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第四章
ディギルの下水道5
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化物同士の戦いが繰り広げられる。
勝負は剣技で勝るシグルドに分があった。魔剣は怪物の鱗を切り裂き、何度も傷を負わせている。対してシグルドには傷は一切付いていない。狭い場所で大剣を振り回すなど困難だが、刃だけでなく、柄、鞘、拳、脚――全てを使いこなして流れを傾けていく。
しかし、怪物は倒れない。致命傷になる魔剣の一撃のみに集中し、鱗や肉は断たれるものの骨まで到達する前に反撃を繰り出してくる。
それもただこちらの攻撃に合わしてくるのではなく、確実に急所を狙って攻撃してくる。首、心臓、頭――致命傷になる部分ばかりを狙っている。
「…………」
剣を逆さに持ち、柄で怪物の腹を突く。反撃として爪が頭を狙ってくるが、顔を横に逸らすことで回避する。
間合いも刃渡りも把握していれば、鎧を切り裂く爪も当たらなければ意味がない。どれだけ、弱点を狙おうとも無駄なのだ。
腹に突き刺さった柄で怪物が大きく後退する。
仕切り直し――――後退した怪物は、正面に立つシグルドをジッと見詰めており、柄を叩き付けられた箇所を擦っている。
痛みに耐えている。という様子ではない。損害の確認。そして、これまでの戦いから相手に勝利するにはどうすれば良いかを考えていると言った方がしっくりくる。
「魔物の頂点に君臨するアイツの力を持っていて様子見か……」
目の前の怪物――いや、怪物になってしまった元人間。どんな理由でそうなったのかは分からないが、黒竜の力を持つ元人間を見ながら呟く。
それを人間と判断したのは衣服と所々にある人間の面影だ。蜥蜴のような顔をしているが、よく見れば顔の一部は人間の皮膚のままであるし、柄で腹を殴った感触からして全身がまだ鱗に覆われている訳ではないらしい。
「(しかし、分からないな。 どうしてあの劣化されたものとは言え、黒竜の力を扱える?)」
あの黒竜が人間に力を分け与えるなどありえないし、あの黒竜の在り方とは合わない気がする。
竜は他に並ぶものがいないからこそ尊大であり、傲慢であり、孤高な存在。自らが奉仕されることはあっても分け与えようという考えそのものがない。
特にあの黒竜にはそれが強かった。
自分の存在が唯一無二であると知っており、他の生命体など取るに足らない下郎であり、並び立つものがいることなど許さなかった。
だから、黒竜が他の生命体に力を分け与えることなど信じられない。恐らくそんなことをするのは第三者。
「(……少しばかり調べる必要が出てきたな)」
この街に何かがあるのは確か――首だけを持ってくるのではなく、遺体を持って来いと言われたことも今更ながら怪しさを感じる。
「面倒なことになったな」
「アンタが受けようって決めたことじゃない。 それに倒せない相手じゃないでしょ。 さっさとやりなさいよ」
シグルドの呟きにガンドライドが口を出す。
倒せる相手だというのに、敵を前にしても気を散らしているシグルドにガンドライドは苛ついていた。
最愛の人から離れ――本体は傍にいるが――入りたくもない場所に足を運んでいる。一刻も早く抜け出したいのに、怪物はそれ程強くなく、シグルドがピンチになることもなければ、シグルドも魔物を早く倒そうとはしない。
こんな状況では、苛ついても仕方なかった。
「悪かったよ。 直ぐに終らせる」
容赦しているつもりはなかったが、思考に気を取られていたのは確かだ。息を吐き出し、思考を切り替える。
知りたいことが増えたし、もしかしたら厄介な依頼に手を付けてしまったのかも知れないが、手がかりすらない状態では考えても意味がない。
考えるのは怪物を倒してから……そう考えて剣を構える。
