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13.偶然?
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「ふ~…それにしても、今日は泣いたりして恥ずかしかったな~」
お風呂に浸かりながら、僕は今日の出来事を振り返る。
「でも、あの時確かに誰かに押されたような気がしたんだけど、誰もいなかったんだよな~。気のせいだったのかな~?」
モヤモヤはするけど、5人とまた少し仲良くなれたのは嬉しかった。1つ気になるのは、誰もヒロインの事を話さない事。お互いを牽制してるのかなぁ…?
「それとなく聞いてみる…とか?」
と、考えて、僕はとっても大切な事を忘れていた。
「僕、ヒロインの名前知らないや…」
翌朝。
母さんが慌ただし支度をしてる中、僕は出来上がったお弁当をランチバックに水筒と一緒に入れて、テーブルに置いた。
「母さ~ん、お弁当忘れないでよ~」
「ありがとう歩~!あ、今日遅くなるからご飯食べといてね!母さん、適当に食べて帰るから!」
「わかった。あ、ちゃんと食べてよ!」
「…は~い。じゃ、行ってきま~す!」
「いってらっしゃ~い」
僕は、母さんと二人暮らしだ。小さい時に父さんが死んじゃって、母さんが女手一つで僕を育ててくれた。ただ、忙しい人なので僕が料理をするようになり、今に至る。しかも、ほっとくと栄養ドリンクとかゼリー飲料なんかでご飯を済ますから、お弁当は必須アイテム。だから、仕事で遅い時は食べない可能性もあるので、こうやって釘を刺しておく。
「さてと、僕もそろそろ行かないと」
ごみを持って出て、フロアの端のダストシュートに投入してエレベーターに乗り込む。1階に到着して、エントランスを出て駅に向かっていると、一台の車が横を通り過ぎたと思ったら停車した。
「逢坂君?」
窓から顔を出し、僕の名前を呼んだのは宮之阪会長だった。
「宮之阪会長?え、どうしてここに?」
「今朝ちょっと用事があってね。良かったら一緒に乗って行かないかい?」
「いえ、そんな…」
会長と一緒に車で登校なんて目立って仕方ない!
「学校の手前で降りるから大丈夫だよ。さ、乗って乗って」
「じゃ、じゃあお言葉に甘えて…」
ここまで言われて断ったら失礼だと思い、車に乗ることにした。国産の高級車のシートは柔らかく乗り心地は格別だった。
「ふわふわだ~…あっ!」
思わず口にしてしまい、恥ずかしさで顔が赤くなる。
「気に入ってもらえて良かった」
「す、すみません…」
「また誘っても良いかな?一人で乗ってるの退屈なんだ」
「あ、僕で良かったら」
「ありがとう。あ、連絡先交換しない?車で行く時は連絡するから」
「あ、はい」
制服の内ポケットからスマホを取り出し、僕のQRを先輩に読み取ってもらった。
「ありがとう。これでいつでも逢坂君と連絡が出来るね」
「そうですね」
「今度、一緒に遊びに行かない?」
「はい…え?!」
「ふふ、約束だよ」
そう言って、先輩は小指を差し出してきたので、僕は指切りをするしかなかった。
指切後も、先輩はなかなか小指を離してくれなかった。
「あの…宮之阪先輩?」
「類」
「連絡先も交換したんだし、下の名前で呼んでくれたら離してあげる」
「…類…先輩」
「今はそれで我慢しとくか…」
「はい?」
「何でもないよ。そろそろ学校の近くだね」
やっと小指を離してもらって、僕たちは車を降りた。そのまま一緒に学校へ行ったので結局目立ってしまった…。
あれ?これもヒロインがしてなかったっけ???
お風呂に浸かりながら、僕は今日の出来事を振り返る。
「でも、あの時確かに誰かに押されたような気がしたんだけど、誰もいなかったんだよな~。気のせいだったのかな~?」
モヤモヤはするけど、5人とまた少し仲良くなれたのは嬉しかった。1つ気になるのは、誰もヒロインの事を話さない事。お互いを牽制してるのかなぁ…?
「それとなく聞いてみる…とか?」
と、考えて、僕はとっても大切な事を忘れていた。
「僕、ヒロインの名前知らないや…」
翌朝。
母さんが慌ただし支度をしてる中、僕は出来上がったお弁当をランチバックに水筒と一緒に入れて、テーブルに置いた。
「母さ~ん、お弁当忘れないでよ~」
「ありがとう歩~!あ、今日遅くなるからご飯食べといてね!母さん、適当に食べて帰るから!」
「わかった。あ、ちゃんと食べてよ!」
「…は~い。じゃ、行ってきま~す!」
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僕は、母さんと二人暮らしだ。小さい時に父さんが死んじゃって、母さんが女手一つで僕を育ててくれた。ただ、忙しい人なので僕が料理をするようになり、今に至る。しかも、ほっとくと栄養ドリンクとかゼリー飲料なんかでご飯を済ますから、お弁当は必須アイテム。だから、仕事で遅い時は食べない可能性もあるので、こうやって釘を刺しておく。
「さてと、僕もそろそろ行かないと」
ごみを持って出て、フロアの端のダストシュートに投入してエレベーターに乗り込む。1階に到着して、エントランスを出て駅に向かっていると、一台の車が横を通り過ぎたと思ったら停車した。
「逢坂君?」
窓から顔を出し、僕の名前を呼んだのは宮之阪会長だった。
「宮之阪会長?え、どうしてここに?」
「今朝ちょっと用事があってね。良かったら一緒に乗って行かないかい?」
「いえ、そんな…」
会長と一緒に車で登校なんて目立って仕方ない!
「学校の手前で降りるから大丈夫だよ。さ、乗って乗って」
「じゃ、じゃあお言葉に甘えて…」
ここまで言われて断ったら失礼だと思い、車に乗ることにした。国産の高級車のシートは柔らかく乗り心地は格別だった。
「ふわふわだ~…あっ!」
思わず口にしてしまい、恥ずかしさで顔が赤くなる。
「気に入ってもらえて良かった」
「す、すみません…」
「また誘っても良いかな?一人で乗ってるの退屈なんだ」
「あ、僕で良かったら」
「ありがとう。あ、連絡先交換しない?車で行く時は連絡するから」
「あ、はい」
制服の内ポケットからスマホを取り出し、僕のQRを先輩に読み取ってもらった。
「ありがとう。これでいつでも逢坂君と連絡が出来るね」
「そうですね」
「今度、一緒に遊びに行かない?」
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「ふふ、約束だよ」
そう言って、先輩は小指を差し出してきたので、僕は指切りをするしかなかった。
指切後も、先輩はなかなか小指を離してくれなかった。
「あの…宮之阪先輩?」
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「連絡先も交換したんだし、下の名前で呼んでくれたら離してあげる」
「…類…先輩」
「今はそれで我慢しとくか…」
「はい?」
「何でもないよ。そろそろ学校の近くだね」
やっと小指を離してもらって、僕たちは車を降りた。そのまま一緒に学校へ行ったので結局目立ってしまった…。
あれ?これもヒロインがしてなかったっけ???
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