あみdan

わらいしなみだし

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『編み物男子部』?ができるまで。

59 決戦は金曜日? 3 ★神崎川side2

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 村瀬キャプテンはにやにやしながら話を続けてくる。

「僕、見たんだよ。部活を今日と明日休みますと言った月曜日。神崎川、君は校門で誰といたんだい?」

 み……みられていた?

「知らない制服の女の子だったね。彼女と抱き締めあって……キスしてたよね?」

 こんな奴に……
 見られてしまっていた……?

「それから無断欠席だよね?火曜日も部活休むって言ってた時には、学校に来ないとわかってたんだろ?」

 何も言えない……

「そのあと、ラブホにでも行って彼女を抱いたでしょ?それとも彼女の家でしたのかい?自分の部屋に連れ込んだ?何処かは知らないけど、抱いたことは事実でしょ?君なら……セックス一回では終わらないよね?」

 ……!
 な、なんで……?

「本当に君ってわかりやすいよね!ねぇ、神崎川。女を抱いてる時に何があったって君には何一つ文句言えないよね?」

「どうしてそれを……」

「あんなに泣きそうになってる女を見てさー、抱き締めてキスして終わるわけないよねー。そうでしょ?男だったらね!神崎川城一.....くん」

 何も……言い返せない。

「大丈夫!誰にも言わないから。それとも……翔琉に言って欲しい?」
 
 勝ち誇った笑顔が憎々しい!
 これ以上ないほど村瀬キャプテンを睨んだ。
 言葉は何一つ出てこない……。
 それしか……出来ない。
 無力だ……。

「あ、見えないかもしれないけど、翔琉ったら隠すんだもんね!首元、みてごらんよ。僕の所有跡がちゃんとついてるからね!」

 ふふふっ、じゃーねー!

 スキップをするかのように軽快に去っていく。
 村瀬キャプテンの捨て台詞を聞きながら、俺は立ち尽くすしかなかった。

 う、うそだろ……?

 と、とられた……!

 あんなにもガチガチに守っていたのに!

『御祓をしろ。後悔するぞ!』

 そう父親に言われていた筈なのに……!

 流された訳じゃない。
 彼女を愛おしく思っていたのは事実だった。

 だから……あんなにもすがられてしまったら……
 キスして……何度も抱き合って……

 俺は……今度こそ取り返せないことをしてしまったんだ……。

 翔琉……翔琉……。

 本当に好きなのは翔琉だけなんだ……。
 もう、そんなことさえ……

 言えないことを

 俺はシテシマッタ……。




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