死んだことにした悪役令嬢、 辺境で騎士団長に溺愛されつつ帝国を建て直します

桃我タロー

文字の大きさ
14 / 70
第一章 ヴァルム試験国家編

第十話 情け感情は罰のために(1)

しおりを挟む
 夜の冷え込みは、昼間のそれとは別の生き物みたいだった。肺の奥まで入り込んだ空気が、骨の内側をぎゅっと掴んでくる。ヴァルム砦の中庭にはもう人影はほとんどなく、外壁の上で見張りが交代する鎧の擦れる音だけが、間延びした残響になって石壁を回っていた。

 執務棟の一室だけ、窓の奥に灯りが浮かんでいる。そこだけが、湿った石の廊下から切り離された小さな島のように見えた。

 その灯りの真下で、シュアラは紙の山に囲まれている。昼間に作った新しい在庫表、古い帳簿、第三倉庫の出入り記録。紙の端には指の脂と埃が薄く染み込み、重ねるたびに、少しだけざらついた音がした。

 その上に散らばる赤インクの点が、今は小さな発疹にしか見えない。放っておけば、いずれ壊疽になる種類の。

(……ここだけ、やはりおかしい)

 第三倉庫の糧秣棚。夜番の時間帯に限って、帳簿より袋の減りが一つ分ずつ早くなる。昼間の在庫調査で洗ったほかの棚は、誤差と呼んでいい範囲に収まっていた。

 赤い点だけが、一列に並んでいる。

 シュアラは息を細く吐き、欄外に短く書き込んだ。

『第三倉庫 夜間持ち出し 三日分』

 そこから矢印を伸ばし、夜番の勤務表に赤で印を付ける。

『西門夜番C班と重複』

 ペン先が紙をひっかく乾いた音が部屋に残った。指先が冷えすぎて、インクの重みが普段より少しだけ重く感じる。

(三日連続。そろそろ「偶然」という言い訳の賞味期限が切れる頃合いですね)

 口には出さず、喉の奥で結論を転がす。

 椅子を引く。外套を肩にかけ、いつもの手帳とペンを懐に滑り込ませる。椅子の脚が床石を擦る音が、夜の静けさの中で妙に大きく響いた。

 扉を開けると、廊下の冷気が肌に薄く貼り付いてくる。灯りの間引かれた燭台からは、熔け残りの蝋の匂いが微かに立っていた。

 曲がり角に差しかかったところで、反対側から足音が近づいてくる。

「若」

 副団長ゲルトの声だ。彼はいつもの癖で手に持っていた小さな帳簿をぶんぶん振り回しながら現れ、歩みを止めた。髭の間に紙埃が一粒ひっかかっている。

「お前んとこに追加の記録を持ってきたんだがよ……その顔は、もうなにか嗅ぎつけた顔だな?」

 問いと同時に、彼の視線がシュアラの手元の紙束へと落ちる。

 シュアラはほんの一瞬だけ指先を握り直し、それから頷いた。

「可能性の段階です」

「……嫌な言い回しだな」

 ゲルトが片眉を上げる。手の中の帳簿が、わずかにきしんだ。

「第三倉庫の糧秣棚。夜番C班の時間に限って、減り方が早い日が三日続きました。一晩で袋一つぶん程度ですが、冬前のこの時期に三つ減ると、計算が変わります」

 数字を言いながら、自分の舌の動きがいつもより滑らかなことに気付く。眠気が完全に引いていた。

 ゲルトは額にしわを寄せ、舌打ちを一つ。

「西門第三班だな。ラルスのところだ。前から『ちょろまかしてねえか』って噂はあったが……」

 噂、という言葉に、シュアラは瞬きの回数を一度だけ増やした。

(噂は証拠になりません。けれど、視線の向け方の参考値にはなります)

「団長に、立ち会っていただきたいのですが」

「今か?」

 ゲルトの声には、明らかに眠気が混じっている。

 シュアラは廊下の窓の外、沈みかけた月の位置を一度だけ確かめた。

「はい。今夜も同じ時間に同じ棚が減れば、『偶然』ではなくなります」

 副団長は頭をがしがし掻き、大きなあくびを一度飲み込んでから、肩を回した。

「……ったく。昼も夜も、文官にこき使われるとはな」

 文句を吐きながらも、踵はもう砦の奥へ向いている。

「若は先に第三倉庫の影で待ってろ。団長は俺が引きずり出してくる」

 そう言い残して、ゲルトはマグカップと帳簿を片手に闇へ消えた。

 外へ出ると、夜気が皮膚に小さな針を刺したように触れてくる。ヴァルム砦の中庭は、昼間の騒がしさをすべて飲み込んで、石と風の匂いだけを残していた。第三倉庫と西門のあいだは月の光が届かず、黒い布で雑に縫い付けたような影が広がっている。

 シュアラは、その影の中に身を滑り込ませた。石壁に背中を預けると、冷えが外套越しに背骨へゆっくり食い込んでくる。

(この寒さが、もう少しだけ増えれば、食糧を削られた兵や村の家族から順番に倒れていく)

 昼間計算した数字が、自然と頭の中に浮かぶ。扉の開閉回数。倉庫の棚に並ぶ袋の数。村から上がってくる配給の申請。どれがひとつ欠けても、その穴は誰かの胃袋に直結する。

 足元の砂利が、風に押されてかすかに転がった。

 やがて別の足音が混じる。

「本気で、こんな時間にやるのかよ」

 低い声。カイのものだ。

 振り向くと、ゲルトの後ろで団長が外套の襟を荒っぽく握りしめて立っていた。黒曜石のような髪は相変わらず寝癖混じりだが、近づいてきた時に鼻をくすぐる酒の匂いは薄い。

「団長」

 声をかけると、カイは顎をしゃくった。

「説明しろ」

 短い要求。いつものことだ。

 シュアラは手帳を開き、ページの端に爪を立ててから、数字を見せるように向きを変えた。

「第三倉庫の糧秣棚です。夜番C班の時間帯に限って、帳簿より一晩に袋一つぶん減っています。同じ種類の袋が三日続けて」

 彼女の息が白くほどけ、紙の上に薄く落ちる。

「量としては些細ですが、冬までの残り日数で換算すると、『兵一人ぶんの一ヶ月』が三回、まとめて消えたのと同じです」

 ゲルトが舌打ちをもう一つ。

「夜番C班は、西門第三班。ラルスのところだ」

 カイの目が、暗がりの中でわずかに細くなる。

「見てから判断する」

 それだけ言って、彼は倉庫の影に身を寄せた。ゲルトは反対側の影へ回り込み、石壁に片肩を預ける。

 静寂が落ちた。

 時間を数えるための砂時計はここにはない。シュアラは代わりに、自分の脈を数えた。指先の血管が、冷えた皮膚の下で小さく跳ねる。

(あと二十拍)

(十五)

(十)

 きしり、と木が擦れる音がした。

 第三倉庫の扉が、内側から猫一匹が抜けられるほどの隙間だけ開く。灯りは持ち出されていない。暗闇から、肩幅の広い影がにじむように現れた。

 両腕に干し肉と押し麦の袋を一つずつ抱え、さらに肩と腰に細い袋をくくりつけている。動くたびに袋の口から肉の乾いた匂いが漏れ、それが夜の冷たさと混ざって、妙に生温い香りになった。

 その瞬間、カイの声が落ちる。

「おい」

 短い音なのに、石壁のあいだで重く響いた。

 影の足が止まる。兵の顔がこちらを向いた。月の光の届かない暗がりでも、目が大きく見開かれたのは分かる。

「どこへ行く」

「だ、団長……!」

 兵は慌てて袋を肩から外そうとして、逆に紐を引っ掛けた。片方の袋が地面に落ち、鈍い音と共に押し麦が少しだけこぼれる。

「これは……その、西の村に。子どもがいる家が、今夜の配給を取りに来られなくて──」

「西の村への配給は、日中に終わっています」

 シュアラは一歩前へ出て、淡々と言葉を差し込んだ。

「追加配給の申請は、今日一日、帳簿には上がっていません」

 兵の喉が、ごくりと鳴る。冷えた空気の中で、その音だけがやけに生々しく感じられた。

「報告を……わ、忘れて……」

「三日連続でか?」

 ゲルトの声が低く落ちる。

「三日前からだ。同じ時間に、同じ種類の袋が、同じぶんだけ減ってる。全部、お前の番だ」

 兵の肩がびくりと震えた。腰に巻いた紐がほどけかけ、袋の口が少し開く。乾いた穀物の匂いが、夜気の中で一瞬だけ濃くなった。

(言い訳の余地は、薄い)

 シュアラは、その匂いの変化を嗅ぎながら、静かに判断を下した。

 カイが前へ一歩出る。

「名前」

「……ラルスです」

 答える声は、冷えた石畳の上に落ちて、すぐに消えた。

「家族は」

 一拍の間があく。そのあいだに、ラルスの視線が倉庫と門の方を行き来する。

「西の村に、妻と……子どもが一人」

「ここから村まで、夜にその荷物を抱えて往復して、戻るまでにどれくらいかかる」

 カイの声は平板だ。だが、その平らな声の下で、筋肉が膨張しているのが、暗闇越しにも分かる。

「……一刻。馬があれば、もう少し早く──」

 言い切る前に、カイの拳が動いた。

 夜気が一瞬だけ押しのけられる。

 短く、乾いた音。

 ラルスの頬が弾け飛び、体が石畳の上を滑った。袋が転がり、中身の押し麦がざらざらと地面に散らばる。シュアラの心臓が、一拍ぶん跳ね上がった。

(速い)

 動きそのものは予測できた。殴る可能性は事前に計算に入れていた。ただ、その速度と重さに、自分の手が追いつかなかった。

 ラルスは声にならない声を漏らし、口から血を吐いた。鉄の匂いが、さっきまでの干し肉の匂いを塗りつぶす。歯が一本、石畳の上を転がってから、押し麦の中に沈んだ。

「門を捨てるついでに、砦も売る気か」

 カイの声は低い。怒鳴り声ではないのに、耳の奥を殴られたような圧がある。

「てめえ一人の事情で、夜の門を空けて、飯を抜かれた兵と村をまとめて危険に晒す。……いい度胸だな」

「ち、違……っ、俺は、家族が……」

 ラルスは血で湿った唇を震わせる。

「その『家族』とやらが、てめえ以外の兵を守ってくれんのか?」

 カイはラルスの胸倉を掴み上げた。ごつい指が布ごと胸を締め上げ、ラルスの足先が少し浮く。

 その顔は恐怖と悔しさでぐしゃりと歪んでいる。だが、そのどちらがどれだけの割合を占めているかを測る余裕は、今のシュアラにはなかった。

「俺は、失敗した兵を殴るのは好きじゃねえ」

 カイの声が、夜の石畳に染み込む。

「だが、裏で糧秣を抜くやつは別だ」

 もう一度、拳が振りかぶられる。

「団長!」

 今度は間に合った。

 シュアラの体が、ほとんど反射のように前に出る。カイの肘の少し上を掴んだ。冬の空気の中でも分かる熱さ。固く締まった筋肉。皮膚の下を走る血の速さ。それらが掌に押し返してくる。

 彼女はその感触を一瞬だけ眺め、それから口を開いた。

「今ここで殴れば、彼はもうこの冬のあいだ働けません」

 カイの動きが、わずかに止まる。

「骨が折れれば、荷も運べず、槍も振れない。冬の前に働ける兵を一人潰すのは、この砦にとって損失です」

 ラルスが、驚いたようにシュアラを見上げた。その視線がすぐさま、何かを自嘲するような色に変わる。

「……俺なんか、一人いなくなっても──」

「一人いなくなれば、一人分の穴が開きます」

 シュアラは、淡々と返した。

「その穴を埋めるために、誰かが余計に動きます。その誰かが、今度は冬を越せなくなるかもしれません」

 カイは腕を掴まれたまま、シュアラを見下ろす。怒り、迷い、諦め。どの成分がどれだけ混ざっているかまでは、表情の表層だけでは読みきれない。

(少なくとも、“完全に聞く耳を捨てた状態”ではない)

 そこまで判断してから、彼女は続けた。

「この兵は、『門を抜ける道』を知っている兵です」

「……は?」

 間の抜けた声が、ラルスの口からこぼれた。

「倉庫から門まで、どこを通れば見張りの目が薄いか。どの時間帯なら誰が気付かないか。それを自分で試して、三日連続で成功させた人間です」

 ラルスの肩がびくりと揺れる。

「その知識は、砦にとって“危険”であると同時に、“価値”でもあります」

 ゲルトが、思わずというように口笛を鳴らしかけて、途中で飲み込んだ。

「おい嬢ちゃ……文官殿、言い方ってもんがだな……」

「褒めていません」

 シュアラはカイの腕から手を離さずに答えた。

「ただ、事実を並べているだけです」

 カイの拳が、わずかに震える。怒りだけではない。殴るかどうかを、その場で計算している手の震えだと、シュアラは推定した。

「処罰するにしても、“捨てる”必要はありません」

 握っていた手をようやく離し、一歩引く。背中に当たる石壁の冷たさが、さっき掴んでいた腕の熱と奇妙な対比を作る。

「使い道を考えたうえで、罰を決めませんか」

 ラルスが、かすれた声で息を呑んだ。口の端から血が垂れ、顎に冷たく張り付く。

 カイは苛立ちを隠そうともせず、鼻を鳴らす。

「殴らねえ代わりに、こき使うって話か」

「殴って二度と使えなくするより、きつく働かせて返してもらう方が、この砦にとって得です」

 言いながら、自分の言葉の冷たさに、シュアラ自身が少しだけ眉をひそめる。

「てめえは、人間の話をしてんのか、木箱の話をしてんのか」

「どちらでも、計算方法は変わりません」

 きっぱりと言い切ると、カイは顔をしかめた。ゲルトは、笑うべきかどうか迷ったような顔で鼻を鳴らす。

 ラルスは、唇を噛んで俯いている。悔しさか、情けなさか、あるいは別の何かなのか。そこまで読み解くための材料はまだ足りない。

 しばらくの沈黙のあと、カイが低く言った。

「……ゲルト」

「おう」

「ラルスを拘束しろ。逃げられると面倒だ」

「了解」

 ゲルトがラルスの腕を掴む。乱暴だが、さっきの一撃ほどの暴力は乗っていない。

「団長……!」

 縋るような声が、ラルスの喉から漏れた。

 カイは振り向かない。

「口を開く前に、これだけ覚えとけ」

 夜気に、低い声が沈んでいく。

「てめえを殴らずに済ませてるのは、こいつが“お前を使う方が得だ”って計算したからだ」

 顎で示された先に、シュアラがいる。

「甘い情けじゃねえ。冬のための、損得勘定だ」

 ラルスの肩が小さく震えた。それをどう受け取ったかを確かめる時間は、この場にはない。

「ラルスは一晩、拘束しておいてください」

 シュアラは、できるだけ声の温度を一定に保って告げた。

「明日以降の配置転換を考えるために、詳しい事情を聞く必要があります。逃げられると、計画が狂います」

「へいへい。ったく、眠らせてくれねえな」

 ゲルトは肩をすくめながらも、ラルスを引き立てて闇の向こうへ連れていった。

 残されたのは、夜気と、二人ぶんの呼気の白さだけだ。倉庫の隙間から吹き込む風が、こぼれた押し麦を転がし、石畳の目地に少しずつ押し込んでいく。

「……で」

 カイが、わざとらしく大きく息を吐いた。

「具体的に、どう使い倒すつもりだ」
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

遡ったのは君だけじゃない。離縁状を置いて出ていった妻ーー始まりは、そこからだった。

沼野 花
恋愛
夫と子供たちに、選ばれなかったイネス。 すべてを愛人に奪われ、彼女は限界を迎え、屋敷を去る。 だが、その先に待っていたのは、救いではなかった。 イネスを襲った、取り返しのつかない出来事。 変わり果てた現実を前に、 夫はようやく、自分が何を失ったのかを思い知る。 深い後悔と悲しみに苛まれながら、 失ったイネスの心を取り戻そうとする夫。 しかし、彼女の心はすでに、外の世界へと向かっていた。 贖罪を背負いながらもイネスを求め続ける夫。 そして、母の心を知っていく子供たち。 イネスが求める愛とは、 そして、幸せとは――。

婚約破棄で悪役令嬢を辞めたので、今日から素で生きます。

黒猫かの
恋愛
「エリー・オルブライト! 貴様との婚約を破棄する!」 豪華絢爛な夜会で、ウィルフレッド王子から突きつけられた非情な宣告。 しかし、公爵令嬢エリーの心境は……「よっしゃあ! やっと喋れるわ!!」だった。

身代わりで呪いの公爵に嫁ぎましたが、聖女の力で浄化したら離縁どころか国一番の溺愛妻になりました〜実家が泣きついてももう遅い〜

しょくぱん
恋愛
「お前のような無能は、死神の生贄にでもなっていろ」 魔力なしの無能と蔑まれ、家族に虐げられてきた伯爵令嬢レティシア。 彼女に命じられたのは、近づく者すべてを病ませるという『呪いの公爵』アレクシスへの身代わり結婚だった。 鉄格子の馬車で運ばれ、たどり着いたのは瘴気に満ちた死の城。 恐ろしい怪物のような男に殺される――。 そう覚悟していたレティシアだったが、目の前の光景に絶望よりも先に別の感情が湧き上がる。 (な、何これ……汚すぎるわ! 雑巾とブラシはどこ!?) 実は、彼女が「無能」と言われていたのは、その力が『洗浄』と『浄化』に特化した特殊な聖女の魔力だったから。 レティシアが掃除をすれば、呪いの瘴気は消え去り、枯れた大地には花が咲き、不気味だった公爵城はまたたく間にピカピカの聖域に塗り替えられていく。 さらには、呪いで苦しんでいたアレクシスの素顔は、見惚れるほどの美青年で――。 「レティシア、君は一体何者なんだ……? 体が、こんなに軽いのは初めてだ」 冷酷だったはずの公爵様から、まさかの執着と溺愛。 さらには、呪いが解けたことで領地は国一番の豊かさを取り戻していく。 一方で、レティシアを捨てた実家は、彼女の『浄化』を失ったことで災厄に見舞われ、今さら「戻ってきてくれ」と泣きついてくるが……。 「私は今、お城の掃除と旦那様のお世話で忙しいんです。お引き取りくださいませ」 これは、掃除を愛する薄幸令嬢が、その愛と魔力で死神公爵を救い、最高に幸せな居場所を手に入れるまでのお話。

なぜ、私に関係あるのかしら?

シエル
ファンタジー
「初めまして、アシュフォード公爵家一女、セシリア・アシュフォードと申します」 彼女は、つい先日までこの国の王太子殿下の婚約者だった。 そして今日、このトレヴァント辺境伯家へと嫁いできた。 「…レオンハルト・トレヴァントだ」 非道にも自らの実妹を長年にわたり虐げ、婚約者以外の男との不適切な関係を理由に、王太子妃に不適格とされ、貴族学院の卒業式で婚約破棄を宣告された。 そして、新たな婚約者として、その妹が王太子本人から指名されたのだった。 「私は君と夫婦になるつもりはないし、辺境伯夫人として扱うこともない」 この判断によって、どうなるかなども考えずに… ※ 中世ヨーロッパ風の世界観です。 ※ ご都合主義ですので、ご了承下さい、 ※ 画像はAIにて作成しております

王子、おひとり様で残りの人生をお楽しみください!

ちゃっぴー
恋愛
「ラーニャ、貴様との婚約を破棄する!」 卒業パーティーの真っ最中、ナルシストな第一王子ウィルフレッドに身に覚えのない罪で断罪された公爵令嬢ラーニャ。しかし、彼女はショックを受けるどころか、優雅に微笑んで拍手を送った。 なぜなら、ラーニャはとっくに王子の無能さに愛想を尽かし、この日のために完璧な「撤退準備」を進めていたからだ。

お前のような地味な女は不要だと婚約破棄されたので、持て余していた聖女の力で隣国のクールな皇子様を救ったら、ベタ惚れされました

夏見ナイ
恋愛
伯爵令嬢リリアーナは、強大すぎる聖女の力を隠し「地味で無能」と虐げられてきた。婚約者の第二王子からも疎まれ、ついに夜会で「お前のような地味な女は不要だ!」と衆人の前で婚約破棄を突きつけられる。 全てを失い、あてもなく国を出た彼女が森で出会ったのは、邪悪な呪いに蝕まれ死にかけていた一人の美しい男性。彼こそが隣国エルミート帝国が誇る「氷の皇子」アシュレイだった。 持て余していた聖女の力で彼を救ったリリアーナは、「お前の力がいる」と帝国へ迎えられる。クールで無愛想なはずの皇子様が、なぜか私にだけは不器用な優しさを見せてきて、次第にその愛は甘く重い執着へと変わっていき……? これは、不要とされた令嬢が、最高の愛を見つけて世界で一番幸せになる物語。

『外見しか見なかったあなたへ。私はもう、選ぶ側です』

鷹 綾
恋愛
「お前のようなガキは嫌いだ」 幼く見える容姿を理由に、婚約者ライオネルから一方的に婚約を破棄された 公爵令嬢シルフィーネ・エルフィンベルク。 その夜、嫉妬に狂った伯爵令嬢に突き落とされ、 彼女は一年もの間、意識不明の重体に陥る――。 目を覚ました彼女は、大人びた美貌を手に入れていた。 だが、中身は何ひとつ変わっていない。 にもかかわらず、 かつて彼女を「幼すぎる」と切り捨てた元婚約者は態度を一変させ、 「やり直したい」とすり寄ってくる。 「見かけが変わっても、中身は同じです。 それでもあなたは、私の外見しか見ていなかったのですね?」 静かにそう告げ、シルフィーネは過去を見限る。 やがて彼女に興味を示したのは、 隣国ノルディアの王太子エドワルド。 彼が見ていたのは、美貌ではなく―― 対話し、考え、異論を述べる彼女の“在り方”だった。 これは、 外見で価値を決められた令嬢が、 「選ばれる人生」をやめ、 自分の意思で未来を選び直す物語。 静かなざまぁと、 対等な関係から始まる大人の恋。 そして―― 自分の人生を、自分の言葉で生きるための物語。 ---

勘当された悪役令嬢は平民になって幸せに暮らしていたのになぜか人生をやり直しさせられる

千環
恋愛
 第三王子の婚約者であった侯爵令嬢アドリアーナだが、第三王子が想いを寄せる男爵令嬢を害した罪で婚約破棄を言い渡されたことによりスタングロム侯爵家から勘当され、平民アニーとして生きることとなった。  なんとか日々を過ごす内に12年の歳月が流れ、ある時出会った10歳年上の平民アレクと結ばれて、可愛い娘チェルシーを授かり、とても幸せに暮らしていたのだが……道に飛び出して馬車に轢かれそうになった娘を助けようとしたアニーは気付けば6歳のアドリアーナに戻っていた。

処理中です...