私のお猫さま 25歳を迎えて猫又さまになりました

月見こだま

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第三部

幕間:猫又と猫又食いの遭遇

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 ――本当はお別れなんてしたくなかった。ずっと一緒にいたかった。お母さんも、お父さんも、お姉ちゃんたちも、お兄ちゃんも、大好きだから。でも、僕はみんなの命を食べてしまうと聞いて、怖くなった。
 みんなが無事なら、お別れぐらい大したことないと思った。
 でも、一年が経って、体質のコントロールが少しずつ出来るようになった。
 もしかすると、お別れしなくてもよかったのかもしれない。
 あの時、黒猫は教えてくれたのに。
 お別れだけが全てじゃないって、言ってくれたのに。
 こわくて、こわくて、それだけでお別れを選んでしまった。

 僕が死んだのだと聞いて、みんなは泣いていた。
 本当は生きているのに。僕は、みんなの前から消えてしまったんだ。

(……会いたい)

 猫又に寿命はないんだって、黒猫が言った。妖力が尽きないと、死ねないって。だけど、猫又の妖力が尽きるには時間がかかるとも言っていた。

(こんなことなら、ただの猫としてお別れしたかったな)

 本当に死んでしまえば、みんなの涙を見なくてもよかった。
 僕も、こんなにみんなに会いたくなるなんてことはなかった。

(……会いに行ってみようかな)


 満月の綺麗な夜。
 僕は、家を飛び出した。外からの侵入には強い結界も、中から外に出る分には弱い。

 一目でいいから、家族の顔を見たかった。忘れられるのは悲しいけど、幸せに笑っていてほしい。


 飛び出て、家を探す。みんなと暮らした家。においは覚えてる。

 くん、くん、と鼻を鳴らす。二本のしっぽを揺らして、においの元へ――


「――お前」


 僕の上に、男の子の声が降りかかった。ぞっと毛が逆立つ。僕がお兄ちゃんと出会ったぐらいの大きさなのに、とても怖かった。




 金色が光る。


「黒猫のにおいがするな」


 男の子には、があった。

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