所々、人間の面影が残っている怪物。少し前であれば人の思考回路を残していただろうが、人間を襲い、今も隙があれば襲いかかろうとする元人間は、完全に怪物になってしまっている。
これ以上被害者が出ないためにも、殺さなければならない。
「――――」
――最短、最速で怪物の首を切り落とす。
最初に動いたのはシグルド。ここは下水道――幅は狭いため、横薙ぎの一閃は悪手であるが、碌な障害物もなく、一直線で暗いだけの場所だ。怪物の放つ黒竜を連想させる圧は他の生物を寄せ付けず、邪魔をするものもいない。
この場において、策略は無用。正面衝突しか道はない。
「■■■■■■■■!!」
接近するシグルドを牽制するような咆哮。下水道の壁を震わせ、その咆哮は外まで響いた。しかし、シグルドにとっては関係ないこと。顔色一つ替えずに、脚を踏み出し、怪物へと接近していく。
「――!!」
怪物の爪と魔剣がぶつかり、火花を散らす。
相手の間合いが分かっているのは怪物も同じ。ただの単純な上段からの一撃を見過ごすはずがなかった。
魔剣を弾いた反対の爪を立て、心臓に狙いを定める。
爪を防ぐことができる装甲もなければ、弾かれた魔剣も間に合わない。無理矢理防御しても狭い下水道では壁にぶつかって禄に振れはしない。
怪物が、勝利を確信する。
「――――」
怪物の腕が心臓を抉り取ろうと伸びてくる。回避も防御も間に合わない。しかし、それは想定済みだった。
一度弾かれた魔剣を持ち直すとシグルドはそのまま横に薙ぎ払う。当然こんな狭い場所で魔剣を横に振るえば、壁が邪魔になってしまう。
狭い場所で戦うにはそれに合った得物を持つべきであり、大剣や槍などを使用してもその用途は限られるし、一つでも間違ってしまえば、隙に繋がり命を落とす。
普通であれば――だ。
「うっへぇ……力技かよ」
常識をぶち壊すように腕を振るって、壁を切り裂き、怪物の首を両断する。後ろから呆れた声が耳に入るが、いちいち反応はしない。むしろ、その通りであるからだ。
壁が邪魔になるから上段か下段、突きしか手札がない。ならば、どのように攻めていくか普通は考えていくはず。シグルドだって最初はそうやって戦っていた。
手段を取ったのは警戒に警戒を重ねたためである。
理性はなくとも知性はあるように見える怪物。常に学習をしながら、戦っている間にも強くなっていった怪物を確実に討伐するための一手。
壁を壊したことを怒られたら謝ろう。許してくれるはずだ……たぶん。
粉塵と共に怪物の首が飛び、壁や天井に弾んでいく。血を吹き出しながらクルクルと回転する怪物の首は中々刺激的な絵だ。
ドボン!!と音を立てて首と体が下水に沈んでいく。
「やっと、終ったわね」
やっとここから出られると思っているのだろう。その声色は少しばかり明るかった。
――そう、終った。街の治安と人々を脅かしてきた怪物を討伐することはできた。しかし、あの黒竜の力を使用する人間。一体どうしてああなったのか、誰がこんなことをしたのか、そもそも何故こんな場所にいたのか、様々な疑問が残ってしまった。
「ちょっと、何処行くつもりよ」
不意に歩き出したシグルドに向かってガンドライドが声を掛ける。依頼は終った。ならば、後は外に出て帰るだけなのに、一体何処へ向かおうとしたのか気になったのだ。しかし、次の瞬間には、声を掛けたのを後悔した。
「すまん。 俺はこいつが何処から来たのか調べてみるよ。 お前は先に死体を持って上に行っていてくれ」
「はぁ!?」
素っ頓狂な声が響く。
この男、乙女に下水の中に浸る怪物の死体を一人で持ち運べと言ってきた。そういうのは男の仕事ではないのか、と怪物の死体を見下ろしながら罵詈雑言が頭の中を埋め尽くす。
「そういうのは男の仕事だろうがっ」
「それじゃあお前が調べてくれるのか?」
「どっちも嫌だ!!」
「……我が儘すぎるぞ」
長居したくないだろうからと気を利かせたつもりなのだが、断られてしまう。絶対に嫌と拒絶の意を示すガンドライドは折れてくれそうにもない。こうなっては自分が外に運ぶしかないのかもしれない。
溜息を吐きながら、どう説得したものかと頭を悩ませた時だった。
前から、後ろから—— あの怪物が放っていたのと同じ火球が迫ったのだ。
勝負は剣技で勝るシグルドに分があった。魔剣は怪物の鱗を切り裂き、何度も傷を負わせている。対してシグルドには傷は一切付いていない。狭い場所で大剣を振り回すなど困難だが、刃だけでなく、柄、鞘、拳、脚――全てを使いこなして流れを傾けていく。
しかし、怪物は倒れない。致命傷になる魔剣の一撃のみに集中し、鱗や肉は断たれるものの骨まで到達する前に反撃を繰り出してくる。
それもただこちらの攻撃に合わしてくるのではなく、確実に急所を狙って攻撃してくる。首、心臓、頭――致命傷になる部分ばかりを狙っている。
「…………」
剣を逆さに持ち、柄で怪物の腹を突く。反撃として爪が頭を狙ってくるが、顔を横に逸らすことで回避する。
間合いも刃渡りも把握していれば、鎧を切り裂く爪も当たらなければ意味がない。どれだけ、弱点を狙おうとも無駄なのだ。
腹に突き刺さった柄で怪物が大きく後退する。
仕切り直し――――後退した怪物は、正面に立つシグルドをジッと見詰めており、柄を叩き付けられた箇所を擦っている。
痛みに耐えている。という様子ではない。損害の確認。そして、これまでの戦いから相手に勝利するにはどうすれば良いかを考えていると言った方がしっくりくる。
「魔物の頂点に君臨するアイツの力を持っていて様子見か……」
目の前の怪物――いや、怪物になってしまった元人間。どんな理由でそうなったのかは分からないが、黒竜の力を持つ元人間を見ながら呟く。
それを人間と判断したのは衣服と所々にある人間の面影だ。蜥蜴のような顔をしているが、よく見れば顔の一部は人間の皮膚のままであるし、柄で腹を殴った感触からして全身がまだ鱗に覆われている訳ではないらしい。
「(しかし、分からないな。 どうしてあの劣化されたものとは言え、黒竜の力を扱える?)」
あの黒竜が人間に力を分け与えるなどありえないし、あの黒竜の在り方とは合わない気がする。
竜は他に並ぶものがいないからこそ尊大であり、傲慢であり、孤高な存在。自らが奉仕されることはあっても分け与えようという考えそのものがない。
特にあの黒竜にはそれが強かった。
自分の存在が唯一無二であると知っており、他の生命体など取るに足らない下郎であり、並び立つものがいることなど許さなかった。
だから、黒竜が他の生命体に力を分け与えることなど信じられない。恐らくそんなことをするのは第三者。
「(……少しばかり調べる必要が出てきたな)」
この街に何かがあるのは確か――首だけを持ってくるのではなく、遺体を持って来いと言われたことも今更ながら怪しさを感じる。
「面倒なことになったな」
「アンタが受けようって決めたことじゃない。 それに倒せない相手じゃないでしょ。 さっさとやりなさいよ」
シグルドの呟きにガンドライドが口を出す。
倒せる相手だというのに、敵を前にしても気を散らしているシグルドにガンドライドは苛ついていた。
最愛の人から離れ――本体は傍にいるが――入りたくもない場所に足を運んでいる。一刻も早く抜け出したいのに、怪物はそれ程強くなく、シグルドがピンチになることもなければ、シグルドも魔物を早く倒そうとはしない。
こんな状況では、苛ついても仕方なかった。
「悪かったよ。 直ぐに終らせる」
容赦しているつもりはなかったが、思考に気を取られていたのは確かだ。息を吐き出し、思考を切り替える。
知りたいことが増えたし、もしかしたら厄介な依頼に手を付けてしまったのかも知れないが、手がかりすらない状態では考えても意味がない。
考えるのは怪物を倒してから……そう考えて剣を構える。
所々、人間の面影が残っている怪物。少し前であれば人の思考回路を残していただろうが、人間を襲い、今も隙があれば襲いかかろうとする元人間は、完全に怪物になってしまっている。
これ以上被害者が出ないためにも、殺さなければならない。
「――――」
――最短、最速で怪物の首を切り落とす。
最初に動いたのはシグルド。ここは下水道――幅は狭いため、横薙ぎの一閃は悪手であるが、碌な障害物もなく、一直線で暗いだけの場所だ。怪物の放つ黒竜を連想させる圧は他の生物を寄せ付けず、邪魔をするものもいない。
この場において、策略は無用。正面衝突しか道はない。
「■■■■■■■■!!」
接近するシグルドを牽制するような咆哮。下水道の壁を震わせ、その咆哮は外まで響いた。しかし、シグルドにとっては関係ないこと。顔色一つ替えずに、脚を踏み出し、怪物へと接近していく。
「――!!」
怪物の爪と魔剣がぶつかり、火花を散らす。
相手の間合いが分かっているのは怪物も同じ。ただの単純な上段からの一撃を見過ごすはずがなかった。
魔剣を弾いた反対の爪を立て、心臓に狙いを定める。
爪を防ぐことができる装甲もなければ、弾かれた魔剣も間に合わない。無理矢理防御しても狭い下水道では壁にぶつかって禄に振れはしない。
怪物が、勝利を確信する。
「――――」
怪物の腕が心臓を抉り取ろうと伸びてくる。回避も防御も間に合わない。しかし、それは想定済みだった。
一度弾かれた魔剣を持ち直すとシグルドはそのまま横に薙ぎ払う。当然こんな狭い場所で魔剣を横に振るえば、壁が邪魔になってしまう。
狭い場所で戦うにはそれに合った得物を持つべきであり、大剣や槍などを使用してもその用途は限られるし、一つでも間違ってしまえば、隙に繋がり命を落とす。
普通であれば――だ。
「うっへぇ……力技かよ」
常識をぶち壊すように腕を振るって、壁を切り裂き、怪物の首を両断する。後ろから呆れた声が耳に入るが、いちいち反応はしない。むしろ、その通りであるからだ。
壁が邪魔になるから上段か下段、突きしか手札がない。ならば、どのように攻めていくか普通は考えていくはず。シグルドだって最初はそうやって戦っていた。
手段を取ったのは警戒に警戒を重ねたためである。
理性はなくとも知性はあるように見える怪物。常に学習をしながら、戦っている間にも強くなっていった怪物を確実に討伐するための一手。
壁を壊したことを怒られたら謝ろう。許してくれるはずだ……たぶん。
粉塵と共に怪物の首が飛び、壁や天井に弾んでいく。血を吹き出しながらクルクルと回転する怪物の首は中々刺激的な絵だ。
ドボン!!と音を立てて首と体が下水に沈んでいく。
「やっと、終ったわね」
やっとここから出られると思っているのだろう。その声色は少しばかり明るかった。
――そう、終った。街の治安と人々を脅かしてきた怪物を討伐することはできた。しかし、あの黒竜の力を使用する人間。一体どうしてああなったのか、誰がこんなことをしたのか、そもそも何故こんな場所にいたのか、様々な疑問が残ってしまった。
「ちょっと、何処行くつもりよ」
不意に歩き出したシグルドに向かってガンドライドが声を掛ける。依頼は終った。ならば、後は外に出て帰るだけなのに、一体何処へ向かおうとしたのか気になったのだ。しかし、次の瞬間には、声を掛けたのを後悔した。
「すまん。 俺はこいつが何処から来たのか調べてみるよ。 お前は先に死体を持って上に行っていてくれ」
「はぁ!?」
素っ頓狂な声が響く。
この男、乙女に下水の中に浸る怪物の死体を一人で持ち運べと言ってきた。そういうのは男の仕事ではないのか、と怪物の死体を見下ろしながら罵詈雑言が頭の中を埋め尽くす。
「そういうのは男の仕事だろうがっ」
「それじゃあお前が調べてくれるのか?」
「どっちも嫌だ!!」
「……我が儘すぎるぞ」
長居したくないだろうからと気を利かせたつもりなのだが、断られてしまう。絶対に嫌と拒絶の意を示すガンドライドは折れてくれそうにもない。こうなっては自分が外に運ぶしかないのかもしれない。
溜息を吐きながら、どう説得したものかと頭を悩ませた時だった。
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