あみdan

わらいしなみだし

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『編み物男子部』?ができるまで。

180 楽しい日曜日 12

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 お皿にグリーンリーフを数枚乗せた上に出来上がった唐揚げを乗せ坂口君に託す。坂口君はそれを持ってリビングへ向かった。

 入れ替わりに弟の颯汰がやって来た。

「兄ちゃんのお友だちっていい人ばかりだね!」

 笑顔が嬉しそうで俺はとても安心した。ぎこちない態度とかさすがに弟だから兄ならわかって当然だと思う。敢えて何も言わないし聞かない。俺は弟を何よりも信頼しているのである。

「だろ?実は神崎川以外の三人は部活……っていっても未だ認可されてないんだけど、同じ部員なんだ」

「それって、何部なの?」

 興味津々の顔でニコニコしながら聞いてくる。

「まだ出来てないんだってば!」

 そんな顔をされたら言い難い。
 俺は気にならない振りをして、ある程度冷めた筍を取り出してまな板の上に置いた。

「ねぇ、教えてくれてもいいじゃんかよ……」

 食い下がる弟の颯汰に態と観念する。
 からかうのがちょっと楽しかったりするんだよね。

「うん、わかった。男子だけの編み物部だよ」

 それを聞いた颯汰は予想外に大喜びをした。

「兄ちゃん!編み物再開したの?また俺にマフラー編んでくれるの?」

 目に潤んだものを見た俺は少し濡れた手をエプロンで拭いてから颯汰を力強く抱きしめた。

「そうだな……。颯汰にずっと心配かけてたな……。俺、ちゃんと言ってなかったよな。中学時代の俺はダメダメだったけど、もう大丈夫だよ!だから安心していいからな、颯汰。ずっとこんな兄を気にかけてくれてたんだろ?」

「ううん、兄ちゃん……俺はいつも兄ちゃんが大好きだよ。どんな兄ちゃんでも俺は好きだから……」

 俺の腕の中で震える身を感じる。どれ程俺は颯汰を不安にさせていたんだろう?
 いつも変わることなく接してくれていた颯汰に心から感謝した。

「ありがとな…颯汰……」

 颯汰の涙が俺の頬を濡らした……

 今年最初に編むマフラーはじょうちゃんではなく、弟の颯汰へマフラーを編んで贈ることに決めたのだった。
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