14 / 339
『編み物男子部』?ができるまで。
3 譲れない攻防戦 1
しおりを挟む
俺が中学の時バレー部に所属してたってよく知ってたよね、じょうちゃん。
それよりも……じょうちゃん何時から『オレサマ』キャラなの?
小学生の頃は控えめだったよね?
いつも俺の隣でニコニコ笑ってたよね?
三年の月日はこうも人を変えてしまうんだ……。
あ、まただ。ついつい『じょうちゃん』って言ってしまいそうになる。
もう心の中ではいいよね?言わなければ。
「神崎川くんは剣道部じゃないの?中学の時剣道部だったよね?全国も行ったでしょ?どうしてサッカーしたくなったんだよ。そっちの方が訳わかんない」
そうだよ、もっと孤高の姿、俺に魅せてくれよ。
剣道の試合、場内の空気が変わる程圧倒的な速い所作で痺れる程格好良くて。
誰もが魅入ってしまう強さで勝ち進んでいく姿、孤高の姿をもっと俺に、魅せてよじょうちゃん……。
言えない言葉を秘めながら『剣道部に入って!』と心の中で哀願する。
届く訳ないけど。
「言ったら考え直してくれるか?」
「無理……」即答。
「じゃあ、妥協してやっからどの部に入るか教えろ」
「それなら……わかった」
言ったら言ったでまた何か言われそうだけど。
俺の想いは、じょうちゃんにだって譲れない!
振られる覚悟はまだ出来てないけど、そのために此処で編み物がしたいんだ。
じょうちゃんの気配を感じながら。
想いを編み込んで封じるために!
なのに……側に居すぎだよ。
肌ふれあいまくってるよ。
俺、ツラいよ。じょうちゃん……。
じょうちゃんは照れ臭そうに話始めた。
「俺、中学は剣道部だったろ?小学の時から道場通ってたから自然と剣道部に入部することしか考えてたなったんだよな。剣道って独りで闘うものだろ?でもな、バレーはちげーだろ?仲間で闘ってんだろ?で、榊とお前がハイタッチしたりハグしたりしてるの見てたら……そういうのって羨ましいと思ったんだよ。わりぃか!」
「榊?あ、神崎川君の友達の……」
そっか、そういえば榊はじょうちゃんの友達だったな……。
あの中で、じょうちゃんの隣は榊とじょうちゃんの彼女だった。
そこまで気にして見てなかったんだけど。簡単に思い出しちゃった。
俺がバレー部だって知ってたのは榊が居たからだったんだ。
俺を見てたからじゃなかったんだ。
そう、そうだよな。
小学生の時代、仲がよかったってただそれだけの話じゃん。
じょうちゃんにはやっぱり俺は過去なんだ。
わかってたけど……凹むなぁ。
「だ・か・ら!それをお前と、鳴海としてぇんだよ!高校ではそういう青春をだな、やりてぇって思ったんだよ。知ってるのは鳴海だけだしな、わかったか!」
じょうちゃんが青春?
皇帝様に『青春』って言葉が余りにも似合わなくって吹き出しそうになった。
それをあっという間に見咎められてしまい、ギロ目で睨まれる。ゴメン。
心の中でだけ謝る俺。
ホントの事言ったら、俺、自爆になるもん。
俺と青春したいんだ……。
嬉しいお誘いだけど、嬉しくない。
今は知ってるのは俺だけでも、じょうちゃんならすぐに友達出来るだろうし。
俺じゃなくてもいいって思えるようになるよね、きっと。
ホントは俺でなくってもいい筈なんだ。
じわじわとまた凹んできた。
でも、確かに部活で青春してた実感がある。
試合に勝利したらチームメイトと抱き合って喜んだし、サーブが決まるとハイタッチしたり。
練習に明け暮れて。汗くさい中で切磋琢磨して。
チームが一丸になっていくのは楽しかった。
じょうちゃんがそういうのに憧れていたとは想像出来なかった。
じょうちゃんには孤高の姿が余りにも似合っていたから。
絶対的な『皇帝』という姿が。
剣道をしている時でさえその空気を纏っているように思えたから。
それよりも……じょうちゃん何時から『オレサマ』キャラなの?
小学生の頃は控えめだったよね?
いつも俺の隣でニコニコ笑ってたよね?
三年の月日はこうも人を変えてしまうんだ……。
あ、まただ。ついつい『じょうちゃん』って言ってしまいそうになる。
もう心の中ではいいよね?言わなければ。
「神崎川くんは剣道部じゃないの?中学の時剣道部だったよね?全国も行ったでしょ?どうしてサッカーしたくなったんだよ。そっちの方が訳わかんない」
そうだよ、もっと孤高の姿、俺に魅せてくれよ。
剣道の試合、場内の空気が変わる程圧倒的な速い所作で痺れる程格好良くて。
誰もが魅入ってしまう強さで勝ち進んでいく姿、孤高の姿をもっと俺に、魅せてよじょうちゃん……。
言えない言葉を秘めながら『剣道部に入って!』と心の中で哀願する。
届く訳ないけど。
「言ったら考え直してくれるか?」
「無理……」即答。
「じゃあ、妥協してやっからどの部に入るか教えろ」
「それなら……わかった」
言ったら言ったでまた何か言われそうだけど。
俺の想いは、じょうちゃんにだって譲れない!
振られる覚悟はまだ出来てないけど、そのために此処で編み物がしたいんだ。
じょうちゃんの気配を感じながら。
想いを編み込んで封じるために!
なのに……側に居すぎだよ。
肌ふれあいまくってるよ。
俺、ツラいよ。じょうちゃん……。
じょうちゃんは照れ臭そうに話始めた。
「俺、中学は剣道部だったろ?小学の時から道場通ってたから自然と剣道部に入部することしか考えてたなったんだよな。剣道って独りで闘うものだろ?でもな、バレーはちげーだろ?仲間で闘ってんだろ?で、榊とお前がハイタッチしたりハグしたりしてるの見てたら……そういうのって羨ましいと思ったんだよ。わりぃか!」
「榊?あ、神崎川君の友達の……」
そっか、そういえば榊はじょうちゃんの友達だったな……。
あの中で、じょうちゃんの隣は榊とじょうちゃんの彼女だった。
そこまで気にして見てなかったんだけど。簡単に思い出しちゃった。
俺がバレー部だって知ってたのは榊が居たからだったんだ。
俺を見てたからじゃなかったんだ。
そう、そうだよな。
小学生の時代、仲がよかったってただそれだけの話じゃん。
じょうちゃんにはやっぱり俺は過去なんだ。
わかってたけど……凹むなぁ。
「だ・か・ら!それをお前と、鳴海としてぇんだよ!高校ではそういう青春をだな、やりてぇって思ったんだよ。知ってるのは鳴海だけだしな、わかったか!」
じょうちゃんが青春?
皇帝様に『青春』って言葉が余りにも似合わなくって吹き出しそうになった。
それをあっという間に見咎められてしまい、ギロ目で睨まれる。ゴメン。
心の中でだけ謝る俺。
ホントの事言ったら、俺、自爆になるもん。
俺と青春したいんだ……。
嬉しいお誘いだけど、嬉しくない。
今は知ってるのは俺だけでも、じょうちゃんならすぐに友達出来るだろうし。
俺じゃなくてもいいって思えるようになるよね、きっと。
ホントは俺でなくってもいい筈なんだ。
じわじわとまた凹んできた。
でも、確かに部活で青春してた実感がある。
試合に勝利したらチームメイトと抱き合って喜んだし、サーブが決まるとハイタッチしたり。
練習に明け暮れて。汗くさい中で切磋琢磨して。
チームが一丸になっていくのは楽しかった。
じょうちゃんがそういうのに憧れていたとは想像出来なかった。
じょうちゃんには孤高の姿が余りにも似合っていたから。
絶対的な『皇帝』という姿が。
剣道をしている時でさえその空気を纏っているように思えたから。
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
35
1 / 5
この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる