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VOL.07 自分の機転を褒める
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願っていた万が一は突然やって来た。
婚約を無くしたいと思っていたのは自分だけでなく、レスモンドもなのだと解ったのは聊か驚いた。
オリビアとしては、レスモンドは事あるごとにオリビアを邪魔者扱いしてきたが、レスモンドこそオリビアがいなければ立太子も危ういと考えていたからである。
国王と王妃が認めても今、議会はレスモンドの横暴ぶりに眉を顰める者も多く、下手をすると議会は2つに割れる。そうなればクーデターが起きてもおかしくない状況だった。
それを食い止めていたのがオリビアで、国庫の補填をしていたのがポルトー家。
補填はしても賭博に使い込んだことがバレれば王家はただでは済まない。
窃盗も戻せば罪が消える、そんなものではないからである。
罪は罪で、行ってしまった事実は消えないのだ。
婚約が解消であれ破棄であれ無くなればポルトー家が金を出す理由はない。
どうやって補填するつもりだろうと考えたが、考えるのをやめた。
――考えても仕方ないわ。関係ないし――
オリビアの切り替えは早かった。
「殿下も本当に人が悪いわ。1か月早かったら隣国の大使が帰る時に荷馬車に紛れ込めたのに!!」
悔しがる一方で自分の機転を褒める事も忘れない。
「でも良かった!教皇様に会う前に殿下の所に行こうと思った私、流石だわ!」
迷ったのだ。
登城し、馬車から降りたところで従者から「殿下がお呼びです」と伝えられてオリビアは迷った。
「また嫌味を言うために呼んだかしら」
他人に嫌がらせをして憂さ晴らしをしているレスモンドだか、そんな事で気が晴れる訳がない。余計にむしゃくしゃする気持ちが募るだけだと何度言っても解って貰えない。
嫌味を聞くのももう慣れた。
最初は言葉をまともに受け取って傷ついたこともあったけれど、聞き流しを始めてからはレスモンドの部屋の壁。木の板の年輪の数を数えていればあっという間に時間が過ぎる。
手をあげてくる時は出来るだけ痛みが長く残らないような叩かれ方を受け身の訓練で習ってからは痛くない訳ではないし、叩かれるのが好きな訳ではないが最初に蹴りを貰った時に2,3時間吐き続けた事を思い出せばまだマシだ。
教皇との話で心穏やかになった後に、レイモンドの嫌味を聞くよりも先に面倒な事を終わらせてしまおうとレイモンドの部屋に行った。
「私、グッジョブ!今日はツイてるのかしら」
順番が逆になっていたら教皇にだって、さっき来たばかりなのにまた?と思われるかも知れないし、廊下をすれ違う王宮の使用人たちにも「どうしたんだろう?」と思われる。
教皇と茶の約束があるのはオリビアの予定を知っている者なら全員解っているし、朝の通達でも知らされている事から、オリビアが走っていても「時間に遅れそうなのかな?」と引き留める者は居ない。
本日2度目の訪問だったら「どうしたんです?」と呼び止められていただろう。
廊下を走り、角を曲がり、回廊に出てまた走る。
オリビアは教皇の宿泊する棟の入り口に到着し、息を整えた。
ここにも当然衛兵はいる。
オリビアの姿を確認した衛兵が尋ねて来た。
「お時間はまだでは?」
オリビアはにこりと微笑んだ。
「お待たせするよりずっといいでしょう?」
「それもそうですね」
時間より早いと言っても5分、10分の話。1時間も違えば足止めをされるだろうが衛兵はオリビアと教皇が茶をする予定を伝えられていたため、オリビアはすんなりと奥に通された。
婚約を無くしたいと思っていたのは自分だけでなく、レスモンドもなのだと解ったのは聊か驚いた。
オリビアとしては、レスモンドは事あるごとにオリビアを邪魔者扱いしてきたが、レスモンドこそオリビアがいなければ立太子も危ういと考えていたからである。
国王と王妃が認めても今、議会はレスモンドの横暴ぶりに眉を顰める者も多く、下手をすると議会は2つに割れる。そうなればクーデターが起きてもおかしくない状況だった。
それを食い止めていたのがオリビアで、国庫の補填をしていたのがポルトー家。
補填はしても賭博に使い込んだことがバレれば王家はただでは済まない。
窃盗も戻せば罪が消える、そんなものではないからである。
罪は罪で、行ってしまった事実は消えないのだ。
婚約が解消であれ破棄であれ無くなればポルトー家が金を出す理由はない。
どうやって補填するつもりだろうと考えたが、考えるのをやめた。
――考えても仕方ないわ。関係ないし――
オリビアの切り替えは早かった。
「殿下も本当に人が悪いわ。1か月早かったら隣国の大使が帰る時に荷馬車に紛れ込めたのに!!」
悔しがる一方で自分の機転を褒める事も忘れない。
「でも良かった!教皇様に会う前に殿下の所に行こうと思った私、流石だわ!」
迷ったのだ。
登城し、馬車から降りたところで従者から「殿下がお呼びです」と伝えられてオリビアは迷った。
「また嫌味を言うために呼んだかしら」
他人に嫌がらせをして憂さ晴らしをしているレスモンドだか、そんな事で気が晴れる訳がない。余計にむしゃくしゃする気持ちが募るだけだと何度言っても解って貰えない。
嫌味を聞くのももう慣れた。
最初は言葉をまともに受け取って傷ついたこともあったけれど、聞き流しを始めてからはレスモンドの部屋の壁。木の板の年輪の数を数えていればあっという間に時間が過ぎる。
手をあげてくる時は出来るだけ痛みが長く残らないような叩かれ方を受け身の訓練で習ってからは痛くない訳ではないし、叩かれるのが好きな訳ではないが最初に蹴りを貰った時に2,3時間吐き続けた事を思い出せばまだマシだ。
教皇との話で心穏やかになった後に、レイモンドの嫌味を聞くよりも先に面倒な事を終わらせてしまおうとレイモンドの部屋に行った。
「私、グッジョブ!今日はツイてるのかしら」
順番が逆になっていたら教皇にだって、さっき来たばかりなのにまた?と思われるかも知れないし、廊下をすれ違う王宮の使用人たちにも「どうしたんだろう?」と思われる。
教皇と茶の約束があるのはオリビアの予定を知っている者なら全員解っているし、朝の通達でも知らされている事から、オリビアが走っていても「時間に遅れそうなのかな?」と引き留める者は居ない。
本日2度目の訪問だったら「どうしたんです?」と呼び止められていただろう。
廊下を走り、角を曲がり、回廊に出てまた走る。
オリビアは教皇の宿泊する棟の入り口に到着し、息を整えた。
ここにも当然衛兵はいる。
オリビアの姿を確認した衛兵が尋ねて来た。
「お時間はまだでは?」
オリビアはにこりと微笑んだ。
「お待たせするよりずっといいでしょう?」
「それもそうですね」
時間より早いと言っても5分、10分の話。1時間も違えば足止めをされるだろうが衛兵はオリビアと教皇が茶をする予定を伝えられていたため、オリビアはすんなりと奥に通された。
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