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「今度こそ幸せにおなり――千代」
病の母を救う為、“土地神様の花嫁”という名の生贄になった人間の娘・千代。
しかし、花嫁道中の最中に怪しい猿面をつけた男と出会い、わけもわからず古井戸に落とされてしまう。
目覚めた先は、見知らぬ豪華な邸。
偶然出会った女中・お靜に“花嫁候補の代わり”として無理矢理御前へと連れてゆかれた千代の前に現れたのは、最強のあやかしにして鵺の一族の当主・夜彌(よみ)だった。
「それでも俺は、君を花嫁に選ぶ」
神力も何もない、ただの人間の娘だと知っていながら。
大勢の候補達を差し置いて、何故か迷いなく千代を見初める夜彌。
「俺の傍にいる限り、二度と辛い思いはさせない。この先何があろうと、必ず俺が君を護る」
一途に向けられる愛情に、最初は戸惑っていた千代だったけれど。
時折垣間見せる夜彌の切なげな孤独に触れる度、彼女の心は大きく揺さぶられ……。
役立たずの不相応な嫁と嘲られながらも、人の世に捨てられた生贄少女は一転、あやかしの王の「最愛の番」として自ら居場所を切り開いてゆく。
文字数 80,078
最終更新日 2026.10.09
登録日 2026.09.21
侯爵夫人グレースは、夫婦の寝室で夫エルヴィスとその愛人の密会現場を目撃する。罵倒され離婚を突きつけられるも、彼女は静かにそれを受け入れた。
格下の家柄であるグレースを、エルヴィスは結婚当初から蔑み、虐げてきた。愛のない結婚生活、浴びせられる侮辱の言葉。
――そんな男との結婚を続ける理由が、どこにある?
「ただ別れるだけなんて、許さない。これまで私を蔑んできた報いを、貴方には受けてもらう。侯爵家当主としても、人間としても、完膚なきまでに地に落としてあげる」
離婚から半月後、舞踏会に現れた元夫の隣には、新しい妻の姿が。
しかし、彼らが社交界の人々から向けられるのは、祝福ではなく憐れみと軽蔑の眼差しだった。
そう、エルヴィスが『最愛の女性』だと信じて疑わないその存在は、グレースが魔法で作り上げた、意思を持たないただの“泥人形”だったのだ――。
「甘い夢ほど、覚めた後に待つのは深い絶望ですわ」
全てを知りながら滑稽な元夫を見下ろすグレース。
漸く独り身になったそんな彼女の手を、まるで狙ったようにとったのは、まさかの幼馴染である王太子シエルで。
「離婚したということは、君を本気で口説いても構わない、ということだな」
最低なモラハラ夫を社会的に抹殺し、シニカルな悪女役が王子様から口説かれるまでの復讐劇。
※作中に若干の匂わせ表現があり、念の為R15設定にしております。
文字数 7,853
最終更新日 2026.09.13
登録日 2026.09.13
「今この瞬間、お前との婚約を破棄する」
婚約者である王太子・アルバートが、聖女・ミリーと口付けを交わす現場に出くわしてしまったレティシア。
しかし彼は、謝罪をするどころか、レティシアに対し冷たく婚約破棄を告げる。
「お前のその完璧なところが、人形じみていて嫌いなのだ」
婚約者を奪われ、実家へ戻ったレティシアを待っていたのは、実父と継母による謂れのない叱責と、周囲から向けられる嘲笑の目だった。
貴族の結婚に、愛は要らない――。
そう自分に言い聞かせて胸の奥へ仕舞い込んだはずの、嘗ての恋。
しかし、ゼハディア帝国の皇太子・イヴァンとの再会により、レティシアの心は大きく揺れ動く。
「愛される結婚の方が、幸せだと思うけどな」
昔と変わらぬ笑顔に、封じたはずの想いが疼く。
婚約破棄をきっかけに、少しずつ変わりゆくふたりの関係。
一度は諦めたはずの恋心が、再び胸の奥で息を吹き返して……。
文字数 98,106
最終更新日 2026.09.11
登録日 2026.08.09
雑貨店を営む平民のリゼットには、開店当初からの常連客・ヴィルと過ごす木曜日の午後が、なによりの癒しだった。
そんな彼からある日、「願いを叶える」という魔法の指輪を贈られる。
だが浮かれていたのも束の間、翌週やってきたのは屈強な兵士たちに無理矢理引き摺られ、リゼットは王城へと向かうことになる。
なんと指輪の正体は、まさかの王太子妃選抜試験の参加証だった。
「――不正では?」
あらゆる試験でわざと失敗を目論むリゼットだったが、結果はことごとく高評価。
戸惑う彼女の前に現れた“ヴィル”こと王太子・ヴィルベルトは、しかしただ甘く笑って囁くのだった――。
「どうしてか、気になる?」
文字数 6,382
最終更新日 2026.08.11
登録日 2026.08.11
鬼でありながら妖力を持たず、一族から蔑まれ、居場所のなかった鬼女・椛。
そんな彼女の血には、瘴気を祓う唯一の存在――“浄血”の力が宿っていた。
ある日、瘴気に蝕まれ妖魔と成り果てた同族に匂いを嗅ぎつけられ、深手を負って逃げた先で、帝国最強の軍人・鷹宮千隼に拾われる。
彼には、姉を蝕む妖魔の呪いを治癒する為に、何としてでも稀血が必要だった。
「――俺と、結婚しないか。あくまで“契約”として」
彼が提示した契約に、椛はただ静かに頷く。
愛も家族も知らぬ椛にとって、それは当然の答えだった。
「俺にとって何より最優先は姉上だ。愛情の類は期待しないでほしい」
そう告げた男との、偽りの結婚生活。
しかし千隼と過ごすうち、役に立つことでしか自分の価値を測れなかった椛の中に、これまで知らなかった感情が芽生えてゆき……。
文字数 30,948
最終更新日 2026.07.30
登録日 2026.07.25
伯爵家の娘・セシリアには、幼い頃からの許婚がいた。
公爵家当主にして王国宰相、ユーリス・シルヴェイン――初恋の相手でもある彼と、セシリアはついに結婚する。
しかし結婚初夜、彼は静かに告げた。
「君を愛することはない」と――。
ユーリスはほとんど帰宅せず、聞こえてくるのは他の女性との浮いた話ばかり。
没落寸前だった伯爵家の借金を肩代わりしてもらった身では、反論する術もない。
セシリアに求められるのは、ただ"完璧な公爵夫人"でいることだけだった。
しかし"ある夜"をきっかけに、ふたりの関係はより歪になる。
彼が稀に邸へ戻る夜――ユーリスは決まって、セシリアの隣で眠るのだ。
理由も、意味も、分からない。でも、怖くて聞けない。
そんな折、社交界である噂が囁かれ始めた。
他国の王女との縁談、そして「本命の女性がいる」という声。
結婚して三年。愛されなくとも、傍にいられればそれで良かった。
けれど、もう――潮時なのかもしれない。セシリアは静かに、離婚を決意する。
文字数 230,082
最終更新日 2026.06.30
登録日 2026.05.26
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