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第七章 変わりすぎた日常
50話 変わり過ぎた日常とこれから
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多分アキラさんはこの時間なら冒険者ギルドにいるだろう。
そう思って行ってみるとどうやら今日はいなかったみたいで、受付でギルド職員の研修を担当しているアンに聞いて見ると――
『……彼なら今日は寮にいるって言ってたけど?』
と言われて寮の方に行って見るとそこにもいない。
なら何処にいるのだろうかと思って周辺を探して見るとどうやら森の方で声がする。
もしかしてそこにいるのかもと近づいて見ると……
「……取り合えず説明した通りだけど、改めて兄貴はどうするの?皆は協力してるみたいだけど」
「アレに協力する事が出来ない、今の私には少なからずこの世界に可能性を見出しているからな、それよりもミコトお前はどうなんだ?、貴様なら正しい判断が出来ると信じたから従うとは言ったがどうするか決めたのか?」
「私は悪いけどどっちにもつかないって決めた、奇跡の力を利用する為に何年も教会に幽閉した教会の人達を恨んでいないと言ったら嘘になるけど、それ以上に私の存在理由である命ある存在を守りたいという気持ちには嘘を付けないかな、例えそれがシャルネ様が相手だとしても考えを変える事が出来ないよ」
この声の主はアキラさんとその妹である、Sランク冒険者【教皇】ミコトだ。
それに話の中に出て来たシャルネに協力するしないって言うのはどういう事だろうか……、取り合えず内容が気になるから隠れて聞いていようかな、もしかしたら色々と情報が得られるかもしれない。
「そうか、なら貴様はそれでいい……、ミコトならそう言うと思っていたし、お前はそういう奴だからな」
「何それ、最初から私は分かってましたって?、ほんとそういう所気に入らないしだいっきらい……、でも私の気持ちを分かってくれた家族は兄貴だけだもん、だからありがとお兄ちゃ……誰?そこで立ち聞きしてるのは?出て来ないと怒るよ?」
ミコトがこっちに向かって視線を送ると手元に魔力を集めて黒い球体を作り出す。
これは直ぐに出て行かないとまずい事になりそうな気がして姿を現そうとすると……
「魔力の波長で分かるが、そこにいるのはレースだろ?立ち聞きするのは良くないと言いたいが……、貴様の知りたい事はここにはないぞ?」
「……レース?久しぶりじゃん、ミコトちゃんに会いたくなっちゃった?」
「ごめん、声が聞こえたから気になって近づいたら出るタイミングが分からなくなっちゃって……」
「ふぅーん?、まぁ別にいいけど……、でもシャルネ様の名前が出た時に殺意みたいな物が溢れるのは良くないんじゃない?私と兄貴だったから良かったけど、他の人だったらあんた死んでても文句言えないよ?、まぁいいけどさぁ……、で?あの人との間に何があったのか聞かせてくれない?隠れて聞こうとしたって事は余程の事情があるんでしょ?」
「確かに私も気になるな……、話してみろ何があった?」
……この二人になら話しても大丈夫な気がする。
ストラフィリアに居た時に会った事と、ソフィアとの契約を利用して話す事が出来るようになったマリステラの事を伝えると難しい顔をして何やら考えこんでしまう。
そして何をしているのか二人で見つめ合って何かを身振り手振りで何かをしていると、アキラさんが通信端末を取り出して1の数字を押して……
「団長私だ……、マスカレイドの件についてだが有力な情報を得た為、これからSランク冒険者【教皇】ミコトの協力の元、彼女に協力者の下に潜入して貰い情報を流して貰う事になった」
「という事だからレース、私は今からシャルネ様の所に行く事にしたから、味方としてはもう出会う事は無いだろうけど宜しくね」
「それってどういう……?」
「必要あれば敵としてあなた達の前に立って戦うって事、まぁ兄貴達がいたら大丈夫だと思うけど死んだりしたら許さないから頑張ってね?」
そう言うとミコトは背中から白い翼を生やして何処かへと飛び立っていく。
「何?、貴様それを本気で言っているのか?、まて私の話はまだ終わっていない……、切れたか」
「アキラさん?」
「……気にするなと言いたいが必要な事だからレースにも伝えておこう、私と他の二名の最高幹部を含めた三名に任務として、東の大国【メイディ】に潜伏している元Aランク冒険者【紅獅子】ケイスニル・レイフと【死人使い】ルード・フェレスの討伐命令が出た、そして協力者として心器を扱える人物でかつて、ルードと交戦経験があるレース及びダートの協力申請が出た、詳しくは後日改めて姫を通して連絡が入る筈だ、取り合えずそれまでは普段通りの生活をして待機していろ、私は今から栄花に戻り団長と話す事がある……、あぁ後この任務の事に関しては連絡が入るまでダート以外には他言無用で頼む」
……アキラさんはそう言うと都市の方向へと向かって歩いて行く。
彼の背中を見送るように見ながら思うけど、この変わり過ぎてしまった日常の中で更に目まぐるしく変わる状況、その中でぼくはどうすればいいのだろうか。
そんな事を思いながらアキラさんの姿が見えなくなった後、そのまま家に帰ると自分とダートの部屋に篭って色んな事を考えてしまう。
