銀の森の蛇神と今宵も眠れぬ眠り姫

小さな国に、ある日降りかかった厄災。
誰もが悪夢に包まれると諦めた矢先、年若い魔法使いがその身を犠牲にして、国を守った。

彼は、死に直面する大きな魔法を使った瞬間に、神の使いである白蛇に守られ二十年もの間、深い眠りに付く。
そして二十年が過ぎ、目を覚ますと王子は自分より年上になっていて、隣国の王女と婚約していた。恋人さえ結婚している。

そんな彼を大人になった王子は押し倒す。
「俺に女の抱き方教えてよ」
抗うことも、受け止めることもできない。
それでも、守ると決めた王子だから。
今宵も私は、王子に身体を差し出す。

満月が落ちてきそうな夜、淡い光で照らされた、細くしなやかで美しいその身体に、ねっとりと捲きつくと、蛇は言う。

『あの時の様な厄災がまた来る。その身を捧げたならば、この国を、――王子を助けてやろう』

ユグラ国第一王子 アレイスター=フラメル(愛称:サフォー)(28) × 見習い魔術師 シアン = ハルネス(22)
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