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はじめての*

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 俺達は今、とある旅館にやってきてチェックインの手続きをしている。
 ことの発端は、突然やってきた義理の母の一言だった。

「そういえば、ゆずちゃん達、新婚旅行行ってないんじゃない?」

 二人で顔を見合わせて頷いた。

「行ってきたら?響介さんお休みできる?」

「いやー、まぁ長期は難しいかと……」

「そうなの?じゃあ近場かしら?ハネムーンベビーって素敵じゃない?」

 飲んでいたお茶を二人して変なところに入れてゲホゲホと咳き込む。想いを伝えた日からだいぶ経つけれど、まだキス止まりでセックスはしていない。かわいいゆずを前にすると抱きたいという想いはものすごいのだが、それ以上に大切にしたい、傷つけたくないという想いが強すぎて手が出せない。

「お土産楽しみにしてるからね」

 そう言われると行かないわけにはいかず、ゆずと二人でどこに行こうかと話し合って、近場の温泉に行くことを決め、今に至っている。

 部屋に案内されて一息つく。

「お部屋に温泉あるけど、大浴場行ってみる?」

「え、ゆずの裸他の人に見せんの嫌なんだけど」

「あっ、そうなんだね」

 めちゃくちゃ自然に重い発言をしてしまった。

「ごめん、行きたかったら行こう」

「ううん、いい。僕も嫌だし」

 なんとなく、今日が初エッチの日になるんじゃないかと意識してしまってぎこちなくなってしまう。

「夕食まで時間あるし外ブラブラする?」

「うん、そうだね」

 外に出ると土産物屋が軒を連ねていて歩いているだけでも楽しい。

「お義母さんに何か買って帰らないと。あとお義姉さんのところも」

「甘い物好きだからな。どうしよう。姉さんのところは桃ちゃんいるしな。響介さんのご実家にも買っていかなきゃ」

「うちは別にいいよ」

「今度遊びに行くし」

「また?」

「うん」

 ゆずは時々俺の実家に足を運び、母親に料理を教わっている。何故か母と仲が良くて、時々冷蔵庫に一緒に作ったという料理が入っていたりする。良好な関係を築いてくれているのは嬉しいが、アルバムを見せてもらったとか響介さんの昔話を聞いたなど気になることを時々言うから気が気でない。

「温泉饅頭にしようかなー」

 温泉饅頭の箱を手に取り首を傾げるゆず。

「まぁ、いろいろ見たらいいんじゃない?」

「そうだね。そうする」

 いい匂いにつられて少し買い食いしたり、自分達用にもお土産を買ったりして楽しい時間を過ごす。

「旅行って楽しいね」

「また違うところにも行ってみる?」

「行きたい!」

「俺も行ったことないとこたくさんあるからなー」

「二人でいろんなところに行きたいね」

 微笑むゆずがあまりにもかわいくて、人気のない路地裏に連れ込んでキスをした。

「外でキスするなんて……」

「ごめん、つい」

「いいけど……」

 赤く染まるゆずの顔を眺めていると、股間が熱を持ちそうになり慌ててしまう。早くめちゃくちゃ抱きたい。

「ゆず、そろそろ戻る?」

「うん。そうだね」

 手を繋いで旅館までの道を歩く。妙に緊張してしまって言葉が出てこない。

「夕食は部屋で食べるんだよね?」

「うん、そうだよ」
 
「楽しみだなー」

 楽しそうに笑うゆずを見て欲望にまみれた自分が少し恥ずかしくなる。

 部屋についてしばらくすると料理が運ばれてきた。量が多くて「食べ切れるかな……」と不安そうにするゆずに「食べられなかったら俺が食べるよ」と声をかけると安心したような顔をした。
 新鮮な刺身が特に美味しくて、あっという間に平らげた。ゆずもたくさん食べていて「お腹いっぱいで動けない」と言ってお腹を擦っている。
 いいタイミングで片付けてもらって、微妙な空気が漂う。

「先にお風呂入る?」

「一緒に入る?」

「えぇ!?」

「冗談だよ。じゃあ先に入ろうかな」

「うん……」

 部屋についている露天風呂からは外の景色を眺めることができると書いてあったが、暗くてなにも見えない。ふと上を見上げると星が瞬いていて目を奪われる。こんなに星を見ることなんてない。ゆずにも教えてあげよう。そう思っていると扉が開く音がした。振り返ると腰にタオルを巻いたゆずが立っていた。

「ゆず、どうしたの?」

「……やっぱり一緒に入りたくて。体洗っちゃうね」

「あぁ、うん」

 めちゃくちゃ見たい気持ちを抑えてまた星空を眺める。洗い終わったのか、ゆずが湯船の中に入ってきた。

「ゆず、上見て」

「上?……うわ、すごい!」

「だろ?」

「こんな星空を見たの初めてだよ。すごくきれいだね」

「だよなー。俺も初めて見た」

「一緒に見ることができて嬉しい」

 熱で上気するゆずの頬に触れ、顔を寄せて唇を重ねた。唇を離すと少し潤んだ瞳で見つめられて堪らない気持ちになる。

「ゆず、この後抱いてもいい?」

 恥ずかしそうに頷くゆずの額に口付けた。二人で一緒に湯船から出て、何となく浴衣を身に着けて部屋に戻る。ベッドに腰を下ろしてゆずを抱きしめた。

「怖くない?大丈夫?」

「平気だよ。ずっと響介さんに抱いてほしいと思ってたもん」

「かわいい事言わないで。歯止めが効かなくなる」

 見つめ合って唇を重ねる。何度も何度も口付けを交わした。

「ゆず、口開けれる?」

 少し開いた口の隙間から舌を侵入させた。ゆずの口腔内を味わうように歯列をなぞり、舌を絡ませる。夢中で貪っていると力が入らなくなったのか、ゆずがしがみついてきた。唇を離すと目がトロンとしていてまた火がついた。押し倒してゆずに覆いかぶさり、お風呂上がりでしっとりした首筋に唇を這わして、浴衣の隙間から手を入れてゆずの乳首に触れた。その瞬間「アッ……」とかわいい声が漏れて、もっと聞きたくなった俺は、浴衣の帯を解いてゆずの上半身を露わにさせた。乳首に吸い付きながらもう片方の乳首を弄る。漏れる喘ぎ声が堪らなく唆る。
 手をゆずの股間に持っていくと勃ちあがり少し濡れていて、布越しに擦りながらゆずの反応を伺う。パンツの隙間から手を入れて直接触れるとまたゆずが声を上げた。

「ゆず、腰浮かせて」

 言われた通りに腰を浮かせるゆずのパンツを脱がせた。浴衣も邪魔になって引き抜いた。一糸まとわぬゆずの姿に思わず見惚れてしまう。このきれいな体を俺のものにできる。興奮が抑えられなくて、ゆずの勃ちあがったものに触れて上下に扱き始めた。ゆずのお尻の孔から蜜が溢れだして、早く挿れたい気持ちが膨れ上がる。

「アッ……ヤダ……きょうすけさ……出そう……」

「出していいよ?」

「アアッ……ンン……アッ――……」

 勢いよく精液が迸り、俺の手とゆずのお腹にかかった。あぁ、すごくエロい。

「ゆず、こっちも触っていい?」

 お尻の孔に手を這わせるとコクリと頷いた。指を挿し入れる。ゆずが感じるところがあるはず……。指を動かして中を探る。徐々に指を増やしていき、3本余裕で喰い込むようになった。しこりのようなものに触れた時に、ゆずの体が大きく跳ねた。見つけた。入念にそこを擦る。

「アッアッ……そこヤダ……おかしくなっちゃう……アァン……」

 指だけでイケるのかな?いや、俺のを挿れてからイッてほしい。もうそろそろいけるかな。
 
「ゆず、俺のを挿れるから」

 涙目のゆずにそっと囁く。

「きょうすけさん……キスして?」

「いいよ」

 キスをしながらゆずの孔に俺の亀頭をくっつけて、ゆっくりと中へ入っていった。暖かくて包みこまれるような何とも言い難い心地よさが俺を襲う。動きたくなるのを我慢してじっくりと俺のものを馴染ませる。

「ゆずの中気持ちいい」

「ほんとに……?」

「本当だよ。ゆずのことももっと気持ちよくさせたい」

「え……まだ気持ちよくなっちゃうの……?」

「そうだよ。いっぱい気持ちよくなって?」

 少しずつ律動を開始すると、ゆずの表情がだんだんと甘やかなものに変わる。さっき感じていたところに当たったようでまた大きく反応した。

「アッゥ……ヤァ……そこ……ヤダァ……」

「なんで?ここゆずが好きなとこでしょ?」

「頭の中真っ白に……なっちゃう……アァ゙ッ――」

 ゆずが感じてくれると嬉しい。一度引き抜くと「きょうすけさん?ヤダ、やめないで……」とかわいい事を言うゆずに、四つん這いになって?とお願いする。突き出されたお尻の孔にまた突っ込んで責める。腰を掴んでガンガン腰を突き動かすとゆずが嬌声を上げた。ゆずはどの体位が好きなんだろう。いろいろ試してみたくなって、寝バックをした後、一旦騎乗位にして、対面座位でもしてみた。乱れるゆずがかわいくて仕方がない。何度もイッてるのか、中の締め付けが半端ない。「ゆず、愛してるよ」そう囁かずにはいられなかった。愛おしい、この世界で誰よりもゆずが愛おしい。何度も「愛してる」と囁きながら腰を振る。喘ぎ声の間に「ぼくも……あいしてる……」とゆずが返してくれて、さらに気持ちが高揚する。

「ゆず、もうイキそう」

 激しく腰を打ち付けながら高みへと駆け上がる。思いっきり奥まで突いて、ゆずの中に精を吐き出した。俺の精液とゆずの愛液が混ざり合って少し動くと卑猥な音がした。もう少しゆずの中にいたくて、抜かずにゆずに話しかける。

「ゆず、大丈夫?痛くない?」

「全然。幸せ過ぎておかしくなりそう」

「よかった……俺もすごく幸せ」

 そっと口づけを交わす。ゆずに幸せだと言ってもらえて心の底から喜びを感じる。

「またしてくれる?」

「当たり前じゃん。何回もしたいもん」

「嬉しい」

「今日ももうちょっとしたいんだけど?」

「えっ、あっ、響介さんの大きくなってる」

「あっ、バレちゃった?」

「だってまだ入ってるもん……」

「ゆずー、いい?」

「断れないよ……いっぱい愛して?」

「あぁ、それ可愛すぎ」

 我慢できなくなった俺は初めてだというのに、何度も何度もゆずの中に精液を注ぎ込み、白い体に赤い印を刻みつけた。俺をこんなにも昂らせるのはゆずしかいない。

「ゆず、シャワー浴びれる?」

「うん……」

 微睡みそうになっているゆずに声をかける。流石に精液まみれのまま寝かせるわけにはいかない。ゆずを抱きかかえて、浴室に運び体を流してあげた。されるがまま状態のゆずの体を拭いてやると、手を伸ばしてきた。

「連れてって」

 そんな事を言って甘えてくれるんだと密かに感動する。

「仰せのままに」

 抱きかかえてさっき使ったのとは別のベッドにそっとおろした。隣に寝転ぶと、俺の胸に顔を埋めて、すぐに寝息を立て始めた。疲れさせちゃったか。
 眠るゆずをそっと抱きしめて俺も目閉じるとあっという間に夢の中に落ちていった。
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