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第一章 ヴァルム試験国家編
第十話 情け感情は罰のために(2)
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団長室に戻ると同時に、その問いがもう一度飛んできた。
机の上には、昼間の在庫表と第三班の勤務表、それに第三倉庫と門を結んだ簡単な地図が広げられている。ランプの炎が揺れ、紙の影が伸びたり縮んだりしていた。鼻をかすめるのは、紙とインクと、冷めかけの酒の匂いだ。
シュアラは椅子に腰を下ろし、帳簿の束を胸元に引き寄せた。背もたれがぎしりと鳴り、木が抗議するように軋む。
「まず、どれくらい削られたかを見ます」
彼女はペンを取ると、昼間の在庫調査の結果と倉庫の記録を重ね合わせ、過去数十日の減りをざっと追っていく。干し肉の袋、押し麦の袋。日付の隅に赤い点を付け、同じあたりに印が集中している列を拾い上げる。
数字を追ううちに、指先の感覚が少しだけ鈍くなってきた。紙の端で、人差し指の腹を軽く切っていた。じわりとにじむ赤を舌で一度拭い、鉄の味を飲み込む。
「……兵五人分の冬の配給、一ヶ月ぶんです」
ペン先が止まり、インクが一箇所で少しだけ滲んだ。
数値を追いかけていた視線を、そのまま別の帳簿へ滑らせる。
(兵五人分一ヶ月。兵一人ぶんに換算すれば百五十日分。西の村への配給量と兵一人ぶんの給金を合わせても、妻と子ども一人の三人家族なら、この冬の終わりまでにおよそ三十日ぶん足りなくなる。ラルスの家も、おそらくその〈足りない側〉にいる)
「……は?」
カイが椅子から身を乗り出した。
「そんなに削れてたのか」
マグカップを持つ手が、僅かに強張る。その指の白さが、彼の驚きの度合いを代弁していた。
「正確な値は、もう少し検算が必要ですが、大きくは変わりません」
シュアラは数字の横に、『暫定』と小さく書き添えた。
「帳簿の上では、これが全部“借り”です」
ラルスの名の横に、細い字で数字を書き込む。そこに金貨の記号はない。ただ、日数と袋の数だけが並ぶ。
「借りを返させる役目は?」
カイの問いには、さっきより冷たい成分が混じっていた。
「倉庫の補修と荷運び、それと配給列の整理です」
シュアラは迷いなく答える。
「倉庫から門までの“抜け道”は、彼が一番よく知っています。その道を潰すにも、壁の穴を塞ぐにも、彼の足と腕が必要です」
「盗人に倉庫を触らせるのかよ」
「盗人だからこそです」
紙の上で、第三倉庫と西門を線で結びながら説明する。
「どこが死角だったか。どの時間が薄かったか。それを全部吐かせて、逆にそこに人を立てる。壁に穴があれば、彼自身に塞がせます。重い石や木材も、彼の肩に乗せます」
「罰と仕事が一緒になってやがるな」
「罰だけの仕事は、長続きしません」
シュアラはきっぱりと言った。
「配給のときは?」
カイがマグカップを机に置く。底が木の板を叩き、鈍い音がする。
「今日、配り終えたはずの飯が、どうして足りなくなったか。列の端で一番よく見ておくべきなのは、本人です」
「……列に座らせるつもりか」
「はい。配給台の横に、縄付きで」
その光景を思い浮かべると、喉の奥が少しだけざらついた。明日の朝の空気が重くなるのも分かる。
「誰がどれだけ食べているか。自分が抜いたぶんで、誰の皿が軽くなったか。それを、彼に毎日見せます。記録も書かせます」
ラルスが数字を書くたびに、誰かの顔を見る。兵士、炊事係、村人。彼らが冬を越せるかどうかは、今後の彼の働きぶんにも関わる。
「……飯はどうする」
しばらく黙っていたカイが、ぼそりと問うた。
「負債が五人分一ヶ月あるってんなら、そいつの配給減らせばいいじゃねえか。半分とか三分の一とか」
「減らします」
シュアラは頷いた。
