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第4章 集まれ仲間達

辺境伯領の落日 -15-

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「しゃーないなー、もう。これじゃ、きょうかするいぜんのもんだいだっつーの」

 キョロキョロっと周囲の地面を見回した「ルナさま」は、適当な小枝を見つけるとそこいらの地面に何かを書き始めた。


 Pᴀ=1/2×γ×h²×Kᴀ+q×h×Kᴀ
   =1/2×17×2²×0.4+5×2×0.4=17.600kN/㎡


「うわぁ。どあつギリじゃん。マジでぇ?」


 P₁=17×0×0.4+5×0.4=2.000kN/㎡
 P₂=17×2×0.4+5×0.4=15.600kN/㎡
 y=(P₂+2× P₁)×h / 3× (P₂+P₁)
   =(15.600+2×2.000)×2 / 3×(15.600+2.000)
   =0.742m


「これは……なんの、けいさんなんだ?」
「どあつ……えっと、つちのしつから、あてはまる、どあつけいすうと、せきさいかじゅうをつかって、あつりょくをけいさんして、つちかべにひつようなきょうどをえるための、ごうりきけいさん。それから、つちかべは、どうしてもきほんのかたちが、だいけいになるから、そのぶんぷにおける、さよういちをわりださないと、あんていけいさんとか、できないから、とりまやってみたんだけど……ねぇ、アルっぴ。このかべ、さいしょから、わたくしがつくりなおしたいんだけどいいかしら? どうかんがえても、これからうけるこうげきにたいする、あんぜんりつが、たりなくなるよかんしか、しないんだけど?」

 さっきは気にせず流したが、どうやら「アルっぴ」というのは、俺のことらしい、というのが真っ直ぐこちらへ向けられた視線から察することが出来て、俺は返事が一拍遅れてしまった。

「ダメだダメだ! 子供の作ったものなど……!」
「いいよ。ちちうえたちには、おれからいっとくから。ただし、しゃれいは、そんなにだせないかもしれない」

 シュバックがまた否定的なことを言い始めたのを遮って、次にまた突っ込まれそうなことを先に俺が口にしておいた。

「いらんいらん。さくせんじょう、ひつようなだけだかんね! じゃ、かべからはなれててね!」
「アルフレッドさま。こちらへ」
「シュバック。りょうぐんのものたちをさがらせろ」
「……………はい」

 フランソワーヌに促された俺が、頷いてから指示を出すと不承不承感たっぷりの表情と間をとってから、ようやくシュバックが返事をして土壁から「ルナさま」以外の全員が離れた。

「〈構築無効化アイリビッタール!〉」

 再び土壁へと手をついた「ルナさま」が口にした呪句のような一言だけで、幅20m程の土壁が一気にただの土塊と化して崩れ去り、フランソワーヌを除いた俺達は全員、叫び声にも近い驚嘆の声を上げてしまったのだった。

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