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VOL.04 脅すだけのつもりだった
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先日、隣国の大使を招いての晩餐でレスモンドは隣国の大使の発する言葉が全く理解できなかった。しかしオリビアは流暢に隣国の言葉で大使と会話を交わす。
会話の内容は社交辞令の応酬でオリビアが通訳のような役になった。
大使は帰り際にレスモンドにこの国の言葉でそっと耳打ちをした。
「こんな事では国が地図から消えますよ」と。
そして「国としてありたいのなら彼女を大事になさいませ」と。
全ての国の言語をネイティブにと言わずとも、聞き取れるくらいにはなっているのが王族。よく判りもしない事に「うんうん」と頷けば不平等な条約も結ぶと確約したことにされてしまう事がある。
隣国の大使はレスモンドが全く他国の言語を話せない、聞き取れない事に注意をしたのだ。
「せめてカタコトで良いので学ぶように」と。
それが気に食わなかった。
郷に入っては郷に従え。そんな言葉があるようにこの国に来たなら、そっちがこちらに合わせるべきだ!と憤慨し、王妃に文句を言った。
「あの国とは国交を断絶してくれ」
「何を言うの。ソルムティ王国と断絶をしたら塩が一切手に入らなくなるわ」
「塩なんかなくても生きて行ける!」
「馬鹿なことを言わないで。話はそれだけ?」
母親の王妃は珍しくレスモンドに肩入れをしてくれず、国交も今まで通り。
オリビアだけが大使から褒められ、認められているのも腹立たしかった。
だから、その3日後に別の国の大使との会食では通訳を入れた。
しかし、そこでも問題が起きた。
通訳がいる、その事に大使は何も言わなかったが通訳がいるからこそ数日後に控えた折衝のさわりをレスモンドに伝えた。
折衝の核心部分でもあるさわり。折衝前、事前に伝えてくれるなんて破格の対応である。流石の通訳も解りやすくレスモンドに訳して伝えたのだが…。
「は?オリビアに借りがあるからだと?」
「はい、その様に大使は仰ってますが…」
「ふんっ。まぁいい。で?関税?なんだそれは」
「えぇっと…殿下、関税と言うのは輸入品に科せられる税金です」
「輸入品の税?なんだそれは。あぁ!モノを買った時の…なんだったか。ほら、半年前に税率をあげたやつ」
「物品購入税ですか?」
「そう!それそれ。それとは違うのか?」
「税は税ですが…異なります」
関税を理解していなかったレスモンド。通訳との会話を大使にもしっかりと聞かれていた。自分が他国の言葉を理解できないので、相手も理解していないだろうと余裕で通訳を問いただしてしまった。
しかし、通訳は理解をして噛み砕いて話をしても、関税と物品購入税の区別がつかないレスモンド。おまけに自分が言い出した物品購入税の現在の税率すら知らなかった。
大使の失笑を買ってしまい、慌てて隣にいたオリビアが助け舟を出し「レスモンドは激務で疲れているので混乱してしまった」としたのだが、それも気に食わなかった。
レスモンドの怒りの矛先は完全にオリビアに向かった。
自分は会話を直接交わすことが出来ないのにオリビアが出来るのは傲慢。何とかしてオリビアに仕返しをしてやろうと考えついたのがこの婚約破棄。
相談をしたのも側に置いている令嬢で、相談をした場所も寝台の上のピロートーク。
「泣いてごめんなさいって言うんじゃありませんこと?」
「泣くかな?オリビアだぞ?」
「泣きますわよ。殿下に捨てられたら侯爵も捨て置くでしょう?市井に放り出されてしまったら生きていく術がありませんもの。必死に懇願しますわ」
「懇願して反省するかな」
「しますわよ。婚約破棄という切り札、しかも先日から教皇様が来訪されていますでしょう?出されてしまえば人生が即終了ですもの。反省もしますわよ」
「そうか。そうだな。今、教皇が来ているんだったな」
だから、体を小刻みに震わせていたオリビアの豹変にビックリだ。
脅しのつもりで書かせ「次からは身の程を弁えろ」と反省が見えたらご褒美として婚約解消届を暖炉に放り込んでやるつもりだった。
脅せば従うだろう。それだけだったのだ。
会話の内容は社交辞令の応酬でオリビアが通訳のような役になった。
大使は帰り際にレスモンドにこの国の言葉でそっと耳打ちをした。
「こんな事では国が地図から消えますよ」と。
そして「国としてありたいのなら彼女を大事になさいませ」と。
全ての国の言語をネイティブにと言わずとも、聞き取れるくらいにはなっているのが王族。よく判りもしない事に「うんうん」と頷けば不平等な条約も結ぶと確約したことにされてしまう事がある。
隣国の大使はレスモンドが全く他国の言語を話せない、聞き取れない事に注意をしたのだ。
「せめてカタコトで良いので学ぶように」と。
それが気に食わなかった。
郷に入っては郷に従え。そんな言葉があるようにこの国に来たなら、そっちがこちらに合わせるべきだ!と憤慨し、王妃に文句を言った。
「あの国とは国交を断絶してくれ」
「何を言うの。ソルムティ王国と断絶をしたら塩が一切手に入らなくなるわ」
「塩なんかなくても生きて行ける!」
「馬鹿なことを言わないで。話はそれだけ?」
母親の王妃は珍しくレスモンドに肩入れをしてくれず、国交も今まで通り。
オリビアだけが大使から褒められ、認められているのも腹立たしかった。
だから、その3日後に別の国の大使との会食では通訳を入れた。
しかし、そこでも問題が起きた。
通訳がいる、その事に大使は何も言わなかったが通訳がいるからこそ数日後に控えた折衝のさわりをレスモンドに伝えた。
折衝の核心部分でもあるさわり。折衝前、事前に伝えてくれるなんて破格の対応である。流石の通訳も解りやすくレスモンドに訳して伝えたのだが…。
「は?オリビアに借りがあるからだと?」
「はい、その様に大使は仰ってますが…」
「ふんっ。まぁいい。で?関税?なんだそれは」
「えぇっと…殿下、関税と言うのは輸入品に科せられる税金です」
「輸入品の税?なんだそれは。あぁ!モノを買った時の…なんだったか。ほら、半年前に税率をあげたやつ」
「物品購入税ですか?」
「そう!それそれ。それとは違うのか?」
「税は税ですが…異なります」
関税を理解していなかったレスモンド。通訳との会話を大使にもしっかりと聞かれていた。自分が他国の言葉を理解できないので、相手も理解していないだろうと余裕で通訳を問いただしてしまった。
しかし、通訳は理解をして噛み砕いて話をしても、関税と物品購入税の区別がつかないレスモンド。おまけに自分が言い出した物品購入税の現在の税率すら知らなかった。
大使の失笑を買ってしまい、慌てて隣にいたオリビアが助け舟を出し「レスモンドは激務で疲れているので混乱してしまった」としたのだが、それも気に食わなかった。
レスモンドの怒りの矛先は完全にオリビアに向かった。
自分は会話を直接交わすことが出来ないのにオリビアが出来るのは傲慢。何とかしてオリビアに仕返しをしてやろうと考えついたのがこの婚約破棄。
相談をしたのも側に置いている令嬢で、相談をした場所も寝台の上のピロートーク。
「泣いてごめんなさいって言うんじゃありませんこと?」
「泣くかな?オリビアだぞ?」
「泣きますわよ。殿下に捨てられたら侯爵も捨て置くでしょう?市井に放り出されてしまったら生きていく術がありませんもの。必死に懇願しますわ」
「懇願して反省するかな」
「しますわよ。婚約破棄という切り札、しかも先日から教皇様が来訪されていますでしょう?出されてしまえば人生が即終了ですもの。反省もしますわよ」
「そうか。そうだな。今、教皇が来ているんだったな」
だから、体を小刻みに震わせていたオリビアの豹変にビックリだ。
脅しのつもりで書かせ「次からは身の程を弁えろ」と反省が見えたらご褒美として婚約解消届を暖炉に放り込んでやるつもりだった。
脅せば従うだろう。それだけだったのだ。
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