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コンビニスイーツが結んだ恋
天然は、キャッチコピーをスルーする
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「うー……足が痛い……。歩き過ぎちゃったかなあ」
買ってきたものを冷蔵庫に入れると、ソファーに座って足を揉みほぐす。今冷蔵庫に入れたのは、何軒も梯子してやっと見つけた『初恋ショコラ』だった。
泪曰く
「『初恋ショコラ』って、全国チェーン展開のコンビニのチョコレートケーキで、CMキャラクターは国民的アイドルグループが努めているの。ケーキも、透明なプラスチックの容器と黒色のフタに金のリボンのパッケージが施されていて可愛いし、フォークでもスプーンでも食べられる硬さのケーキなのよ♪ しかもコンビニスイーツだからお値段も手頃だし、アイドルグループがそれぞれの個性を生かしたCMを展開しているし、従来のチョコレートケーキに比べてカロリーオフなのー♪」
だそうである。
そもそも、私がこのコンビニスイーツを食べたかったわけではない。CMを見た泪が「食べたことがないから、どうしても食べたいの!」と宣い、挙げ句に「アタシは今日、どうしても抜けられない会議があるから、お圭ちゃん買って来て?」と言われ、すぐに買えると思って自宅近くのコンビニに行くと、商品がなかった。
仕方なく他のコンビニへと行っても、売り切れで商品自体がない。
泪が帰って来たら、デートがてら車で買いに行こうかな、なんて思いながら仕方なく自宅近くまで戻り、水を買うために最初に行ったコンビニに行ったら、ちょうど荷物が届いたばかりだったのか『初恋ショコラ』が棚に陳列されていた。
脱力した気分で水と『初恋ショコラ』を二つ買い、自宅に戻って来たのだ。
ソファーに寄りかかりながらぐったりしていると、泪が帰って来た早々驚いた顔をし、慌てて私の側に寄ってきた。
「お圭ちゃん、どうしたの?!」
「『初恋ショコラ』を買い求めて歩きすぎちゃったみたいで……足が痛いの」
「アタシのせいよね……ごめんね」
そう言って泪は足を揉んでくれた。別のところも揉もうとしたから、怒ったが。
ご飯も食べ終え、お風呂にも入り、「久しぶりにカクテルが飲みたいわ」と言った泪に『Papagena』を出した。私は『モーツァルト・アイスコーヒー』を持って泪の隣に座ると、二人で『初恋ショコラ』を味わう。
食べ物も飲み物もチョコレート同士でしつこかったかなと思っていると、泪は突然頭を引き寄せて額同士をくっつけ、じっと目を見つめて来た。
「……ねえ、お圭ちゃん」
「なに?」
「ケーキとアタシのキス……どっちが好き?」
「…………はい?!」
いきなり何?! と思っていると、泪がキスをしてきた。
「うーん……あのキャッチコピー、天然には通用しないってことね」
「よくわかんないけど、私は泪さんのほうが好きだよ?」
そう言った途端に泪は一瞬固まり、私の顔をまじまじと見つめたあとで目をキラキラさせた。
何か変なスイッチを押したと思った時には既に遅く、抱き上げられてベッドへ運ばれると同時に、押し倒された。
「泪、さん……」
「お圭ちゃんが煽ったんだからね?」
煽ってない! と言おうにも、泪に馴らされた身体は泪の思うがままに翻弄され……。結局、明け方近くまで寝かせてもらえなかった。
買ってきたものを冷蔵庫に入れると、ソファーに座って足を揉みほぐす。今冷蔵庫に入れたのは、何軒も梯子してやっと見つけた『初恋ショコラ』だった。
泪曰く
「『初恋ショコラ』って、全国チェーン展開のコンビニのチョコレートケーキで、CMキャラクターは国民的アイドルグループが努めているの。ケーキも、透明なプラスチックの容器と黒色のフタに金のリボンのパッケージが施されていて可愛いし、フォークでもスプーンでも食べられる硬さのケーキなのよ♪ しかもコンビニスイーツだからお値段も手頃だし、アイドルグループがそれぞれの個性を生かしたCMを展開しているし、従来のチョコレートケーキに比べてカロリーオフなのー♪」
だそうである。
そもそも、私がこのコンビニスイーツを食べたかったわけではない。CMを見た泪が「食べたことがないから、どうしても食べたいの!」と宣い、挙げ句に「アタシは今日、どうしても抜けられない会議があるから、お圭ちゃん買って来て?」と言われ、すぐに買えると思って自宅近くのコンビニに行くと、商品がなかった。
仕方なく他のコンビニへと行っても、売り切れで商品自体がない。
泪が帰って来たら、デートがてら車で買いに行こうかな、なんて思いながら仕方なく自宅近くまで戻り、水を買うために最初に行ったコンビニに行ったら、ちょうど荷物が届いたばかりだったのか『初恋ショコラ』が棚に陳列されていた。
脱力した気分で水と『初恋ショコラ』を二つ買い、自宅に戻って来たのだ。
ソファーに寄りかかりながらぐったりしていると、泪が帰って来た早々驚いた顔をし、慌てて私の側に寄ってきた。
「お圭ちゃん、どうしたの?!」
「『初恋ショコラ』を買い求めて歩きすぎちゃったみたいで……足が痛いの」
「アタシのせいよね……ごめんね」
そう言って泪は足を揉んでくれた。別のところも揉もうとしたから、怒ったが。
ご飯も食べ終え、お風呂にも入り、「久しぶりにカクテルが飲みたいわ」と言った泪に『Papagena』を出した。私は『モーツァルト・アイスコーヒー』を持って泪の隣に座ると、二人で『初恋ショコラ』を味わう。
食べ物も飲み物もチョコレート同士でしつこかったかなと思っていると、泪は突然頭を引き寄せて額同士をくっつけ、じっと目を見つめて来た。
「……ねえ、お圭ちゃん」
「なに?」
「ケーキとアタシのキス……どっちが好き?」
「…………はい?!」
いきなり何?! と思っていると、泪がキスをしてきた。
「うーん……あのキャッチコピー、天然には通用しないってことね」
「よくわかんないけど、私は泪さんのほうが好きだよ?」
そう言った途端に泪は一瞬固まり、私の顔をまじまじと見つめたあとで目をキラキラさせた。
何か変なスイッチを押したと思った時には既に遅く、抱き上げられてベッドへ運ばれると同時に、押し倒された。
「泪、さん……」
「お圭ちゃんが煽ったんだからね?」
煽ってない! と言おうにも、泪に馴らされた身体は泪の思うがままに翻弄され……。結局、明け方近くまで寝かせてもらえなかった。
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