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まさちち

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4章

side アオちゃん

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5月27日 月曜日に4巻発売です。
  
四巻発売を祝してアオちゃんのside書いてみました。出来れば四巻を読んでもらった後に読むとわかりやすいかもです。

かわすみ様の描いてくれたアオちゃんがチョー可愛くて思いついた話です。
人物紹介のとこのアオちゃんが可愛すぎーです。


+++++++++++++++++++++++++++++++++


 私の名前はアオ、背が低いのと、こう胸が今一なのはこれから来るであろう成長期に期待です。
ゴホン、こう見えても私は王国親衛隊の隊員なのです。

エリートです。

エリートです。

大事な事なので二回言っておきました。

そのエリートの私ですが、王様の命によりある人物を護衛中なんです。と言っても特に危険が迫っているとかではないのでそこまでの警戒はしてないのですが、まあ先日たて続きに色々な事があって上から警戒を強める様にと言われたのです。

でも、今は三つ子姉妹のアカちゃんと護衛の任務を変わってもらっているので休憩中です。
「はい、おかわりのグレプのジュースお待たせ」
筋骨隆々のモヒカン大男が大きな手で器用にグラスを置くとにこやかに話しかけてきた。

「アオちゃんて三姉妹なんですって?」
「そうですよ。たまにアカちゃんなら来てるでしょ?」
「ええ、アオちゃんに背丈や顔もそっくりだけど髪型と髪の色が違うだけなんだもの、初めて見た時はビックリしたわ。そのアカちゃんから聞いたのよ」
「もう一人のキイちゃんは王都に居ますよ。今回は三人揃って同じ任務に就いてますけどね」

あんまりこんな事話しちゃいけないのだけどなんかママさんにはつい話しちゃう。

まあ、この人この任務で協力してくれてたりしてるからいいのかな?
などと勝手な理由をつけていたら隣に誰かが座ってきた。

何となく雰囲気で誰かわかったけど、ここに居るはずのない人だったので振り向いて質問した。
「え?やっぱりアカちゃんだ。え?任務は?ヒデ様は何処にいるの?」
話しながら周りの気配を探ってみるがヒデ様は居ないみたい。

 アカちゃんが私の質問に答えずにいるとアカちゃんの後ろからもう一人現れた、キイちゃんだ。

しばらくぶりに見るキイちゃんは何となく疲れた顔をしていた。

そう言えば前にテレパシーで話した時疲れた感じだったような?
そこまで考えているとアカちゃんがママさんに注文をしていた。
「ママさん、私ゴリンのジュース」
そして三人の中で唯一髪を長くしているキイちゃんだが肩を落として下を向いてしまっているので髪がボサボサになってしまっていた。
「私はエールをお願いしますわ」
え?キイちゃんがお酒?

あ、そうじゃなくてアカちゃんとキイちゃんがここに居る理由を聞いてなかった。
「えっと、二人がここに居る理由ってもしかしたらシオン様がいらしたの?」
シオン様は王国親衛隊の隊長です。たまに休みが取れるとヒデ様に会いに来られているんです。

まあ、たいていはヒデ様の二番弟子であるキャロラインさんと三人で出かけられる事が多いいのですけどね。
「当たり―、今日はなんだか指輪を買いに行くだとか何だとか言って三人で出かけられたみたいよ」
アカちゃんが肩をすくめながらはなす。

「フム、それでキイちゃんは何でそんなに落ち込んでるの?前に話した時は忙しくて愚痴ってたみたいだったけど」
「うー、私、今の任務でシオン様に付きっきりなのよ。それで何処に行く時も一緒にいるせいで、何か私も他の人から避けられてる気がする」

「‥‥‥そんな事ないんじゃない?」
「‥‥‥そ、そうだよキイの気のせいだよ」

「二人共今変な間がなかった?」

キイちゃんが横目で睨んでくる。髪の間から睨んでくるもんだからなんか凄味が増している。

私とアカちゃんが渇いた笑いを洩らしているとママさんが注文の品を持って来た。

「はーい、アカちゃんはゴリンのジュースね?それでもしかしてこの金髪のお嬢さんがキイちゃんかしら?はい、エールお待たせ」
その声にキイちゃんが反応して頭を上げて挨拶をする。

「あ、いつもアカちゃんとアオちゃんがお世話になっておりますわ」
そう言って頭を下げる。
こういう所はキチンとしている。
「あらあら、ご丁寧にどーも。こちらこそお世話になっております」
モヒカン大男のママさんがペコリと頭を下げる。

ゆっくりしていってねと言ってママさんは離れていった。

キイちゃんはママさんが離れていくと目の前のエールをグイグイと飲み始める。

私とアカちゃんはそれを見ながら唖然としてしまった。だって私もアカちゃんもそうだけどエールなんて半分も飲めば酔払っちゃって寝ちゃうのに、あれ?キイちゃんがお酒飲んだのって見た事ないかも?

私とアカちゃんが見守る中飲み干したジョッキをドンとテーブルに置く。

その時後ろのテーブルからガラの悪い冒険者達が話しかけてきた。あまり見かけない顔だ。商隊の護衛クエか何かでこの街に来たのかもしれない。

「いや、いい飲みっぷりだねー良かったら俺達コンドルの翼と飲まねえか?」
めんどくさいから断ろうとした時ママさんが声をかけてくれた。

「あら、貴方達このギルドは初めて?この子達はダメヨ。ほらほら、お酒サービスしてあげるから自分の席に帰って飲んでいなさい」

ママさんがやんわりとそう言ってくれたのだが、声をかけてきた男がママさんを睨み付けて大声で答える。
「ああ?うっせーぞおかま野郎黙ってろ!」
そう言うと後ろの席にいた三人の男も笑いだした。

「しょうがないわねー」
そう言いながら出てこようとするママさんを私が止める。流石に今のは許せない。私がテレパシーで二人に話しかける前に二人からテレパシーがきた。
「アレ、やるぞ」
「アレ、やりますわ」

フフ、みんな考える事は一緒だね。

「ほんとうー?私たちヒマしてたのー」
「お兄さんたち、冒険者なの?すっごおおいーー。ねえねえ、冒険のお話ききたいー」
「飲み物とかたのんで良い?」

いつもなら出さなそうな高い声を出してアホ冒険者達のテーブルに向かって行く。

 まあ、そのまま機嫌を取ったり調子を合わせて散々飲ませてこちらもたらふく飲み食いした後にそろそろかなーとか思っているとアカちゃんからテレパシーがきた。

『そろそろ仕掛けるぞ』

すると突然アカちゃんが弱々しい甲高い声で叫び声をあげる。
「キャーーー、このおにいさんわ、私の胸を触ろうとしたーー」
「いやーーー、このおじちゃんも私の足を触ってきたーー」
「エーーーン、ヒドイ、ご飯食べさせてくれるって言うからついてきたのにーー」

「「「えっ?えっ?ちょ、何を言って‥‥‥」」」

何が起こったか理解する暇を与えず近くにいた他の女性の冒険者達に駆け寄っていく。

「あのおじちゃん達がお腹いっぱいになったら部屋に行こうって触って来たの」

目に涙をいっぱい貯めて女性冒険者に訴える。

それを見て女性冒険者が男達を睨み付けて大きな声で怒鳴る。
「アンタたちこんな小さな子達になんて事しようってのさ?この変態共が」

周りからもアホ冒険者に罵声がかかる。

「こんな小さな子になんて奴だ」「変態だな」「あり得ないだろ?まだ子供じゃないか」

ヒソヒソとマリの人も話し出す。

「ち、違うそいつらがウソをついてるんだよ。子供って、エール飲んでたし、俺達はそんな事何も‥‥‥」

さらに言い訳をしようとした時他の仲間が俺は何もしてねーとか言いながら走って逃げていった。それを追う様に他の仲間も出口に向かって逃げていった。


「はーはは、色仕掛けの術成功ですーー」
「うむ、相変わらず凄まじい威力だな。この色仕掛けの術は」

「ヒック、これって本当に色仕掛けの術なのかな?ヒック」



次の日からコンドルの翼はみんなからロリコンドルの翼と呼ばれるようになりました。




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