6 / 97
SUPERMARKET
おあしす警備
しおりを挟む
あのデートの日から3週間経った。
成くんにはお互いただのキープ同士の関係性なのは理解してもらってるから、都合が合う時にお酒と塩飴をもらってる。
話はいつも通りつまらないけれど、今のところ会話をしない時間が成くんといて楽しいと思えるからOK。
けど、あの日から変わってしまったのはあの優しい警備員さんを見かけなくなったこと。
私の中でちょっとしたオアシス的存在になりつつあったから、残念だなと少しショックを受けていた。
そんな私は今日も仕事終わりに駆け込みでスーパーに入り、今日はまだ残っていた大学いもとレバニラ炒めをカゴの中に入れる。
しかも明日は2連休というなんとも有難い休日日程をもらったので、ちょっと重いけどハーフボトルの白ワインを2つと1パック300円する少しいいチョコを2種類買い、給料日以降初めての休みを楽しむことにした。
私はあと10分で閉まるスーパーの中で1番幸福に浸りながら手早く買い物を済ませて、また楽をするために使ったカートを戻そうと出入り口に向かっていると閉まっていた自動ドアが開いたのが横目で見えた。
私が片耳につけたワイヤレスイヤフォンから流れる音楽を変えようとして目線を下げていたぼやけた視界の向こうで、扉から人影がこちらに向かって歩いてくるのに気がつき目線を上げると、そこにはあの優しい警備員のオアシスさんがいた。
警備員「カート貰います。今日もお仕事お疲れ様です。おやすみなさい。」
と、相変わらず労いの言葉とおやすみの挨拶をしてくれるオアシスさんに少し気持ちが踊る。
明人「ありがとうございます。警備員さんもお疲れ様です。おやすみなさい。」
私も貰って嬉しい言葉を返し、ウキウキ気分で家に帰り買った惣菜を温める。
てっきり派遣先か仕事先を変えたんだと思ってたけれど、ただの長期休暇か私がただタイミングが会わなくて見かけなかっただけらしい。
どこか旅行にでも行ってたのかなと、意味のないことを頭の中で考えながら、親友の織華と明日のカフェ巡りの待ち合わせ場所を決めるためにある程度の用事を済ませて電話をする。
織華『仕事お疲れー。』
明人「ありがとー。織華は今日デートだったんだよね?どこ行ったの?」
織華『だんだん冷え始めたから日帰りで温泉行ってきたよ。』
明人「いいなぁ。私も温泉連れてって。」
織華『誕生月に検討中。』
明人「やっぱり“日”は無理なんだね。」
織華『うん…。やっぱりその週は休日入れられないって言われた。』
明人「そっか。お互い頑張ろうね。」
織華『うん!“日”に出来ない分、いっぱいサプライズ考えとくから楽しみにしといて!』
明人「うん。ありがとう。」
私の誕生日はイベント事が盛りだくさんで毎年こんな感じだ。
だからこういうのはもう24年間も生きてきたから慣れてしまった。
織華『うん!でさ、カフェなんだけど、明人ん家の近所に出来たカフェに行きたいなって思って。』
明人「出来たの知らなかった。」
織華『明人、社畜だもんね…。そこ、朝の6時からモーニングやっててサンドイッチとドリンクついて300円なんだって。どうかな?』
明人「ワンコイン以下ならどこへでも。そんな最高のカフェがあるなら毎日そこで朝ごはん食べようかな。」
織華『いいじゃん!ちゃんと手作りだし、旬の野菜だったり自家製のベーコン作ってるんだって。』
意外とこだわりの強いカフェなんだな。
そこら辺にあるチェーン店のカフェより、絶対美味しいの確定じゃん。
織華『見学がてら9時ぐらいに行ってみる?そこのカフェ、9:30でモーニングタイム終わっちゃうらしいんだ。』
明人「うん。メッセージに反応なかったらインターフォンで叩き起こしてもらっていい?」
織華『OK。じゃあ明日の朝ね。』
明人「はーいっ。おやすみ。」
織華『おやすみー。』
私は織華との電話を終えてやむなくまだ開けてなかったハーフボトルの白ワインを冷蔵庫にしまう。
まだ明日と明後日があるからその時に飲もう。
そう決めた私は、明日の朝カフェに備えてすぐに寝ることにした。
…………
朝・わかめおにぎり カップ味噌汁
昼・チョコビスケット 2口
夜・レバニラ炒め 大学いも 白米
オアシスさんと久しぶり会えた。感謝。
おやすみ、明人
…………
環流 虹向/エンディングノート
成くんにはお互いただのキープ同士の関係性なのは理解してもらってるから、都合が合う時にお酒と塩飴をもらってる。
話はいつも通りつまらないけれど、今のところ会話をしない時間が成くんといて楽しいと思えるからOK。
けど、あの日から変わってしまったのはあの優しい警備員さんを見かけなくなったこと。
私の中でちょっとしたオアシス的存在になりつつあったから、残念だなと少しショックを受けていた。
そんな私は今日も仕事終わりに駆け込みでスーパーに入り、今日はまだ残っていた大学いもとレバニラ炒めをカゴの中に入れる。
しかも明日は2連休というなんとも有難い休日日程をもらったので、ちょっと重いけどハーフボトルの白ワインを2つと1パック300円する少しいいチョコを2種類買い、給料日以降初めての休みを楽しむことにした。
私はあと10分で閉まるスーパーの中で1番幸福に浸りながら手早く買い物を済ませて、また楽をするために使ったカートを戻そうと出入り口に向かっていると閉まっていた自動ドアが開いたのが横目で見えた。
私が片耳につけたワイヤレスイヤフォンから流れる音楽を変えようとして目線を下げていたぼやけた視界の向こうで、扉から人影がこちらに向かって歩いてくるのに気がつき目線を上げると、そこにはあの優しい警備員のオアシスさんがいた。
警備員「カート貰います。今日もお仕事お疲れ様です。おやすみなさい。」
と、相変わらず労いの言葉とおやすみの挨拶をしてくれるオアシスさんに少し気持ちが踊る。
明人「ありがとうございます。警備員さんもお疲れ様です。おやすみなさい。」
私も貰って嬉しい言葉を返し、ウキウキ気分で家に帰り買った惣菜を温める。
てっきり派遣先か仕事先を変えたんだと思ってたけれど、ただの長期休暇か私がただタイミングが会わなくて見かけなかっただけらしい。
どこか旅行にでも行ってたのかなと、意味のないことを頭の中で考えながら、親友の織華と明日のカフェ巡りの待ち合わせ場所を決めるためにある程度の用事を済ませて電話をする。
織華『仕事お疲れー。』
明人「ありがとー。織華は今日デートだったんだよね?どこ行ったの?」
織華『だんだん冷え始めたから日帰りで温泉行ってきたよ。』
明人「いいなぁ。私も温泉連れてって。」
織華『誕生月に検討中。』
明人「やっぱり“日”は無理なんだね。」
織華『うん…。やっぱりその週は休日入れられないって言われた。』
明人「そっか。お互い頑張ろうね。」
織華『うん!“日”に出来ない分、いっぱいサプライズ考えとくから楽しみにしといて!』
明人「うん。ありがとう。」
私の誕生日はイベント事が盛りだくさんで毎年こんな感じだ。
だからこういうのはもう24年間も生きてきたから慣れてしまった。
織華『うん!でさ、カフェなんだけど、明人ん家の近所に出来たカフェに行きたいなって思って。』
明人「出来たの知らなかった。」
織華『明人、社畜だもんね…。そこ、朝の6時からモーニングやっててサンドイッチとドリンクついて300円なんだって。どうかな?』
明人「ワンコイン以下ならどこへでも。そんな最高のカフェがあるなら毎日そこで朝ごはん食べようかな。」
織華『いいじゃん!ちゃんと手作りだし、旬の野菜だったり自家製のベーコン作ってるんだって。』
意外とこだわりの強いカフェなんだな。
そこら辺にあるチェーン店のカフェより、絶対美味しいの確定じゃん。
織華『見学がてら9時ぐらいに行ってみる?そこのカフェ、9:30でモーニングタイム終わっちゃうらしいんだ。』
明人「うん。メッセージに反応なかったらインターフォンで叩き起こしてもらっていい?」
織華『OK。じゃあ明日の朝ね。』
明人「はーいっ。おやすみ。」
織華『おやすみー。』
私は織華との電話を終えてやむなくまだ開けてなかったハーフボトルの白ワインを冷蔵庫にしまう。
まだ明日と明後日があるからその時に飲もう。
そう決めた私は、明日の朝カフェに備えてすぐに寝ることにした。
…………
朝・わかめおにぎり カップ味噌汁
昼・チョコビスケット 2口
夜・レバニラ炒め 大学いも 白米
オアシスさんと久しぶり会えた。感謝。
おやすみ、明人
…………
環流 虹向/エンディングノート
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
3
1 / 5
この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる