何度でも俺は、君を愛そう

森井 里留華

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翔太となずな

君と俺の昔〈翔太〉

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 春。俺は母と二人、田舎で暮らす祖父母の家に引っ越した。
 祖父母の家、と言っても俺にとっては馴染みのない土地で、実際幼い頃に二、三度遊びに来たきりではないだろうか。田んぼばかりの続く長閑かな風景は、俺の目には逆に新しく映る。


「翔太、片付けはあたしがやっとくから、あんたその辺散歩してきたら? 久しぶりでしょ、懐かしいんじゃない?」


 母のその言葉に俺はありがたく頷いて、ぶらぶらと辺りを歩いてみることにした。履き慣れた古い靴に足を突っ込み、何も持たずに祖父母の家を出る。
 適当に近くをぶらついてまた家まで戻ってきたとき、ふと俺は何かに引き寄せられるような感覚を覚えた。
 なんとなくそれに抗うことができず、俺は足の赴くままに家の横を素通りする。

 手入れのなされていない脇道を歩くこと数分。
 やがて出た場所は、裏山の前だった。


「すっげぇ……」


 人の手が入ることもなく、大昔のままその姿を守ってきたのだろうと知れる山。微かに、昔ここで遊んだ記憶がある。
 あまり深くまで入ってしまわないように気をつけながら、俺は山に足を踏み入れた。柔らかい草に足が軽く沈む。
 楽しくなった俺は、ヘトヘトになるまで走ったり木に登ったりしてしばらく遊んだ。


「はぁ、疲れた」


 どさっと地面に仰向けに倒れこむ。
 大の字に寝そべったまま、俺は上を見つめた。新葉の茂る木々の隙間からは、抜けるように青い空が見える。

 ポカポカ陽気で暖かいし、触れる草は柔らかくて気持ちがいいし、ほどよく疲れたし……。

 俺はそのまま、眠ってしまった。




♢♢♢♢♢♢




『翔太、起きて』

「んー、もぉーちょい寝かせて……」

『ダメだよ、こんなところで寝てちゃ』

「あとちょっとだけだから……」




「翔太」




 はっと、目が覚めた。

 俺はがばりと体を起こす。
 耳元で誰かの声がしたように思ったが、気のせいだろうか。そう思ってキョロキョロと辺りを見渡したとき、俺のすぐ横に誰かがいるのに気が付いた。


「やっと起きた」


 そう言ってクスクスと楽しげに、その人は笑った。
 俺と同い年くらいだろうか。賢そうな少女だった。白いシャツワンピースを着ていて、それがよく似合っている。


「翔太は昔から遊び疲れて寝ちゃうよね」


 その言葉に俺は首を傾げた。昔から?


「アンタ、誰?」

「忘れちゃった? なずなだよ」


 相変わらずにこにこと答える彼女に、かつてこの場所を訪れたときの古い記憶が蘇る。
 ……確かに昔、ここでなずなという名の少女と遊んだ気がする。でも記憶の中の彼女は当時の俺からしたらずっとお姉さんで、確かちょうど ─── 今の俺と、同い年くらいだったような。


「確かに、なずなって名前の女の子と遊んだ気がするけど……」


 そう言いながら言葉を濁すと、彼女はふふっと笑った。


「ね、言ったでしょう? ……昔とちっとも変わらないね、翔太は。ねぇ、それよりも、帰らなくて大丈夫?」


 彼女のその言葉に俺は飛び上がった。家を出たのは昼過ぎだったのに、木々の間から見える空はオレンジ色をしている。どう考えても寝すぎだ。

 わたわたと立ち上がった俺は、帰る前に彼女を振り返った。


「なずな。またここで、会える? 俺、またなずなに会いてぇんだけど」


 その言葉に、彼女は笑った。


「えぇ。 ─── 待ってる」


 その答えに満足して、俺は山を後にした。




♢♢♢♢♢♢




 それから毎日、俺は山で彼女に会った。

 彼女はなぜだか、いつも俺よりも先に着いて俺を待っていた。どんなに早く行っても必ず。また、帰りに送ると言っても頑として聞かず、柔らかく、でもきっぱりと俺の申し出を断った。
 最初は俺も粘ったが、何か事情があるのかもしれないと思い至って、最近はそんなにしつこくならないように気をつけている。

 今日もいつもの場所に行くと、やっぱり見慣れた姿があった。こっちに気が付いた彼女が、嬉しげに顔を綻ばせる。


「翔太、これ見て!」

「うぉっ、何だよ……って、それ何? なんかすげぇ!」

「あっちの方にたくさんなってたから採ってきちゃった。美味しいのよ、これ」

「まじか、赤くてツヤツヤでめっちゃ綺麗じゃん!」


 彼女が腕一杯に抱えて帰ってきた赤い果実を受け取り、二人で並んで食べる。俺は果実に集中しているふりをしながら、こっそりと彼女の横顔を眺めた。

 何か特別なことをするわけではないが、彼女とこうして他愛もないことを話す時間が好きだった。あっという間に時間が過ぎる感覚は、いつも俺を物足りなく感じさせる。


「もうすぐ春休みも終わりか……。あー、学校行きたくねぇ」

「ふふっ。翔太は昔から勉強が嫌いだものね?」

「う、うっせーよ! てか、何でそんなこと覚えてんだよ……じゃなくて。俺、こっちの学校初めてじゃん。ちゃんと上手くやれっかなーって思ってさ」

「大丈夫。皆きっと翔太のこと大好きになるよ」

「そうかぁ? ……へへっ、なずながそう言うなら大丈夫な気がしてきた」


 両手を頭の後ろで組んで寝転がると、上から彼女が覗き込んできた。慈しむような表情。思わずドキッとして目線をそらす。


「そ、そう言えば、学校でもなずなに会えるかもな? 同い年くらいだろ、俺たち」

「あぁ……それは無理。私、学校には行っていないの。ごめんね?」

「へ?」


 何とか意識を逸らしたくて無理やり変えた話題だったが、彼女の予想外の返事に思わず間抜けな声が漏れる。え、何かワケあり??


「あーっと…、そ、そっか。まぁ今の時代、色んな生き方があるんだし、別にいいと思うぞ、うん」


 気まずくなりたくなくて何とか口にした言葉に、彼女が息を呑む音が聞こえた。心なしか、その瞳が潤んで見える。俺は慌てて体を起こした。


「な、なずな、悪い! 俺、悪気はなくて、」

「もう、ほんとに翔太は馬鹿ね。昔っからそう。馬鹿で間抜けで、すごく……優しい」

「え?」

「背中はもう、痛くない……?」

「背中?」


 泣き笑いの様な表情で俺を見た彼女に、首を傾げる。
 あれか、地べたに寝転がっていたからか? でもそんなのはいつものことだし、ふかふかの草のお陰で痛いどころか寝心地は抜群だ。
 彼女もそれを、知っているはずなのに。


「ごめんなさい、何でもないの。でもちょっと疲れちゃったから、今日はもう解散にしよう?」

「お、おう……」


 微笑んだ彼女は、もういつも通りだった。だからそれ以上突っ込んで聞けなくて、俺はおずおずと頷く。いつものように彼女に見送られながら、山を後にした。





 翔太の背中が完全に見えなくなってから、なずなはその場にしゃがみ込んだ。頬に手をやると、自身の目から溢れ出した雫に指が濡れる。


『今の時代、色んな生き方があるもんな。俺はいいと思うぞ、応援してる』


 かつても同じように言っていた翔太の言葉が蘇り、なずなはぎゅっと胸元で手を握りしめた。
 彼は本当に、昔から変わらない。ずっとずっと、ずぅっと。それこそなずなが、彼に会う前から。


「好きよ翔太。ずっと好き。昔も今も、これからも」




♢♢♢♢♢♢




「なずな、大丈夫かな? アイツ今日、何か変だったけど」


  祖父母の家に設けられた自室のベッドで、俺は天井の木目を眺めながらポツリと呟いた。

 特に何も言わずに帰ってきてしまったけど、本当によかったのか? 後悔ばかりが後から後からやってくる。

 何で彼女は、あんな顔をしたのだろう。すごく苦しそうで悲しそうで、でも嬉しそうで幸せそうな表情だった。見ているこちらまでもが、切なく思ってしまうほどに。

 彼女には彼女の事情があるのだろうとはこれまでも思っていたが、ここまではっきりと感じたのは初めてだった。
 彼女の側にいると、ずっと昔から知っているような気分になる。記憶の中よりももっと前から。
 それはとても心地のいい感覚だったが、実際の俺は、彼女のことを何も知らないのだ。痛感した。


「でもなーんか、引っかかるんだよな。何て言うか、めちゃくちゃ大事なことを忘れてるような……」


 呟きながらゴロリと寝返りをうつと、背中の皮が引き攣ったような感覚があった。
 そこには、俺が生まれたときから大きな痣が斜めに走っている。
 痛んだりすることはないし意識したりすることも滅多にないが、たまにこうやって突っ張るのだ。


「背中といえば今日、なずなに痛くないかって聞かれたな……」


 ふと思い出して、もしかして彼女はこの痣のことを言っていたんじゃないかという考えが頭をよぎる。でもすぐに自分で否定した。
 彼女にこれを見せたり話したりしたことはない。覚えていないだけで昔にそういったことがあったとしても、彼女は「もう痛まないか」と言っていた。“もう”も何も、この痣が痛んだことは一度もない。


「明日もっかい、聞いてみよっかな……」


 言いながら頭に、彼女の笑顔が浮かんだ。柔らかくて賢そうな微笑み。 ─── 好きだ、と思う。

 温かな愛情で胸を満たしながら、俺は眠りについた。




♢♢♢♢♢♢




 夢を見た。

 着物を着た娘が、俺に向かって遠くから微笑んでいる。俺もやっぱり着物を着ていて、髪はザンバラだった。
 娘がこちらに近付いてくるにつれ、その顔立ちがはっきりと分かるようになった。 ─── なずなだ。
 彼女は柔らかく笑ったまま、こちらに向かって手を伸ばした。誘われるように俺も手を伸ばす。
 届く ─── と思った瞬間、景色が変わった。

 時代はさっきよりも前のようだ。着物を着ているのは一緒だが、今度はちょんまげを結って腰に刀を提げている。少し離れたところには、やはり彼女の姿。俺を見て嬉しげな顔をした彼女は、大きく手を振る。


(なずな ─── )


 声に出したつもりの言葉はしかし、音を伴わずに口が動くだけとなった。でもそれを気にした様子もなく、相変わらず彼女は俺に手を振る。
 手を振り返したとき、景色が再び変わった。

 そうやって幾度も景色を変えながら、どんどんと時を遡ってゆく。最後に現れた景色の中の彼女は、重たそうな十二単を纏っていた。かく言う俺も、頭に烏帽子を乗せた姿で文を握り、彼女を見ている。


「あぁ、若君。やはり、いらしたのですね。このような呪われた娘など、捨て置けばよろしいのに」


 そう言う彼女はしかし、どこか嬉しそうに見える。若君、とは俺のことか。


「何をおっしゃる、なずなの君。俺が姫無しでは生きていけぬことを、貴女が一番知っているでしょう?」


 勝手に口が動き、言葉を紡いだ。今と変わらない年頃の彼女が、扇で口元を隠しながら目を細める。


「貴方は本当に、馬鹿ですね。そしてとても、愛おしい……。年をとらぬ娘など、気味が悪いとは思わないのですか」

「思うはずがありません! ですが、俺は年をとる。いつかきっと貴女を残してこの世を去ってしまうことだけが、唯一の心残りです」

「若君……。若君をお見送りしたら、私も後を追いましょう」


 それは暗に、自殺を仄めかす言葉だ。
 俺はその白い手をとり、彼女の目を覗き込む。手も足も口も、俺とは別に意思を持っているかのように自然に動いた。


「その様なことをおっしゃらないで下さい姫君。必ず俺は、生まれ変わります。生まれ変わってまた貴女に出会い、何度でも貴女に恋をしましょう。前世のことを忘れてしまったとしても、俺のこの想いは変わりません」

「若君……!」


 俺は彼女と抱き合った。

 また、景色が変わる。先程までは何十年、何百年と飛び飛びに戻っていっていた時間が、今度は順に流れて進んでいく。その景色の中で、早送りのように目まぐるしく十二単の彼女と烏帽子の俺が動き回る。いつの間にか俺の意識は夢の中の俺とは全く隔離されていて、まるで他人を眺めるようにその様子をただ眺めていた。
 愛し合う夢の中の二人。長い時を共に過ごしながら俺は確実に年を重ねるのに、彼女は当初の姿のままだ。しかしそのことを気にした様子もなく、二人は幸せそうに笑い合う。
 しかしその穏やかな時間は長くは続かなかった。ずっと姿を変えない彼女を恐れた者たちが、物の怪に取り憑かれているのだと騒ぎ立てる。殺せ、と刀を構えた男や祈祷師たちが詰めかけた。今よりもずっと大人になった俺が、彼女を庇って背に刀を受ける。その傷は ─── 現在の俺の背の痣に完全に一致する。
 血を流しながらも彼女を連れて逃げた俺は、どこかの山の中でがっくりと膝をついた。早送りのようだった時間の流れが緩やかになる。


「若君、申し訳ありません……。私のせいで、貴方までこのような目に合わせてしまいました。どうして私は、年をとることができないのでしょうか……」

「泣かないでくださいなずなの君……。不甲斐ない俺で申し訳ない。けれど待っていて下さい、きっと生まれ変わって戻ってきましょう。愛しています ─── 」

「……若君? 若君!? 若君っ!!!」


 泣き崩れる彼女。急速に意識が遠のき、俺は目覚めが近いことを感じる。

 そうか、俺は……ずっと彼女を、ひとりにしてしまっていたんだな。




♢♢♢♢♢♢




 パチリ、と目を開けた俺はベッドから体を起こした。

 全て ─── 思い出した。

 俺が彼女に会ったことがあるように思ったのも当たり前だ、本当に会っていたのだから。ただし前世で、だが。
 俺たちの出会いはずっと昔、平安の世まで遡る。俺が出会った頃には既に、彼女は時を止めていた。原因も分からず怯える周囲に憂う彼女は儚げで、俺が守ってやりたいと思った。聡明な彼女とのやりとりは楽しく、本当に……愛していた。
 俺は死んでも、宣言通り何度も生まれ変わって彼女にまた出会った。鎌倉の世、室町の世、江戸の世に明治大正。最初は全てを忘れていても、やがて必ず前世までのことを思い出す。そしてまた、死ぬまで彼女と共に過ごすのだ。

 そして今回も、また。

 俺はベッドから抜け出した。外はまだ暗く、夜明け前であることが知れる。祖父たちを起こしてしまわない様にそぅっと家を出て、俺は裏山 ─── かつての俺が刀傷を負って生き絶えた山へと向かった。


「……翔太」


 そこには、愛しい人の姿があった。膝を抱えて蹲り、驚いたように俺を見上げる。


「なずな」


 俺は彼女を抱き締めた。柔らかい感触と、優しい香り。昔から変わらない、愛しい彼女。


「なずな。なずちゃん。なっちゃん。なずなさん。なず。なずなの君」


 腕の中で息を呑むのが分かった。その全部が愛おしくて、その頭に頬ずりする。


「好きだ。愛してる。……ひとりにして、ごめん」

「思い、出したの?」

「ついさっきな。遅くなってごめん。でも……」


 俺は体を離し、しっかりと彼女の目を見つめる。


「思い出しても思い出さなくても、俺はなずなが好きだ」


 その言葉に、彼女の目から堰を切ったように涙が溢れ始めた。すん、と鼻をすする彼女をもう一度抱き締めて、背をさすってやる。


「うん。知ってたよ。翔太は馬鹿だけど、優しいものね」

「ちょ、馬鹿は余計だって」

「嘘よ。ありがとう。私も好き……」

「知ってる。けど何で、俺が生まれ変わっても分かるんだよ?」

「分かるわ」

「だからなんで?」

「えー……」


 彼女はふふっと悪戯っぽく笑った。


「言ったでしょう? 見た目が変わっても口調が変わっても身分が変わっても、翔太自身はずっと昔から変わらない。若君だった頃から、ずっと」

「かもな。俺も、変わる気がしない」


 愛しい彼女を抱き締めて、俺は呟く。




「ずっと好きだ。昔も今も、これからも」


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