79 / 155
泪視点
Roman Holiday
しおりを挟む
翌朝。
時計を見ると、八時半過ぎだった。圭の寝顔を眺めつつ、昨夜のことを思い出す。
圭を抱き締めて寝ていたのだが、「やっぱり気持ちいい」と呟き、どこもかしこも柔らかい圭の体に手を這わせて胸を愛撫し、横抱きのまま圭を貫きながら愛撫をした。そのまま気絶するように眠ってしまった圭に、申し訳ないとは思いつつも完全に俺が落ち着くまでは、今は止められない。
女を抱いたことがないわけではない。けれど、ここまであからさまに自分から求めるように、貪るように、飽きることなく獣の如く抱いたのは彼女一人だ。そして避妊しなかったのも。
こっそり唇にキスを落とし、ベッドを抜け出すと前嶋にメールを送る。するとすぐに電話がかかって来た。
『おはようございます。どうした? 何かあったのか?』
「おはようございます。ちょっと相談があるの。セキュリティについて」
『セキュリティ?』
「そう。ここ最近、泥棒猫がいてね。前嶋さんならそういった伝があるかと思って」
そこまで話すと、一旦口を閉じる。
『まあ、ないわけじゃないが……必要なものは?』
「事務所内に付ける監視カメラ一式。できればパソコンに録画できるタイプ」
『わかった。そうだな……十時くらいにはそっちに行くが、いいか?』
「構わないわ」
『それじゃ』
それを最後にお互いに電話を切る。
(絶対に……潰してやるわ)
先ずは証拠固めよねと思いつつ圭を抱き締めながもう一眠りしようと寝室に戻ると、圭が裸身を晒したまま赤くなったり青くなったりしている。
どうやら昨夜のことを思い出したあとで避妊してないことに思い当たったようだった。それを隠し、わざとらしくそう聞くと、「うわっ?!」と驚かれた。が、圭は未だに裸身を晒していることに気づかない。
全体的に細いのに傷だらけの肌はモチモチとしてして滑らかで、いつまでも触っていたい俺好みの大きな胸は柔らかくて敏感で……。それをじっくりと眺めるが、さすがに俺も寒くなって来たので圭に声をかける。
「……それにしても、良い眺め♪」
「え……?」
俺の言葉に驚いて下を向くと真っ赤になって前を隠そうとするが、「今更でしょ! 寒い、寒い」と胸を掴んで圭をを抱き締め、布団に潜り込む。
「冷たい」と言う圭に、「どうせならこのまま一緒に温まりましょ」とコトを始めようとしたが、「朝からはダメ!」と手を叩かれてしまい、仕方ないと言いながらも片手は胸から手を離さずに圭を抱き締める。
「あー、温かい。あ、これから一緒に出かけましょ?」
「出かける?」
「そう。クリスマス・イヴだし、デートしましょ?」
「うん!」
見る間に嬉しそうな顔をした圭の額にキスを落とし、あまりの可愛さにそのままキスをする。
「ん……ふっ、んんっ」
ダメと言われたが、胸をゆっくりと愛撫するとぺしっ、と手を叩かれ、「出かけるんでしょ?」と怒られてしまった。
「……わかったわ。でも、あとで覚悟しといてね」
仕方なしにそう言って唇にキスを落とした。
***
「デートなんだから、ちょっとお洒落して出かけましょ?」
そう言って着替えたのだが、眼鏡のことを聞かれた。
「アレは仕事仕様。伊達眼鏡よ」
そう教えると驚かれ、膨れっ面になった。どんどん崩れて行く圭の無表情を可愛いと思いつつ、そろそろ十時になるので圭に事務所の確認をしてくること、泥棒猫がいること、頼んだ人がもうじき来ることを告げてここで待っているように言うと、おとなしく頷いた。
事務所に行くのと同時に、前嶋が事務所に入って来た。
「朝からごめんなさい」
「構わん。それにしても……なんだ、その格好は」
「これからお圭ちゃんとデートなの」
「はあ……。聞いた俺が馬鹿だった。で、どこに設置する?」
書類が良く無くなる場所をいくつか教えると、その場所と事務所内が映る場所に設置すると言われた。
「わかった。やっとく」
「やっとくって……前嶋さんがやるの?」
「あからさまなのはまずいだろ? 俺以外に誰ができるんだ?」
ニッ、と笑った前嶋に「じゃあお願いします」と告げ、書斎側の予備の鍵を渡す。
「書斎のパソコンに繋いで、終わったら鍵をお願い。仕事で使っているとは言え、一応プライベートな場所だから。書斎の鍵は……」
「俺のパソコンとも繋げたいから、明日返しに行く」
「わかったわ。ありがとう」
そう言ってあとは任せて部屋へ戻り、圭を促してプライベート用の玄関から外に出た。
コーヒーショップに寄ったり、ウィンドウショッピングをしたり、喫茶店に行ったあとで、二番目の姉が経営している貴金属店に行った。
圭は驚いた顔をしたが、姉と話し始めると小さな声で「あっち見てくるね」と別の場所に見に行った。
「久しぶりだね」
「泪! 久しぶりね! って、その言葉……」
「お客さんも従業員もいるのにまずいだろ?」
姉がチラリと視線を動かし、ああ、と言う顔をした。
「それもそうね。で、今日はどうしたの? しかも女性連れで」
「もちろん、指輪を買いに」
「……どんな指輪?」
「所謂給料三ヶ月分」
「えっ?! あ、相手は!」
「あの子に決まってるだろ?」
圭の方に視線を向けると、姉は目を丸くした。
「いつの間に……」
「詳しくはそのうちに、ってことで」
「泪がねぇ……」
「悪いか」
「いいえ。やっと本気になれる女性を見つけたんだな、って思っただけよ」
そう言う姉ににっこり笑うと、姉もにっこり笑ってくれた。
「そう言えば、彼女はあんたの言葉遣い……」
「知ってるよ」
ふうん、と言った姉――瑠璃は、圭をマジマジと見ていた。
「とうとう、ロリ……」
「ロリコンじゃないから! 身長は小さいけど、彼女はれっきとした大人の女性だから! 売る気がないなら帰る!」
「ちょっ! ごめん! あたしが悪かった! で、どんな指輪が欲しいの!?」
くるりと背を向けた途端、ショーケースに乗せていた腕をガシッと掴まれ焦ったようにそう言われた。
「最初っからそう言えばいいじゃないか……まったく」
「ごめん、てば。で、どんなのがいい?」
「石はダイヤ。結婚後は右に嵌めてほしいから、普段使いができる小さめの石で可愛いデザイン。……あ、こんなやつ」
ショーケースに飾ってあったものを指差す。
石は二つ付いており、上から見ると二連リングに見えるが、途中から一本になっていた。
石の色は、偶然にも、圭の瞳と同じオッドアイだ。
「婚約指輪にするの? これを?」
「……ダメ?」
「ダメじゃないけど……うーん……サイズは?」
「九号」
「あー……。ごめんなさい、今はこれしかないの。サイズ直さないと無理よ」
サイズ直し……それでは間に合わない。どうしようと思い視線を横にずらすと、無色透明の石自体はあまり大きくなく、シンプルなデザインの指輪があった。
「姉さん、これは? これならサイズある?」
ショーケースの上からその指輪を指差す。
「これならあるわ」
「じゃあ、これにする。あ、さっきのは直しに出して。誕生日プレゼントにする」
「ほ、本気?!」
「うん」
「どうして……」
「彼女と同じ目の色だから」
俺の言葉にぽかーんとした顔の姉に、これでプロポーズするんだからこっちは今すぐちょうだいと言い、すぐに用意してもらうと、ジャケットのポケットに忍ばせて圭の側に行く。
「何かほしいのがあった?」
そう話しかけると「泪さん」と言って俺のほうに向く。
「ほしいなら買ってあげるよ?」
そう言うと頬に朱が差す。俺の低い声での男言葉に反応してるんだなと、内心ニヤニヤしてしまう。
「ほしいと言えばほしいんだけど、誕生石と守護石で迷っていて……」
「守護石? そんなものがあるの?」
いつの間に来たのか、横から口を出した姉に戸惑っている圭を見かねて姉を諫めると「お姉さん?!」と驚かれた。二番目の姉で十歳上と紹介し、何やらビクビクしながらも圭は守護石とは何かを説明していた。
「へぇ……そんなものがあるのね」
「知ってる人はあまりいないと思いますよ」
瑠璃は感心した声を上げていたが、興味津々のようだった。
「じゃあ、僕と圭だと、守護石は違っちゃうね」
「え? 一緒だよ?」
「でも、月は一緒だけど、圭は二十日だろ?」
そう言うとあっ、という顔をし、本当の誕生日となぜ二十日になったのかを話してくれたのだが、あまりにもふざけた決め方に眉を潜め、それでも守護石は俺と一緒だと明るく言う圭に愛しさが込み上げる。チラリと姉を見るとやはり眉を潜めていた。石はなにかと聞くと、エメラルドとアクアマリンだという。
「ふうん……じゃあ、これはどうかしら?」
姉はショーケースからペンダントを出した。ドルフィンリング形のペンダントで、圭の目を見たのか、かなり小粒だが目にはまっている石は、少し色の濃いアクアマリンで圭の片目と同じブルーだった。
「うん、もらうよ。姉さん、包んで。あ、やっぱり包まなくていい。着けて帰る」
驚く圭に「クリスマス・プレゼント」と言い
「アタシへのプレゼントは、圭自身ね。ちなみに拒否権はないから」
と圭が何か言う前に、耳元でそう囁いた。
時計を見ると、八時半過ぎだった。圭の寝顔を眺めつつ、昨夜のことを思い出す。
圭を抱き締めて寝ていたのだが、「やっぱり気持ちいい」と呟き、どこもかしこも柔らかい圭の体に手を這わせて胸を愛撫し、横抱きのまま圭を貫きながら愛撫をした。そのまま気絶するように眠ってしまった圭に、申し訳ないとは思いつつも完全に俺が落ち着くまでは、今は止められない。
女を抱いたことがないわけではない。けれど、ここまであからさまに自分から求めるように、貪るように、飽きることなく獣の如く抱いたのは彼女一人だ。そして避妊しなかったのも。
こっそり唇にキスを落とし、ベッドを抜け出すと前嶋にメールを送る。するとすぐに電話がかかって来た。
『おはようございます。どうした? 何かあったのか?』
「おはようございます。ちょっと相談があるの。セキュリティについて」
『セキュリティ?』
「そう。ここ最近、泥棒猫がいてね。前嶋さんならそういった伝があるかと思って」
そこまで話すと、一旦口を閉じる。
『まあ、ないわけじゃないが……必要なものは?』
「事務所内に付ける監視カメラ一式。できればパソコンに録画できるタイプ」
『わかった。そうだな……十時くらいにはそっちに行くが、いいか?』
「構わないわ」
『それじゃ』
それを最後にお互いに電話を切る。
(絶対に……潰してやるわ)
先ずは証拠固めよねと思いつつ圭を抱き締めながもう一眠りしようと寝室に戻ると、圭が裸身を晒したまま赤くなったり青くなったりしている。
どうやら昨夜のことを思い出したあとで避妊してないことに思い当たったようだった。それを隠し、わざとらしくそう聞くと、「うわっ?!」と驚かれた。が、圭は未だに裸身を晒していることに気づかない。
全体的に細いのに傷だらけの肌はモチモチとしてして滑らかで、いつまでも触っていたい俺好みの大きな胸は柔らかくて敏感で……。それをじっくりと眺めるが、さすがに俺も寒くなって来たので圭に声をかける。
「……それにしても、良い眺め♪」
「え……?」
俺の言葉に驚いて下を向くと真っ赤になって前を隠そうとするが、「今更でしょ! 寒い、寒い」と胸を掴んで圭をを抱き締め、布団に潜り込む。
「冷たい」と言う圭に、「どうせならこのまま一緒に温まりましょ」とコトを始めようとしたが、「朝からはダメ!」と手を叩かれてしまい、仕方ないと言いながらも片手は胸から手を離さずに圭を抱き締める。
「あー、温かい。あ、これから一緒に出かけましょ?」
「出かける?」
「そう。クリスマス・イヴだし、デートしましょ?」
「うん!」
見る間に嬉しそうな顔をした圭の額にキスを落とし、あまりの可愛さにそのままキスをする。
「ん……ふっ、んんっ」
ダメと言われたが、胸をゆっくりと愛撫するとぺしっ、と手を叩かれ、「出かけるんでしょ?」と怒られてしまった。
「……わかったわ。でも、あとで覚悟しといてね」
仕方なしにそう言って唇にキスを落とした。
***
「デートなんだから、ちょっとお洒落して出かけましょ?」
そう言って着替えたのだが、眼鏡のことを聞かれた。
「アレは仕事仕様。伊達眼鏡よ」
そう教えると驚かれ、膨れっ面になった。どんどん崩れて行く圭の無表情を可愛いと思いつつ、そろそろ十時になるので圭に事務所の確認をしてくること、泥棒猫がいること、頼んだ人がもうじき来ることを告げてここで待っているように言うと、おとなしく頷いた。
事務所に行くのと同時に、前嶋が事務所に入って来た。
「朝からごめんなさい」
「構わん。それにしても……なんだ、その格好は」
「これからお圭ちゃんとデートなの」
「はあ……。聞いた俺が馬鹿だった。で、どこに設置する?」
書類が良く無くなる場所をいくつか教えると、その場所と事務所内が映る場所に設置すると言われた。
「わかった。やっとく」
「やっとくって……前嶋さんがやるの?」
「あからさまなのはまずいだろ? 俺以外に誰ができるんだ?」
ニッ、と笑った前嶋に「じゃあお願いします」と告げ、書斎側の予備の鍵を渡す。
「書斎のパソコンに繋いで、終わったら鍵をお願い。仕事で使っているとは言え、一応プライベートな場所だから。書斎の鍵は……」
「俺のパソコンとも繋げたいから、明日返しに行く」
「わかったわ。ありがとう」
そう言ってあとは任せて部屋へ戻り、圭を促してプライベート用の玄関から外に出た。
コーヒーショップに寄ったり、ウィンドウショッピングをしたり、喫茶店に行ったあとで、二番目の姉が経営している貴金属店に行った。
圭は驚いた顔をしたが、姉と話し始めると小さな声で「あっち見てくるね」と別の場所に見に行った。
「久しぶりだね」
「泪! 久しぶりね! って、その言葉……」
「お客さんも従業員もいるのにまずいだろ?」
姉がチラリと視線を動かし、ああ、と言う顔をした。
「それもそうね。で、今日はどうしたの? しかも女性連れで」
「もちろん、指輪を買いに」
「……どんな指輪?」
「所謂給料三ヶ月分」
「えっ?! あ、相手は!」
「あの子に決まってるだろ?」
圭の方に視線を向けると、姉は目を丸くした。
「いつの間に……」
「詳しくはそのうちに、ってことで」
「泪がねぇ……」
「悪いか」
「いいえ。やっと本気になれる女性を見つけたんだな、って思っただけよ」
そう言う姉ににっこり笑うと、姉もにっこり笑ってくれた。
「そう言えば、彼女はあんたの言葉遣い……」
「知ってるよ」
ふうん、と言った姉――瑠璃は、圭をマジマジと見ていた。
「とうとう、ロリ……」
「ロリコンじゃないから! 身長は小さいけど、彼女はれっきとした大人の女性だから! 売る気がないなら帰る!」
「ちょっ! ごめん! あたしが悪かった! で、どんな指輪が欲しいの!?」
くるりと背を向けた途端、ショーケースに乗せていた腕をガシッと掴まれ焦ったようにそう言われた。
「最初っからそう言えばいいじゃないか……まったく」
「ごめん、てば。で、どんなのがいい?」
「石はダイヤ。結婚後は右に嵌めてほしいから、普段使いができる小さめの石で可愛いデザイン。……あ、こんなやつ」
ショーケースに飾ってあったものを指差す。
石は二つ付いており、上から見ると二連リングに見えるが、途中から一本になっていた。
石の色は、偶然にも、圭の瞳と同じオッドアイだ。
「婚約指輪にするの? これを?」
「……ダメ?」
「ダメじゃないけど……うーん……サイズは?」
「九号」
「あー……。ごめんなさい、今はこれしかないの。サイズ直さないと無理よ」
サイズ直し……それでは間に合わない。どうしようと思い視線を横にずらすと、無色透明の石自体はあまり大きくなく、シンプルなデザインの指輪があった。
「姉さん、これは? これならサイズある?」
ショーケースの上からその指輪を指差す。
「これならあるわ」
「じゃあ、これにする。あ、さっきのは直しに出して。誕生日プレゼントにする」
「ほ、本気?!」
「うん」
「どうして……」
「彼女と同じ目の色だから」
俺の言葉にぽかーんとした顔の姉に、これでプロポーズするんだからこっちは今すぐちょうだいと言い、すぐに用意してもらうと、ジャケットのポケットに忍ばせて圭の側に行く。
「何かほしいのがあった?」
そう話しかけると「泪さん」と言って俺のほうに向く。
「ほしいなら買ってあげるよ?」
そう言うと頬に朱が差す。俺の低い声での男言葉に反応してるんだなと、内心ニヤニヤしてしまう。
「ほしいと言えばほしいんだけど、誕生石と守護石で迷っていて……」
「守護石? そんなものがあるの?」
いつの間に来たのか、横から口を出した姉に戸惑っている圭を見かねて姉を諫めると「お姉さん?!」と驚かれた。二番目の姉で十歳上と紹介し、何やらビクビクしながらも圭は守護石とは何かを説明していた。
「へぇ……そんなものがあるのね」
「知ってる人はあまりいないと思いますよ」
瑠璃は感心した声を上げていたが、興味津々のようだった。
「じゃあ、僕と圭だと、守護石は違っちゃうね」
「え? 一緒だよ?」
「でも、月は一緒だけど、圭は二十日だろ?」
そう言うとあっ、という顔をし、本当の誕生日となぜ二十日になったのかを話してくれたのだが、あまりにもふざけた決め方に眉を潜め、それでも守護石は俺と一緒だと明るく言う圭に愛しさが込み上げる。チラリと姉を見るとやはり眉を潜めていた。石はなにかと聞くと、エメラルドとアクアマリンだという。
「ふうん……じゃあ、これはどうかしら?」
姉はショーケースからペンダントを出した。ドルフィンリング形のペンダントで、圭の目を見たのか、かなり小粒だが目にはまっている石は、少し色の濃いアクアマリンで圭の片目と同じブルーだった。
「うん、もらうよ。姉さん、包んで。あ、やっぱり包まなくていい。着けて帰る」
驚く圭に「クリスマス・プレゼント」と言い
「アタシへのプレゼントは、圭自身ね。ちなみに拒否権はないから」
と圭が何か言う前に、耳元でそう囁いた。
43
あなたにおすすめの小説
【完結】退職を伝えたら、無愛想な上司に囲われました〜逃げられると思ったのが間違いでした〜
来栖れいな
恋愛
逃げたかったのは、
疲れきった日々と、叶うはずのない憧れ――のはずだった。
無愛想で冷静な上司・東條崇雅。
その背中に、ただ静かに憧れを抱きながら、
仕事の重圧と、自分の想いの行き場に限界を感じて、私は退職を申し出た。
けれど――
そこから、彼の態度は変わり始めた。
苦手な仕事から外され、
負担を減らされ、
静かに、けれど確実に囲い込まれていく私。
「辞めるのは認めない」
そんな言葉すらないのに、
無言の圧力と、不器用な優しさが、私を縛りつけていく。
これは愛?
それともただの執着?
じれじれと、甘く、不器用に。
二人の距離は、静かに、でも確かに近づいていく――。
無愛想な上司に、心ごと囲い込まれる、じれじれ溺愛・執着オフィスラブ。
※この物語はフィクションです。
登場する人物・団体・名称・出来事などはすべて架空であり、実在のものとは一切関係ありません。
苦手な冷徹専務が義兄になったかと思ったら極あま顔で迫ってくるんですが、なんででしょう?~偽家族恋愛~
霧内杳/眼鏡のさきっぽ
恋愛
「こちら、再婚相手の息子の仁さん」
母に紹介され、なにかの間違いだと思った。
だってそこにいたのは、私が敵視している専務だったから。
それだけでもかなりな不安案件なのに。
私の住んでいるマンションに下着泥が出た話題から、さらに。
「そうだ、仁のマンションに引っ越せばいい」
なーんて義父になる人が言い出して。
結局、反対できないまま専務と同居する羽目に。
前途多難な同居生活。
相変わらず専務はなに考えているかわからない。
……かと思えば。
「兄妹ならするだろ、これくらい」
当たり前のように落とされる、額へのキス。
いったい、どうなってんのー!?
三ツ森涼夏
24歳
大手菓子メーカー『おろち製菓』営業戦略部勤務
背が低く、振り返ったら忘れられるくらい、特徴のない顔がコンプレックス。
小1の時に両親が離婚して以来、母親を支えてきた頑張り屋さん。
たまにその頑張りが空回りすることも?
恋愛、苦手というより、嫌い。
淋しい、をちゃんと言えずにきた人。
×
八雲仁
30歳
大手菓子メーカー『おろち製菓』専務
背が高く、眼鏡のイケメン。
ただし、いつも無表情。
集中すると周りが見えなくなる。
そのことで周囲には誤解を与えがちだが、弁明する気はない。
小さい頃に母親が他界し、それ以来、ひとりで淋しさを抱えてきた人。
ふたりはちゃんと義兄妹になれるのか、それとも……!?
*****
千里専務のその後→『絶対零度の、ハーフ御曹司の愛ブルーの瞳をゲーヲタの私に溶かせとか言っています?……』
*****
表紙画像 湯弐様 pixiv ID3989101
あまやかしても、いいですか?
藤川巴/智江千佳子
恋愛
結婚相手は会社の王子様。
「俺ね、ダメなんだ」
「あーもう、キスしたい」
「それこそだめです」
甘々(しすぎる)男子×冷静(に見えるだけ)女子の
契約結婚生活とはこれいかに。
甘すぎるドクターへ。どうか手加減して下さい。
海咲雪
恋愛
その日、新幹線の隣の席に疲れて寝ている男性がいた。
ただそれだけのはずだったのに……その日、私の世界に甘さが加わった。
「案外、本当に君以外いないかも」
「いいの? こんな可愛いことされたら、本当にもう逃してあげられないけど」
「もう奏葉の許可なしに近づいたりしない。だから……近づく前に奏葉に聞くから、ちゃんと許可を出してね」
そのドクターの甘さは手加減を知らない。
【登場人物】
末永 奏葉[すえなが かなは]・・・25歳。普通の会社員。気を遣い過ぎてしまう性格。
恩田 時哉[おんだ ときや]・・・27歳。医者。奏葉をからかう時もあるのに、甘すぎる?
田代 有我[たしろ ゆうが]・・・25歳。奏葉の同期。テキトーな性格だが、奏葉の変化には鋭い?
【作者に医療知識はありません。恋愛小説として楽しんで頂ければ幸いです!】
包んで、重ねて ~歳の差夫婦の極甘新婚生活~
吉沢 月見
恋愛
ひたすら妻を溺愛する夫は50歳の仕事人間の服飾デザイナー、新妻は23歳元モデル。
結婚をして、毎日一緒にいるから、君を愛して君に愛されることが本当に嬉しい。
何もできない妻に料理を教え、君からは愛を教わる。
一夜の過ちで懐妊したら、溺愛が始まりました。
青花美来
恋愛
あの日、バーで出会ったのは勤務先の会社の副社長だった。
その肩書きに恐れをなして逃げた朝。
もう関わらない。そう決めたのに。
それから一ヶ月後。
「鮎原さん、ですよね?」
「……鮎原さん。お腹の赤ちゃん、産んでくれませんか」
「僕と、結婚してくれませんか」
あの一夜から、溺愛が始まりました。
契約結婚のはずなのに、冷徹なはずのエリート上司が甘く迫ってくるんですが!? ~結婚願望ゼロの私が、なぜか愛されすぎて逃げられません~
猪木洋平@【コミカライズ連載中】
恋愛
「俺と結婚しろ」
突然のプロポーズ――いや、契約結婚の提案だった。
冷静沈着で完璧主義、社内でも一目置かれるエリート課長・九条玲司。そんな彼と私は、ただの上司と部下。恋愛感情なんて一切ない……はずだった。
仕事一筋で恋愛に興味なし。過去の傷から、結婚なんて煩わしいものだと決めつけていた私。なのに、九条課長が提示した「条件」に耳を傾けるうちに、その提案が単なる取引とは思えなくなっていく。
「お前を、誰にも渡すつもりはない」
冷たい声で言われたその言葉が、胸をざわつかせる。
これは合理的な選択? それとも、避けられない運命の始まり?
割り切ったはずの契約は、次第に二人の境界線を曖昧にし、心を絡め取っていく――。
不器用なエリート上司と、恋を信じられない女。
これは、"ありえないはずの結婚"から始まる、予測不能なラブストーリー。
甘過ぎるオフィスで塩過ぎる彼と・・・
希花 紀歩
恋愛
24時間二人きりで甘~い💕お仕事!?
『膝の上に座って。』『悪いけど仕事の為だから。』
小さな翻訳会社でアシスタント兼翻訳チェッカーとして働く風永 唯仁子(かざなが ゆにこ)(26)は頼まれると断れない性格。
ある日社長から、急ぎの翻訳案件の為に翻訳者と同じ家に缶詰になり作業を進めるように命令される。気が進まないものの、この案件を無事仕上げることが出来れば憧れていた翻訳コーディネーターになれると言われ、頑張ろうと心を決める。
しかし翻訳者・若泉 透葵(わかいずみ とき)(28)は美青年で優秀な翻訳者であるが何を考えているのかわからない。
彼のベッドが置かれた部屋で二人きりで甘い恋愛シミュレーションゲームの翻訳を進めるが、透葵は翻訳の参考にする為と言って、唯仁子にあれやこれやのスキンシップをしてきて・・・!?
過去の恋愛のトラウマから仕事関係の人と恋愛関係になりたくない唯仁子と、恋愛はくだらないものだと思っている透葵だったが・・・。
*導入部分は説明部分が多く退屈かもしれませんが、この物語に必要な部分なので、こらえて読み進めて頂けると有り難いです。
<表紙イラスト>
男女:わかめサロンパス様
背景:アート宇都宮様
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる