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女人禁制の☆あみだん☆開始!
19 初顔合わせ 1
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この状況……呑み込めないんですけど?
俺は……じゃない。俺達は今、理科室に向かって渡り廊下を歩いている。
それもこの奇妙な状態をどう表現したらいいのか、俺は困惑しきっているのだ。
生徒会の部会が終了して智さんが俺のところに来てちょっと話をしたら二人に捕まって その場を離れることになったのだ。
あまりの素早さに智さんが呆然としていたんだから。
俺の右側に戸神那瑠樹……此処の生徒会会長が俺の腰に手を巻き付けてガッチリホールドしていて振りほどけない。
俺の左側は田岡実光……此処の生徒会副会長が俺の肩に手を回してくっついていて歩きづらいしこの状況はただただ恥ずかしい。
二人は俺より背が高いから完全に二人に埋まっているみたいで、この状況から逃げ出せない。
何度かジタバタして抵抗してはみたものの、そこから剥がれることは出来ずにいて現在に至るである。
「本当に君って、アイツのイロ?手が早いって有名だからもう食べられたのかな?そそられるね、鳴海君の匂いって……アイツが手を付ける訳だね」
何を言っているのか、意味がわからない。
右側の彼が俺の首元に顔を寄せ付けてにおいをクンクン嗅いでる音がする。
「那瑠樹だって大概じゃん!もう横取りする気、満々でしょ?」
左側の彼は俺に頭を預けるようにすり寄ってくる。
親しくなった覚えはないのにどうしてこんなにもピッタリくっついてくるのだろう?
俺、男なんだけど。
ホントにもう、二人ともやめてくれないかな?
「あ、あの……いい加減そろそろ離れてくれませんか?」
「部員を蔑ろにするのはいけないよ。いいからいいから」
だから、よくないんだってば!
「もう理科室はそこなんですから……二人とも離れてくださいって!」
「無理……」
「俺も無理!」
本当にこのお二人は……
俺の言葉は耳に入らないみたいでため息が出る。
もしかして本当は部員ではなく、冷やかしなんじゃないのかな?
理科室の前まで到着すると和やかな声が聞こえてきて、皆が楽しそうに話をしているのが想像出来た。同好会発足がきっと待ち遠しいのだろう。俺だってそうなんだもん。
俺は足を止めて感慨深げに目を閉じて漏れ聞こえてくる声を楽しんだ。
それに気づいた二人も同じように足を止めた。
それは十秒ほどの事ですぐに気持ちを切り替える。
俺はフッと肩を落として理科室の扉をノックして扉を開けた。
理科室にいる四人が笑顔で俺を迎えてくれた。
その筈だったのに、何故か緊張した空気が漂って……
ガタン!
相沢君が椅子を引き倒し、此方へ走り出そうとした。
それに気がついた朔田君が止めようとして椅子を倒しながら相沢君の後ろを追いかける。
「てめぇーら!鳴海から離れろー!」
俺の右隣にいる生徒会長の戸神の制服……胸座を左手で持ち、右手はパンチに入る姿勢になっていた。
「駄目だよ!相沢君!」
相沢君に手を伸ばして叫ぶ朔田君の必死の声が聞こえる。
坂口君と名塚君も慌ててそれを止めようとこっちにやって来る。
揉み合いになる……そんな嫌な予感がして俺は目をギュッと瞑った。
俺は……じゃない。俺達は今、理科室に向かって渡り廊下を歩いている。
それもこの奇妙な状態をどう表現したらいいのか、俺は困惑しきっているのだ。
生徒会の部会が終了して智さんが俺のところに来てちょっと話をしたら二人に捕まって その場を離れることになったのだ。
あまりの素早さに智さんが呆然としていたんだから。
俺の右側に戸神那瑠樹……此処の生徒会会長が俺の腰に手を巻き付けてガッチリホールドしていて振りほどけない。
俺の左側は田岡実光……此処の生徒会副会長が俺の肩に手を回してくっついていて歩きづらいしこの状況はただただ恥ずかしい。
二人は俺より背が高いから完全に二人に埋まっているみたいで、この状況から逃げ出せない。
何度かジタバタして抵抗してはみたものの、そこから剥がれることは出来ずにいて現在に至るである。
「本当に君って、アイツのイロ?手が早いって有名だからもう食べられたのかな?そそられるね、鳴海君の匂いって……アイツが手を付ける訳だね」
何を言っているのか、意味がわからない。
右側の彼が俺の首元に顔を寄せ付けてにおいをクンクン嗅いでる音がする。
「那瑠樹だって大概じゃん!もう横取りする気、満々でしょ?」
左側の彼は俺に頭を預けるようにすり寄ってくる。
親しくなった覚えはないのにどうしてこんなにもピッタリくっついてくるのだろう?
俺、男なんだけど。
ホントにもう、二人ともやめてくれないかな?
「あ、あの……いい加減そろそろ離れてくれませんか?」
「部員を蔑ろにするのはいけないよ。いいからいいから」
だから、よくないんだってば!
「もう理科室はそこなんですから……二人とも離れてくださいって!」
「無理……」
「俺も無理!」
本当にこのお二人は……
俺の言葉は耳に入らないみたいでため息が出る。
もしかして本当は部員ではなく、冷やかしなんじゃないのかな?
理科室の前まで到着すると和やかな声が聞こえてきて、皆が楽しそうに話をしているのが想像出来た。同好会発足がきっと待ち遠しいのだろう。俺だってそうなんだもん。
俺は足を止めて感慨深げに目を閉じて漏れ聞こえてくる声を楽しんだ。
それに気づいた二人も同じように足を止めた。
それは十秒ほどの事ですぐに気持ちを切り替える。
俺はフッと肩を落として理科室の扉をノックして扉を開けた。
理科室にいる四人が笑顔で俺を迎えてくれた。
その筈だったのに、何故か緊張した空気が漂って……
ガタン!
相沢君が椅子を引き倒し、此方へ走り出そうとした。
それに気がついた朔田君が止めようとして椅子を倒しながら相沢君の後ろを追いかける。
「てめぇーら!鳴海から離れろー!」
俺の右隣にいる生徒会長の戸神の制服……胸座を左手で持ち、右手はパンチに入る姿勢になっていた。
「駄目だよ!相沢君!」
相沢君に手を伸ばして叫ぶ朔田君の必死の声が聞こえる。
坂口君と名塚君も慌ててそれを止めようとこっちにやって来る。
揉み合いになる……そんな嫌な予感がして俺は目をギュッと瞑った。
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