【完結】だって知らなかったんです。モブにはモブの生きる道

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9.攻略

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リーナが消えないためにキャリーに何ができるのか。考えた。たくさん考えた。それで、乙女ゲームらしく、近くにいる攻略対象者たちと交流して、リーナが気に入った対象者と付き合うのはどうか?キャリーにはたいしたことは考えられなかった。リーナが一番気にしているリリスにまずは、声をかけた。
「うん?何、キャリー」
リリスとはあまり話したことがない。リーナはどこが気になるのだろう。
「いや、リリスは魔法が得意でしょう?恋の魔法もあるのかなって」
「あるといえばあるけど、おススメはしないかな」
「そうなの?」
「だって、魔法のせいで恋したって意味ないよ」
そう言われるとたしかにそうだ。キャリーは話題を変える。
「リリスは私の歌声をどう思う?」
「興味深いね。もしかしたら、武器にできそうじゃない」
どんどん恋愛から離れていく。キャリーはリーナが無反応なのもあり、リリスとの話を終えた。

次はやはり、第二王子という1番身分の高いスクルスに会いに行った。王宮では難しいだろうから、学園で。他の側近たちもいるから、キャリーには難易度が上がった。
それでも、リーナに消えてほしくなくて、頑張って話しかけた。
「スクルス様は、私みたいなのはタイプになりますか?」
「うん?どうしたんだ。キャリー。もしかしてやっとわかってくれたのかな?」
キャリーは鈍いのだ。スクルス殿下はずっと、アプローチしてきた。
「タイプとかじゃなくて、キャリーを好ましく思ってるよ」
あれ?両思い?リーナやったよー!キャリーは必死にリーナに話しかけた。返事はない。すやすやと寝息は聞こえる。まだ、キャリーと一緒にいてくれている。キャリーは自分をギュッと抱きしめた。
「キャリー、返事は?」
スクルス殿下はずいっとキャリーの目の前に来て、真剣な顔をした。
「スクルス様のこと、素敵だと思ってます」
「キャリー」
あれ?リーナが起きない。ちがうの?他の対象者なの?やっぱりリリスなの?リーナは相変わらず、すやすやと寝ている。

しかし、間違えでした、なんて言えない。キャリーは、スクルスと婚約することになった。政略結婚ではないのは珍しい。やはり臣籍降下して、スクルスは公爵になる。王宮ではない領地が与えられた。キャリーも学園を卒業したら、そこで暮らすことになった。急にすべてが決まってバタバタしていて、リーナが喜んでいるかどうか確認することができなかった。もうこのまま、リーナは起きることはないのではないかと
キャリーはあきらめ始めた。誰にも相談できないのもつらかった。
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