「ただし、“動けるだけの量”は維持します。動けなくなったら、返済できません」
「やっぱり甘いな」
「甘くありません」
即答してから、彼女は自分の声の硬さに少しだけ気付く。
「死なせると、完全な赤字です」
カイが、呆れたように笑い声を漏らした。
「お前なあ……。人が死ぬのを『赤字』って言う女、初めて見たぞ」
「正確な表現だと思いますが」
シュアラは自分の言葉を内側で一度転がす。感情的な意味ではなく、ただ収支の話として。
それでも、胸の内側が少しだけざわついた。
彼女は懐に手を入れ、封筒の縁を指先でなぞる。
帝都に提出されたはずの、自分の死亡届。ろうを割り、封を切ったあと、再び封じた紙。まだ新しい羊皮紙の感触が、布越しに伝わってくる。
「帝都の帳簿では、私はすでに“死人”です」
独り言のように口に出すと、カイが眉をひそめた。
「ここでまで死にたがってるようには見えねえがな」
「ここでは、逆です」
シュアラは静かに言った。
「帝都の帳簿の中では、私は『使用済みの死者』に分類されています。だからこそ、ヴァルム砦では、できる限り“死なせない側”に回りたい」
カイはしばらく黙り、天井の煤の跡をじっと見ていた。やがて、短く息を吐く。
「……理解はできる」
ぼそりと呟くように言う。
「納得できるかどうかは、正直まだ怪しいがな」
「納得していただく必要はありません」
シュアラは首を振る。
「ただ、“冬までに何人死なせずに済むか”という数字だけは、共有していただきたい」
「お前、本当に変な女だな」
カイは頭を掻きながら笑った。
「ラルスの件は、お前の案でいく。ただし、ひとつだけ条件だ」
「条件?」
「同じことをもう一度やったら、そのときは俺が殴る」
椅子の背にもたれ、目を細める。
「どれだけお前が計算しても、二度目は止めるな」
シュアラは少しだけ考え、それから頷いた。
「再利用の余地がなくなったら、そのときは処罰に切り替えます」
「最初からそう言え」
ぶっきらぼうな言葉。だが、さっき倉庫で見たときよりも、カイの目の濁りは薄くなっているように見えた。主観でしかない変化だが、彼女はそれを観察として胸の中に留める。
紙束をまとめ、手帳を開く。新しいページの上部に、ペン先で文字を刻んだ。
『砦の胃袋を縫う』
少し間を空けて、その下にもう一行。
『処罰より再利用』
「……物騒な見出しだな」
向かいから、カイの声が落ちてくる。
彼は椅子の背にもたれ、片肘を机に乗せたまま、眠気と疲労の混ざった目でこちらを眺めている。その奥に、薄く笑いが浮かんでいた。
「仕事の名前は、分かりやすくあるべきです」
シュアラは顔を上げずに答えた。
「中身はもっと物騒ですよ。人を殴るより酷いことをします」
「おい」
カイが眉をひそめる。
「殴るより酷ぇって、本人の前で平然と言うな」
「事実ですから」
淡々と返すと、カイは短く息を吐いた。
「……まあいい。お前の『酷ぇやり方』で、この冬の死人が減るなら、文句はあとでまとめて言う」
「まとめて、ですか」
「ああ。三ヶ月後にな」
そう言って、カイは椅子から立ち上がった。外套を掴み、肩にひっかける。
「ゲルトにも伝えとけ。『殴りかけた兵を止めた分、仕事が増える』ってな」
「それは団長が自分で伝えるべき内容では?」
「やだね」
ぶっきらぼうに言い捨てて、カイは扉へ向かう。取っ手に手をかけたところで、ふと振り返った。
「……ラルスの件」
「はい」
「あいつが本当に“使える”かどうかは、お前のやり方次第だ」
カイの声は低いが、その中にわずかな期待の色が混ざっていた。
「外したら、今度こそ遠慮なく殴る。覚えとけ」
「外さないようにします」
シュアラは手帳を閉じた。
「団長の拳は、砦の資源ですから」
「お前なあ……」
カイは呆れたように笑い、それきり何も言わずに部屋を出ていった。
扉が閉まる音が、静かに響く。
シュアラは一度だけ深く息を吐き、机の上の帳簿に手を伸ばした。まだ乾ききらないインクの匂いと、窓の隙間から入り込む冷たい空気。その境目に、自分の盤面が広がっていると、彼女は理解していた。
机の上には、昼間の在庫表と第三班の勤務表、それに第三倉庫と門を結んだ簡単な地図が広げられている。ランプの炎が揺れ、紙の影が伸びたり縮んだりしていた。鼻をかすめるのは、紙とインクと、冷めかけの酒の匂いだ。
シュアラは椅子に腰を下ろし、帳簿の束を胸元に引き寄せた。背もたれがぎしりと鳴り、木が抗議するように軋む。
「まず、どれくらい削られたかを見ます」
彼女はペンを取ると、昼間の在庫調査の結果と倉庫の記録を重ね合わせ、過去数十日の減りをざっと追っていく。干し肉の袋、押し麦の袋。日付の隅に赤い点を付け、同じあたりに印が集中している列を拾い上げる。
数字を追ううちに、指先の感覚が少しだけ鈍くなってきた。紙の端で、人差し指の腹を軽く切っていた。じわりとにじむ赤を舌で一度拭い、鉄の味を飲み込む。
「……兵五人分の冬の配給、一ヶ月ぶんです」
ペン先が止まり、インクが一箇所で少しだけ滲んだ。
数値を追いかけていた視線を、そのまま別の帳簿へ滑らせる。
(兵五人分一ヶ月。兵一人ぶんに換算すれば百五十日分。西の村への配給量と兵一人ぶんの給金を合わせても、妻と子ども一人の三人家族なら、この冬の終わりまでにおよそ三十日ぶん足りなくなる。ラルスの家も、おそらくその〈足りない側〉にいる)
「……は?」
カイが椅子から身を乗り出した。
「そんなに削れてたのか」
マグカップを持つ手が、僅かに強張る。その指の白さが、彼の驚きの度合いを代弁していた。
「正確な値は、もう少し検算が必要ですが、大きくは変わりません」
シュアラは数字の横に、『暫定』と小さく書き添えた。
「帳簿の上では、これが全部“借り”です」
ラルスの名の横に、細い字で数字を書き込む。そこに金貨の記号はない。ただ、日数と袋の数だけが並ぶ。
「借りを返させる役目は?」
カイの問いには、さっきより冷たい成分が混じっていた。
「倉庫の補修と荷運び、それと配給列の整理です」
シュアラは迷いなく答える。
「倉庫から門までの“抜け道”は、彼が一番よく知っています。その道を潰すにも、壁の穴を塞ぐにも、彼の足と腕が必要です」
「盗人に倉庫を触らせるのかよ」
「盗人だからこそです」
紙の上で、第三倉庫と西門を線で結びながら説明する。
「どこが死角だったか。どの時間が薄かったか。それを全部吐かせて、逆にそこに人を立てる。壁に穴があれば、彼自身に塞がせます。重い石や木材も、彼の肩に乗せます」
「罰と仕事が一緒になってやがるな」
「罰だけの仕事は、長続きしません」
シュアラはきっぱりと言った。
「配給のときは?」
カイがマグカップを机に置く。底が木の板を叩き、鈍い音がする。
「今日、配り終えたはずの飯が、どうして足りなくなったか。列の端で一番よく見ておくべきなのは、本人です」
「……列に座らせるつもりか」
「はい。配給台の横に、縄付きで」
その光景を思い浮かべると、喉の奥が少しだけざらついた。明日の朝の空気が重くなるのも分かる。
「誰がどれだけ食べているか。自分が抜いたぶんで、誰の皿が軽くなったか。それを、彼に毎日見せます。記録も書かせます」
ラルスが数字を書くたびに、誰かの顔を見る。兵士、炊事係、村人。彼らが冬を越せるかどうかは、今後の彼の働きぶんにも関わる。
「……飯はどうする」
しばらく黙っていたカイが、ぼそりと問うた。
「負債が五人分一ヶ月あるってんなら、そいつの配給減らせばいいじゃねえか。半分とか三分の一とか」
「減らします」
シュアラは頷いた。
「ただし、“動けるだけの量”は維持します。動けなくなったら、返済できません」
「やっぱり甘いな」
「甘くありません」
即答してから、彼女は自分の声の硬さに少しだけ気付く。
「死なせると、完全な赤字です」
カイが、呆れたように笑い声を漏らした。
「お前なあ……。人が死ぬのを『赤字』って言う女、初めて見たぞ」
「正確な表現だと思いますが」
シュアラは自分の言葉を内側で一度転がす。感情的な意味ではなく、ただ収支の話として。
それでも、胸の内側が少しだけざわついた。
彼女は懐に手を入れ、封筒の縁を指先でなぞる。
帝都に提出されたはずの、自分の死亡届。ろうを割り、封を切ったあと、再び封じた紙。まだ新しい羊皮紙の感触が、布越しに伝わってくる。
「帝都の帳簿では、私はすでに“死人”です」
独り言のように口に出すと、カイが眉をひそめた。
「ここでまで死にたがってるようには見えねえがな」
「ここでは、逆です」
シュアラは静かに言った。
「帝都の帳簿の中では、私は『使用済みの死者』に分類されています。だからこそ、ヴァルム砦では、できる限り“死なせない側”に回りたい」
カイはしばらく黙り、天井の煤の跡をじっと見ていた。やがて、短く息を吐く。
「……理解はできる」
ぼそりと呟くように言う。
「納得できるかどうかは、正直まだ怪しいがな」
「納得していただく必要はありません」
シュアラは首を振る。
「ただ、“冬までに何人死なせずに済むか”という数字だけは、共有していただきたい」
「お前、本当に変な女だな」
カイは頭を掻きながら笑った。
「ラルスの件は、お前の案でいく。ただし、ひとつだけ条件だ」
「条件?」
「同じことをもう一度やったら、そのときは俺が殴る」
椅子の背にもたれ、目を細める。
「どれだけお前が計算しても、二度目は止めるな」
シュアラは少しだけ考え、それから頷いた。
「再利用の余地がなくなったら、そのときは処罰に切り替えます」
「最初からそう言え」
ぶっきらぼうな言葉。だが、さっき倉庫で見たときよりも、カイの目の濁りは薄くなっているように見えた。主観でしかない変化だが、彼女はそれを観察として胸の中に留める。
紙束をまとめ、手帳を開く。新しいページの上部に、ペン先で文字を刻んだ。
『砦の胃袋を縫う』
少し間を空けて、その下にもう一行。
『処罰より再利用』
「……物騒な見出しだな」
向かいから、カイの声が落ちてくる。
彼は椅子の背にもたれ、片肘を机に乗せたまま、眠気と疲労の混ざった目でこちらを眺めている。その奥に、薄く笑いが浮かんでいた。
「仕事の名前は、分かりやすくあるべきです」
シュアラは顔を上げずに答えた。
「中身はもっと物騒ですよ。人を殴るより酷いことをします」
「おい」
カイが眉をひそめる。
「殴るより酷ぇって、本人の前で平然と言うな」
「事実ですから」
淡々と返すと、カイは短く息を吐いた。
「……まあいい。お前の『酷ぇやり方』で、この冬の死人が減るなら、文句はあとでまとめて言う」
「まとめて、ですか」
「ああ。三ヶ月後にな」
そう言って、カイは椅子から立ち上がった。外套を掴み、肩にひっかける。
「ゲルトにも伝えとけ。『殴りかけた兵を止めた分、仕事が増える』ってな」
「それは団長が自分で伝えるべき内容では?」
「やだね」
ぶっきらぼうに言い捨てて、カイは扉へ向かう。取っ手に手をかけたところで、ふと振り返った。
「……ラルスの件」
「はい」
「あいつが本当に“使える”かどうかは、お前のやり方次第だ」
カイの声は低いが、その中にわずかな期待の色が混ざっていた。
「外したら、今度こそ遠慮なく殴る。覚えとけ」
「外さないようにします」
シュアラは手帳を閉じた。
「団長の拳は、砦の資源ですから」
「お前なあ……」
カイは呆れたように笑い、それきり何も言わずに部屋を出ていった。
扉が閉まる音が、静かに響く。
シュアラは一度だけ深く息を吐き、机の上の帳簿に手を伸ばした。まだ乾ききらないインクの匂いと、窓の隙間から入り込む冷たい空気。その境目に、自分の盤面が広がっていると、彼女は理解していた。
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