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番外編
姉妹③ 引越し
新居に入ると言っても、離婚して最低限の荷物を持って出てきた華南と、同じく所属していた州軍の宿舎から少しの荷を持ってきただけの隆蒼。すぐに翠玉の護衛に駆り出されていた二人には、大した荷などなかった。
数日前まで職人が入り、修繕していた家は夫婦二人で住むには十分すぎる大きさで、子ども2.3人で有れば難なく生活できるような邸だった。
「ねぇ、コレ本当に私達に殿下が下さるって言ったのよね?」
「俺はそう聞いたぞ。お前もその場にいただろう?」
「うん……聴き間違えじゃないよなって思っただけ」
二人で家の前に立って呆然とその新築同然に改修された家を眺める。
たしかに、まだ戦地にいる時に家を用意すると冬隼は言ってくれたが、それは自分達で賃料を払って住む家だと思ったのだが。
「まぁ殿下からの結婚祝いだと思って、受け取っておきなよ!」
不意に背後から、どこか面白がるような声がかけられて、振り向けば泰誠が楽しそうにニヤニヤと笑って立っているではないか。
「結婚祝と、報酬だって聞いてるけど、それにしても破格すぎよ!」
呆れて肩を竦めて抗議するけれど、泰誠は「まぁまぁ」と笑うばかりだった。
「報酬は報酬でも特別報酬だからさ……珠那嬢の件で上手く翠玉様をフォローしてくれなかったら、今の殿下の幸せは無かっただろうからね。感謝しても仕切れないところを、形にしたのだろうよ」
それに……と彼は心底嬉しそうにその顔に笑みを深めた。
「ここに君ら二人が定住するなら、殿下は目と鼻の先に信頼出来る者達を置けるわけで、自身の邸の安全と安心が買えるわけだ。しかも華南は翠玉様とお生まれになるお子様の護衛なわけだし。すぐに駆けつけることができる。安い買い物だと思うけどね」
ようこそこちら側へと言われて、二人はその意味を正確に理解した。
ここから、目と鼻の先には冬隼と翠玉の邸があるのだ。それこそ何か起こればすぐに察知できる距離である。
そしてこの家の対角側にあるのが泰誠に宛てがわれた邸で、やはり有事の際にはすぐに駆けつけることができるようになっているのである。
要は常に都合よく呼び出せる者が、泰誠1人ではなくなり3人になったと言うことだ。
「相変わらず策士ね。唆したのはあんたでしょ?」
そう薄く睨みつけると、泰誠は隠すそぶりもなさそうに「そうだよ!」と白状した。
「殿下は新婚にはちょうどいい規模の家だし、華南の職場にも近いし、ここならば禁軍にも通いやすいだろうってつもりで選ばせたみたいだけどね」
つまり、後付けの所は泰誠の企みであったと言うことなのだろうか。
「あんた本当に食えないやつね」
「ははは、ありがとう」
「褒めてないわよ」
数日前まで職人が入り、修繕していた家は夫婦二人で住むには十分すぎる大きさで、子ども2.3人で有れば難なく生活できるような邸だった。
「ねぇ、コレ本当に私達に殿下が下さるって言ったのよね?」
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たしかに、まだ戦地にいる時に家を用意すると冬隼は言ってくれたが、それは自分達で賃料を払って住む家だと思ったのだが。
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「報酬は報酬でも特別報酬だからさ……珠那嬢の件で上手く翠玉様をフォローしてくれなかったら、今の殿下の幸せは無かっただろうからね。感謝しても仕切れないところを、形にしたのだろうよ」
それに……と彼は心底嬉しそうにその顔に笑みを深めた。
「ここに君ら二人が定住するなら、殿下は目と鼻の先に信頼出来る者達を置けるわけで、自身の邸の安全と安心が買えるわけだ。しかも華南は翠玉様とお生まれになるお子様の護衛なわけだし。すぐに駆けつけることができる。安い買い物だと思うけどね」
ようこそこちら側へと言われて、二人はその意味を正確に理解した。
ここから、目と鼻の先には冬隼と翠玉の邸があるのだ。それこそ何か起こればすぐに察知できる距離である。
そしてこの家の対角側にあるのが泰誠に宛てがわれた邸で、やはり有事の際にはすぐに駆けつけることができるようになっているのである。
要は常に都合よく呼び出せる者が、泰誠1人ではなくなり3人になったと言うことだ。
「相変わらず策士ね。唆したのはあんたでしょ?」
そう薄く睨みつけると、泰誠は隠すそぶりもなさそうに「そうだよ!」と白状した。
「殿下は新婚にはちょうどいい規模の家だし、華南の職場にも近いし、ここならば禁軍にも通いやすいだろうってつもりで選ばせたみたいだけどね」
つまり、後付けの所は泰誠の企みであったと言うことなのだろうか。
「あんた本当に食えないやつね」
「ははは、ありがとう」
「褒めてないわよ」
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