれるつもりのようだ。
「自分たちの分はちゃんと払いますよ」
「冒険者の先輩に遠慮するんじゃないの。それに今日はニーナちゃんの歓迎会みたいなものだからね。気にしなくていいわよ」
「ありがとうございます」
「飲み物だけ先に注文するね」
エアリアさんはそう言って店員さんを呼んだ。
「私はいつものね」
いつもので通じるらしい。
僕とヨツバは、メニューを見てもどういった飲み物かわからないので、ニーナと同じものを頼んだ。
甘い果汁のジュースらしい。
メニューの料理が何かをニーナに聞きながら料理を選ぶ。
エアリアさんは僕が異世界人なのは知ってるけど、ヨツバもそうとは知らないので、ヨツバにも聞こえるように聞く。
迷っているとテーブルに飲み物だけでなく料理も置かれた。
「とりあえず乾杯しましょう」
不思議に思いつつも乾杯してジュースに口をつける。
ドン!
甘くて美味しいなって思っていたら、対面から大きな音が聞こえた。
「ぷはぁ、うまい!」
エアリアさんがコップを机に置いた音だった。
一気に飲んだようだ。
エアリアさんが注文する前に、もう一杯店員が持ってきた。
エアリアさんが飲んでるのは酒だな。
さっき聞いた時は定食がとか言ってたのに酒を飲んでいるようだ。
確かに酒もあるって言ってたし、飲まないとは言ってなかったけど……
出てきた料理はエアリアさんのつまみなのだろう。
いつもあれをつまみに酒を飲んでいるようだ。
「食べたいものは決まった?」
エアリアさんに聞かれる。
驚いていて考えてなかった。
「どれにするか迷ってます」
僕は答える
「適当に頼んじゃうから、決まったら追加で注文してね」
エアリアさんはそう言って店員に注文する
「適当に持ってきてもらっていいかな」
エアリアさんが選ぶのではなくて、店員に丸投げのようだ。
出てきた料理を食べる。出てきたのは定食ではなくて、一品料理が色々だ。
「他の方はいつ頃来るんですか?」
僕はエアリアさんにアリアドネの他の方がいつ来るのか聞く。
「時間は決めてないわよ。今日飲みましょうって言ってあるだけだからね」
ん?
「付き合ってくれる人がいて良かったわ」
エアリアさんは言う。
言いながらもエアリアさんは飲み続けている。
既に4杯目だ。
昼食くらいに考えていたけど、これは違うようだ。
ヨツバとニーナも気づいたようで、食べるペースを落とした。
このペースで食べていたら夜まで保たない。
メンバーを紹介すると言われているので、少なくても揃うまでは帰りにくい。
段々とペースが落ちてはいるものの、エアリアさんは結構な勢いで飲み続けている。
エアリアさんはかなり酔っているようで、なんで結婚相手が見つからないのかとずっと愚痴を溢していた。
僕達はそれをずっと聞いている。
エアリアさんは美人だし、実際はモテているのだろう。
だけど、高嶺の花って感じがするので声を掛けることが出来ないんじゃないかな。
そして、声を掛けてきた人もこの酒癖の悪さを見て離れていくと……
早くクリスさん達来てくれないかなぁ
そうこうしている内に夕方になる。
もう田中君の処刑は終わっているだろう。ヨツバは結局見なくて良かったのかな?
今日処刑があることは昨日言ったから、見ないって事でいいのかな?どちらにしても、もう間に合わないから聞くのはやめよう。
そして遂にクリスさんが店に入ってきた。僕達を見て慌てて走ってくる。
「ごめんね……いつから飲んでるの?」
「朝からです」
僕は正直に答える
「本当にごめんね。リーダー!朝から飲むのは構わないけど、他の人を巻き込んだらダメって前にも言ったよね?」
クリスさんがエアリアさんに怒る。
「みんなに新しいメンバーを紹介しようと思っただけよ。そんなに飲んでないわ」
「ニーナちゃん、入ってくれるんだね。よろしくね!……そんなに飲んでないって何杯飲んだのよ?」
「……5杯位かな」
エアリアさんが明らかな嘘を言った。
「そんなわけないでしょ!そうよね?」
クリスさんは僕の方を見る。
僕は目を逸らす
「今日は27杯ですよ」
店員さんがクリスさんに教える。
聞かずとも言いに来るってことはいつものことなのだろう。
それにしても、そんなに飲んでいたことに驚く。
そんなに飲んでも酔いつぶれていないのはすごいな。
「リーダーが悪かったわね。後は私が代わるから帰ってもいいわよ」
「でもまだみんな揃ってませんよ」
やっと帰れると思ったら、ニーナが言った。
確かにまだ目的は達していない。
「それはいつでも出来るから大丈夫よ。疲れてる顔してるわよ」
「でも……」
「今日は帰りますね」
僕は本当に帰っていいのか迷ってるニーナを連れて帰ることにする。
「今日はありがとうございました。ごちそうさまです」
お礼を言って店を出る。
「出てきて良かったのかな?」
ニーナに聞かれる
「いいんだよ」
はぁ、長かった……
ヨツバに田中君のことを聞こうとするけど、その前にエアリアさんに話しかけられた。
「お待たせ。クオンくんとヨツバちゃんも一緒なんだね。これから依頼を受けるのかい?」
「いえ、まだ少し緊張するので付いてきてもらっただけです。実は昨日も緊張してて……」
ニーナが答える
「そうだったわね。それで答えは決まったかしら?」
「その前にエアリアさんから、ニーナを誘った経緯を説明してもらえませんか?」
僕はエアリアさんに説明をお願いする。エアリアさんからも説明してもらって、昨日僕が言ったことが嘘じゃないと分かってもらった方がいいだろう。
「クオン君大丈夫だよ。昨日話してて、嘘を言ってるわけじゃないってわかったから。エアリアさん、これからよろしくお願いします」
心配は必要なかったようだ。
「良い返事が聞けて良かったわ。こっちのパーティで活動するタイミングはクオンくん達が街を出てからの方がいいかな?」
「はい、その方が助かります」
「わかったわ。この後は予定ある?他のメンバーにも紹介したいし、食事でもどうかな?良かったらクオンくんとヨツバちゃんもね」
エアリアさんの誘いを受けて、アリアドネの方と食事をすることになった。
「まだ昼前なのにお酒ですか?」
店の前に来た所でエアリアさんに聞く。
女性だけのパーティと聞いていたから、オシャレなカフェにでも行くのかと勝手に思っていたけど、着いたのは酒場だった。
「この酒場は昼間は定食を出してるのよ。お酒もあるけどね」
昼前から飲んだくれるつもりではなかったようだ。
店の中に入る。
当然だけど、中はまんま酒場だった。昼だけ限定メニューで定食もあるよってことだね。
あれ、そういえば定食だとしても食べるには早いよね。
昼にはまだまだ時間があるよ
「いらっしゃいませ。エアリアさん、今日も早いですね」
エアリアさんはここの常連のようだ。
「後から他の3人も来るからね」
「それではこちらへどうぞ」
僕達は席に案内される
「好きなのを注文していいからね。遠慮せずに食べてね」
エアリアさんは奢ってくれるつもりのようだ。
「自分たちの分はちゃんと払いますよ」
「冒険者の先輩に遠慮するんじゃないの。それに今日はニーナちゃんの歓迎会みたいなものだからね。気にしなくていいわよ」
「ありがとうございます」
「飲み物だけ先に注文するね」
エアリアさんはそう言って店員さんを呼んだ。
「私はいつものね」
いつもので通じるらしい。
僕とヨツバは、メニューを見てもどういった飲み物かわからないので、ニーナと同じものを頼んだ。
甘い果汁のジュースらしい。
メニューの料理が何かをニーナに聞きながら料理を選ぶ。
エアリアさんは僕が異世界人なのは知ってるけど、ヨツバもそうとは知らないので、ヨツバにも聞こえるように聞く。
迷っているとテーブルに飲み物だけでなく料理も置かれた。
「とりあえず乾杯しましょう」
不思議に思いつつも乾杯してジュースに口をつける。
ドン!
甘くて美味しいなって思っていたら、対面から大きな音が聞こえた。
「ぷはぁ、うまい!」
エアリアさんがコップを机に置いた音だった。
一気に飲んだようだ。
エアリアさんが注文する前に、もう一杯店員が持ってきた。
エアリアさんが飲んでるのは酒だな。
さっき聞いた時は定食がとか言ってたのに酒を飲んでいるようだ。
確かに酒もあるって言ってたし、飲まないとは言ってなかったけど……
出てきた料理はエアリアさんのつまみなのだろう。
いつもあれをつまみに酒を飲んでいるようだ。
「食べたいものは決まった?」
エアリアさんに聞かれる。
驚いていて考えてなかった。
「どれにするか迷ってます」
僕は答える
「適当に頼んじゃうから、決まったら追加で注文してね」
エアリアさんはそう言って店員に注文する
「適当に持ってきてもらっていいかな」
エアリアさんが選ぶのではなくて、店員に丸投げのようだ。
出てきた料理を食べる。出てきたのは定食ではなくて、一品料理が色々だ。
「他の方はいつ頃来るんですか?」
僕はエアリアさんにアリアドネの他の方がいつ来るのか聞く。
「時間は決めてないわよ。今日飲みましょうって言ってあるだけだからね」
ん?
「付き合ってくれる人がいて良かったわ」
エアリアさんは言う。
言いながらもエアリアさんは飲み続けている。
既に4杯目だ。
昼食くらいに考えていたけど、これは違うようだ。
ヨツバとニーナも気づいたようで、食べるペースを落とした。
このペースで食べていたら夜まで保たない。
メンバーを紹介すると言われているので、少なくても揃うまでは帰りにくい。
段々とペースが落ちてはいるものの、エアリアさんは結構な勢いで飲み続けている。
エアリアさんはかなり酔っているようで、なんで結婚相手が見つからないのかとずっと愚痴を溢していた。
僕達はそれをずっと聞いている。
エアリアさんは美人だし、実際はモテているのだろう。
だけど、高嶺の花って感じがするので声を掛けることが出来ないんじゃないかな。
そして、声を掛けてきた人もこの酒癖の悪さを見て離れていくと……
早くクリスさん達来てくれないかなぁ
そうこうしている内に夕方になる。
もう田中君の処刑は終わっているだろう。ヨツバは結局見なくて良かったのかな?
今日処刑があることは昨日言ったから、見ないって事でいいのかな?どちらにしても、もう間に合わないから聞くのはやめよう。
そして遂にクリスさんが店に入ってきた。僕達を見て慌てて走ってくる。
「ごめんね……いつから飲んでるの?」
「朝からです」
僕は正直に答える
「本当にごめんね。リーダー!朝から飲むのは構わないけど、他の人を巻き込んだらダメって前にも言ったよね?」
クリスさんがエアリアさんに怒る。
「みんなに新しいメンバーを紹介しようと思っただけよ。そんなに飲んでないわ」
「ニーナちゃん、入ってくれるんだね。よろしくね!……そんなに飲んでないって何杯飲んだのよ?」
「……5杯位かな」
エアリアさんが明らかな嘘を言った。
「そんなわけないでしょ!そうよね?」
クリスさんは僕の方を見る。
僕は目を逸らす
「今日は27杯ですよ」
店員さんがクリスさんに教える。
聞かずとも言いに来るってことはいつものことなのだろう。
それにしても、そんなに飲んでいたことに驚く。
そんなに飲んでも酔いつぶれていないのはすごいな。
「リーダーが悪かったわね。後は私が代わるから帰ってもいいわよ」
「でもまだみんな揃ってませんよ」
やっと帰れると思ったら、ニーナが言った。
確かにまだ目的は達していない。
「それはいつでも出来るから大丈夫よ。疲れてる顔してるわよ」
「でも……」
「今日は帰りますね」
僕は本当に帰っていいのか迷ってるニーナを連れて帰ることにする。
「今日はありがとうございました。ごちそうさまです」
お礼を言って店を出る。
「出てきて良かったのかな?」
ニーナに聞かれる
「いいんだよ」
はぁ、長かった……
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