7 / 8
高2・春・男の子・後編
しおりを挟む
『…今日はありがとう』
人に面と向かってお礼を言うのに照れてしまっていたのか、あの子の顔は少し赤くなっていた。
「~~っ」
あの子と一緒に帰った日の夜。
僕は世界で1番幸せだった。
僕は今日の夕方のことを何度も何度も脳内でリピートしていた。
あの子にお礼を言われたのなんて、いつぶりだろうか。
お礼を言われたということは、少しは彼女の気持ちを慰めることができたのだろうか。
…まあ、彼女の気持ちが落ち込んだ理由には、僕にも責任の一端があるのだけど。
だけど、この先また彼女が他の男を好きになったらどうしよう。
また彼女と他の男が上手く行かないように邪魔をして、また彼女が傷ついて、また僕が彼女を慰める。
…ダメだろ。
彼女を慰める以前に、彼女の心が傷つかない方法を考えなければ。
…どうすればいいだろう?
そもそも、彼女が他の男を好きにならなければいいのに。
彼女が他の男を見なければいいのに。
どうすれば、他の男を見ないでいてくれるだろう。
できれば…僕を見てくれるようになればいいのに。
どうすれば、僕を見てくれるだろう。
…告白すればいいんじゃないか?
そうだよ。
10年以上傍にいたけど、僕は彼女に思いを伝えたことが1度も無い。
僕が彼女に思いを告白すれば、僕達は幼馴染から恋人になる。
そうなれば、僕という恋人がいるんだから、彼女は他の男を見ることは無くなる。
そうだよ。
告白すれば、全てが上手く行く。
さすがにキッパリと振られることは無いだろう。
今はまだ彼女が僕に対して恋愛感情を持っていなくても、一応は彼氏にしてもらえるはず。
だって、僕以上に彼女を好きな男なんてこの世にいないんだから。
そのことを精一杯伝えればいいんだ。
それでも振られたら―
人に面と向かってお礼を言うのに照れてしまっていたのか、あの子の顔は少し赤くなっていた。
「~~っ」
あの子と一緒に帰った日の夜。
僕は世界で1番幸せだった。
僕は今日の夕方のことを何度も何度も脳内でリピートしていた。
あの子にお礼を言われたのなんて、いつぶりだろうか。
お礼を言われたということは、少しは彼女の気持ちを慰めることができたのだろうか。
…まあ、彼女の気持ちが落ち込んだ理由には、僕にも責任の一端があるのだけど。
だけど、この先また彼女が他の男を好きになったらどうしよう。
また彼女と他の男が上手く行かないように邪魔をして、また彼女が傷ついて、また僕が彼女を慰める。
…ダメだろ。
彼女を慰める以前に、彼女の心が傷つかない方法を考えなければ。
…どうすればいいだろう?
そもそも、彼女が他の男を好きにならなければいいのに。
彼女が他の男を見なければいいのに。
どうすれば、他の男を見ないでいてくれるだろう。
できれば…僕を見てくれるようになればいいのに。
どうすれば、僕を見てくれるだろう。
…告白すればいいんじゃないか?