けどぼくでは答えを出す事が出来ず、夜になりダートと二人の時間になった時にこれから先の事を相談するのだった。
そう思って行ってみるとどうやら今日はいなかったみたいで、受付でギルド職員の研修を担当しているアンに聞いて見ると――
『……彼なら今日は寮にいるって言ってたけど?』
と言われて寮の方に行って見るとそこにもいない。
なら何処にいるのだろうかと思って周辺を探して見るとどうやら森の方で声がする。
もしかしてそこにいるのかもと近づいて見ると……
「……取り合えず説明した通りだけど、改めて兄貴はどうするの?皆は協力してるみたいだけど」
「アレに協力する事が出来ない、今の私には少なからずこの世界に可能性を見出しているからな、それよりもミコトお前はどうなんだ?、貴様なら正しい判断が出来ると信じたから従うとは言ったがどうするか決めたのか?」
「私は悪いけどどっちにもつかないって決めた、奇跡の力を利用する為に何年も教会に幽閉した教会の人達を恨んでいないと言ったら嘘になるけど、それ以上に私の存在理由である命ある存在を守りたいという気持ちには嘘を付けないかな、例えそれがシャルネ様が相手だとしても考えを変える事が出来ないよ」
この声の主はアキラさんとその妹である、Sランク冒険者【教皇】ミコトだ。
それに話の中に出て来たシャルネに協力するしないって言うのはどういう事だろうか……、取り合えず内容が気になるから隠れて聞いていようかな、もしかしたら色々と情報が得られるかもしれない。
「そうか、なら貴様はそれでいい……、ミコトならそう言うと思っていたし、お前はそういう奴だからな」
「何それ、最初から私は分かってましたって?、ほんとそういう所気に入らないしだいっきらい……、でも私の気持ちを分かってくれた家族は兄貴だけだもん、だからありがとお兄ちゃ……誰?そこで立ち聞きしてるのは?出て来ないと怒るよ?」
ミコトがこっちに向かって視線を送ると手元に魔力を集めて黒い球体を作り出す。
これは直ぐに出て行かないとまずい事になりそうな気がして姿を現そうとすると……
「魔力の波長で分かるが、そこにいるのはレースだろ?立ち聞きするのは良くないと言いたいが……、貴様の知りたい事はここにはないぞ?」
「……レース?久しぶりじゃん、ミコトちゃんに会いたくなっちゃった?」
「ごめん、声が聞こえたから気になって近づいたら出るタイミングが分からなくなっちゃって……」
「ふぅーん?、まぁ別にいいけど……、でもシャルネ様の名前が出た時に殺意みたいな物が溢れるのは良くないんじゃない?私と兄貴だったから良かったけど、他の人だったらあんた死んでても文句言えないよ?、まぁいいけどさぁ……、で?あの人との間に何があったのか聞かせてくれない?隠れて聞こうとしたって事は余程の事情があるんでしょ?」
「確かに私も気になるな……、話してみろ何があった?」
……この二人になら話しても大丈夫な気がする。
ストラフィリアに居た時に会った事と、ソフィアとの契約を利用して話す事が出来るようになったマリステラの事を伝えると難しい顔をして何やら考えこんでしまう。
そして何をしているのか二人で見つめ合って何かを身振り手振りで何かをしていると、アキラさんが通信端末を取り出して1の数字を押して……
「団長私だ……、マスカレイドの件についてだが有力な情報を得た為、これからSランク冒険者【教皇】ミコトの協力の元、彼女に協力者の下に潜入して貰い情報を流して貰う事になった」
「という事だからレース、私は今からシャルネ様の所に行く事にしたから、味方としてはもう出会う事は無いだろうけど宜しくね」
「それってどういう……?」
「必要あれば敵としてあなた達の前に立って戦うって事、まぁ兄貴達がいたら大丈夫だと思うけど死んだりしたら許さないから頑張ってね?」
そう言うとミコトは背中から白い翼を生やして何処かへと飛び立っていく。
「何?、貴様それを本気で言っているのか?、まて私の話はまだ終わっていない……、切れたか」
「アキラさん?」
「……気にするなと言いたいが必要な事だからレースにも伝えておこう、私と他の二名の最高幹部を含めた三名に任務として、東の大国【メイディ】に潜伏している元Aランク冒険者【紅獅子】ケイスニル・レイフと【死人使い】ルード・フェレスの討伐命令が出た、そして協力者として心器を扱える人物でかつて、ルードと交戦経験があるレース及びダートの協力申請が出た、詳しくは後日改めて姫を通して連絡が入る筈だ、取り合えずそれまでは普段通りの生活をして待機していろ、私は今から栄花に戻り団長と話す事がある……、あぁ後この任務の事に関しては連絡が入るまでダート以外には他言無用で頼む」
……アキラさんはそう言うと都市の方向へと向かって歩いて行く。
彼の背中を見送るように見ながら思うけど、この変わり過ぎてしまった日常の中で更に目まぐるしく変わる状況、その中でぼくはどうすればいいのだろうか。
そんな事を思いながらアキラさんの姿が見えなくなった後、そのまま家に帰ると自分とダートの部屋に篭って色んな事を考えてしまう。
けどぼくでは答えを出す事が出来ず、夜になりダートと二人の時間になった時にこれから先の事を相談するのだった。
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