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番外編
リンの婚姻式(従魔視点)
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まずはラズからかな? ラズはもともと、ハウススライムだったんだ。とてもちっぽけな存在だった。だけど頑張ってれべるあっぷして、エンペラーハウススライムになったんだ!
えっへん!
そんなラズにまだ名前がなかったころ、リンと出会った。リンはとても優しい魔力をしていて、五匹になっていたラズたちはどうしてもリンと契約したかった。
その念願が叶って今はずっと一緒にいる。
ラズだけじゃなくて、他にも従魔となったスミレやロキといった、とても大きな体をしたグレイハウンドやビッグキャットが仲魔になるとは……。
彼らもリンに感謝して、従魔になったんだ。
そんな優しき我らの主人であるリンが、今日コンインする。ラズとスミレには運命の番はいないけど、リンがいるからいいんだ。あと、五匹になれば仲間がいるしね。
ラズ以外のみんなは、教会の室内にいる。タクミが面倒を見てくれるのだ。もちろん、不用意に近づいてくるような輩も排除してくれるという。
だから、ラズはリンを近くで見守ることにした。
真っ白いドレスという服を着せられて、いつもとは違う姿になるリン。とても綺麗なんだ。
ラズにはどんな名前の服かなんてわからないけど、とにかく綺麗で素敵だというのはわかったよ。まるで、城で会った王妃様みたい。
時間が来たからと巫女が呼びにきたから、ラズも教会のほうへといく。途中にスミレがいたからびっくりしたけど、交代した。
もっと見ていたかったなあ……残念。
ワタシから見たリンは、とても綺麗だったの。巫女に連れられて歩いている近くの天井に張り付いて、リンと一緒に歩いた。
白い服にはシシュウというものが施されているし、綺麗に光っている。そのシシュウする糸は、ワタシの糸を使っているの。もちろん、マドカとミユキにお願いされて、リン以外には使わないという約束でね。ちゃんと約束を守ってくれた。
扉に着くと、エアハルトが反対側からきた。エアハルトの服には、彼の従魔となったワタシの子どもの糸が使われているの。
いずれ、エアハルトやアレクの従魔の中で、神獣になる可能性がある子がいるわ。もちろん、幼いながらも神獣でいる子がいる。
その子たちと仲良くして、それぞれの主人を護るんだと聞いて、ロキたちと一緒に戦い方を教えたの。彼らはとても強くなった。
それでもまだまだ足りないと、いつもみんなで戦闘訓練をしているの。訓練だけだとレベルの上がりは遅いけど、それでもしないよりはマシだ。
もちろん、ダンジョンに行くから、どんどん強くなっている。
その、鳳がエアハルトの肩にこっそりととまっているのが見えて、一緒に中に入ろうと促した。これは番だけの儀式だからと。
「お時間です」
時間となったみたいで、巫女と神官が同時に扉を開けた。そこにいたのは隠蔽を使ったロック。親であるロキを見ると、呆れた顔をしていた。仕方ないなあ、ロックは。
リンを母親だと思っている節があるから、しょうがないのかもね。
そんなロックを促して、みんながいるところに行った。
扉が開いた先に、リンママがいた。いつも綺麗だけど、今日はもっと綺麗。
リンママにもらったロックという名前を、とても気に入っている。
本当のママのことは覚えていないけど、ボクはリンママを母親だと思っているんだ。
本当はご主人様だけど、護りたいという意味ではご主人様だろうと母親だろうと変わらないと、ボクは思ってる。だから、全力でリンママを護ると決めた。
そんなリンママは、エアハルトと番になる。ちょっと寂しいけど、ボクたちは引き離されることもないし、「家族が増えると思えばいいんだよ」ってリンママにいわれて、ホッとしたんだ。
これからもずっと一緒にいられるから。
いつか、父さんのように、リンママを背中にのせたいな。お願いしたらのってくれるかな。
コンインしたら旅に出るって言っていたから、頼んでみよう。
そんなことを考えていたら、リンママが目の前を通り過ぎた。主人でもあるリンママを見て、幸せそうだし綺麗だなあ……って思った。
ボクの横にはシマ母さんがいて、<みんなのところに戻るにゃ>と大人になったボクの首を咥えていく。小さくなっていたから仕方がないとはいえ……もう一人の母さんは、容赦がなかった。
もう……ロックはリンにべたべたにゃ。母として慕っているのは知ってるにゃ、アタシもロックをソラやユキとおにゃじように自分の子どもとして育てたにゃ。
だから、みんにゃとても強くて優しい、いい子に育ったにゃ。
もちろんアタシもリンが好きにゃ! おかんみたいに優しくて、カッコよくて、気持ちが前向きで強くて。そんにゃリンが大好きにゃ!
アタシとレンが番ににゃったとおにゃじように、リンが番を見つけたにゃ。それがエアハルトだったにゃ。
最初はちょっと頼りにゃい印象があったエアハルトだったけど、リンを好きだと自覚してからは、しっかりとしてきたにゃ。まあ、まだまだ甘いところもあるけどにゃ。
それでも、リンとエアハルトが幸せそうだから、いいにゃ。
ロックを咥えたまま、みんにゃがいるところに戻ったにゃ。すぐにロキに叱られていたロックは、しゅんとにゃったものの、すぐにキラキラとした目をして、リンの姿を見ていたにゃ。
アタシもしっかり見るにゃ。
頬を薄っすらと赤く染めて、エアハルトを見つめるリンは、従魔ににゃってから見てきたにゃかで、一番綺麗にゃ。
神官が祝福の祈りを込めて声を発し、そのあとでにゃにか書いたリンとエアハルト。すると、アントス神の像が光り、あたりをキラキラと照らしたにゃ。
……いったいにゃにをやってるにゃ、アントス神は。こんにゃところで神の祝福を授けるにゃんて、アホとしかいいようがにゃいにゃ。
ちらりとロキを見れば、おにゃじように呆れた顔をしていたにゃ……。
アントス神はいったいなにをしているのかと、祝福の光を見て呆れてしまう。
どうしていつものように神界に呼んでから祝福しなかったのか。
しかも、我ら従魔だけではなく、エアハルトと彼の従魔たちにも、その影響が及んでいる。考えなしにも程があるぞ、アントス神よ。
これはきっと、リンとエアハルトだけではなく、異界の神たちの説教に繋がるだろう。
そう思っていたのだが、のちに肝心な異界の神も同じく祝福していたとわかって、溜息しか出なかったが。
今まで見てきた中で一番綺麗で、幸せそうなリン。
主人の幸福は、我らの幸福だ。見ているだけで幸せな気持ちになる。
我の番は死んでしまったが、そのうちどこかに生まれ変わっているだろう。
ただ、それはリンが生きている間なのか、リンが死んだあとかはわからぬが。
リンと同じくらいの長さを生きることになった、我ら従魔。それをよしとしない魔物たちもいる。
我らはリンの心意気に惚れて、自ら従魔となることを決めた。だからこそ、長く生きるということに躊躇いはない。
が……これでは、リンがまた巻き込まれる可能性が高いのではないか?
そう思ったのは正解で、リンはしばし貴族絡みで迷惑をかけられたり、旅の途中で盗賊や夜盗などに出会ったりと、とにかく数年に一回の割合で厄介事に巻き込まれることがあったのだ。
しかも、神となったことをアントス神が知らしめたことで、それがどんどん加速したのだから、どうしようもない。
せめてリンが死んでからにすればいいものを……と溜息をついたが、神のやることは我らに計り知れぬ。故に、アントス神を〝説教〟という名の拳で語り合うということをしたものだ。
本来ならば不敬であり、そのまま天に召されてもおかしくはない行為だ。だが、アントス神は我らが強くなることを願っている節があり、たまに神界に呼ばれると戦闘訓練をさせられたりもしたものだ。
リンを気にかけているが故であろうが、我らもリンの剣と盾になるのであれば、強くなることに躊躇いはない。
まあ、リンは我らに対して過保護になりがちだが。
それも心地よいと感じるあたり、我も大概ではあるな。
幸せそうな様子のリンとエアハルトは、その後滅多に喧嘩するようなこともなく、仲睦まじく、暮らした。
*******
「転移先は薬師が少ない世界でした」二巻のお知らせが近況ボードにあります。
出荷日などもそちらに書かれていますので、ご覧いただければと思います。
書影に関しては、許可が出次第、こちらに載せますね(*´艸`*)
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時間が来たからと巫女が呼びにきたから、ラズも教会のほうへといく。途中にスミレがいたからびっくりしたけど、交代した。
もっと見ていたかったなあ……残念。
ワタシから見たリンは、とても綺麗だったの。巫女に連れられて歩いている近くの天井に張り付いて、リンと一緒に歩いた。
白い服にはシシュウというものが施されているし、綺麗に光っている。そのシシュウする糸は、ワタシの糸を使っているの。もちろん、マドカとミユキにお願いされて、リン以外には使わないという約束でね。ちゃんと約束を守ってくれた。
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いずれ、エアハルトやアレクの従魔の中で、神獣になる可能性がある子がいるわ。もちろん、幼いながらも神獣でいる子がいる。
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それでもまだまだ足りないと、いつもみんなで戦闘訓練をしているの。訓練だけだとレベルの上がりは遅いけど、それでもしないよりはマシだ。
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リンママにもらったロックという名前を、とても気に入っている。
本当のママのことは覚えていないけど、ボクはリンママを母親だと思っているんだ。
本当はご主人様だけど、護りたいという意味ではご主人様だろうと母親だろうと変わらないと、ボクは思ってる。だから、全力でリンママを護ると決めた。
そんなリンママは、エアハルトと番になる。ちょっと寂しいけど、ボクたちは引き離されることもないし、「家族が増えると思えばいいんだよ」ってリンママにいわれて、ホッとしたんだ。
これからもずっと一緒にいられるから。
いつか、父さんのように、リンママを背中にのせたいな。お願いしたらのってくれるかな。
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リンを気にかけているが故であろうが、我らもリンの剣と盾になるのであれば、強くなることに躊躇いはない。
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