23 / 29
ペルセス救出
しおりを挟む
「こちらです。足元が苔で滑りますので気を付けて」
庭園の木々の向こうは夜になっても煌々と多くのランプに灯が入り夜空に向かって王城が光を放っている中、ブロスカキ公爵家の使用人数人は知らせに来た従者と、ベネディクトに同行したが公爵家に知らせを走らせた従者と共に王宮の北側の庭園を身を伏せながら小走りで進んでいく。
「侵入者があった時の為に虎挟みがあちこちにあります。私の後ろをついて来てください」
「わかりました」
ジグザグに進んでいく従者だったが、確かに前だけを向いて真っ直ぐ進めば虎挟みに足を挟まれそうである。
「うわっ!!」
「大丈夫ですか?石の上にも苔が生えてますので慌てずに」
苔で滑って転びそうになった公爵家の使用人を後ろを歩く使用人が咄嗟に支えた。
大広間から聞こえる楽団の音色は緩やかで、ワルツの時間なのかも知れない。
上弦の月が緩く照らす王宮の庭園を進み、北側に回り込むと音楽も聞こえなくなる。
「ここです」
「こんな所に部屋があるのか」
「かなり昔はこの部屋で拷問が行われ、自白した王族を向こうにある塔の地下に幽閉したと聞いています」
ギギっと建付けの悪い扉を開くと、暗い部屋に緩い月明かりが差し込む。
扉の形に出来た明るい部分に1つ、2つと人の影が落ちると、使用人が奥の方に塊を見つけた。
「この部屋に何か罠のようなものは?」
「ありません。拷問具も20年ほど前に撤去してからは伽藍洞の部屋です」
この中で唯一あの時のペルセスを知る従者が言葉をかけた。
「あ、あの…彼はかなり酷く鞭で打たれているのでっ!」
鞭で打たれた事は知らせで聞いてはいたが数回のものだと思っていた使用人達はもう自力では動けないペルセスと従者を交互に見た。
「そんなにっ?!なんてことを…お嬢様が知ったらどうなるか‥おい、担架の用意は出来るか?」
「はい、伸縮する棒と厚めのシーツは持ってきました」
「担架を作ってくれ。腱を打たれていたら歩かせる事は危険だ」
数人の使用人は奥の塊に向かって歩いていく。
見つかる危険性があるのでランプがない。1人がペルセスに声を掛けた。
「ペルセスさん?ペルセスさん…聞こえますか?」
「‥‥ぅぅ…はぃ…」
「良かった。生きてた‥‥本当にすみま…ん。生きててくれて‥うぅぅっ」
「泣いてないで手を貸してください。ペルセスさん。足を伸ばせますか?」
「なんて酷い…血だらけじゃないか!許せない」
「ペルセスさん、担架で運びますね?もう少しだけ辛抱してください」
「はぃ‥‥りがとう」
入り口近くまで数人でペルセスを担ぎ上げ、月明かりを頼りに見える範囲でケガの酷い部分に布を巻いていく。出血をしたままだと血だまりで見つかってしまう恐れもあるからである。
ペルセスを担架に乗せると中腰のため途中で交代をしながら従者と使用人達は庭園の中、来た道を戻っていった。
☆~☆
ブロスカキ公爵家の馬車では目立ちすぎるため、出入りの商会から荷馬車を借り入城する際もワインの納品だとして敷板に使用人が数人寝転がり、その上にコ型になった枠を逆向きにして使用人の姿を隠し、その上にワインの入った木箱を乗せてきたのだ。
帰りはペルセスを寝かせ、同じように使用人達も横になる。またコ型の枠を被せ、今度は空になったワイン瓶が入った木箱を乗せていく。
出入り口になる門には当然門番がいる。従者は万が一のためにと開封したものの飲み残したワインも何本か持ってきた。怪しまれた場合はそのワインを賄賂として門番に渡すためだ。
「封を切っていなければ明日もあるのにと怪しまれます」
通常の門番なら中まで検められただろうが、今日は式典が行われているためそちらに駆り出されていて今日の門番は通常王都周辺を警備している騎士団の一番下になる警護団である。
ほぼ全員が平民で爵位があっても男爵か騎士爵の次男以下。
薄めていないワインなど年に1回飲めるかどうか。
こんな王宮の式典で出されるようなワインは生涯で1回飲めるかどうかの生活をしている者達である。飲み残しであろうと上流社会の者は瓶から直接飲む事はなく、開封済みでも中身があれば何の問題もない。
案の定、門番の兵士はワインはないかと聞いて来た。
飲み残しのワインを渡すと更に数人が集まってくる。兵士たちに「これだけしかないのですが」と渡せばそれぞれが懐から水筒を出してきて分け始める。
兵士達も開封していないワインがあるとは思っていないため、全員の分があるとは考えていない。
「通ってよし!」
ご機嫌になった兵士が声を出せば馬車は動き出し、隠れている使用人はやっと息が出来た。
バギッ!!
公爵家に荷馬車が滑り込むように入ってきた。
出迎えた使用人達は空のワイン瓶が入った木箱を下ろし、コ型になった枠を外すと横になって隠れていた使用人が起き上がった。その中で一人だけ横になり担架にしたシーツに包まったペルセスだけは起き上がれなかった。
白かったシーツは赤く染まり、はだけた部分から見えるペルセスの顔と片腕を見てパトリシア公爵夫人はブルブルと震えながら鉄扇を真っ二つに折ってしまった。
「奥様、ただいま戻りました。怪我が酷いので直ぐに処置を」
「どのくらいなの。まさか見えている状態が全身ではないでしょうね」
「残念ながら‥」
「どこまでゲスな男なのかしら。兎に角中へ」
「あの、お嬢様はまだ見ない方がよろしいかと思います」
しかし、荷馬車が到着したという知らせにディアセーラは制止する父、ブロスカキ公爵の手を振り切って玄関ホールに走ってきてしまっていた。
荷馬車から降ろされたペルセスを見てディアセーラは叫んだ。
「ペルセスさんっ!!ペルセスっ!こんなっ!こんなの酷すぎるっ」
「お嬢様、離れてください」
「離れるのよ。早く運んで手当をしないと。ね?ディー判るでしょう?」
パトリシア公爵夫人に運ばれていくペルセスから離されたディアセーラはその後をついていく。部屋に入り手当を受け、小さくうめき声をあげるペルセスをただ見て、祈る事しか出来ないもどかしさ。
処置の為に着ていた服がナイフで切り取られ、床に溜っていく。
あの日、井戸に水を汲みに行きそのまま連行されてしまった時の服の色ではなかった。
地下牢で触れた頬は痩せてしまったことが判るくらい骨ばっていた。
背も胸も腕も脚も鞭で打たれ、裂傷が酷く時折大きくなる声にもディアセーラは耳も塞がず、目も反らせずただペルセスを見た。
処置が終わったペルセスは包帯だらけで指先すら肌が見えていない。
ディアセーラは寝台の横に椅子を置き、今夜から数日は熱を出すだろうという医師の言葉にメイドが持って来てくれた井戸で冷やした水筒をわきの下に挟んで1時間おきに交換した。
「痛い?ごめんなさい。少し腕を動かすわね?」
「ディ‥‥」
「ん?なぁに?ここにいるわ。ディーはここよ?」
「ぅん…」
包帯の間から数本だけ出た髪の毛を指先で寄せ、寝息が聞こえだせば椅子に腰かける。ディアセーラは空がしらみ始めてもペルセスの側を離れず、時間が来れば水筒を交換した。
交代をしようかと侍女やメイドは部屋にやってくるが言い出せない。
ブロスカキ公爵はそんな侍女やメイドに静かに頷いて、2人にしてあげてくれと静かに部屋の扉を閉めた。
☆彡☆彡
次回 8時10分公開です (*´▽`*)
庭園の木々の向こうは夜になっても煌々と多くのランプに灯が入り夜空に向かって王城が光を放っている中、ブロスカキ公爵家の使用人数人は知らせに来た従者と、ベネディクトに同行したが公爵家に知らせを走らせた従者と共に王宮の北側の庭園を身を伏せながら小走りで進んでいく。
「侵入者があった時の為に虎挟みがあちこちにあります。私の後ろをついて来てください」
「わかりました」
ジグザグに進んでいく従者だったが、確かに前だけを向いて真っ直ぐ進めば虎挟みに足を挟まれそうである。
「うわっ!!」
「大丈夫ですか?石の上にも苔が生えてますので慌てずに」
苔で滑って転びそうになった公爵家の使用人を後ろを歩く使用人が咄嗟に支えた。
大広間から聞こえる楽団の音色は緩やかで、ワルツの時間なのかも知れない。
上弦の月が緩く照らす王宮の庭園を進み、北側に回り込むと音楽も聞こえなくなる。
「ここです」
「こんな所に部屋があるのか」
「かなり昔はこの部屋で拷問が行われ、自白した王族を向こうにある塔の地下に幽閉したと聞いています」
ギギっと建付けの悪い扉を開くと、暗い部屋に緩い月明かりが差し込む。
扉の形に出来た明るい部分に1つ、2つと人の影が落ちると、使用人が奥の方に塊を見つけた。
「この部屋に何か罠のようなものは?」
「ありません。拷問具も20年ほど前に撤去してからは伽藍洞の部屋です」
この中で唯一あの時のペルセスを知る従者が言葉をかけた。
「あ、あの…彼はかなり酷く鞭で打たれているのでっ!」
鞭で打たれた事は知らせで聞いてはいたが数回のものだと思っていた使用人達はもう自力では動けないペルセスと従者を交互に見た。
「そんなにっ?!なんてことを…お嬢様が知ったらどうなるか‥おい、担架の用意は出来るか?」
「はい、伸縮する棒と厚めのシーツは持ってきました」
「担架を作ってくれ。腱を打たれていたら歩かせる事は危険だ」
数人の使用人は奥の塊に向かって歩いていく。
見つかる危険性があるのでランプがない。1人がペルセスに声を掛けた。
「ペルセスさん?ペルセスさん…聞こえますか?」
「‥‥ぅぅ…はぃ…」
「良かった。生きてた‥‥本当にすみま…ん。生きててくれて‥うぅぅっ」
「泣いてないで手を貸してください。ペルセスさん。足を伸ばせますか?」
「なんて酷い…血だらけじゃないか!許せない」
「ペルセスさん、担架で運びますね?もう少しだけ辛抱してください」
「はぃ‥‥りがとう」
入り口近くまで数人でペルセスを担ぎ上げ、月明かりを頼りに見える範囲でケガの酷い部分に布を巻いていく。出血をしたままだと血だまりで見つかってしまう恐れもあるからである。
ペルセスを担架に乗せると中腰のため途中で交代をしながら従者と使用人達は庭園の中、来た道を戻っていった。
☆~☆
ブロスカキ公爵家の馬車では目立ちすぎるため、出入りの商会から荷馬車を借り入城する際もワインの納品だとして敷板に使用人が数人寝転がり、その上にコ型になった枠を逆向きにして使用人の姿を隠し、その上にワインの入った木箱を乗せてきたのだ。
帰りはペルセスを寝かせ、同じように使用人達も横になる。またコ型の枠を被せ、今度は空になったワイン瓶が入った木箱を乗せていく。
出入り口になる門には当然門番がいる。従者は万が一のためにと開封したものの飲み残したワインも何本か持ってきた。怪しまれた場合はそのワインを賄賂として門番に渡すためだ。
「封を切っていなければ明日もあるのにと怪しまれます」
通常の門番なら中まで検められただろうが、今日は式典が行われているためそちらに駆り出されていて今日の門番は通常王都周辺を警備している騎士団の一番下になる警護団である。
ほぼ全員が平民で爵位があっても男爵か騎士爵の次男以下。
薄めていないワインなど年に1回飲めるかどうか。
こんな王宮の式典で出されるようなワインは生涯で1回飲めるかどうかの生活をしている者達である。飲み残しであろうと上流社会の者は瓶から直接飲む事はなく、開封済みでも中身があれば何の問題もない。
案の定、門番の兵士はワインはないかと聞いて来た。
飲み残しのワインを渡すと更に数人が集まってくる。兵士たちに「これだけしかないのですが」と渡せばそれぞれが懐から水筒を出してきて分け始める。
兵士達も開封していないワインがあるとは思っていないため、全員の分があるとは考えていない。
「通ってよし!」
ご機嫌になった兵士が声を出せば馬車は動き出し、隠れている使用人はやっと息が出来た。
バギッ!!
公爵家に荷馬車が滑り込むように入ってきた。
出迎えた使用人達は空のワイン瓶が入った木箱を下ろし、コ型になった枠を外すと横になって隠れていた使用人が起き上がった。その中で一人だけ横になり担架にしたシーツに包まったペルセスだけは起き上がれなかった。
白かったシーツは赤く染まり、はだけた部分から見えるペルセスの顔と片腕を見てパトリシア公爵夫人はブルブルと震えながら鉄扇を真っ二つに折ってしまった。
「奥様、ただいま戻りました。怪我が酷いので直ぐに処置を」
「どのくらいなの。まさか見えている状態が全身ではないでしょうね」
「残念ながら‥」
「どこまでゲスな男なのかしら。兎に角中へ」
「あの、お嬢様はまだ見ない方がよろしいかと思います」
しかし、荷馬車が到着したという知らせにディアセーラは制止する父、ブロスカキ公爵の手を振り切って玄関ホールに走ってきてしまっていた。
荷馬車から降ろされたペルセスを見てディアセーラは叫んだ。
「ペルセスさんっ!!ペルセスっ!こんなっ!こんなの酷すぎるっ」
「お嬢様、離れてください」
「離れるのよ。早く運んで手当をしないと。ね?ディー判るでしょう?」
パトリシア公爵夫人に運ばれていくペルセスから離されたディアセーラはその後をついていく。部屋に入り手当を受け、小さくうめき声をあげるペルセスをただ見て、祈る事しか出来ないもどかしさ。
処置の為に着ていた服がナイフで切り取られ、床に溜っていく。
あの日、井戸に水を汲みに行きそのまま連行されてしまった時の服の色ではなかった。
地下牢で触れた頬は痩せてしまったことが判るくらい骨ばっていた。
背も胸も腕も脚も鞭で打たれ、裂傷が酷く時折大きくなる声にもディアセーラは耳も塞がず、目も反らせずただペルセスを見た。
処置が終わったペルセスは包帯だらけで指先すら肌が見えていない。
ディアセーラは寝台の横に椅子を置き、今夜から数日は熱を出すだろうという医師の言葉にメイドが持って来てくれた井戸で冷やした水筒をわきの下に挟んで1時間おきに交換した。
「痛い?ごめんなさい。少し腕を動かすわね?」
「ディ‥‥」
「ん?なぁに?ここにいるわ。ディーはここよ?」
「ぅん…」
包帯の間から数本だけ出た髪の毛を指先で寄せ、寝息が聞こえだせば椅子に腰かける。ディアセーラは空がしらみ始めてもペルセスの側を離れず、時間が来れば水筒を交換した。
交代をしようかと侍女やメイドは部屋にやってくるが言い出せない。
ブロスカキ公爵はそんな侍女やメイドに静かに頷いて、2人にしてあげてくれと静かに部屋の扉を閉めた。
☆彡☆彡
次回 8時10分公開です (*´▽`*)
105
あなたにおすすめの小説
〖完結〗旦那様には本命がいるようですので、復讐してからお別れします。
藍川みいな
恋愛
憧れのセイバン・スコフィールド侯爵に嫁いだ伯爵令嬢のレイチェルは、良い妻になろうと努力していた。
だがセイバンには結婚前から付き合っていた女性がいて、レイチェルとの結婚はお金の為だった。
レイチェルには指一本触れることもなく、愛人の家に入り浸るセイバンと離縁を決意したレイチェルだったが、愛人からお金が必要だから離縁はしないでと言われる。
レイチェルは身勝手な愛人とセイバンに、反撃を開始するのだった。
設定はゆるゆるです。
本編10話で完結になります。
〖完結〗あんなに旦那様に愛されたかったはずなのに…
藍川みいな
恋愛
借金を肩代わりする事を条件に、スチュワート・デブリン侯爵と契約結婚をしたマリアンヌだったが、契約結婚を受け入れた本当の理由はスチュワートを愛していたからだった。
契約結婚の最後の日、スチュワートに「俺には愛する人がいる。」と告げられ、ショックを受ける。
そして契約期間が終わり、離婚するが…数ヶ月後、何故かスチュワートはマリアンヌを愛してるからやり直したいと言ってきた。
設定はゆるゆるの、架空の世界のお話です。
全9話で完結になります。
〖完結〗旦那様が愛していたのは、私ではありませんでした……
藍川みいな
恋愛
「アナベル、俺と結婚して欲しい。」
大好きだったエルビン様に結婚を申し込まれ、私達は結婚しました。優しくて大好きなエルビン様と、幸せな日々を過ごしていたのですが……
ある日、お姉様とエルビン様が密会しているのを見てしまいました。
「アナベルと結婚したら、こうして君に会うことが出来ると思ったんだ。俺達は家族だから、怪しまれる心配なくこの邸に出入り出来るだろ?」
エルビン様はお姉様にそう言った後、愛してると囁いた。私は1度も、エルビン様に愛してると言われたことがありませんでした。
エルビン様は私ではなくお姉様を愛していたと知っても、私はエルビン様のことを愛していたのですが、ある事件がきっかけで、私の心はエルビン様から離れていく。
設定ゆるゆるの、架空の世界のお話です。
かなり気分が悪い展開のお話が2話あるのですが、読まなくても本編の内容に影響ありません。(36話37話)
全44話で完結になります。
〖完結〗愛しているから、あなたを愛していないフリをします。
藍川みいな
恋愛
ずっと大好きだった幼なじみの侯爵令息、ウォルシュ様。そんなウォルシュ様から、結婚をして欲しいと言われました。
但し、条件付きで。
「子を産めれば誰でもよかったのだが、やっぱり俺の事を分かってくれている君に頼みたい。愛のない結婚をしてくれ。」
彼は、私の気持ちを知りません。もしも、私が彼を愛している事を知られてしまったら捨てられてしまう。
だから、私は全力であなたを愛していないフリをします。
設定ゆるゆるの、架空の世界のお話です。
全7話で完結になります。
後妻の条件を出したら……
しゃーりん
恋愛
妻と離婚した伯爵令息アークライトは、友人に聞かれて自分が後妻に望む条件をいくつか挙げた。
格上の貴族から厄介な女性を押しつけられることを危惧し、友人の勧めで伯爵令嬢マデリーンと結婚することになった。
だがこのマデリーン、アークライトの出した条件にそれほどズレてはいないが、貴族令嬢としての教育を受けていないという驚きの事実が発覚したのだ。
しかし、明るく真面目なマデリーンをアークライトはすぐに好きになるというお話です。
〖完結〗私はあなたのせいで死ぬのです。
藍川みいな
恋愛
「シュリル嬢、俺と結婚してくれませんか?」
憧れのレナード・ドリスト侯爵からのプロポーズ。
彼は美しいだけでなく、とても紳士的で頼りがいがあって、何より私を愛してくれていました。
すごく幸せでした……あの日までは。
結婚して1年が過ぎた頃、旦那様は愛人を連れて来ました。次々に愛人を連れて来て、愛人に子供まで出来た。
それでも愛しているのは君だけだと、離婚さえしてくれません。
そして、妹のダリアが旦那様の子を授かった……
もう耐える事は出来ません。
旦那様、私はあなたのせいで死にます。
だから、後悔しながら生きてください。
設定ゆるゆるの、架空の世界のお話です。
全15話で完結になります。
この物語は、主人公が8話で登場しなくなります。
感想の返信が出来なくて、申し訳ありません。
たくさんの感想ありがとうございます。
次作の『もう二度とあなたの妻にはなりません!』は、このお話の続編になっております。
このお話はバッドエンドでしたが、次作はただただシュリルが幸せになるお話です。
良かったら読んでください。
ため息ひとつ――王宮に散る花びらのように
柴田はつみ
恋愛
「離縁を、お願いしたいのです」
笑顔で、震えずに、エレナはそう言った。
夫は言葉を失った。泣いてくれれば、怒ってくれれば、まだ受け止め方があった。しかしあの静けさは、エレナがもう十分に泣き終わった後の顔だと、ヴィクトルにはわかった。
幼なじみと結ばれた三年間。すれ違いは静かに始まり、深紅のドレスの令嬢によって加速した。ため息を飲み込み、完璧な微笑みを保ち続けた公爵夫人が、最後に選んだのは――。
王宮に散る花びらのような、夫婦の崩壊と再生の物語。
〖完結〗醜いと虐げられて来た令嬢~本当は美しかった~
藍川みいな
恋愛
「お前は醜い。」ずっとそう言われてきたメリッサは、ずっと部屋に閉じこもっていた。
幼い頃から母や妹に、醜いと言われ続け、父テイラー侯爵はメリッサを見ようともしなかった。
心の支えは毎日食事を運んでくれるティナだけだったが、サマーの命令で優しいふりをしていただけだった。
何もかも信じられなくなったメリッサは邸を出る。邸を出たメリッサを助けてくれたのは…
設定はゆるゆるです。
本編8話+番外編2話で完結です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる