恋を諦めた私の前に突然痛いイケメン王子様が現れましたっ！！

同棲生活

22

私が黙ったまま俯いているのを見ていた彼が思い口を開けた。


「お袋、そんな事言ったら彼女だって何も言えないだろう。あんまり俺の彼女を困らせないでくれ」
「あら、何故困るのよ。だって二人は婚約者同士なんでしょ？　何も困ることないじゃない」
「違うって。そうじゃない。彼女だって色々考えてるってことだよ」
「おい、考えてるってどういうことだ！？　まさか……お前たちは本当は結婚する気が無いんじゃないだろうな？」


やばぁぁいっ！！
感づかれてるぅ～。
もうこうなったら腹くくるしかないわ。
私はそう重い口を開いた。


「そんなことはないです。結婚したいと思ってます。ですが今日の話だと私たちが知らないところでどんどん話が進んでいたのでビックリしただけで……」
「茜さん……」
「まぁ、そうだったのね……ごめんなさいねぇ。お父さん、ちょっとペースを落としませんか？　三橋さんが可哀そうだわ」
「うーむ。そうなのか。でもなぁ、親戚には既に伝えってしまっているしなぁ。困ったなぁ」
「親父は早とちりなんだよ。俺たちの結婚なんだからもう少し俺たちに任せてくれないか？　ちゃんとするから」
「そうか……分かった。それなら……」


オーナーはそう話を切り上げると突然立ち上がりどこかの部屋に行ってしまった。
彼は深いため息をついて項垂れるように俯いてしまった。
私はと言うと話が中断してくれたお蔭でなんとかなった気がしたと思い心の中で安心していた。
でも心臓はばっくばくの状態なのは言うまでもない。


オーナーが来て手に何やら封筒を持って再び戻って来た。
真っ白な封筒を私たちの前に置いて話始めた。


「お前たちの式場のパンフレットだ。一応目を通しておきなさい。それと、三橋さん。一度ご両親にも私らを会わせて貰えないだろうか。一応ご挨拶したいのだけれど」


うわぁぁ、マジでかぁぁ……まだうちの親には何も言ってないんだけど……どうしよう……。
取り敢えずここは話を合わせておかなきゃ。


「はい、分かりました。連絡を取ってみます」
「お願いするね。また連絡をしてほしい」
「分かりました」


その後色々話をしたが会話の内容は殆ど覚えていない。
次は私が親にこのことを言わないといけないターンになってしまった。
どうしよう……不味いよなぁ……3年くらい連絡取ってない上、いきなり結婚するとか……。
まじかぁ……私彼氏できたこと無いのに……いきなり結婚って……実感ないわぁ……。
ああ、どうしよう。
本当に彼と結婚することになるの！？
それとも……私って一体全体どうしたらいいの。