そうだよ。
10年以上傍にいたけど、僕は彼女に思いを伝えたことが1度も無い。
僕が彼女に思いを告白すれば、僕達は幼馴染から恋人になる。
そうなれば、僕という恋人がいるんだから、彼女は他の男を見ることは無くなる。
そうだよ。
告白すれば、全てが上手く行く。
さすがにキッパリと振られることは無いだろう。
今はまだ彼女が僕に対して恋愛感情を持っていなくても、一応は彼氏にしてもらえるはず。
だって、僕以上に彼女を好きな男なんてこの世にいないんだから。
そのことを精一杯伝えればいいんだ。
それでも振られたら―
0
あなたにおすすめの小説
俺を振ったはずの腐れ縁幼馴染が、俺に告白してきました。
true177
恋愛
一年前、伊藤 健介(いとう けんすけ)は幼馴染の多田 悠奈(ただ ゆうな)に振られた。それも、心無い手紙を下駄箱に入れられて。
それ以来悠奈を避けるようになっていた健介だが、二年生に進級した春になって悠奈がいきなり告白を仕掛けてきた。
これはハニートラップか、一年前の出来事を忘れてしまっているのか……。ともかく、健介は断った。
日常が一変したのは、それからである。やたらと悠奈が絡んでくるようになったのだ。
彼女の狙いは、いったい何なのだろうか……。
※小説家になろう、ハーメルンにも同一作品を投稿しています。
※内部進行完結済みです。毎日連載です。
久々に幼なじみの家に遊びに行ったら、寝ている間に…
しゅうじつ
BL
俺の隣の家に住んでいる有沢は幼なじみだ。
高校に入ってからは、学校で話したり遊んだりするくらいの仲だったが、今日数人の友達と彼の家に遊びに行くことになった。
数年ぶりの幼なじみの家を懐かしんでいる中、いつの間にか友人たちは帰っており、幼なじみと2人きりに。
そこで俺は彼の部屋であるものを見つけてしまい、部屋に来た有沢に咄嗟に寝たフリをするが…
幼馴染の許嫁
山見月あいまゆ
恋愛
私にとって世界一かっこいい男の子は、同い年で幼馴染の高校1年、朝霧 連(あさぎり れん)だ。
彼は、私の許嫁だ。
___あの日までは
その日、私は連に私の手作りのお弁当を届けに行く時だった
連を見つけたとき、連は私が知らない女の子と一緒だった
連はモテるからいつも、周りに女の子がいるのは慣れいてたがもやもやした気持ちになった
女の子は、薄い緑色の髪、ピンク色の瞳、ピンクのフリルのついたワンピース
誰が見ても、愛らしいと思う子だった。
それに比べて、自分は濃い藍色の髪に、水色の瞳、目には大きな黒色の眼鏡
どうみても、女の子よりも女子力が低そうな黄土色の入ったお洋服
どちらが可愛いかなんて100人中100人が女の子のほうが、かわいいというだろう
「こっちを見ている人がいるよ、知り合い?」
可愛い声で連に私のことを聞いているのが聞こえる
「ああ、あれが例の許嫁、氷瀬 美鈴(こおりせ みすず)だ。」
例のってことは、前から私のことを話していたのか。
それだけでも、ショックだった。
その時、連はよしっと覚悟を決めた顔をした
「美鈴、許嫁をやめてくれないか。」
頭を殴られた感覚だった。
いや、それ以上だったかもしれない。
「結婚や恋愛は、好きな子としたいんだ。」
受け入れたくない。
けど、これが連の本心なんだ。
受け入れるしかない
一つだけ、わかったことがある
私は、連に
「許嫁、やめますっ」
選ばれなかったんだ…
八つ当たりの感覚で連に向かって、そして女の子に向かって言った。
隣人の幼馴染にご飯を作るのは今日で終わり
鳥花風星
恋愛
高校二年生のひよりは、隣の家に住む幼馴染の高校三年生の蒼に片思いをしていた。蒼の両親が海外出張でいないため、ひよりは蒼のために毎日ご飯を作りに来ている。
でも、蒼とひよりにはもう一人、みさ姉という大学生の幼馴染がいた。蒼が好きなのはみさ姉だと思い、身を引くためにひよりはもうご飯を作りにこないと伝えるが……。
敵に貞操を奪われて癒しの力を失うはずだった聖女ですが、なぜか前より漲っています
藤谷 要
恋愛
サルサン国の聖女たちは、隣国に征服される際に自国の王の命で殺されそうになった。ところが、侵略軍将帥のマトルヘル侯爵に助けられた。それから聖女たちは侵略国に仕えるようになったが、一か月後に筆頭聖女だったルミネラは命の恩人の侯爵へ嫁ぐように国王から命じられる。
結婚披露宴では、陛下に側妃として嫁いだ旧サルサン国王女が出席していたが、彼女は侯爵に腕を絡めて「陛下の手がつかなかったら一年後に妻にしてほしい」と頼んでいた。しかも、侯爵はその手を振り払いもしない。
聖女は愛のない交わりで神の加護を失うとされているので、当然白い結婚だと思っていたが、初夜に侯爵のメイアスから体の関係を迫られる。彼は命の恩人だったので、ルミネラはそのまま彼を受け入れた。
侯爵がかつての恋人に似ていたとはいえ、侯爵と孤児だった彼は全く別人。愛のない交わりだったので、当然力を失うと思っていたが、なぜか以前よりも力が漲っていた。
※全11話 2万字程度の話です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる