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◇
「颯、好きだ。FTOで初めて出会った時から好きだった。颯の事を愛したい。愛させて」
「直弥さん……」
本来、発情期用の部屋にαが入るにはいくつかの審査があるらしいけれど、僕達の場合、この前の発情期のこともあって、比較的短時間で直弥さんの入室許可はおりた。
直弥さんが来るまで小さく丸まって耐えていた僕は、覆い被さる体勢の直弥さんの首に腕を絡ませて、そっと唇を重ねた。
「颯……! 止まれなくなるけど、いい?」
問いかけに小さく頷いて、抱き締めてくる直弥さんを抱き締め返す。
「直弥さん、良い匂い……」
「颯からもバニラみたいな甘い香りがしてるよ。溺れそうだ」
「あ、ん……」
至近距離で見つめられ、またキスをする。それが段々と深くなり、夢中で直弥さんの舌を追った。
「はっ、はぁはぁ……」
お互いの唾液を飲み込んで、離れていった唇を見ながら息を整える。
発情の熱も相まってのぼせそう……。
直弥さんがシャツの裾から手を忍ばせてきた。
熱い手が肌を撫でていく。胸の尖りをきゅっと摘まれて、喘いでしまう。
「あっ……ああっ……」
「可愛い……気持ち良い?」
「ん、うん。たまらないです……」
「俺も。ここもこんなになってる」
「あ……」
導かれた手が、布ごしに直弥さんのそこに触れる。
硬く勃ち上がっているそれが熱を伝える。
「颯もキツそうだな」
頬に直弥さんの唇が掠めて、くすぐったくて反射的に瞳を閉じた。
僕の下半身に伸びた手がズボンと下着を下げて、足から抜き去る。
「恥ずかしいです……」
「綺麗だよ」
「あっ、ダメです」
直弥さんが僕のそこを口に含んだ。
「あ、あっ! そんな……!」
直弥さんの口内で、僕の分身がだんだん大きくなる。
快感が走り抜けて、絶頂に向かう身体が言うことをきかない。
「あ!で、出ちゃう!」
腰がひけるけど、直弥さんは離してくれなくて、僕は精を吐き出した。
「はぁはぁ……」
直弥さんの喉がごくりと鳴って、どうやら飲み込んだみたいだった。
「美味しかった」
「じょ、冗談……!」
「本当だよ」
ぎゅっと抱きしめられて、素肌と素肌が触れ合う。直弥さんは脱げかけた服を乱暴に脱いで、ベッドの下に落とした。
「もう良い感じに濡れてる」
「んっ……」
後孔のフチに触れた直弥さんは、迷わずにそこに指を一本入れた。
「あっあんん……」
「でもキツい……よく慣らさないと傷付けてしまいそうだ」
指一本なのに異物感が凄くて、ちゃんと繋がれるのか不安になってしまう。
「直、弥さん……」
「ん? どうした?」
「僕、出来るかな……」
「大丈夫、気持ち良くなれるよ。俺に任せて」
「んっ、あぁ……」
指が奥まで入ってきて、中を愛撫する。そのうちに指が増やされて、卑猥な音が耳に届いた。
「ふっ……はっ……」
「颯、力を抜いて」
「は、はい……」
指にも慣れてきて、もう一本増やされても気にならなくなった。
「あっ! そ、そこ! 変になる……!」
「颯の良いところ、見つけた」
直弥さんの指がそこに触れると身体が跳ねて、電流が走ったようになる。
「あっ、あっ……!」
執拗にそこを攻められて、僕は追い立てられる。
「あぁっ……!」
そのまま果ててしまった僕は、ぐたりとベッドに沈み込んだ。
「颯、可愛い」
髪にキスされて、怠い腕を直弥さんに伸ばす。
「直弥さん、好き……」
「ぐっ……」
「えっ」
直弥さんが苦しそうな顔をする。僕は驚いて、パチパチと瞬いた。
「嬉しいけど、今のはヤバい。でも、もう一回言って?」
「え、あ、あの……、直弥さん、好きです」
「颯……俺も好きだ。大好き。颯の事、愛してもいい?」
「は、はい……お願い、します」
触れるだけの口付けを交わし、後孔にあてがわれる熱を僕は受け止めた。
「颯、好きだ。FTOで初めて出会った時から好きだった。颯の事を愛したい。愛させて」
「直弥さん……」
本来、発情期用の部屋にαが入るにはいくつかの審査があるらしいけれど、僕達の場合、この前の発情期のこともあって、比較的短時間で直弥さんの入室許可はおりた。
直弥さんが来るまで小さく丸まって耐えていた僕は、覆い被さる体勢の直弥さんの首に腕を絡ませて、そっと唇を重ねた。
「颯……! 止まれなくなるけど、いい?」
問いかけに小さく頷いて、抱き締めてくる直弥さんを抱き締め返す。
「直弥さん、良い匂い……」
「颯からもバニラみたいな甘い香りがしてるよ。溺れそうだ」
「あ、ん……」
至近距離で見つめられ、またキスをする。それが段々と深くなり、夢中で直弥さんの舌を追った。
「はっ、はぁはぁ……」
お互いの唾液を飲み込んで、離れていった唇を見ながら息を整える。
発情の熱も相まってのぼせそう……。
直弥さんがシャツの裾から手を忍ばせてきた。
熱い手が肌を撫でていく。胸の尖りをきゅっと摘まれて、喘いでしまう。
「あっ……ああっ……」
「可愛い……気持ち良い?」
「ん、うん。たまらないです……」
「俺も。ここもこんなになってる」
「あ……」
導かれた手が、布ごしに直弥さんのそこに触れる。
硬く勃ち上がっているそれが熱を伝える。
「颯もキツそうだな」
頬に直弥さんの唇が掠めて、くすぐったくて反射的に瞳を閉じた。
僕の下半身に伸びた手がズボンと下着を下げて、足から抜き去る。
「恥ずかしいです……」
「綺麗だよ」
「あっ、ダメです」
直弥さんが僕のそこを口に含んだ。
「あ、あっ! そんな……!」
直弥さんの口内で、僕の分身がだんだん大きくなる。
快感が走り抜けて、絶頂に向かう身体が言うことをきかない。
「あ!で、出ちゃう!」
腰がひけるけど、直弥さんは離してくれなくて、僕は精を吐き出した。
「はぁはぁ……」
直弥さんの喉がごくりと鳴って、どうやら飲み込んだみたいだった。
「美味しかった」
「じょ、冗談……!」
「本当だよ」
ぎゅっと抱きしめられて、素肌と素肌が触れ合う。直弥さんは脱げかけた服を乱暴に脱いで、ベッドの下に落とした。
「もう良い感じに濡れてる」
「んっ……」
後孔のフチに触れた直弥さんは、迷わずにそこに指を一本入れた。
「あっあんん……」
「でもキツい……よく慣らさないと傷付けてしまいそうだ」
指一本なのに異物感が凄くて、ちゃんと繋がれるのか不安になってしまう。
「直、弥さん……」
「ん? どうした?」
「僕、出来るかな……」
「大丈夫、気持ち良くなれるよ。俺に任せて」
「んっ、あぁ……」
指が奥まで入ってきて、中を愛撫する。そのうちに指が増やされて、卑猥な音が耳に届いた。
「ふっ……はっ……」
「颯、力を抜いて」
「は、はい……」
指にも慣れてきて、もう一本増やされても気にならなくなった。
「あっ! そ、そこ! 変になる……!」
「颯の良いところ、見つけた」
直弥さんの指がそこに触れると身体が跳ねて、電流が走ったようになる。
「あっ、あっ……!」
執拗にそこを攻められて、僕は追い立てられる。
「あぁっ……!」
そのまま果ててしまった僕は、ぐたりとベッドに沈み込んだ。
「颯、可愛い」
髪にキスされて、怠い腕を直弥さんに伸ばす。
「直弥さん、好き……」
「ぐっ……」
「えっ」
直弥さんが苦しそうな顔をする。僕は驚いて、パチパチと瞬いた。
「嬉しいけど、今のはヤバい。でも、もう一回言って?」
「え、あ、あの……、直弥さん、好きです」
「颯……俺も好きだ。大好き。颯の事、愛してもいい?」
「は、はい……お願い、します」
触れるだけの口付けを交わし、後孔にあてがわれる熱を僕は受け止めた。
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