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B.C.
変死
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世月くんが勉強している日中は集中を削がないようになるべく音が出ない家事をしていく。
今は溜まっていた洗濯物を畳み終わって由月さんが使っているであろうワイシャツのシワを伸ばしているけれど、やっぱり多い気がする。
この寒い時期に1日4回もシャツを変える人がいるんだろうかと1人考えながらアイロンを押し当てていると、ランドリールームの扉がノックされて人がいることに気づかされた。
奏乃「あ…、おはようございます。」
私は朝昼晩いつでも『おはようございます』と言えと由月さんに言われたので、今日もその挨拶をしてシャツを取りに来た半裸の由月さんに挨拶をする。
由月「調子は。」
奏乃「…調子?」
突然の質問で私は一言で返さないといけない会話に思わず首を傾げてしまうと、由月さんはシャツを通しただけの腕を伸ばして私の口の中へ強引に指を2つ突っ込み喉奥を漁る。
由月「他人に与えられたものが自分を滅ぼす毒になる。」
そう言いながら嘔吐く私の顔をまた上から見下ろす由月さんはまた私の胃から物を出そうとしたので、私は自分の脚の力を崩れるように失くし、しゃがんで逃げようとすると足首を掴まれ引き寄せられてしまう。
由月「酒、草、薬。それより厄介な毒は贈物。」
と、由月さんは私を床に押さえつけながらまた指を口の中に突っ込む気だったので私は咄嗟に口の前に手を出し、指が入ってくるのを阻止する。
奏乃「自分で吐くので止めてください。」
由月「…調子は?」
奏乃「お腹空いててちょっと気持ち悪いってだけで普段とそんなに変わりません。」
私は今の体調を正直に伝えると由月さんは一瞬だけだったけれど、初めて驚いた顔を見せて私から離れた。
由月「頭痛とか、腹痛とか…、めまいとかないのか?」
奏乃「今日はまだプリンしか食べてないのでお腹ペコペコで目が回りそうです。」
私は引きずられた時についた埃を払い、昨日掃除したのにも関わらずに相変わらず埃が溜まるランドリールームの床掃除をするため、物置にあるペーパーモップを取り出して掃除をしていると由月さんは眉を寄せながら立ち上がり、シャツのボタンを閉め始めた。
由月「世月の検討違いか…。」
と、由月さんはため息混じりに言葉を吐いた。
奏乃「検討違い…?」
由月「葵の“特別”は大概良いものじゃないからとりあえず吐かせとけって。」
そう教えてくれた由月さんは第一ボタンまでしっかりと閉めたシャツをスーツのズボンに入れた。
由月「今回はハズレだったってことだな。」
奏乃「…アタリだった場合は?」
由月「1日下痢だったり、呼吸困難起こしたり、泡吹いたりしてるな。」
奏乃「なんで世月くんはそれ教えてくれないんですか?」
由月「世月の友達は葵しかいないから。」
奏乃「…それだけの理由ですか?」
由月「大切な仲間は守る。そいつが殺人をしたとしても相手に非があったなら殺すだろうし、大切と思ってる仲間なら守るのが当たり前だろ?」
奏乃「仲間とか…、友達とか…、その理屈が今の私には分かりません…。」
全部を失った私はこの家に来てから何度も死にかけたけれど、頼まれ事をちゃんと出来るよう頑張っている私に殺されるほどの非があるのか考えながらうやむやに答える。
由月「なら自分だけを信じて生きればいい。」
と、由月さんは自分を信用させるでもなく、私に1人で生きろと遠回しに伝えてこの家を出ろとまた言ってきた。
やっぱり由月さんに歓迎されてないことをまた痛感した私は床の埃を軽く拭き取り、またアイロンをかけているとさっき履いていたはずのスーツとは違うデザインのズボンを履いた由月さんが戻ってきて少し慌てた様子でハンカチが入っている棚を漁る。
由月「いつもありがとうございます。世月の部屋にある冷蔵庫におやつ入れといたので後で2人で食べてくださいね。」
そう言って、時々優しくなる由月さんは慌ただしく部屋を出て玄関の方へ駆けて行った。
きっと由月さんは恥ずかしがり屋で二重人格を装って私に接しているんだろうと、ここ最近の由月さんの気分の波にも慣れてきた私はお昼ご飯を作りにキッチンへ向かった。
環流 虹向/UNDEAD・L・L・IVE
今は溜まっていた洗濯物を畳み終わって由月さんが使っているであろうワイシャツのシワを伸ばしているけれど、やっぱり多い気がする。
この寒い時期に1日4回もシャツを変える人がいるんだろうかと1人考えながらアイロンを押し当てていると、ランドリールームの扉がノックされて人がいることに気づかされた。
奏乃「あ…、おはようございます。」
私は朝昼晩いつでも『おはようございます』と言えと由月さんに言われたので、今日もその挨拶をしてシャツを取りに来た半裸の由月さんに挨拶をする。
由月「調子は。」
奏乃「…調子?」
突然の質問で私は一言で返さないといけない会話に思わず首を傾げてしまうと、由月さんはシャツを通しただけの腕を伸ばして私の口の中へ強引に指を2つ突っ込み喉奥を漁る。
由月「他人に与えられたものが自分を滅ぼす毒になる。」
そう言いながら嘔吐く私の顔をまた上から見下ろす由月さんはまた私の胃から物を出そうとしたので、私は自分の脚の力を崩れるように失くし、しゃがんで逃げようとすると足首を掴まれ引き寄せられてしまう。
由月「酒、草、薬。それより厄介な毒は贈物。」
と、由月さんは私を床に押さえつけながらまた指を口の中に突っ込む気だったので私は咄嗟に口の前に手を出し、指が入ってくるのを阻止する。
奏乃「自分で吐くので止めてください。」
由月「…調子は?」
奏乃「お腹空いててちょっと気持ち悪いってだけで普段とそんなに変わりません。」
私は今の体調を正直に伝えると由月さんは一瞬だけだったけれど、初めて驚いた顔を見せて私から離れた。
由月「頭痛とか、腹痛とか…、めまいとかないのか?」
奏乃「今日はまだプリンしか食べてないのでお腹ペコペコで目が回りそうです。」
私は引きずられた時についた埃を払い、昨日掃除したのにも関わらずに相変わらず埃が溜まるランドリールームの床掃除をするため、物置にあるペーパーモップを取り出して掃除をしていると由月さんは眉を寄せながら立ち上がり、シャツのボタンを閉め始めた。
由月「世月の検討違いか…。」
と、由月さんはため息混じりに言葉を吐いた。
奏乃「検討違い…?」
由月「葵の“特別”は大概良いものじゃないからとりあえず吐かせとけって。」
そう教えてくれた由月さんは第一ボタンまでしっかりと閉めたシャツをスーツのズボンに入れた。
由月「今回はハズレだったってことだな。」
奏乃「…アタリだった場合は?」
由月「1日下痢だったり、呼吸困難起こしたり、泡吹いたりしてるな。」
奏乃「なんで世月くんはそれ教えてくれないんですか?」
由月「世月の友達は葵しかいないから。」
奏乃「…それだけの理由ですか?」
由月「大切な仲間は守る。そいつが殺人をしたとしても相手に非があったなら殺すだろうし、大切と思ってる仲間なら守るのが当たり前だろ?」
奏乃「仲間とか…、友達とか…、その理屈が今の私には分かりません…。」
全部を失った私はこの家に来てから何度も死にかけたけれど、頼まれ事をちゃんと出来るよう頑張っている私に殺されるほどの非があるのか考えながらうやむやに答える。
由月「なら自分だけを信じて生きればいい。」
と、由月さんは自分を信用させるでもなく、私に1人で生きろと遠回しに伝えてこの家を出ろとまた言ってきた。
やっぱり由月さんに歓迎されてないことをまた痛感した私は床の埃を軽く拭き取り、またアイロンをかけているとさっき履いていたはずのスーツとは違うデザインのズボンを履いた由月さんが戻ってきて少し慌てた様子でハンカチが入っている棚を漁る。
由月「いつもありがとうございます。世月の部屋にある冷蔵庫におやつ入れといたので後で2人で食べてくださいね。」
そう言って、時々優しくなる由月さんは慌ただしく部屋を出て玄関の方へ駆けて行った。
きっと由月さんは恥ずかしがり屋で二重人格を装って私に接しているんだろうと、ここ最近の由月さんの気分の波にも慣れてきた私はお昼ご飯を作りにキッチンへ向かった。
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