5 / 6
5 ドロドロ
しおりを挟む
心の中ではドロドロな私。
だけれどもそんな表情は一切表に出すことはない。
卑劣だと言われても全然平気なのだ。
イリスは無頓着な性格なのか私が思っているより楽しそうに会話している。
次はどうしてやろうか……。
午後のお茶会も終わりまたつまらない授業が始まる。
令嬢としてのマナーや哲学、それに使うことはない外国語の勉強……どれも退屈で仕方がない。
私は窓の外を見つめながら空に浮かぶ雲を眺めていた。
雲はいいな……何も考えずただ空に漂っているだけの存在。
そんな存在になってみたい。
午後の授業も終わり帰り支度をする周りの令嬢達。
私も机の上を整理して帰り支度を始める。
すると私の目の前に人影が現れた。
「一緒に門まで行きませんか? レイジー様」
誰…?
「え…っと……貴女……っ」
私は視線をその人影に向ける。
するとそこに立っていたのはイリスだった。
なんの躊躇もなく微笑みながら私を見つけていた。
何であんたが此処にいるのよっ。
何であんたなんかと一緒に歩いて帰るって言うのよっ。
私はあんたが一番嫌いなのっ!!
それくらい分かりなさいよっ!!
「ええ…途中の馬車迄、行きましょうか……」
小さな声でそう答えるとイリスは嬉しそうに笑った。
その笑顔は何者にも左右されず、何者も愛していると思わんばかりの笑顔だった。
私にはその笑顔は出来ない。
悔しいけど、ムカつくけど、鬱陶しいけど…。
私は荷物を持って教室を出る。
私の横にはイリスが居る。
それを見た他の令嬢達は笑顔だ。
私の心の中はドロドロにまみれてる。
苦痛でしかないこの時間。
足早に門まで…馬車のある所まで歩いて行った。
だけれどもそんな表情は一切表に出すことはない。
卑劣だと言われても全然平気なのだ。
イリスは無頓着な性格なのか私が思っているより楽しそうに会話している。
次はどうしてやろうか……。
午後のお茶会も終わりまたつまらない授業が始まる。
令嬢としてのマナーや哲学、それに使うことはない外国語の勉強……どれも退屈で仕方がない。
私は窓の外を見つめながら空に浮かぶ雲を眺めていた。
雲はいいな……何も考えずただ空に漂っているだけの存在。
そんな存在になってみたい。
午後の授業も終わり帰り支度をする周りの令嬢達。
私も机の上を整理して帰り支度を始める。
すると私の目の前に人影が現れた。
「一緒に門まで行きませんか? レイジー様」
誰…?
「え…っと……貴女……っ」
私は視線をその人影に向ける。
するとそこに立っていたのはイリスだった。
なんの躊躇もなく微笑みながら私を見つけていた。
何であんたが此処にいるのよっ。
何であんたなんかと一緒に歩いて帰るって言うのよっ。
私はあんたが一番嫌いなのっ!!
それくらい分かりなさいよっ!!
「ええ…途中の馬車迄、行きましょうか……」
小さな声でそう答えるとイリスは嬉しそうに笑った。
その笑顔は何者にも左右されず、何者も愛していると思わんばかりの笑顔だった。
私にはその笑顔は出来ない。
悔しいけど、ムカつくけど、鬱陶しいけど…。
私は荷物を持って教室を出る。
私の横にはイリスが居る。
それを見た他の令嬢達は笑顔だ。
私の心の中はドロドロにまみれてる。
苦痛でしかないこの時間。
足早に門まで…馬車のある所まで歩いて行った。
0
あなたにおすすめの小説
【完結】「幼馴染が皇子様になって迎えに来てくれた」
まほりろ
恋愛
腹違いの妹を長年に渡りいじめていた罪に問われた私は、第一王子に婚約破棄され、侯爵令嬢の身分を剥奪され、塔の最上階に閉じ込められていた。
私が腹違いの妹のマダリンをいじめたという事実はない。
私が断罪され兵士に取り押さえられたときマダリンは、第一王子のワルデマー殿下に抱きしめられにやにやと笑っていた。
私は妹にはめられたのだ。
牢屋の中で絶望していた私の前に現れたのは、幼い頃私に使えていた執事見習いのレイだった。
「迎えに来ましたよ、メリセントお嬢様」
そう言って、彼はニッコリとほほ笑んだ
※他のサイトにも投稿してます。
「Copyright(C)2022-九頭竜坂まほろん」
表紙素材はあぐりりんこ様よりお借りしております。
それは報われない恋のはずだった
ララ
恋愛
異母妹に全てを奪われた。‥‥ついには命までもーー。どうせ死ぬのなら最期くらい好きにしたっていいでしょう?
私には大好きな人がいる。幼いころの初恋。決して叶うことのない無謀な恋。
それはわかっていたから恐れ多くもこの気持ちを誰にも話すことはなかった。けれど‥‥死ぬと分かった今ならばもう何も怖いものなんてないわ。
忘れてくれたってかまわない。身勝手でしょう。でも許してね。これが最初で最後だから。あなたにこれ以上迷惑をかけることはないわ。
「幼き頃からあなたのことが好きでした。私の初恋です。本当に‥‥本当に大好きでした。ありがとう。そして‥‥さよなら。」
主人公 カミラ・フォーテール
異母妹 リリア・フォーテール
婚約破棄してくださって結構です
二位関りをん
恋愛
伯爵家の令嬢イヴには同じく伯爵家令息のバトラーという婚約者がいる。しかしバトラーにはユミアという子爵令嬢がいつもべったりくっついており、イヴよりもユミアを優先している。そんなイヴを公爵家次期当主のコーディが優しく包み込む……。
※表紙にはAIピクターズで生成した画像を使用しています
幼馴染以上、婚約者未満の王子と侯爵令嬢の関係
紫月 由良
恋愛
第二王子エインの婚約者は、貴族には珍しい赤茶色の髪を持つ侯爵令嬢のディアドラ。だが彼女の冷たい瞳と無口な性格が気に入らず、エインは婚約者の義兄フィオンとともに彼女を疎んじていた。そんな中、ディアドラが学院内で留学してきた男子学生たちと親しくしているという噂が広まる。注意しに行ったエインは彼女の見知らぬ一面に心を乱された。しかし婚約者の異母兄妹たちの思惑が問題を引き起こして……。
顔と頭が良く性格が悪い男の失恋ストーリー。
※流血シーンがあります。(各話の前書きに注意書き+次話前書きにあらすじがあるので、飛ばし読み可能です)
王子は婚約破棄を泣いて詫びる
tartan321
恋愛
最愛の妹を失った王子は婚約者のキャシーに復讐を企てた。非力な王子ではあったが、仲間の協力を取り付けて、キャシーを王宮から追い出すことに成功する。
目的を達成し安堵した王子の前に突然死んだ妹の霊が現れた。
「お兄さま。キャシー様を3日以内に連れ戻して!」
存亡をかけた戦いの前に王子はただただ無力だった。
王子は妹の言葉を信じ、遥か遠くの村にいるキャシーを訪ねることにした……。
治癒魔法で恋人の傷を治したら、「化け物」と呼ばれ故郷から追放されてしまいました
山科ひさき
恋愛
ある日治癒魔法が使えるようになったジョアンは、化け物呼ばわりされて石を投げられ、町から追い出されてしまう。彼女はただ、いまにも息絶えそうな恋人を助けたかっただけなのに。
生きる希望を失った彼女は、恋人との思い出の場所で人生の終わりを迎えようと決める。
当て馬令息の婚約者になったので美味しいお菓子を食べながら聖女との恋を応援しようと思います!
朱音ゆうひ@11/5受賞作が発売されます
恋愛
「わたくし、当て馬令息の婚約者では?」
伯爵令嬢コーデリアは家同士が決めた婚約者ジャスティンと出会った瞬間、前世の記憶を思い出した。
ここは小説に出てくる世界で、当て馬令息ジャスティンは聖女に片思いするキャラ。婚約者に遠慮してアプローチできないまま失恋する優しいお兄様系キャラで、前世での推しだったのだ。
「わたくし、ジャスティン様の恋を応援しますわ」
推しの幸せが自分の幸せ! あとお菓子が美味しい!
特に小説では出番がなく悪役令嬢でもなんでもない脇役以前のモブキャラ(?)コーデリアは、全力でジャスティンを応援することにした!
※ゆるゆるほんわかハートフルラブコメ。
サブキャラに軽く百合カップルが出てきたりします
他サイトにも掲載しています( https://ncode.syosetu.com/n5753hy/ )
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる