38 / 70
第一章 ヴァルム試験国家編
第二十三話 開戦の狼煙(1)
しおりを挟む
砦の影が、ゆっくりと後ろへ縮んでいった。
振り返るたびに、その輪郭が少しずつ薄くなる。門の上の見張り台だけが、いつまでも同じ場所に浮かんでいるように見えた。
荷車は二台。
馬は四頭。
その全部の軸が、きしみながら東へ向かっている。
車輪が踏み固められた雪を噛み、ぎゅ、ぎゅ、と一定のリズムで音を立てた。凍った道の衝撃が、荷台の板を伝って足の裏までじわじわ上がってくる。
「……団長さん、見送り来ませんでしたね」
御者台のすぐ後ろで、ラルスが呟いた。
手袋越しにロープを握りしめたまま、砦の方を一度だけ振り返る。
「忙しいのだと思います」
シュアラは、正面を向いたまま答えた。
忙しいのは事実だ。カイはすでに別の道を通っている。重騎士と歩兵を引き連れて、東の村と谷を結ぶ道の、ぎりぎりまで前に出ているはずだ。
(……それに)
振り返らなかったのは、たぶん自分もだ。
門の上の黒い影が、最後まで団長のものかどうか確かめないまま、荷台に乗った。
代わりに、懐の封筒の位置を確認する。布越しの紙の感触は、いつもと同じだった。
「軍師殿」
馬の左側を並走していたフィンが、手綱を握り直しながら声をかけてきた。馬上から見下ろす形になるが、目線はあまり上からにならないように気をつけているのが分かる。
「さっきから数字数えてる顔してるけど、何の勘定だ?」
「荷の重さと、坂道の摩擦です」
答えながら、頭の中の盤面に線を一本引き足す。
「この速度なら、最初の坂まで二刻ちょうど。そこで一度止まります」
「止まるんですか?」
ラルスが思わず声を上げた。
「走り抜けたほうが楽じゃねえですか。馬的にも俺的にも」
「楽さと、生存率は別の勘定です」
シュアラは、荷台の縁に片手を置いた。冷えた木肌が、手袋越しにもざらりと伝わる。
「最初の坂は、“噛ませどころ”として使います。敵が追ってきた場合、あそこで一度、列を詰まらせる必要がある」
「まだ敵、見えてもねえのに」
「見えるころには遅いので」
ラルスは、分かったような分からないような顔をした。
フィンは口の端だけで笑う。
「つまり、“いつでも詰まらせられるようにしておけ”って話だな」
「はい。そこで一度、練習します」
「練習……」
その響きに、ラルスの肩が目に見えて落ちた。
「俺、一応これでも兵隊なんですけどね。囮隊の練習台って、罰ゲームランク高くないですか」
「違います」
シュアラは即座に否定する。
「これは、“ラルスさんの延命措置”です」
「俺の、ですか」
「はい。坂の途中で荷が崩れたら、あなたが一番下敷きになる位置にいますから」
ラルスは、一瞬口をぱくぱくさせ、そのあと小さくうめいた。
「……やるよ。練習」
御者が吹き出した。フィンもつられて肩を震わせる。
「動機はそれで十分です」
シュアラは、少しだけ息を吐いた。
雪を巻き上げる車輪の音が、だんだん砦から遠ざかっていく。聞き慣れた鍛冶場の槌の音も、門番の咳払いも届かない。
代わりに聞こえるのは、馬の鼻息と、森の奥で折れる枝の音だけだった。
*
最初の坂は、記憶の通りにそこにあった。
砦から東へ一刻半ほど進んだところ。森が一度途切れ、谷へ向かってゆるく落ち込む長い斜面。雪が風で片側に寄っていて、一見するとただの白い丘にしか見えない。
「ここです」
シュアラは、荷台から身を乗り出し、御者に合図した。
「いったん止まってください」
御者が手綱を引く。馬が鼻を鳴らし、足を踏ん張った。
荷車がきゅ、と音を立てて止まる。その場で少しだけ揺れた。
「ここが、“噛ませどころ”の一つです」
荷台から飛び降りると、足首のところまで雪に沈んだ。
冷気が一気に革靴の隙間から入り込んでくる。
坂の上から見下ろすと、道は谷の底まで一本の線になって伸びている。
その先、小さな黒い影のように、橋が見えた。冬の間に何度も凍り、解け、ぎりぎりで持ちこたえている古い木橋だ。
その手前に、雪を固めて作った小さな土手が二つ。
工兵兼任の大工たちが昨夜のうちに作った「止まり木」だ。
「確認します」
シュアラは、ラルスと御者、それにフィンを手招きで集めた。
「敵が後ろから来ているという合図が入ったとき。ここでやることは何ですか」
ラルスが、ぼりぼりと頭をかいた。
「えーと……まず、荷台のロープの一番前をほどく」
「はい」
「それから、重い石袋を、あの土手の内側に落とす」
土手を顎で示す。
「荷車を軽くして、橋の向こうまで逃がす。残った石袋で道を塞いで、敵の足を止める」
「正解です」
シュアラは頷いた。
「ただし、“全部”は落とさないでください。荷が軽くなりすぎると、敵が『中身はスカスカだ』と見抜きます」
「いやあ、欲張りですねえ、軍師殿」
フィンが口笛混じりに言う。
「逃げたいくせに、噛ませる分の肉もちゃんと残したいとは」
「歯ごたえのない餌では、犬も満足しませんから」
自分で言っておきながら、その比喩に喉の奥が少し冷えた。
犬、という単語に、別の夜の気配が重なる。
火のついた幌馬車。
崖下の黒い影。
吠えながら飛びかかってきた男たちの目。
今の坂道に、あの夜の斜面の感覚が一瞬だけ重なった。
(……あのときは、噛ませる側ではなく、噛まれる側でしたね)
自嘲めいた思考を、足元の雪へ押し込むように靴で踏んだ。
「じゃ、実際にやってみるか」
フィンが腰のナイフを抜き、ロープに軽く刃を当てる。
「やらなくていい状況で済むのが一番だが、どうせやるなら今、だ」
「本番でロープ切り損ねたら、俺が一番下敷きになるわけですしね……」
ラルスは、ため息まじりにロープに手をかけた。
結び目を解く。石袋を土手の内側へ滑らせる。荷の傾きが変わる感覚を、全員が一度ずつ身体で覚えた。
ロープを締め直し、荷の高さを揃える。
最後に、シュアラが荷台の横から全体を眺めた。
「……はい。見た目はさほど変わりません」
「中身は七割くらい石ですけどね」
「敵から見えるのは、傾きと数だけです」
フィンが肩をすくめる。
「じゃあ、“いい感じにうまそうな荷車”ってことで」
「はい。“噛ませどころ”に相応しい餌です」
ラルスが、もう一度だけ深く息を吐いた。
「……やっぱ罰ゲームランク高いですよ、これ」
「帰ってきたら、帳簿上の借金もかなり減ります」
「急にやる気出てきた」
現金な返事に、フィンが声を立てて笑った。
笑い声が、冷えた谷に薄く広がる。
遠くの森はまだ静かだ。鳥の影も、狼の声もない。
(静かなうちに、動けるものは全部動かしておく)
シュアラは、もう一度坂の下を見下ろした。
雪に覆われた木橋の向こう、谷の奥に、白い煙が一本立ち上っているのが見える。
東の村の、燻製小屋の煙だ。
冬の間は絶やさないと決めた煙。
それが、今日だけは「まだ飯がある」という合図であると同時に、「ここを狙え」と教える目印にもなる。
喉の奥で、言葉にならない音が一度だけ引っかかった。
振り返るたびに、その輪郭が少しずつ薄くなる。門の上の見張り台だけが、いつまでも同じ場所に浮かんでいるように見えた。
荷車は二台。
馬は四頭。
その全部の軸が、きしみながら東へ向かっている。
車輪が踏み固められた雪を噛み、ぎゅ、ぎゅ、と一定のリズムで音を立てた。凍った道の衝撃が、荷台の板を伝って足の裏までじわじわ上がってくる。
「……団長さん、見送り来ませんでしたね」
御者台のすぐ後ろで、ラルスが呟いた。
手袋越しにロープを握りしめたまま、砦の方を一度だけ振り返る。
「忙しいのだと思います」
シュアラは、正面を向いたまま答えた。
忙しいのは事実だ。カイはすでに別の道を通っている。重騎士と歩兵を引き連れて、東の村と谷を結ぶ道の、ぎりぎりまで前に出ているはずだ。
(……それに)
振り返らなかったのは、たぶん自分もだ。
門の上の黒い影が、最後まで団長のものかどうか確かめないまま、荷台に乗った。
代わりに、懐の封筒の位置を確認する。布越しの紙の感触は、いつもと同じだった。
「軍師殿」
馬の左側を並走していたフィンが、手綱を握り直しながら声をかけてきた。馬上から見下ろす形になるが、目線はあまり上からにならないように気をつけているのが分かる。
「さっきから数字数えてる顔してるけど、何の勘定だ?」
「荷の重さと、坂道の摩擦です」
答えながら、頭の中の盤面に線を一本引き足す。
「この速度なら、最初の坂まで二刻ちょうど。そこで一度止まります」
「止まるんですか?」
ラルスが思わず声を上げた。
「走り抜けたほうが楽じゃねえですか。馬的にも俺的にも」
「楽さと、生存率は別の勘定です」
シュアラは、荷台の縁に片手を置いた。冷えた木肌が、手袋越しにもざらりと伝わる。
「最初の坂は、“噛ませどころ”として使います。敵が追ってきた場合、あそこで一度、列を詰まらせる必要がある」
「まだ敵、見えてもねえのに」
「見えるころには遅いので」
ラルスは、分かったような分からないような顔をした。
フィンは口の端だけで笑う。
「つまり、“いつでも詰まらせられるようにしておけ”って話だな」
「はい。そこで一度、練習します」
「練習……」
その響きに、ラルスの肩が目に見えて落ちた。
「俺、一応これでも兵隊なんですけどね。囮隊の練習台って、罰ゲームランク高くないですか」
「違います」
シュアラは即座に否定する。
「これは、“ラルスさんの延命措置”です」
「俺の、ですか」
「はい。坂の途中で荷が崩れたら、あなたが一番下敷きになる位置にいますから」
ラルスは、一瞬口をぱくぱくさせ、そのあと小さくうめいた。
「……やるよ。練習」
御者が吹き出した。フィンもつられて肩を震わせる。
「動機はそれで十分です」
シュアラは、少しだけ息を吐いた。
雪を巻き上げる車輪の音が、だんだん砦から遠ざかっていく。聞き慣れた鍛冶場の槌の音も、門番の咳払いも届かない。
代わりに聞こえるのは、馬の鼻息と、森の奥で折れる枝の音だけだった。
*
最初の坂は、記憶の通りにそこにあった。
砦から東へ一刻半ほど進んだところ。森が一度途切れ、谷へ向かってゆるく落ち込む長い斜面。雪が風で片側に寄っていて、一見するとただの白い丘にしか見えない。
「ここです」
シュアラは、荷台から身を乗り出し、御者に合図した。
「いったん止まってください」
御者が手綱を引く。馬が鼻を鳴らし、足を踏ん張った。
荷車がきゅ、と音を立てて止まる。その場で少しだけ揺れた。
「ここが、“噛ませどころ”の一つです」
荷台から飛び降りると、足首のところまで雪に沈んだ。
冷気が一気に革靴の隙間から入り込んでくる。
坂の上から見下ろすと、道は谷の底まで一本の線になって伸びている。
その先、小さな黒い影のように、橋が見えた。冬の間に何度も凍り、解け、ぎりぎりで持ちこたえている古い木橋だ。
その手前に、雪を固めて作った小さな土手が二つ。
工兵兼任の大工たちが昨夜のうちに作った「止まり木」だ。
「確認します」
シュアラは、ラルスと御者、それにフィンを手招きで集めた。
「敵が後ろから来ているという合図が入ったとき。ここでやることは何ですか」
ラルスが、ぼりぼりと頭をかいた。
「えーと……まず、荷台のロープの一番前をほどく」
「はい」
「それから、重い石袋を、あの土手の内側に落とす」
土手を顎で示す。
「荷車を軽くして、橋の向こうまで逃がす。残った石袋で道を塞いで、敵の足を止める」
「正解です」
シュアラは頷いた。
「ただし、“全部”は落とさないでください。荷が軽くなりすぎると、敵が『中身はスカスカだ』と見抜きます」
「いやあ、欲張りですねえ、軍師殿」
フィンが口笛混じりに言う。
「逃げたいくせに、噛ませる分の肉もちゃんと残したいとは」
「歯ごたえのない餌では、犬も満足しませんから」
自分で言っておきながら、その比喩に喉の奥が少し冷えた。
犬、という単語に、別の夜の気配が重なる。
火のついた幌馬車。
崖下の黒い影。
吠えながら飛びかかってきた男たちの目。
今の坂道に、あの夜の斜面の感覚が一瞬だけ重なった。
(……あのときは、噛ませる側ではなく、噛まれる側でしたね)
自嘲めいた思考を、足元の雪へ押し込むように靴で踏んだ。
「じゃ、実際にやってみるか」
フィンが腰のナイフを抜き、ロープに軽く刃を当てる。
「やらなくていい状況で済むのが一番だが、どうせやるなら今、だ」
「本番でロープ切り損ねたら、俺が一番下敷きになるわけですしね……」
ラルスは、ため息まじりにロープに手をかけた。
結び目を解く。石袋を土手の内側へ滑らせる。荷の傾きが変わる感覚を、全員が一度ずつ身体で覚えた。
ロープを締め直し、荷の高さを揃える。
最後に、シュアラが荷台の横から全体を眺めた。
「……はい。見た目はさほど変わりません」
「中身は七割くらい石ですけどね」
「敵から見えるのは、傾きと数だけです」
フィンが肩をすくめる。
「じゃあ、“いい感じにうまそうな荷車”ってことで」
「はい。“噛ませどころ”に相応しい餌です」
ラルスが、もう一度だけ深く息を吐いた。
「……やっぱ罰ゲームランク高いですよ、これ」
「帰ってきたら、帳簿上の借金もかなり減ります」
「急にやる気出てきた」
現金な返事に、フィンが声を立てて笑った。
笑い声が、冷えた谷に薄く広がる。
遠くの森はまだ静かだ。鳥の影も、狼の声もない。
(静かなうちに、動けるものは全部動かしておく)
シュアラは、もう一度坂の下を見下ろした。
雪に覆われた木橋の向こう、谷の奥に、白い煙が一本立ち上っているのが見える。
東の村の、燻製小屋の煙だ。
冬の間は絶やさないと決めた煙。
それが、今日だけは「まだ飯がある」という合図であると同時に、「ここを狙え」と教える目印にもなる。
喉の奥で、言葉にならない音が一度だけ引っかかった。
11
あなたにおすすめの小説
遡ったのは君だけじゃない。離縁状を置いて出ていった妻ーー始まりは、そこからだった。
沼野 花
恋愛
夫と子供たちに、選ばれなかったイネス。
すべてを愛人に奪われ、彼女は限界を迎え、屋敷を去る。
だが、その先に待っていたのは、救いではなかった。
イネスを襲った、取り返しのつかない出来事。
変わり果てた現実を前に、
夫はようやく、自分が何を失ったのかを思い知る。
深い後悔と悲しみに苛まれながら、
失ったイネスの心を取り戻そうとする夫。
しかし、彼女の心はすでに、外の世界へと向かっていた。
贖罪を背負いながらもイネスを求め続ける夫。
そして、母の心を知っていく子供たち。
イネスが求める愛とは、
そして、幸せとは――。
婚約破棄で悪役令嬢を辞めたので、今日から素で生きます。
黒猫かの
恋愛
「エリー・オルブライト! 貴様との婚約を破棄する!」
豪華絢爛な夜会で、ウィルフレッド王子から突きつけられた非情な宣告。
しかし、公爵令嬢エリーの心境は……「よっしゃあ! やっと喋れるわ!!」だった。
身代わりで呪いの公爵に嫁ぎましたが、聖女の力で浄化したら離縁どころか国一番の溺愛妻になりました〜実家が泣きついてももう遅い〜
しょくぱん
恋愛
「お前のような無能は、死神の生贄にでもなっていろ」
魔力なしの無能と蔑まれ、家族に虐げられてきた伯爵令嬢レティシア。 彼女に命じられたのは、近づく者すべてを病ませるという『呪いの公爵』アレクシスへの身代わり結婚だった。
鉄格子の馬車で運ばれ、たどり着いたのは瘴気に満ちた死の城。 恐ろしい怪物のような男に殺される――。 そう覚悟していたレティシアだったが、目の前の光景に絶望よりも先に別の感情が湧き上がる。
(な、何これ……汚すぎるわ! 雑巾とブラシはどこ!?)
実は、彼女が「無能」と言われていたのは、その力が『洗浄』と『浄化』に特化した特殊な聖女の魔力だったから。
レティシアが掃除をすれば、呪いの瘴気は消え去り、枯れた大地には花が咲き、不気味だった公爵城はまたたく間にピカピカの聖域に塗り替えられていく。 さらには、呪いで苦しんでいたアレクシスの素顔は、見惚れるほどの美青年で――。
「レティシア、君は一体何者なんだ……? 体が、こんなに軽いのは初めてだ」
冷酷だったはずの公爵様から、まさかの執着と溺愛。 さらには、呪いが解けたことで領地は国一番の豊かさを取り戻していく。
一方で、レティシアを捨てた実家は、彼女の『浄化』を失ったことで災厄に見舞われ、今さら「戻ってきてくれ」と泣きついてくるが……。
「私は今、お城の掃除と旦那様のお世話で忙しいんです。お引き取りくださいませ」
これは、掃除を愛する薄幸令嬢が、その愛と魔力で死神公爵を救い、最高に幸せな居場所を手に入れるまでのお話。
なぜ、私に関係あるのかしら?
シエル
ファンタジー
「初めまして、アシュフォード公爵家一女、セシリア・アシュフォードと申します」
彼女は、つい先日までこの国の王太子殿下の婚約者だった。
そして今日、このトレヴァント辺境伯家へと嫁いできた。
「…レオンハルト・トレヴァントだ」
非道にも自らの実妹を長年にわたり虐げ、婚約者以外の男との不適切な関係を理由に、王太子妃に不適格とされ、貴族学院の卒業式で婚約破棄を宣告された。
そして、新たな婚約者として、その妹が王太子本人から指名されたのだった。
「私は君と夫婦になるつもりはないし、辺境伯夫人として扱うこともない」
この判断によって、どうなるかなども考えずに…
※ 中世ヨーロッパ風の世界観です。
※ ご都合主義ですので、ご了承下さい、
※ 画像はAIにて作成しております
お前のような地味な女は不要だと婚約破棄されたので、持て余していた聖女の力で隣国のクールな皇子様を救ったら、ベタ惚れされました
夏見ナイ
恋愛
伯爵令嬢リリアーナは、強大すぎる聖女の力を隠し「地味で無能」と虐げられてきた。婚約者の第二王子からも疎まれ、ついに夜会で「お前のような地味な女は不要だ!」と衆人の前で婚約破棄を突きつけられる。
全てを失い、あてもなく国を出た彼女が森で出会ったのは、邪悪な呪いに蝕まれ死にかけていた一人の美しい男性。彼こそが隣国エルミート帝国が誇る「氷の皇子」アシュレイだった。
持て余していた聖女の力で彼を救ったリリアーナは、「お前の力がいる」と帝国へ迎えられる。クールで無愛想なはずの皇子様が、なぜか私にだけは不器用な優しさを見せてきて、次第にその愛は甘く重い執着へと変わっていき……?
これは、不要とされた令嬢が、最高の愛を見つけて世界で一番幸せになる物語。
『外見しか見なかったあなたへ。私はもう、選ぶ側です』
鷹 綾
恋愛
「お前のようなガキは嫌いだ」
幼く見える容姿を理由に、婚約者ライオネルから一方的に婚約を破棄された
公爵令嬢シルフィーネ・エルフィンベルク。
その夜、嫉妬に狂った伯爵令嬢に突き落とされ、
彼女は一年もの間、意識不明の重体に陥る――。
目を覚ました彼女は、大人びた美貌を手に入れていた。
だが、中身は何ひとつ変わっていない。
にもかかわらず、
かつて彼女を「幼すぎる」と切り捨てた元婚約者は態度を一変させ、
「やり直したい」とすり寄ってくる。
「見かけが変わっても、中身は同じです。
それでもあなたは、私の外見しか見ていなかったのですね?」
静かにそう告げ、シルフィーネは過去を見限る。
やがて彼女に興味を示したのは、
隣国ノルディアの王太子エドワルド。
彼が見ていたのは、美貌ではなく――
対話し、考え、異論を述べる彼女の“在り方”だった。
これは、
外見で価値を決められた令嬢が、
「選ばれる人生」をやめ、
自分の意思で未来を選び直す物語。
静かなざまぁと、
対等な関係から始まる大人の恋。
そして――
自分の人生を、自分の言葉で生きるための物語。
---
王子、おひとり様で残りの人生をお楽しみください!
ちゃっぴー
恋愛
「ラーニャ、貴様との婚約を破棄する!」
卒業パーティーの真っ最中、ナルシストな第一王子ウィルフレッドに身に覚えのない罪で断罪された公爵令嬢ラーニャ。しかし、彼女はショックを受けるどころか、優雅に微笑んで拍手を送った。
なぜなら、ラーニャはとっくに王子の無能さに愛想を尽かし、この日のために完璧な「撤退準備」を進めていたからだ。
勘当された悪役令嬢は平民になって幸せに暮らしていたのになぜか人生をやり直しさせられる
千環
恋愛
第三王子の婚約者であった侯爵令嬢アドリアーナだが、第三王子が想いを寄せる男爵令嬢を害した罪で婚約破棄を言い渡されたことによりスタングロム侯爵家から勘当され、平民アニーとして生きることとなった。
なんとか日々を過ごす内に12年の歳月が流れ、ある時出会った10歳年上の平民アレクと結ばれて、可愛い娘チェルシーを授かり、とても幸せに暮らしていたのだが……道に飛び出して馬車に轢かれそうになった娘を助けようとしたアニーは気付けば6歳のアドリアーナに戻っていた。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる