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第7章 生者と死者を巡る受難と解放の物語

58: ブルーこと寒楚(ハーン・チュウ) 落日の国にて (1)

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 門戸さんの屋敷を抜け出して、ハッテンバに行った。
 そのハッテンバは、私の国では充分に通用するが、この国ではもう時代遅れだと言われる建物の中にある。
 ハッテンバの掲示板には、予め私の出没予告をしていた。

 ネットの使い方だけは、何処の国でも一緒だ。
 この国の言葉は、もうほぼマスターしている。
 でもどちらかというとキーで打つより、喋る方が難しい。
 PC等だと変換も出来る。
 手で書くのは無理というか、必要性を余り感じない。
 だからハッテンバに行く時は、いつもそうしている。

 ドールが動かない時は、門戸さんの屋敷を離れ、ハッテンバに朝から夕方近くまでいるようにしているのだけど、ほとんどの場合、行為ができてもせいぜい4人程度だ。
 それが、今回、雄交尾してくれた人、私を弄りまくってくれた人、合わせて10人くらいにはなった。
 こんなに、入れ替わり立ち替わりの「強姦」って、初めてかもしれない。
 感激した。
 偶然、私を見て「したい気」になってくれた人があったんだろう。
 普段は私の「過激な掲示板」への書き込みと、私の東南アジア系外国人丸出しの風体のせいで、人が寄りつかないのだろうと思う。
 日本語がまだ上手く使いこなせない事も、一つの原因かも知れない。

 掲示板には私のコアな嗜好を書いている。
「ド淫乱外人Mです。○月○日(金)の朝から夕方までいます。急所(金玉)を執拗に痛めつけて、雄悶絶させて欲しいデス。あと、全身で凄く感じる身体を貪ってよがり狂わせ、ケツマンコ、口マンコグチョグチョズコズコ掘りまくって、雄汁を身体中にぶち撒いてくださいネ。あと、洗ってない雄臭の激しいペニス(キタナイのついてたら嬉しい)を顔に押しつけ、強制フェラさせられたいデス。複数で輪姦されるのも感謝。ゴーグルと赤のTバックでアナタ待ってます。」
 私がゴーグルを付けるのは、顔を隠す為ではなく、この国のハッテンバの習慣に従っているのと、昔のオタク趣味の名残だ。
 ゴーグルを付けていると少しだけだが、自分がマスクヒーローになったような気がするのだ。

 ハッテンバに、自分一人で初めて行った時には「収穫」が、さほどなかった。
 帰りの仕上げのシャワールームで、私の身体をじっとりとした視線を浴びせている体格のいい日本人がいた。
 私が、その人のことを見ると、ゆっくりと近づいてきた。
「掲示板のあの人だよね。手を出そうって思ったんだけど・・・。人少なかったよね。できた?」
「・・・少し・・・。」
「あの過激な掲示板見て、みんな“ひいちゃった”んじゃない?それに外国人でもアジア系はね。白人には劣等感、黄色人種には優越感を持ってるくせに、いざやるとなると本当はびびってる。でも君はチャーミングだよ。」などとニヤッとして言われた。

 さらに「受けだけなの?」などと聞いてくるものだから「受けは凄く沢山、タチは少しね。」と答えた。
 すると、「なんだ。じゃあ手え出せばよかったかな。俺、受けなんだけど。」と言いながらキスをしてきて、ペニスに触ってきてくれた。
 そして、「ああ。帰りの時間なんだよね。次、機会があれば。ね。」と言って、頬にキスをしてくれて私の身体から離れた。
 実際、時間が無限にあれば、その時の流れに任せたと思う。
 その人の言う通り、あんな書き込みで「引いてしまう」人が多いのかも知れないと思った。

 でも、最近、私の中に目覚めた、このどうしようもない嗜好を止める事は出来なくて、正直に書き込んでいた。
 だからこの日も、あまり「収穫は期待できないかも」と思っていた。
 それがあんなにたくさん手出しされた。
 犯された。
 特に存分に私のことを犯してくれた二人の人がいたが、「(この国で)私なんかをこんなにしてくれて」って、なにか、この上ない幸福感を味わった。
「こんな淫乱なヤツでよければ、またやられたい。」といっても、次がいつになるか・・・。
 今は門戸さんのお世話になっているが、今後の身の振り方は、美馬さんの元で働くか、国に帰るかをいずれ決めなくてはならない。

 ハッテンバは、夕方退散したのだけど、満足感と虚脱感で屋敷に向かう電車の中でクタッと寝てしまった。
 次の日も、ドールを観察しながら、ケツマンコの中で、何だかチンコの余韻がしばらく消えなかった。
 不思議なものだ。
 前は、あれほど、夢中になって出来た作業なのに、今はお仕着せの仕事のように思える。
 門戸さんに、我が儘を言って、ドールの材料を譲って貰ったのに、当の私の熱が冷めて、今はやりかけた仕事だから、やっているという感じだ。
 しかし、今、私が知ったこの喜びは、もっともっと前に知るべきだったのだ。
 これは、私の国でも十分に体験できたはずなのだ。
 門戸さんに遊びに連れて行って貰い、数回の体験だけで味をしめた。
 今では、本当の私の天命は、この世界にあったのだと思っている。
 ホントに全てから解き放たれて、犯されまくって、ずっとペニスの臭いやザーメン臭の染みついたドロドロの身体のままでいられたら、どんなにいいかと不可能なことを願ってしまう。

 その日は掲示板に予告していた通り、前日の深夜にドールへの仕掛けを終えて、ハッテンバへは午前中に入った。
 身体の準備を念入りに済ませて、まだ清掃が終わっていなかった「白い部屋」で、掲示板に書いた通りゴーグルに赤のTバックで寝待ちをした。
 暗がりに、微かに見える人の身体は官能的だった。
 ついこの間まで私は、人間の身体を醜い物と見なし、ドールを愛していたのが不思議だった。
 この国にやって来てから、私の中で起こったこの変化は何なのだろう?

 すると多分、9時を過ぎた頃だったと思う。
 人の気配がした。
 薄暗がりに、目にはゴーグルだから、その容姿ははっきり見えない。
 でも、私をジックリと観察して、「弄くってやる」っていう“気”がひしひしと伝わってくる。
 そして、私の横でしゃがみ込んだその人が、ついに触って来た。
 乳首責め。ペニス責め。上手い。
 私はどんどん淫らな声を漏らして、喘いだ。
 私は責められながら、その人のペニスに手を出した。
 手の平の中で、その形が判った。
 ・・・凄い。エラが張ってる。・・・
 「これ」で刺し貫かれると思うと、その人の絶妙な愛撫も作用して、もう耐えきれない程、勃起してしまった。

 その人は膝建ちで私の顔の方に寄ってくる。
 私はまず、そのエラの張ったペニスの臭いを嗅覚に染みこませるくらいに、目一杯吸い込んだ。
 そして、カポッとむしゃぶりついた。
「ムグググ。スゴイです。エラ張ってマス。ペニス、美味しい。」
 私がそんなこと言いながらフェラしていると、その人は絶妙な指遣いで、乳首責めとペニス弄り、さらにはケツマンコへの指責めを仕掛けてくる。
 私は「アァ、乳首・・イイです。アア。チンコいいです・・。」などと淫らに喘ぐ。
 その人のエラが私の口の中で膨張した。

 ・・・ペニス、欲しい。ズコズコ犯されたい。・・・
 そんな淫乱な欲望のままに、その人のエラの張ったペニスを唾液いっぱいにしてジュルジュルとしゃぶった。
 その人の私への乳首弄りとケツ穴弄りで、私のケツマンコも「チンコ欲しいです。チンコ欲しくて堪りません。」って泣きながら疼きまくりだった。
 指がズンズンと前立腺を刺激して、私のエロチックな気分をどんどん高める。
 ケツ穴も程よくかき回してほぐされ、ケツマンコがスケベ汁でトロトロになる。
 私の淫乱な欲望は底知らずだった。

『これ言うと、ひょっとしたら、“ひかれちゃうかも”知れない』と一瞬ためらいがよぎったが、思い切って切り出す。
「アァァ・・・金玉・・・急所・・・痛めつけて下さい・・・。」
 するとその人は、「こんな風にか?」と、私の急所をグリッと握る。
 あの、男ならではの痛みが、ズンズン襲ってくる。
 これが痛いけど、気持ちいい。
 私の勃起したペニスはビクッと反応し、固さが増す。

「アアア。イイ。アアア。急所。アアア。チンコ・・・。乳首・・・ケツマンコ・・・。イイ・・イイ。」
 散々、私の身体を弄くって、身も心も受け入れ体勢万全にした頃合いで、その人が私の股の方に移動した。
 そしてツーと、オイルを私のジュクジュクのケツマンコに垂らす。

・・・あああ。あのエラの張ったヤツが入ってくる。欲しい。・・・

 私は心の中で、叫んだ。
 すると、その人が私のアナルの口にあのエラの張った亀頭をあてがったかと思うと、ズブズブと一気に私のケツマンコの中に勃起チンコを突っ込んできた。

「ウァ。」
 私は思わず呻いて腰を少し引いた。
 待望の雄交尾に加えて、エラの張った固いチンコが一気に侵入したのだ。
 ケツ穴のいきなり開いた痛みが、私を襲った。
 ただ、その人は私の両腰骨を、ガッチリと掴んで逃さずじっとしてる。
 だから、仰け反りようもない。
 というか、もともと犯されたくて、犯されたくて、どうしようもなくて来たのだ。
 それが、念願叶って今犯されるのだ。
 だから、痛みなどすぐに消え失せた。

 そんな私の状態を理解したのだろう、その人が腰を動かし出す。
 あのエラ張り亀頭が、ゴリゴリと私のケツマンコを犯し出す。
 私は、思わずその人のケツタブを掴んで喘ぎの声を漏らしてしまう。
「アァァ。イイ。アアア。ケツマンコ・・・イィ・・・。」
 そんな私の反応に、その人は交尾を加速させたり減速させたりする。
 腰をグッと入れて、私の前立腺をグイグイ刺激する。
 私は身悶えして、よがりまくる。

 さらにその人は、乳首を弄くる、ペニスをなで回す、急所を握る。
 腰をグラインドさせて、エラ張り亀頭チンコで私のケツマンコをかき回す。
 感じまくりの私は「アア。イイ。ケツマンコ。イイ。チンコ。イイ。」などと、淫らな声を上げながら、よがり狂う。
 そして思わず、その人の首を掴む。
 その人が私に顔を近づけてキスをする。
 私も、ムチュムチュと、音を立ててその人の唇に吸い付く。
 舌が私の口の中に入る。
 私もそれに応えて舌を絡める。

 すると、その部屋の入り口に人の気配がした。
 このハッテンバのスタッフだ。
「・・・あの。この部屋、清掃するんで。別の部屋に移ってもらっていいですか。もう掃除は済んでいるんで。」との声。
 その人が私から離れて、「あっちでやろう。」と言う。
 私はもちろん、まだまだその人に犯されたかったから、ゴーグル装着に、赤いTバックを改めてはき直した恰好のまま廊下に出て、その人の後を追った。


 今度は「赤いライトの部屋」だ。
 部屋には、その人の他は誰もいない。
 私は犯されるために、布団に座っているその人の横に仰向けになって寝た。
 その人がキスをしてきた。
 顎髭と口髭が程よくあたり、私の欲情を高める。
 その人は、キス責めと同時に、乳首とチンコ責め、さらにケツ穴を指でこねくり回すのを忘れない。
 すぐさま私の赤のTバックを脱がせて、挿入。

 ズコズコヌチョヌチョ、いやらしい雄交尾の音が部屋に響き渡る。
 それに私の「アア。アア。イイ。イイ。ケツマンコ。アア。イイ。」などという喘ぎの声も響き渡る。
 いつの間にか、ギャラリーが2・3人、私たちの雄交尾の周りに集まっている。
 何しろ、雄の感じるところを熟知したテクニックだ。
 私は燃え尽きるように悶え、その熱がギャラリーを吸い寄せるのだろう。 
 ギャラリーを得て、そのテクニックはますますさえ渡り、しかも、時々私のコアな嗜好の急所責めも織り交ぜてくれる。
 何度も何度もキスをする。
 欲情はますます高まる。
 淫らな声を上げまくり、感じまくりの中、多分30分以上の雄交尾の果てに、その人が、「イク。」と言うや否や、グイッと私のケツマンコの中でドクドクっとザーメンを放出して、私達の交尾はしばらく静止状態になった。

 ・・・私。犯されたんだ。凄く嬉しい。・・・
 幸福感で思わずその人にキュッと抱きついた。
 そしてキス。
 マッタリと互いの身体を触り合ったり、唇を重ね合ったりした後、その人が二人の身体に毛布を掛けた。
 私に腕枕を差し出してきたので、その人のチンコを握ってその腕枕に身を任せた。
 まだその人に犯されたいと思った。
 髭が私の額に当たって、それが程よく心地よい。
 しばらくすると、その人の身体の力が抜けてきた。
 深い眠りに陥ったみたいだ。

 ・・・私を犯すために全力を出してくれたんだ・・・
 私は、自分のケツ穴に指を当ててみた。
 指先にヌルヌルとしたその人の雄汁が付着した。
 私はそのネバネバを鼻に近づけ、臭いを吸い込んだ。
 さらに自分の鼻の穴の周りに塗りつけた。何という幸福感・・・。
 私はその人の身体にぴったりと寄り添って、その人が“蘇生”して、また犯してくれるのを待ち望んだ。

 でも激しい雄交尾の程よい消耗と、犯されたという満足感からか、そのうち私もウトウトし出した。
 ウトウトして2、3分も経っただろうか。
 横向きに寝ていて自然とケツが毛布から突き出している恰好だったからだろう、誰かが私のケツに指を2本3本と突っ込んで、こねくり回しているのに気づいた。

 この部屋は「赤いライトの部屋」だ。
 このハッテンバでは「フィスト部屋」としても知られている。
 私は、フィストプレーはNGだが、まだそれが“始まったばかり”なのをよいことに、そのケツ穴責めにしばらく身を任せることにした。
 人差し指と中指をズルッとケツマンコに突っ込まれる。
 クチュクチュと腸壁を擦り、時々ズイズイと前立腺を責め立てられる。
 そして、時々、人差し指と中指をパッと横に開いて私のケツ穴を広げようとしている。
 それが「痛い」と感じる寸前のところまで続く。

 ・・・あああ。この人、フィストやる気だ。危ない。でも、悪くない・・。・・・
 “未体験ゾーン”に、このまま踏み込んで行くかどうかわからないが、その人のテクニックに身を任せることにした。
 私は最初に犯してくれた人の腕枕から少し離れ、布団から出てTバック姿を晒した。
 最初に犯してくれた人は、それでもスヤスヤと深い眠りに入ったままだ。
 すると、そんなアナル責めを見ていたギャラリーの一人が、膝立ち歩きで私の顔の処までやってきて、身をかがめた。
 その股間を触ると、その人のペニスは半立ち状態だ。
 私は躊躇なく、そのペニスにカプッとむしゃぶりついた。
 その人もフェラされたい、私もフェラしたい。
 あうんの呼吸みたいなものだ。このあうんに国境はない。
 私の口の中で、ムクムクと膨れあがるもう一人の男のペニス。
 ケツマンコを指で解され、チンコを弄くりまわされて身悶えしてしまう私。
 二人がかりの強姦。

 と、私がフェラしている男の様子が少しおかしい。
 腰を引き出して、どうも、私のケツマンコに指責めしている男にモーションをかけているみたいだ。
 やがて、私のケツマンコを責めている男は、私がフェラしている男のケツマンコも同時に指で犯すようになった。
 そして、ついには私に強制フェラをさせている男が、私のケツマンコを犯している男を奪うような恰好で、二人の乳繰り合いに突入してしまった。
 ちょっぴり悔しい気分もなくはなかったが、未体験のフィストをされずに済んだ安堵感を同時に抱いた。

 最初に犯してくれた髭の人は、まだ熟睡中だ。
 私は、身も心もまだまだ犯されたくてしょうがなかったから、その部屋を出ることにした。
 ただ、もちろんまた戻って来た時、最初の髭の人が起きていたら、また犯してもらおうと思っていた。
 部屋を出る時に、私のケツマンコを弄っていた男が、ジッと私のことを見ながら、別の男を犯していた。
 ・・・きっと、後から来た男がいなければ、私を犯してくれる気だったのかな・・・などという、多少の未練を残して、私は部屋を出た。


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